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公開番号2024066069
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-15
出願番号2022175327
出願日2022-11-01
発明の名称(111)面を主面とする単結晶ダイヤモンド膜
出願人国立研究開発法人産業技術総合研究所
代理人個人,個人
主分類C30B 29/04 20060101AFI20240508BHJP(結晶成長)
要約【課題】(111)面を主面とする新規な単結晶ダイヤモンド膜を提供する。
【解決手段】(111)面を主面とする単結晶ダイヤモンド膜であって、
前記単結晶ダイヤモンド膜は、窒素の含有率が1×1017~2×1018atms/cm3である、単結晶ダイヤモンド膜。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(111)面を主面とする単結晶ダイヤモンド膜であって、
前記単結晶ダイヤモンド膜は、窒素の含有率が1×10
17
~2×10
18
atms/cm
3
である、単結晶ダイヤモンド膜。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
前記単結晶ダイヤモンド膜は、厚みが30μm以上である、請求項1に記載の単結晶ダイヤモンド膜。
【請求項3】
前記単結晶ダイヤモンド膜は、一方面の面積が1mm
2
以上である、請求項1又は2に記載の単結晶ダイヤモンド膜。
【請求項4】
前記単結晶ダイヤモンド膜は、自立膜である、請求項1又は2に記載の単結晶ダイヤモンド膜。
【請求項5】
前記単結晶ダイヤモンド膜の自立膜は、厚み方向とは垂直方向に接合境界を有する、請求項1又は2に記載の単結晶ダイヤモンド膜。
【請求項6】
前記[110]方向に欠陥が伝搬している、請求項1又は2に記載の単結晶ダイヤモンド膜。
【請求項7】
(111)面を主面とする単結晶ダイヤモンド基板を用意する工程1と、
気相合成法を用いて、ダイヤモンド膜中の窒素の含有率が1×10
17
~2×10
18
atms/cm
3
の(111)面を主面とする単結晶ダイヤモンド膜を成長させる工程2と、
を備えており、
前記工程2において、前記気相合成法に用いる反応ガス中の窒素濃度が、1×10
-6
~5×10
-5
atoms/cm
3
の範囲であり、かつ、前記気相合成法に用いる反応ガス中のメタンガス/水素ガス比(モル比)が、0.01未満である、単結晶ダイヤモンド膜の製造方法。
【請求項8】
前記工程2で得られた(111)面を主面とする単結晶ダイヤモンド膜を、前記単結晶ダイヤモンド基板から分離する工程3をさらに備える、請求項7に記載の単結晶ダイヤモンド膜の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、(111)面を主面とする単結晶ダイヤモンド膜に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
ダイヤモンドは、高絶縁破壊電界(>10MV/cm)、高速キャリア移動度(電子:4500cm
2
/Vs、正孔:3800cm
2
/Vs)、物質中最高の熱伝導率(22W/cmK)等の優れた物性を有しており、さらに、化学的安定性及び耐放射線性にも優れているため、高温・極限環境下で動作するパワーデバイス材料としての応用が期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2010-150069号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、ダイヤモンド膜としては、{100}を主面とするものが主として使用されている。一方、ダイヤモンド膜の用途拡大等の観点からは、(111)を主面とするダイヤモンド膜も求められる。(111)を主面とするダイヤモンドは、リン、ホウ素、窒素などの高濃度不純物制御が可能であるため、pn接合を含む電子デバイス作製に欠かせない。また、(111)面はNV中心軸の高い配向性制が可能であり、室温動作が可能な量子デバイス材料としても近年注目されている。特に、(111)を主面とするダイヤモンド膜は、n型ドーピング濃度の制御性、電子スピンの配向性制御において(100)面よりも優れており、電子デバイス、量子デバイス等への応用が期待されている。
【0005】
ところが、(111)を主面とするダイヤモンド成長は、{100}を主面とする場合と比較し割れやすく、化学気相成長(CVD)法によって、(111)を主面とするダイヤモンドのバルク、厚膜を得ることは困難であることが知られている。そこで、従来法では、高圧合成したダイヤモンド結晶や{100}を主面とするCVD成長で得られたバルク結晶から、レーザーカットにより(111)面を切り出している。このため、材料のロスや、{100}を主面としたバルクCVD成長、研磨などに多くの時間を要するという問題を有する。
