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公開番号2024061997
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-09
出願番号2022169708
出願日2022-10-24
発明の名称エピタキシャルウェーハの製造方法
出願人信越半導体株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C30B 29/06 20060101AFI20240430BHJP(結晶成長)
要約【課題】
少ない工程数で作製可能であり、かつ新しいゲッタリング機構を利用することで十分な酸素捕獲量を実現するエピタキシャルウェーハ及びエピタキシャルウェーハの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
シリコン基板10と、前記シリコン基板10上に形成されたシリコンエピタキシャル膜12とを有するエピタキシャルウェーハ1であって、前記シリコン基板10と前記シリコンエピタキシャル膜12の界面から前記シリコンエピタキシャル膜12側へ600nm以下の範囲にVoid欠陥領域11が設けられたものであることを特徴とするエピタキシャルウェーハ1。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
シリコン基板と、前記シリコン基板上に形成されたシリコンエピタキシャル膜とを有するエピタキシャルウェーハであって、
前記シリコン基板と前記シリコンエピタキシャル膜の界面から前記シリコンエピタキシャル膜側へ600nm以下の範囲にVoid欠陥領域が設けられたものであることを特徴とするエピタキシャルウェーハ。
続きを表示(約 990 文字)【請求項2】
前記シリコンエピタキシャル膜が、次式(1)を満たす炭素濃度と膜厚を有するものであることを特徴とする請求項1に記載のエピタキシャルウェーハ。
6.6×10
20
×exp(-1.6×[シリコンエピタキシャル膜の厚さ(μm)])<[シリコンエピタキシャル膜の炭素濃度(atoms/cm

)]…(1)
【請求項3】
前記シリコンエピタキシャル膜上に別のシリコンエピタキシャル膜を有し、前記別のシリコンエピタキシャル膜の炭素濃度が2.0×10
19
atoms/cm

未満のものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のエピタキシャルウェーハ。
【請求項4】
前記シリコンエピタキシャル膜が絶縁性と高周波特性を有するものであることを特徴とする請求項3に記載のエピタキシャルウェーハ。
【請求項5】
エピタキシャルウェーハの製造方法であって、
炭素のソースガスを含む原料ガスを用いて、次式(1)を満たす炭素濃度と膜厚を有するように、シリコン基板上にシリコンエピタキシャル膜を形成する工程と、
その後、熱処理温度が900℃以上、かつ、熱処理時間が1時間以上の条件で熱処理をする工程を有することを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造方法。
6.6×10
20
×exp(-1.6×[シリコンエピタキシャル膜の厚さ(μm)])<[シリコンエピタキシャル膜の炭素濃度(atoms/cm

)]…(1)
【請求項6】
前記熱処理温度が1100℃以下、かつ、前記熱処理時間が36時間以下の条件で熱処理をすることを特徴とする請求項5に記載のエピタキシャルウェーハの製造方法。
【請求項7】
前記シリコンエピタキシャル膜を形成する工程後、熱処理をする工程前、
炭素のソースガスを含まない原料ガスを用いて、前記シリコンエピタキシャル膜上に、炭素濃度が2.0×10
19
atoms/cm

