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公開番号2024079084
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-11
出願番号2022191803
出願日2022-11-30
発明の名称単結晶引上方法
出願人グローバルウェーハズ・ジャパン株式会社
代理人個人,個人
主分類C30B 29/06 20060101AFI20240604BHJP(結晶成長)
要約【課題】水平磁場を印加し、チョクラルスキー法によりシリコン単結晶を引き上げる単結晶引上方法において、低酸素濃度であり、かつ結晶長方向の酸素濃度が均一となる単結晶を得る。
【解決手段】ルツボ内3にシリコン融液Mを形成するステップと、単結晶Cの引上げを開始し、単結晶の固化率が0.4以上0.55以下の範囲で決められた閾値を越えるまでは、前記ルツボの側方に位置するサイドヒータと前記ルツボの下方に位置するボトムヒータとによるヒータ総発熱量に対する前記ボトムヒータの発熱量の第一の発熱量比率を0以上0.3以下の範囲で決められた値とするステップと、単結晶の固化率が前記閾値を越えると、前記ヒータ総発熱量に対する前記ボトムヒータの発熱量の第二の発熱量比率を前記第一の発熱量比率よりも大きくするステップと、を備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
水平磁場を印加し、チャンバ内のルツボに収容されたシリコン融液からチョクラルスキー法により単結晶を引き上げる単結晶引上方法であって、
前記ルツボ内にシリコン融液を形成するステップと、
単結晶の引上げを開始し、単結晶の固化率が0.4以上0.55以下の範囲で決められた閾値を越えるまでは、前記ルツボの側方に位置するサイドヒータと前記ルツボの下方に位置するボトムヒータとによるヒータ総発熱量に対する前記ボトムヒータの発熱量の第一の発熱量比率を0以上0.3以下の範囲で決められた値とするステップと、
単結晶の固化率が前記閾値を越えると、前記ヒータ総発熱量に対する前記ボトムヒータの発熱量の第二の発熱量比率を前記第一の発熱量比率よりも大きくするステップと、
を備えることを特徴とする単結晶引上方法。
続きを表示(約 990 文字)【請求項2】
前記単結晶の固化率が前記閾値を越えると、前記ヒータ総発熱量に対する前記ボトムヒータの発熱量の前記第二の発熱量比率を前記第一の発熱量比率よりも大きくするステップにおいて、
aを定数、Hcbをボトムヒータ上面とルツボ底面との鉛直方向距離、Lsをサイドヒータの鉛直方向距離、Hsbをサイドヒータの発熱部下端とボトムヒータ上面との鉛直方向距離、gを単結晶の固化率とすると、
前記第二の発熱量比率を、PB=a×Hcb×g/(Hsb×Ls)となるよう制御するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載された単結晶引上方法。
【請求項3】
前記単結晶の引上げを開始し、単結晶の固化率が0.4以上0.55以下の範囲で決められた閾値を越えるまでは、前記ルツボの側方に位置するサイドヒータと前記ルツボの下方に位置するボトムヒータとによるヒータ総発熱量に対する前記ボトムヒータの発熱量の第一の発熱量比率を0以上0.3以下の範囲で決められた値とするステップにおいて、
前記ボトムヒータの出力をオフにして、前記第一の発熱量比率を0とすることを特徴とする請求項1に記載された単結晶引上方法。
【請求項4】
前記単結晶の引上げを開始し、単結晶の固化率が0.4以上0.55以下の範囲で決められた閾値を越えるまでは、前記ルツボの側方に位置するサイドヒータと前記ルツボの下方に位置するボトムヒータとによるヒータ総発熱量に対する前記ボトムヒータの発熱量の第一の発熱量比率を0以上0.3以下の範囲で決められた値とするステップにおいて、
前記閾値は、0.55であることを特徴とする請求項1に記載された単結晶引上方法。
【請求項5】
前記第二の発熱量比率を、PB=a×Hcb×g/(Hsb×Ls)となるよう制御するステップにおいて、
前記定数aは、40(mm)以上80(mm)以下であることを特徴とする請求項2に記載された単結晶引上方法。
【請求項6】
前記定数aは、63(mm)以上70(mm)以下であることを特徴とする請求項5に記載された単結晶引上方法。
【請求項7】
前記ヒータ総発熱量は、40KW以上250KW以下であることを特徴とする請求項1に記載された単結晶引上方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、単結晶引上方法に関し、特にチョクラルスキー法によりシリコン単結晶を引き上げる単結晶引上方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
チョクラルスキー法(CZ法)によるシリコン単結晶の育成は、図6に示すようにチャンバ50内に設置した石英ガラスルツボ51に原料であるポリシリコンを充填し、前記石英ガラスルツボ51の周囲に設けられたヒータ52によってポリシリコンを加熱して溶融し、シリコン融液Mとする。
その後、シードチャックに取り付けた種結晶P(シード)をシリコン融液Mに浸漬し、シードチャックおよび石英ルツボ51を同方向または逆方向に回転させながらシードチャックを引上げることにより輻射シールド53の内側でシリコン単結晶Cを育成する。そして、育成したシリコン単結晶Cをスライスすることによりシリコンウェーハが得られる。
【0003】
従来のCZ法により育成されたシリコン単結晶から得られるシリコンウェーハの酸素濃度は、ゲッタリング効果を狙って比較的高濃度(≧1.0×10
18
atoms/cm

