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公開番号2024066171
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-15
出願番号2022175547
出願日2022-11-01
発明の名称中空床版橋の補修型枠及び補修方法
出願人ケイコン株式会社
代理人個人
主分類E01D 19/12 20060101AFI20240508BHJP(道路,鉄道または橋りょうの建設)
要約【課題】中空床版橋の床版としての機能を回復できる補修として、床版厚を確保して、補修対象範囲を限定し、床版復旧作業が短期間で、交通規制が少ないものを提供する。
【解決手段】中空床版橋1の浮き上がった円筒型枠32による床版破損部4を、円筒型枠3内に内装される補修型枠6にて補修するものであり、床版補修部5は、損傷上部床版51と隣接上部床版52として設定し、該床版補修部は、正規位置の円筒型枠の上端位置31Hまで撤去されて、床版補修部水平面53が形成され、内装部61・61と支持部62からなる鼓形状の中空袋形状の補修型枠は、床版補修部水平面53の円筒型枠の切断開口部32Sから円筒型枠内に内装されて膨張され、円筒型枠と補修型枠との空隙7には充填材8が充填されて、床版補修部水平面上部には、正規の床版厚さのコンクリート9が打設される、中空床版橋の補修型枠及び補修工法である。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
中空床版橋の浮き上がった円筒型枠により床版厚が不足して発生した床版破損部を補修する補修型枠であって、
前記床版損傷部は、前記円筒型枠の浮き上り部分の上部に位置する損傷上部床版で、
床版補修部は、前記損傷上部床版及び前記損傷上部床版に隣接する浮き上がりの無い正規位置にある前記円筒型枠の上部に位置する隣接上部床版から構成され、前記床版補修部は、正規位置にある前記円筒型枠の上端位置まで撤去され、その際前記円筒型枠の浮き上り部分は前記上端位置で切断撤去されて、床版補修部水平面を形成されており、
前記補修型枠は、中空袋形状であり、
両端部には、前記円筒型枠の内径と同等な外径からなる内装部が形成され、
中央部には、橋軸方向中央に向って対称に縮径部を有し、前記橋軸方向中央に前記円筒型枠の内径から前記円筒型枠の浮き上り部分の最大浮き上がり高さを減じた外径の最小縮径部を有してなる支持部が形成され、
前記補修型枠の前記各部は、前記円筒型枠内に内装されて、前記床版補修部水平面には、正規の床版厚さのコンクリートが打設されることを特徴とする、中空床版橋の補修型枠。
続きを表示(約 990 文字)【請求項2】
前記補修型枠の前記各部は、前記円筒型枠内に内装された際、前記各部外径まで膨張して前記円筒型枠に内接し、前記円筒型枠と前記補修型枠との空隙には、充填材が充填されて前記床版補修部水平面に一致した水平面が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の中空床版橋の補修型枠。
【請求項3】
前記補修型枠の前記各部は、ターポリンで形成されたことを特徴とする、請求項2に記載の中空床版橋の補修型枠。
【請求項4】
前記補修型枠の前記支持部には、前記補修型枠を膨張させるための外部空気圧縮機とつながる送気管が形成され、前記外部空気圧縮機により、前記各部は前記各部外径まで膨張することを特徴とする、請求項3に記載の中空床版橋の補修型枠。
【請求項5】
中空床版橋の浮き上がった円筒型枠により床版厚が不足して発生した床版破損部を補修する補修方法であって、
前記床版破損部である前記円筒型枠の浮き上り部分の上部に位置する損傷上部床版の事前調査を実施し、前記円筒型枠の前記浮き上り部分の浮き上がり高さと浮き上がり範囲を把握して損傷上部床版を設定し、
床版補修部の範囲を、前記損傷上部床版及び前記損傷上部床版に隣接する正規位置にある前記円筒型枠の上部に位置する隣接上部床版とし、
前記床版補修部の範囲を、正規位置にある前記円筒型枠の上端位置まで撤去し、その際前記円筒型枠の浮き上り部分は前記上端位置で切断撤去して、床版補修部水平面を形成し、
前記補修型枠は、中空袋形状であり、
両端部には、前記円筒型枠の内径と同等な外径からなる内装部が形成され、
中央部には、橋軸方向中央に向って対称に縮径部を有し、前記橋軸方向中央に前記円筒型枠の内径から前記円筒型枠の浮き上り部分の最大浮き上がり高さを減じた外径の最小縮径部を有してなる支持部が形成されており、
前記補修型枠の前記各部を、前記円筒型枠内に内装した後、前記各部外径まで膨張させて前記円筒型枠に内接し、
前記円筒型枠と前記補修型枠との空隙に、充填材が充填されて前記床版補修部水平面に一致した水平面を形成し、
前記床版補修部水平面の上部に、正規の床版厚さのコンクリートを打設することを特徴とする、中空床版橋の補修方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