未満の別のシリコンエピタキシャル膜を形成する工程を有することを特徴とする請求項5又は6に記載のエピタキシャルウェーハの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エピタキシャルウェーハ及びエピタキシャルウェーハの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
電子デバイスに利用される基板として、結晶完全性や不純物(酸素など)濃度の観点からエピタキシャルウェーハが広く利用されている。エピタキシャルウェーハは、成膜直後は極めて高純度であるが、デバイス製造工程を経るにつれて品質が低下することが知られている。主な原因として、デバイス製造工程でウェーハがさらされる外部環境や、エピタキシャルウェーハのバルク部分であるシリコンウェーハからの不純物拡散が挙げられる。デバイス製造工程での熱処理により、表面に付着した汚染金属やシリコンウェーハ中の酸素がデバイス活性層であるエピタキシャル膜に拡散することで、エピタキシャル膜に欠陥準位が形成された結果、製造歩留まりの低下や電気特性悪化の原因となる。特に固体撮像素子(CCD、CIS)の分野においては、デバイス特性を悪化させる要因の一つとしてデバイス活性層へ拡散した酸素に起因する欠陥が従来問題視されている。そのため、デバイス下部の活性層であるエピタキシャル膜の酸素濃度を極力低減するエピタキシャルウェーハの技術開発が進んでいる。
【0003】
デバイス活性層の酸素濃度を低減する代表的な技術として、エピタキシャル膜とシリコン基板の界面近傍に酸素のゲッタリングサイトを配置する手法が挙げられる。
【0004】
例えば、特許文献1には、エピタキシャル成膜に使用するシリコン基板をRTA装置で前処理することで表面改質層を形成し、その上にエピタキシャル成長を行うことでバルク部分から拡散する酸素を捕獲する技術が開示されている。これは、表面改質層で析出するBMDを利用した技術であるが、BMD析出量や改質層の厚さをコントロールすることが難しく、デバイスに要求される酸素捕獲量に応じて調整することができない。また、酸素捕獲能力を示す温度域にも制限がある。
【0005】
そこで、特許文献2には、シリコン基板表面にあらかじめ炭素等のゲッタリング用原子を高濃度に照射することでイオン注入層を形成し、その上にシリコンのエピタキシャル成長を行うことでバルク部分から拡散する酸素を捕獲する技術が開示されている。これは、エピタキシャル膜とシリコン基板の界面近傍において選択的にゲッタリングサイトを配置する目的から、イオン注入による表面改質層を形成する技術であり、改質層が示す酸素のゲッタリングによってバルク部分からシリコンエピタキシャル膜へ拡散する酸素濃度を低減する優れた方法である。また、照射条件を調整することで酸素捕獲量を調整することが可能である。しかし、イオン注入装置を用いることによる工程数の増加や、クロスコンタミネーションといった問題がある。
【0006】
ここで、低コストかつ低コンタミネーションであって、ゲッタリング用原子を含有したエピタキシャルウェーハを製造する技術として、CVD炉による化学気相成長で形成した高濃度に炭素を含有するエピタキシャルウェーハがある。特許文献3には、シリコン基板上にゲッタリング用原子である炭素を高濃度に含有するエピタキシャル膜を化学気相成長によって形成し、該炭素を含有するエピタキシャル膜の上にシリコンエピタキシャル膜を形成してエピタキシャルウェーハとする技術が記載されている。この技術を利用すると、エピタキシャル膜とシリコン基板の界面近傍において酸素のゲッタリング用原子である炭素を含有したエピタキシャル膜を配置した構造を低コストかつ低コンタミネーションに利用できる。しかし、特許文献3に記載された高濃度炭素含有層が示すゲッタリング特性は、基板とシリコンエピタキシャル膜との固溶度差や微小欠陥を利用した一般的な機構であり、特許文献3中の図4に示されるような2μm程度の厚さでは、2.0×10
14
atoms/cm

を上回る高い不純物捕獲能力を実現することが難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2013-143504号公報
特開2017-175144号公報
特開2013-51348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のような、基板とシリコンエピタキシャル膜の間に、ゲッタリング用原子である炭素のイオン注入層や、化学気相成長で形成した高濃度炭素を含有するエピタキシャル膜を挟み込んだ構造の基板を利用することで、デバイス活性層の酸素濃度を低減することが可能となる。
【0009】
しかしながら、特許文献2に記載のイオン注入で形成できる炭素イオン注入層の厚さは約0.3μmと薄く、更に、エピタキシャル成膜の前段階において複数の操作(イオン注入や回復熱処理等)で捕獲層を形成する必要があり、作製工程数が多くなってしまう。このようなエピタキシャルウェーハでは簡便に十分な量の不純物を捕獲できない。
【0010】
また、特許文献3に記載のCVD炉を用いたエピタキシャルウェーハにおける高濃度に炭素を含有するエピタキシャル膜は、主な用途として重金属不純物のゲッタリング効果を念頭に開発された技術であり、先行技術文献において該炭素を含有するエピタキシャル膜の酸素捕獲能力に関する言及はない。また、利用できるゲッタリング機構を考慮すると、十分な量の酸素捕獲量が期待できない。
(【0011】以降は省略されています)

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