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公開番号2024081376
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-18
出願番号2022194957
出願日2022-12-06
発明の名称単結晶の製造方法及び装置
出願人株式会社SUMCO
代理人個人,個人
主分類C30B 15/30 20060101AFI20240611BHJP(結晶成長)
要約【課題】FZ法の直胴部育成工程において溶融帯のゾーン長を一定に制御して単結晶の有転位化を防止する。
【解決手段】本発明による単結晶の製造方法は、結晶直径DSが一定になるように単結晶3を成長させる直胴部育成工程を含む。直胴部育成工程は、原料ロッド1と単結晶3との間に存在する溶融帯4のゾーン長LZの測定値と目標値との差が閾値以上となる場合に、誘導加熱コイル15に高周波電流を供給する発振器16の発振電圧Eを補正する工程を含む。発振電圧Eを補正する工程は、ゾーン長LZの測定値が目標値よりも小さく且つ結晶直径DSの時間変化の割合が負の値のときに発振電圧Eを上げる補正を行い、ゾーン長LZの測定値が目標値よりも大きく且つ結晶直径DSの時間変化の割合が正の値のときに発振電圧Eを下げる補正を行う。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
原料ロッドを誘導加熱コイルで加熱して溶融帯を発生させ、前記溶融帯から単結晶を成長させるFZ法による単結晶の製造方法であって、
結晶直径が一定になるように前記単結晶を成長させる直胴部育成工程を含み、
前記直胴部育成工程は、
前記原料ロッドと前記単結晶との間に存在する前記溶融帯のゾーン長の測定値と目標値との差が閾値以上となる場合に、前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給する発振器の発振電圧を補正する工程を含み、
前記発振電圧を補正する工程は、
前記ゾーン長の前記測定値が前記目標値よりも小さく且つ前記結晶直径の時間変化の割合が負の値のときに前記発振電圧を上げる補正を行い、
前記ゾーン長の前記測定値が前記目標値よりも大きく且つ前記結晶直径の時間変化の割合が正の値のときに前記発振電圧を下げる補正を行うことを特徴とする単結晶の製造方法。
続きを表示(約 810 文字)【請求項2】
前記結晶直径の時間変化の割合に対する回帰直線の傾きが負の値のときに前記発振電圧の補正を行う、請求項1に記載の単結晶の製造方法。
【請求項3】
前記結晶直径の時間変化の割合は、前記結晶直径の直近の測定値とそれよりも一定期間前に測定された前記結晶直径の過去の測定値との差である、請求項1に記載の単結晶の製造方法。
【請求項4】
前記結晶直径の直近の測定値は、直近から一定時間内の第1サンプリング期間内に測定された前記結晶直径の複数のサンプル値(瞬時値)の移動平均値であり、
前記結晶直径の過去の測定値は、前記第1サンプリング期間よりも前の第2サンプリング期間内に測定された前記結晶直径の複数のサンプル値(瞬時値)の移動平均値である、請求項3に記載の単結晶の製造方法。
【請求項5】
前記第2サンプリング期間の開始時期は、前記第1サンプリング期間の開始時期よりも80~100秒前であり、
前記第1及び第2サンプリング期間は、ともに10~20秒間である、請求項4に記載の単結晶の製造方法。
【請求項6】
前回の補正から所定の休止期間が経過した後に、前記発振電圧の補正を行う、請求項1に記載の単結晶の製造方法。
【請求項7】
前記休止期間は、5~25分である、請求項6に記載の単結晶の製造方法。
【請求項8】
前記閾値は、0.05~0.1mmである、請求項1に記載の単結晶の製造方法。
【請求項9】
前記ゾーン長及び前記結晶直径のサンプリング周期は1秒以下である、請求項1に記載の単結晶の製造方法。
【請求項10】
前記発振電圧の補正量は、前記発振器の最大出力の0.1~0.2%である、請求項1に記載の単結晶の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、FZ(Floating Zone)法による単結晶の製造方法及び装置に関し、特に、溶融帯のゾーン長を制御する方法及び装置に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
