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公開番号2024065582
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-15
出願番号2022174522
出願日2022-10-31
発明の名称無水マレイン酸変性ポリエチレンワックスおよびその製造方法
出願人東ソー株式会社
代理人
主分類C08F 8/46 20060101AFI20240508BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】溶融混練した際の流動性が高く、水酸基などの極性基含有樹脂との反応性が高い無水マレイン酸変性ポリエチレンワックスを提供する。
【解決手段】下記(1)~(2)を満たす熱分解無水マレイン酸変性ポリエチレンワックス。
(1)GPC法によって測定した数平均分子量が、500以上3,000未満である。
(2)1H-NMR測定によって算出した主鎖CH21000個当たりのグラフト化無水マレイン酸の数が、0.5以上20以下である。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記(1)~(2)を満たす無水マレイン酸変性熱分解ポリエチレンワックス。
(1)GPC法によって測定した数平均分子量が、500以上3,000未満である。
(2)

H-NMR測定によって算出した主鎖CH

1000個当たりのグラフト化無水マレイン酸の数が、0.5以上20以下である。
続きを表示(約 350 文字)【請求項2】
以下の工程(a)、(b)を含む請求項1に記載の無水マレイン酸変性熱分解ポリエチレンワックスの製造方法。
(a)押出機に供給されたポリエチレン系樹脂を熱分解する工程
(b)工程(a)で得られた熱分解ポリエチレンワックスを押出機中で無水マレイン酸変性する工程
【請求項3】
工程(a)の押出機のシリンダ温度が330℃以上480℃以下、工程(b)の押出機のシリンダ温度が150℃以上250℃以下である、請求項2に記載の無水マレイン酸変性熱分解ポリエチレンワックスの製造方法。
【請求項4】
工程(a)及び工程(b)を、連結されたそれぞれ異なる押出機で行う、請求項2又は3に記載の無水マレイン酸変性熱分解ポリエチレンワックスの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、無水マレイン酸変性ポリエチレンワックスおよびその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
分子量1万以下の低分子量ポリマーは、分子量数万から数十万の一般的なポリマーとは異なる物理的、化学的性質を示す。なかでも低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンなどのポリオレフィンワックスは、生産されるプラスチックの多くを占めるポリオレフィンと高い相溶性を示し、顔料分散剤や成形加工助剤、インキまたは塗料の添加剤、ホットメルト接着剤の添加剤など幅広い用途に使用されている。さらに、ポリオレフィンワックスを変性することで得られる変性ポリオレフィンワックスは、水酸基などの極性基含有成分との相溶性が高いことから、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネートなどの合成樹脂とポリオレフィンから成るポリマーアロイにおける相溶化剤だけでなく、木粉、紙粉などのセルロース系粉末、ガラス繊維などをポリオレフィン系樹脂に複合化する際の分散剤としても有用である。一般的に、ポリエチレンを変性させる手法としては、エチレン系モノマーと不飽和無水カルボン酸を共重合させる重合法と、ポリエチレンに不飽和無水カルボン酸をグラフト化させるグラフト法などが挙げられる。グラフト法については廃棄されたポリエチレンを使用することができるため、近年重要視されているリサイクルの観点からも有用な手法である。グラフト化の方法としては、バッチ式(例えば、特許文献1、2)、連続式いずれの方法も知られており、連続式では、押出機中で溶融させたポリエチレンに無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸を導入し、反応押出する方法(例えば、特許文献3~7参照。)が例示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2004-114610号公報
特開2022-29376号公報
特開2006-342290号公報
特表2008-516059号公報
特許第5385129号公報
特表平9-506657号公報
特開2021-73331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に提案された変性低分子量エチレン系重合体は、バッチ式で長い反応時間を要するため、生産性に問題があった。特許文献2に提案されたマレイン酸変性ポリオレフィンおいては、融点低下を抑制するため、一定以上の分子量に保持する必要があり、流動性および極性基含有成分との反応性には限界があった。
特許文献3および4においては、分子量が大きいことから溶融混練する際の流動性が低く、極性基含有樹脂との反応性に乏しいことが問題であった。特許文献5および6においては、不飽和基の少ない原料を用いるため、酸価度を増加させるために過酸化物および不飽和カルボン酸無水物を多量に使用する必要があり、ゲル化や臭気の発生が問題であった。特許文献7に提案されたMAH-g-LLDPEにおいては、ラジカル開始剤を添加せずに調製されているが、メルトインデックス(MI)が低く、ワックス用途としては流動性が不十分であることが問題であった。
【0005】
そこで、本発明は、成形加工助剤としての高い流動性、および極性基含有成分との高い相溶性を有し、かつゲル化などによる増粘、臭気の発生が抑制された無水マレイン酸変性ポリエチレンワックスを提供することを目的とするものであり、さらに詳しくは、プラスチックスやゴムの成形助剤、滑剤、離型剤、インキおよび塗料添加剤、顔料分散剤、ホットメルト接着剤用途などのポリエチレンワックスとしての用途に加え、ポリマーアロイ用相溶化剤、フィラー等の分散剤としても有用である無水マレイン酸変性ポリエチレンワックスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の無水マレイン酸変性ポリエチレンワックスが、流動性および極性基含有成分との反応性が高く、かつ低コストとなることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明の各態様は、以下に示す[1]~[4]である。
[1]下記(1)~(2)を満たす無水マレイン酸変性熱分解ポリエチレンワックス。
(1)GPC法によって測定した数平均分子量が、500以上3,000未満である。
(2)

H-NMR測定によって算出した主鎖CH

1000個当たりのグラフト化無水マレイン酸の数が、0.5以上20以下である。
[2]以下の工程(a)、(b)を含む[1]に記載の無水マレイン酸変性熱分解ポリエチレンワックスの製造方法。
工程(a)押出機に供給されたポリエチレン系樹脂を熱分解する工程
工程(b)工程(a)で得られた熱分解ポリエチレンワックスを押出機中で無水マレイン酸変性する工程
[3]工程(a)の押出機のシリンダ温度が330℃以上480℃以下、工程(b)の押出機のシリンダ温度150℃以上250℃以下である、[2]に記載の無水マレイン酸変性熱分解ポリエチレンワックスの製造方法。
[4] 工程(a)及び工程(b)を、連結されたそれぞれ異なる押出機で行う、[2]又は[3]に記載の無水マレイン酸変性熱分解ポリエチレンワックスの製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、プラスチックスやゴムの成形助剤、滑剤、離型剤、インキおよび塗料添加剤、顔料分散剤、ホットメルト接着剤用途などのポリエチレンワックスとしての用途に加え、ポリマーアロイ用相溶化剤、フィラー等の分散剤としても有用である無水マレイン酸変性ポリエチレンワックスを提供することができ、その産業的価値は極めて高いものである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0010】
本発明の一態様である無水マレイン酸変性ポリエチレンワックスは、GPCによって測定した数平均分子量(Mn)が500以上3,000未満のものである。数平均分子量(Mn)が500未満である場合、高温加工時の発煙や成形体のべたつきが多く、耐ブロッキング性、靭性に劣るものとなる。一方、3,000を超える場合、極性基含有成分と過剰な反応性による増粘およびゲル化が発生する恐れがある。
(【0011】以降は省略されています)

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