)のものが主流である。ところが、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)用のシリコンウェーハは、酸素析出物などによるライフタイム悪化を防ぐため、低酸素濃度のシリコンウェーハ(≦0.6×10
18
atoms/cm

)とする必要がある。
【0004】
シリコン単結晶の引上げ中において、シリコン融液は石英ガラスルツボの石英部分と反応し、石英ガラスルツボの側壁を溶解し、酸素がシリコン融液に取り込まれる。シリコン融液中の酸素は、育成されるシリコン単結晶中に取り込まれ、シリコン単結晶中の酸素濃度に反映される。
シリコン単結晶の前半部分の引上げにおいては、ルツボ中のシリコン融液の量が多いため、シリコン融液の流れ(対流)を制御することによって、シリコン融液中の酸素を拡散させやすく、それによりシリコン融液中に溶解していた酸素の多くがシリコン融液表面から気中に放出される。即ち、シリコン単結晶中の酸素濃度の制御は、対流の制御等により行うことができる。
【0005】
しかしながら、シリコン単結晶の後半部分の引上げにおいては、ルツボ中のシリコン融液の量が減少しているため、シリコン融液の対流を制御することが困難となる。特に低酸素濃度のシリコン単結晶を育成するために有効な水平磁場を印加する場合には、シリコン融液の下部から上部に流れる対流によって結晶中に酸素が取り込まれるため、対流の制御がより困難となる。そのため、ルツボ側壁からシリコン融液中に溶解した酸素が十分に拡散されず、シリコン融液表面から放出される前に、シリコン単結晶中に取り込まれやすい。
その結果、シリコン単結晶の後半部分における酸素濃度が高くなり、シリコン単結晶の結晶長方向において酸素濃度がばらつくという課題があった。シリコン単結晶の結晶長における酸素濃度がばらつくと、製品として使用できる部分が少なくなり、歩留まりが低下するという課題があった。
【0006】
結晶長方向の酸素濃度のばらつきを抑制するために、特許文献1では、ルツボを側方から加熱するサイドヒータと、ルツボを下方から加熱するボトムヒータとを備える単結晶引上装置による単結晶製造方法を開示している。特許文献1に開示された単結晶製造方法にあっては、カスプ磁界の印加時におけるサイドヒータとボトムヒータとによるトータル加熱熱量Qに対するボトムヒータによる加熱熱量qの熱量比(q/Q)を変化させることにより単結晶引上方向(結晶長方向)の酸素濃度を制御し、結晶長方向の酸素濃度の均一化を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開平10-273392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示された単結晶製造方法にあっては、サイドヒータ及びルツボヒータとシリコン融液を保持するルツボとの位置関係が明確ではない(熱量比(q/Q)にヒータとルツボとの位置関係を表すパラメータが入っていない)。そのため、炉内におけるヒータとルツボとの位置関係を変更した際(例えば、ボトムヒータの上下移動を行う等)、あるいはヒータ形状を変更した際等に、単に熱量比(q/Q)を調整しても、単結晶の結晶長方向の酸素濃度を均一に制御することが困難であるという課題があった。
【0009】
本発明は、上記事情のもとになされたものであり、本発明は、水平磁場を印加し、チョクラルスキー法によりシリコン単結晶を引き上げる単結晶引上方法において、結晶長方向の酸素濃度が均一となる単結晶を得ることのできる単結晶引上方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するためになされた、本発明に係る単結晶引上方法は、水平磁場を印加し、チャンバ内のルツボに収容されたシリコン融液からチョクラルスキー法により単結晶を引き上げる単結晶引上方法であって、前記ルツボ内にシリコン融液を形成するステップと、単結晶の引上げを開始し、単結晶の固化率が0.4以上0.55以下の範囲で決められた閾値を越えるまでは、前記ルツボの側方に位置するサイドヒータと前記ルツボの下方に位置するボトムヒータとによるヒータ総発熱量に対する前記ボトムヒータの発熱量の第一の発熱量比率を0以上0.3以下の範囲で決められた値とするステップと、単結晶の固化率が前記閾値を越えると、前記ヒータ総発熱量に対する前記ボトムヒータの発熱量の第二の発熱量比率を前記第一の発熱量比率よりも大きくするステップと、を備えることに特徴を有する。
(【0011】以降は省略されています)

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