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公開番号2024068421
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-20
出願番号2022178858
出願日2022-11-08
発明の名称電池監視装置
出願人株式会社デンソー
代理人弁理士法人サトー
主分類G01R 19/00 20060101AFI20240513BHJP(測定;試験)
要約【課題】複数の電池セルの電圧の検出に要する全体の検出時間の増加を抑制しつつ電圧の検出精度を高める。
【解決手段】電池監視IC3は、複数の電池セルCbのそれぞれの両端子に接続される検出経路を介して複数の電池セルCbの電圧を検出する。フィルタ4は、検出経路に直列に介在する。電池監視IC3が備える制御部5は、検出対象となる電池セルCbである対象電池セルの電圧を検出する際、対象電池セルに対応する検出経路がADC7に接続されるようにMUX6の動作を制御し、今回の対象電池セルの電圧と、前回の検出経路によりADC7に接続された対象電池セルの電圧または初期状態のMUX6およびADC7における所定の箇所の電圧と、の電位差が所定の閾値以上になる場合、今回の対象電池セルの電圧を検出する前に検出経路に比べて時定数が小さい非検出経路がADC7に接続されるようにMUX6の動作を制御する期間である非検出期間を設ける。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
複数の電池セル(Cb)が直列接続された構成の組電池(2)を監視する電池監視装置であって、
前記複数の電池セルのそれぞれの両端子に接続される検出経路を介して前記複数の電池セルの電圧を検出する電圧検出装置(3)と、
前記複数の電池セルのそれぞれに対応して設けられ、前記検出経路に直列に介在するフィルタ(4、22)と、
を備え、
前記電圧検出装置は、
前記複数の電池セルの電圧に応じた検出対象電圧をA/D変換するA/D変換器(7)と、
前記A/D変換器に接続される経路を切り替える経路切替部(6)と、
前記経路切替部および前記A/D変換器の動作を制御するとともに、前記A/D変換器から出力されるデジタル信号に基づいて前記複数の電池セルのそれぞれの電圧を時分割で検出する検出制御部(5)と、
を備え、
前記検出制御部は、
前記複数の電池セルのうち検出対象となる電池セルである対象電池セルの電圧を検出する際、前記対象電池セルに対応する前記検出経路が前記A/D変換器に接続されるように前記経路切替部の動作を制御し、
今回の前記対象電池セルの電圧と、前回の前記検出経路により前記A/D変換器に接続された前記対象電池セルの電圧または初期状態の前記経路切替部および前記A/D変換器における所定の箇所の電圧と、の電位差が所定の閾値以上になる場合、今回の前記対象電池セルの電圧を検出する前に前記検出経路に比べて時定数が小さい非検出経路が前記A/D変換器に接続されるように前記経路切替部の動作を制御する期間である非検出期間を設ける電池監視装置。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
前記経路切替部は、1つのマルチプレクサ(6)を備え、その1つのマルチプレクサにより前記検出経路および前記非検出経路のうちいずれか1つを前記A/D変換器に接続する経路として選択する構成となっている請求項1に記載の電池監視装置。
【請求項3】
前記経路切替部は、前記対象電池セルの両端子のうち一方だけが前記A/D変換器に接続されるように経路を切り替える第1切替動作を実行可能であり、
前記検出制御部は、前記非検出期間では、前記経路切替部が前記第1切替動作を実行するように、その動作を制御する請求項1または2に記載の電池監視装置。
【請求項4】
前記検出制御部は、前記非検出期間が、前記対象電池セルの電圧を検出するように前記経路切替部の動作を制御する検出期間に対して短い期間となるように、前記経路切替部および前記A/D変換器の動作を制御する請求項1または2に記載の電池監視装置。
【請求項5】
前記経路切替部は、前記複数の電池セルのそれぞれを放電するための経路である均等化経路が前記A/D変換器に接続されるように経路を切り替える第2切替動作を実行可能であり、
前記検出制御部は、前記非検出期間では、前記経路切替部が前記第2切替動作を実行するように、その動作を制御する請求項1または2に記載の電池監視装置。
【請求項6】
前記検出制御部は、前記電位差が前記閾値以上になるか否かを判定し、その判定結果に基づいて前記非検出期間を設ける請求項1または2に記載の電池監視装置。
【請求項7】
前記検出制御部は、前記電位差が前記閾値以上になるか否かを予め判断した結果に基づいて前記非検出期間を予め設ける請求項1または2に記載の電池監視装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電池セルが直列接続された組電池を監視する電池監視装置に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1、2には、マルチプレクサおよび1つのA/D変換器を備え、そのA/D変換器を用いて複数の電池セルの電圧を時分割でA/D変換して検出する構成の電池監視装置が開示されている。なお、本明細書では、A/D変換器のことをADCと省略することがある。上記構成の電池監視装置には、複数の電池セルのそれぞれの両端子に接続される検出経路に直列に介在するフィルタが設けられている。この場合、フィルタとしては、電池セルに重畳するノイズの除去機能を実現するため、比較的高い抵抗値を持つ抵抗およびキャパシタからなるローパスフィルタとして構成される。以下、特許文献1および特許文献2に開示された電池監視装置のことを、それぞれ第1従来技術および第2従来技術と称することがある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