【0006】
本発明は、(111)面を主面とする新規な単結晶ダイヤモンド膜を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記のような課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、(111)面を主面とする単結晶ダイヤモンド基板の表面に単結晶ダイヤモンド膜を成長させる際、気相合成法に用いる反応ガス中の窒素濃度を所定範囲に設定しつつ、さらに、反応ガス中のメタンガス/水素ガス比についても制御することで、(111)面を主面とする新規な単結晶ダイヤモンド膜が好適に製造されることを見出した。本発明は、このような知見に基づいて、さらに検討を重ねることにより完成された発明である。
【0008】
すなわち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. (111)面を主面とする単結晶ダイヤモンド膜であって、
前記単結晶ダイヤモンド膜は、窒素の含有率が1×10
17
~2×10
18
atms/cm
3
である、単結晶ダイヤモンド膜。
項2. 前記単結晶ダイヤモンド膜は、厚みが30μm以上である、項1に記載の単結晶ダイヤモンド膜。
項3. 前記単結晶ダイヤモンド膜は、一方面の面積が1mm
2
以上である、項1又は2に記載の単結晶ダイヤモンド膜。
項4. 前記単結晶ダイヤモンド膜は、自立膜である、項1~3のいずれか1項に記載の単結晶ダイヤモンド膜。
項5. 前記単結晶ダイヤモンド膜の自立膜は、厚み方向とは垂直方向に接合境界を有する、項1~4のいずれか1項に記載の単結晶ダイヤモンド膜。
項6. 前記[110]方向に欠陥が伝搬している、項1~5のいずれか1項に記載の単結晶ダイヤモンド膜。
項7. (111)面を主面とする単結晶ダイヤモンド基板を用意する工程1と、
気相合成法を用いて、ダイヤモンド膜中の窒素の含有率が1×10
17
~2×10
18
atms/cm
3
の(111)面を主面とする単結晶ダイヤモンド膜を成長させる工程2と、
を備えており、
前記工程2において、前記気相合成法に用いる反応ガス中の窒素濃度が、1×10
-6
~5×10
-5
atoms/cm
3
の範囲であり、かつ、前記気相合成法に用いる反応ガス中のメタンガス/水素ガス比(モル比)が、0.01未満である、単結晶ダイヤモンド膜の製造方法。
項8. 前記工程2で得られた(111)面を主面とする単結晶ダイヤモンド膜を、前記単結晶ダイヤモンド基板から分離する工程3をさらに備える、項7に記載の単結晶ダイヤモンド膜の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、(111)面を主面とする新規な単結晶ダイヤモンド膜を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
比較例1における試料全体の微分干渉顕微鏡像(結晶全域に割れ)である。
比較例1における成膜後の試料の透過顕微鏡像である。
実施例1における試料全体の微分干渉顕微鏡像(全域で単結晶成長)である。
比較例2における試料全体の微分干渉顕微鏡像(多結晶化)である。
比較例2における成膜後の試料の透過顕微鏡像である。
実施例1-3及び比較例1,2で得られた試料中の不純物(N,B,H,Si)の濃度を示すグラフ(横軸がN/H(ppm)、縦軸が各不純物濃度(atoms/cm
3
)である。
実施例7の(111)面を主面とする単結晶ダイヤモンド膜の偏光顕微鏡像である。
参考例1の高圧合成で得られた(111)面を主面とする単結晶ダイヤモンド膜の偏光顕微鏡像である。
参考例2の(100)バルク結晶から切り出した、(111)面を主面とする単結晶ダイヤモンド膜の偏光顕微鏡像である。
参考例1の単結晶ダイヤモンド膜上に形成したエッチピットの形状である。
参考例2の単結晶ダイヤモンド膜上に形成したエッチピットの形状である。
実施例7の単結晶ダイヤモンド膜上に形成したエッチピットの形状である。
実施例8の(111)面を主面とする単結晶ダイヤモンド膜の偏光顕微鏡像である。
実施例8で得られた試料をレーザー切断し、試料a及び試料bの2つに分割した様子を示す偏光顕微鏡像である。
試料a及び試料bの切断箇所を合わせて成膜した後の試料の微分干渉顕微鏡像である。
図16(a)は、当該試料の接合部のレーザー顕微鏡像であり、図16(b)はそのプロファイルである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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