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公開番号2024083927
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-24
出願番号2022198022
出願日2022-12-12
発明の名称推定方法、推定装置および推定プログラム
出願人株式会社SUMCO
代理人弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類C30B 29/06 20060101AFI20240617BHJP(結晶成長)
要約【課題】炉部材の経年劣化に応じたシリコン単結晶の温度分布を精度良く推定することができる推定方法を提供すること。
【解決手段】推定方法は、引き上げ炉を模擬したシミュレーションモデルを構築するステップと、引き上げ炉を構成する炉部材の熱物性値を任意に設定した複数の計算条件についてシミュレーションモデルに基づき伝熱シミュレーションを実施して、複数の計算条件からそれぞれ得られた引き上げ炉内の温度分布の計算結果を訓練データとして生成するステップと、訓練データに基づいて、入力を引き上げ炉内における所定の測定位置の温度とし、出力をシリコン単結晶の温度分布とする回帰モデルを構築するステップと、シリコン単結晶の引き上げ中に得られた所定の測定位置の温度測定結果を回帰モデルに入力して、当該引き上げ中のシリコン単結晶の温度分布を推定するステップと、を含む。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
引き上げ炉内でチョクラルスキー法により育成されるシリコン単結晶に関する推定を行う推定方法であって、
前記引き上げ炉を模擬したシミュレーションモデルを構築するステップと、
前記引き上げ炉を構成する炉部材の熱物性値を任意に設定した複数の計算条件について前記シミュレーションモデルに基づき伝熱シミュレーションを実施して、前記複数の計算条件からそれぞれ得られた前記引き上げ炉内の温度分布の計算結果を訓練データとして生成するステップと、
前記訓練データに基づいて、入力を前記引き上げ炉内における所定の測定位置の温度とし、出力をシリコン単結晶の温度分布とする回帰モデルを構築するステップと、
シリコン単結晶の引き上げ中に得られた前記所定の測定位置の温度測定結果を前記回帰モデルに入力して、当該引き上げ中のシリコン単結晶の温度分布を推定するステップと、
を含む、推定方法。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
請求項1に記載の推定方法において、
前記推定された前記シリコン単結晶の温度分布と、前記シリコン単結晶の引き上げ速度とに基づいて、前記シリコン単結晶の熱履歴を推定するステップをさらに含む、推定方法。
【請求項3】
請求項2に記載の推定方法において、
前記推定された熱履歴と、前記シリコン単結晶の酸素濃度と、BMD析出熱処理条件とに基づいて、前記シリコン単結晶のBMD密度を推定するステップをさらに含む、推定方法。
【請求項4】
請求項3に記載の推定方法において、
前記シリコン単結晶のBMD密度を推定するステップでは、前記熱履歴と、前記シリコン単結晶の酸素濃度および窒素濃度と、前記BMD析出熱処理条件とに基づいて、前記シリコン単結晶のBMD密度を推定する、推定方法。
【請求項5】
請求項1に記載の推定方法において、
前記推定された前記シリコン単結晶の温度分布に基づいて、前記シリコン単結晶における固液界面近傍の熱応力を推定するステップをさらに含む、推定方法。
【請求項6】
請求項1に記載の推定方法において、
前記引き上げ炉を模擬したシミュレーションモデルを構築するステップでは、シリコン融液とシリコン結晶との境界の温度がシリコン融点になるように、前記シミュレーションモデルを構築する、推定方法。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の推定方法において、
前記伝熱シミュレーションにおいて前記熱物性値が設定される前記炉部材は、前記引き上げ中のシリコン単結晶を冷却する冷却用炉部材を含み、
前記所定の測定位置は、前記冷却用炉部材により温度が調整されている位置を含む、推定方法。
【請求項8】
請求項7に記載の推定方法において、
前記冷却用炉部材は、前記引き上げ中のシリコン単結晶が内部を通過することにより、当該シリコン単結晶を冷却する円筒状の冷却体を含み、
前記所定の測定位置は、前記冷却体を通過後の前記シリコン単結晶の外周面を含む、推定方法。
【請求項9】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の推定方法において、
前記伝熱シミュレーションにおいて前記熱物性値が設定される前記炉部材は、前記引き上げ中のシリコン単結晶の温度上昇を抑制する昇温抑制用炉部材を含み、
前記所定の測定位置は、前記昇温抑制用炉部材上の位置を含む、推定方法。