特許第5582116号公報
米国特許出願公開第2011/0050278号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
第1従来技術および第2従来技術では、初回の電圧検出時または特に検出対象が最上位の電池セルから最下位の電池セルへと切り替わるときなど検出対象の電池セルのコモン電圧が大きく変動するとき、マルチプレクサの初期化による電荷放電に起因してフィルタに誤差要因となる電流が流れ、その結果、電圧の検出誤差が発生するおそれがある。そのため、複数の電池セルのうち検出対象となる電池セルを任意に選択可能にすると、初期のウェイトを入れる必要が発生し、ロジックも複雑化する。
【0005】
このような問題への対策として、第2従来技術では、最下位の電池セルから最上位の電池セルへと検出対象を順番に切り替え、その後、最上位の電池セルから最下位の電池セルへと検出対象を順番に切り替えるといったピラミッドサンプリングによる方式が提案されている。しかし、このような方式を採用した構成であっても、初回の検出対象を最下位の電池セルではなく、それよりも上位の電池セルとした場合には、初回の電圧検出時における電圧の検出誤差が発生する問題を解消することができない。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の電池セルの電圧の検出に要する全体の検出時間の増加を抑制しつつ電圧の検出精度を高めることができる電池監視装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の電池監視装置は、複数の電池セル(Cb)が直列接続された構成の組電池(2)を監視する電池監視装置であって、前記複数の電池セルのそれぞれの両端子に接続される検出経路を介して前記複数の電池セルの電圧を検出する電圧検出装置(3)と、前記複数の電池セルのそれぞれに対応して設けられ、前記検出経路に直列に介在するフィルタ(4、22)と、を備える。前記電圧検出装置は、前記複数の電池セルの電圧に応じた検出対象電圧をA/D変換するA/D変換器(7)と、前記A/D変換器に接続される経路を切り替える経路切替部(6)と、前記経路切替部および前記A/D変換器の動作を制御するとともに、前記A/D変換器から出力されるデジタル信号に基づいて前記複数の電池セルのそれぞれの電圧を時分割で検出する検出制御部(5)と、を備える。
【0008】
前記検出制御部は、前記複数の電池セルのうち検出対象となる電池セルである対象電池セルの電圧を検出する際、前記対象電池セルに対応する前記検出経路が前記A/D変換器に接続されるように前記経路切替部の動作を制御する。また、前記検出制御部は、今回の前記対象電池セルの電圧と、前回の前記検出経路により前記A/D変換器に接続された前記対象電池セルの電圧または初期状態の前記経路切替部および前記A/D変換器における所定の箇所の電圧と、の電位差が所定の閾値以上になる場合、今回の前記対象電池セルの電圧を検出する前に前記検出経路に比べて時定数が小さい非検出経路が前記A/D変換器に接続されるように前記経路切替部の動作を制御する期間である非検出期間を設ける。
【0009】
このような構成によれば、初回の電圧検出時または特に検出対象が最上位の電池セルから最下位の電池セルへと切り替わるときなど検出対象の電池セルのコモン電圧が大きく変動するときには、非検出期間が設けられる。そのため、上記構成によれば、このようなときに、電圧検出の誤差要因となる電荷が非検出経路を介して放電されることになり、電圧の検出誤差の発生が抑制される。また、この場合、非検出経路は、検出経路に比べて時定数が小さい経路となっていることから、電荷の放電に要する時間、ひいては非検出期間を比較的短い時間に抑えることができる。したがって、上記構成によれば、複数の電池セルの電圧の検出に要する全体の検出時間の増加を抑制しつつ電圧の検出精度を高めることができるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
第1実施形態に係る電池監視装置の構成を模式的に示す図
第1実施形態に係る電圧検出時に電池監視ICにより行われる一連の動作の具体例を説明するための図
比較例に係る電圧検出時に電池監視ICにより行われる一連の動作の具体例を説明するための図
比較例に係る所定の電池セルの電圧を検出する際における所定の電池セルからADCへと至る経路に介在する具体的な回路構成を示す図
第1実施形態および比較例に係るフィルタを通過する経路およびフィルターを通過しない経路での充放電特性の一例を模式的に示す図
第1実施形態に係る所定の電池セルの電圧を検出する際における所定の電池セルからADCへと至る経路に介在する具体的な回路構成を示す図
第2実施形態に係る電池監視装置の構成を模式的に示す図
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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