シリコン単結晶の製造方法としてFZ法が知られている。FZ法は、多結晶シリコンからなる原料ロッドの一部を加熱して溶融帯を生成し、溶融帯の上方及び下方にそれぞれ位置する原料ロッド及び種結晶を徐々に降下させることにより、種結晶の上方に大きな単結晶を成長させる。FZ法は融液を支持するルツボを使用しないので、シリコン単結晶の品質がルツボの影響を受けることがなく、CZ(Czochralski)法よりも酸素濃度が低く高純度な単結晶を育成することが可能である。
【0003】
FZ法では単結晶育成工程中に溶融帯をカメラで撮影し、撮影画像に基づいて結晶成長条件を制御することが行われている。例えば、特許文献1には、溶出側材料棒の一部分を誘導加熱コイルで溶融して溶融帯をつくり、溶出側材料棒および晶出側半導体棒を前記誘導加熱コイルに対し相対的に移動させて溶融帯を軸方向に移動させ、溶融帯の幾何学量を4台のテレビカメラで検出し、該検出量に応じて誘導加熱コイルに供給する電力または溶出側材料棒の相対移動速度を調節することにより、絞り工程の自動化を可能にすると共に、溶融帯のゾーン長の制御性を良好にすることが記載されている。ここで、4台のテレビカメラは、誘導加熱コイルの斜め上に設置された第1テレビカメラと、誘導加熱コイルの斜め下に設置された第2テレビカメラと、誘導加熱コイルの下部に位置する溶融帯域の真横に水平設置され、ゾーン長に略該当する範囲で垂直移動するようにした第3テレビカメラと、誘導加熱コイルの真横に水平に設置された第4テレビカメラで構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2000-44380公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
FZ法によるシリコン単結晶の直胴部育成工程において、溶融帯のゾーン長が変化すると、単結晶の有転位化の確率が高くなることが分かっている。誘導加熱コイルに印加する発振電圧を一定に維持する発振電圧一定制御を実施すると、シリコン単結晶の成長と共にゾーン長が徐々に変化する傾向があるため、ゾーン長の変化に合わせて発振電圧を補正することが望ましい。溶融帯のゾーン長をできるだけ一定に維持することによりシリコン単結晶の有転位化を防止することができる。
【0006】
しかし、発振電圧の補正に必要なパラメータの算出や補正の要否の判断を人が随時行うと、計算間違いや判断間違いにつながるという問題がある。そのため発振電圧を適切なタイミングで補正して溶融帯のゾーン長を自動制御する方法が望まれている。
【0007】
したがって、本発明の目的は、直胴部育成工程において溶融帯のゾーン長を自動制御することが可能な単結晶の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明による単結晶の製造方法は、原料ロッドを誘導加熱コイルで加熱して溶融帯を発生させ、前記溶融帯から単結晶を成長させるFZ法による単結晶の製造方法であって、結晶直径が一定になるように前記単結晶を成長させる直胴部育成工程を含み、前記直胴部育成工程は、前記原料ロッドと前記単結晶との間に存在する前記溶融帯のゾーン長の測定値と目標値との差が閾値以上となる場合に、前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給する発振器の発振電圧を補正する工程を含み、前記発振電圧を補正する工程は、前記ゾーン長の前記測定値が前記目標値よりも小さく且つ前記結晶直径の時間変化の割合が負の値(結晶直径が減少傾向)のときに前記発振電圧を上げる補正を行い、前記ゾーン長の前記測定値が前記目標値よりも大きく且つ前記結晶直径の時間変化の割合が正の値(結晶直径が増加傾向)のときに前記発振電圧を下げる補正を行うことを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、直胴部育成工程において発振電圧を適切なタイミングで補正して溶融帯のゾーン長を一定に維持することができ、ゾーン長の自動制御を実現することができる。
【0010】
本発明において、前記発振電圧の補正は、前記結晶直径の時間変化の割合に対する回帰直線の傾きが負の値のときに行われることが好ましい。これにより、発振電圧の補正の効果をゾーン長の制御に効果的に反映させることができ、結晶直径の変動を抑えながらゾーン長を一定に制御することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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