【請求項10】
引き上げ炉内でチョクラルスキー法により育成されるシリコン単結晶に関する推定を行う推定装置であって、
前記引き上げ炉を模擬したシミュレーションモデルを構築し、前記引き上げ炉を構成する炉部材の熱物性値を任意に設定した複数の計算条件について前記シミュレーションモデルに基づき伝熱シミュレーションを実施して、前記複数の計算条件からそれぞれ得られた前記引き上げ炉内の温度分布の計算結果を訓練データとして生成する訓練データ生成部と、
前記訓練データに基づいて、入力を前記引き上げ炉内における所定の測定位置の温度とし、出力をシリコン単結晶の温度分布とする回帰モデルを構築する機械学習部と、
シリコン単結晶の引き上げ中に得られた前記所定の測定位置の温度測定結果を前記回帰モデルに入力して、当該引き上げ中のシリコン単結晶の温度分布を推定する結晶温度分布推定部と、を備える推定装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、推定方法、推定装置および推定プログラムに関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
チョクラルスキー(CZ)法によるシリコン単結晶の製造工程では、石英坩堝内のシリコン融液に種結晶を付着させてから引き上げることにより、シリコン単結晶を成長させる。シリコン単結晶の成長の際、シリコン融液には石英坩堝から酸素が混入する。シリコン融液に混入した酸素は、シリコンウェーハを用いたデバイスの製造工程における熱処理により、BMD(Bulk Micro Defect)と呼ばれる酸素析出物となる。
【0003】
BMDは、シリコンウェーハ中に混入され、デバイス性能を劣化させる重金属不純物を捕獲するゲッタリング源として作用する利点もあるが、シリコンウェーハの機械的強度を低下させてしまう欠点もある。そのため、シリコン単結晶には、BMDの量を表すBMD密度に対して規格範囲が定められている。BMD密度は、シリコン単結晶の熱履歴(冷却条件)、酸素濃度、窒素濃度、シリコン単結晶から得られるシリコンウェーハにBMDを析出させるためのBMD析出熱処理によって決まることが知られている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2017-105675号公報
【非特許文献】
【0005】
シリコンの科学 UCS半導体基盤技術研究会編(発行所:株式会社リアライズ社)、第2章第5節、第7章第3節
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
BMD密度に影響を与える上記条件のうち、BMD析出熱処理条件は製品ごとに固定され、酸素濃度および窒素濃度は引き上げ条件で制御できる。しかし、熱履歴は、引き上げ炉の設計時に大まかには決まるものの、炉部材の経年劣化により熱物性値が変化することなどが原因で変化することがある。
【0007】
熱履歴は、シリコン単結晶の温度分布から求めることができる。引き上げ中に熱履歴を直接測定するためには、シリコン単結晶の温度分布を測定すれば良い。温度の測定方法としてサーモカメラによる非接触測定が考えられるが、シリコン融液近傍では主に高温のシリコン融液から発生する赤外線による外乱により、温度分布を正確に測定することは困難である。したがって、シリコン単結晶の引き上げ中にBMD密度を精度良く推定することも困難である。
【0008】
本発明は、炉部材の経年劣化に応じたシリコン単結晶の温度分布を精度良く推定することができる推定方法、推定装置および推定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の推定方法は、引き上げ炉内でチョクラルスキー法により育成されるシリコン単結晶に関する推定を行う推定方法であって、前記引き上げ炉を模擬したシミュレーションモデルを構築するステップと、前記引き上げ炉を構成する炉部材の熱物性値を任意に設定した複数の計算条件について前記シミュレーションモデルに基づき伝熱シミュレーションを実施して、前記複数の計算条件からそれぞれ得られた前記引き上げ炉内の温度分布の計算結果を訓練データとして生成するステップと、前記訓練データに基づいて、入力を前記引き上げ炉内における所定の測定位置の温度とし、出力をシリコン単結晶の温度分布とする回帰モデルを構築するステップと、シリコン単結晶の引き上げ中に得られた前記所定の測定位置の温度測定結果を前記回帰モデルに入力して、当該引き上げ中のシリコン単結晶の温度分布を推定するステップと、を含む。
【0010】
本発明の推定方法において、前記推定された前記シリコン単結晶の温度分布と、前記シリコン単結晶の引き上げ速度とに基づいて、前記シリコン単結晶の熱履歴を推定するステップをさらに含む、ことが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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