円筒型枠を上部工型枠の中に固定してコンクリートを打設して橋げたと床版を一体施工した中空床版橋において、円筒型枠の固定が不十分でコンクリートの浮力で円筒型枠が、橋軸方向に沿って鉛直方向上方向に浮き上がり、床版の厚さが不足して床版が陥没する事例が多発している。本発明は、浮き上がった円筒型枠の浮き上がり部分を含む床版を切断撤去し、補修型枠を円筒型枠内に内装し、膨張させて、撤去した部分にコンクリートを打設することにより、当初の床版厚を確保して補修する、中空床版橋の補修に関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
中空床版橋は、中小橋の橋げたと床版の施工を合理化するため、メッキ鋼板製の円筒型枠を上部工型枠の中に固定して、コンクリートを打設して橋げたと床版を一体施工するものである。全国の国道や高速道路で大量に施工されているが、円筒型枠の固定が不十分で、コンクリートの浮力で円筒型枠が浮き上がり、床版の厚さが不足して、通過台数の累加により床版が陥没する事例が多発している。この事例は2005年に円筒型枠の固定方法が改善されてからは見られないとのことであるが、それまでの建設件数が多く、供用後の経過年数も長くなり、道路維持管理上の課題となっている。
【0003】
特許文献1の中空床版1の補強は、中空床版1の中空部内面を長尺の補強材で補強することにより、クラックなどが上面から中空部に貫通することを防止し、床版の上面からの荷重に対する耐久性を上げるものである。中空床版1の底壁2に、底表面3で開口しボイド管10に達する孔4を設け、スペーサ20を、孔4からボイド管10に搬入し、ボイド管10の内面に沿って設置する。続いて、スペーサ20の内側の空間に、硬質塩化ビニール管の外周面に炭素繊維シートを張り付けた、オメガ状補強材30を挿入する。続いて、補強材30の管内部に加熱蒸気を注入し、補強材30を膨張させる。膨張した状態の補強材30は、横断面形状が円形となり、スペーサ20の内側に密着し、スペーサ20もボイド管10の内面に密着した状態となる。最後に、補強材30の外周面の炭素繊維シートと、ボイド管10の内面との、スペーサ20により形成された隙間に、モルタル40を充填する。補強作業は、中空床版の底表面に開口し中空部に達する孔を介して行うことができるため、作業に伴う通行規制が不要である。
【0004】
特許文献2は、ボイド管12を埋め込んだ状態で成形されたコンクリート中空床版10を長手方向の所定範囲に亘って部分的に補修・補強するに際し、予定した施工範囲の端部においてコンクリート中空床版10の中空部14にアルミ風船36を膨張させて成る堰止め部26を形成し、しかる後に予定した施工範囲の中空部14に発泡ポリウレタン24-1、24-2を充填するものである。そして、予定した施工範囲のみに部分的に中空部に発泡ポリウレタンを充填し得て、部分的な補修施工を効率的に行い得て、従って低コスト且つ短時間で施工を終えることができる。
【0005】
特許文献3の中空型枠上に発生した舗装の陥没や穴の補修には、プレキャストコンクリート板32が用いられる。まず、損傷を生じた箇所およびその周囲の舗装、ならびに鉄筋12上のコンクリートを除去し、穴を生じていない箇所の上面にプライマーを塗布し、モルタルを打ち込み、その上にプレキャストコンクリート板32を敷設する。プレキャストコンクリート板32には、格子状の鉄筋12或いはPC鋼材36で補強されると共に両端付近には貫通孔33が設けられ、貫通孔33を利用して治具やアンカーでプレキャストコンクリート板32とコンクリート床版を一体化させる。そのため従来の施工方法で補修を行う場合に比べて施工時間が大幅に短縮できる。さらにプレキャストコンクリート板32の厚さは、必要な耐荷性に合わせて調整できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2015-117475号公報
特開2005-220629号公報
特開2016-141991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の補修方法は、浮き上がった円筒型枠の上端部分の位置は現状のまま、劣化した床版部分を撤去して、床版厚を厚くする、又は床版厚を薄く高強度のものとする等の補修方法が試行されていた。
【0008】
本発明は、浮き上がった円筒型枠の浮き上がり部分を含む床版を切断撤去し、補修型枠を円筒型枠内に内装及び膨張させて、切断撤去した部分にコンクリートを打設することにより、所定の床版厚を確保して補修する、中空床版橋の補修に関するものである。
【0009】
特許文献1は、中空床版の中空部内面を長尺の補強材で補強することにより、クラックなどが上面から中空部に貫通することを防止し、床版の上面からの荷重に対する耐久性を上げるものである。このため、円筒型枠が浮き上たり、クラックなどが上面から中空部に貫通した床版への採用は困難である。
【0010】
特許文献2は、ボイド管12が埋め込まれたコンクリート中空床版10の長手方向所定範囲に亘って、ボイド管12の中空部14に発泡ポリウレタンを充填して部分的に補修・補強するものである。このため、円筒型枠が浮き上たり、クラックなどが上面から中空部に貫通した床版への採用は困難である。
(【0011】以降は省略されています)

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