TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024016490
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-07
出願番号2022118650
出願日2022-07-26
発明の名称Al-AlN複合材料の製造方法
出願人株式会社デンソー
代理人弁理士法人かいせい特許事務所
主分類C30B 29/38 20060101AFI20240131BHJP(結晶成長)
要約【課題】低温度で製造でき、アルミニウムと窒化アルミニウムの接合強度を向上させることができるAl-AlN複合材料の製造方法を提供する。
【解決手段】セラミック基材10の上にAl-Mg合金材20を設け、Al-Mg合金材を加熱して溶融させ、Mg3N2を溶融したAl-Mg合金材の内部に沈降させ、溶融したAl-Mg合金材のAlとMg3N2とが反応するAlN生成反応によってAlNを生成する。N2ガスの供給量を調整してMg3N2の生成量を制御し、さらにAl材の加熱温度を複数段階に制御し、セラミック基材の上に、セラミック基材を覆うようにAlNが形成されたAlN層11と、Al材のAlとAlNを含むAl-AlN層12と、Al材のAlが表面に露出しているAl層13とを順番に形成する。Al-AlN層では、AlNがAlN層から突出するように櫛刃状に形成された櫛刃状AlN12aを構成している。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
セラミック基材(10)の上にAl-Mg合金材(20)を設け、前記Al-Mg合金材を加熱して溶融させ、前記Al-Mg合金材のMgとN
2
ガスとを反応させてMg
3

2
を生成し、前記Mg
3

2
を溶融した前記Al-Mg合金材の内部に沈降させ、
前記溶融したAl-Mg合金材のAlと前記Mg
3

2
とが反応するAlN生成反応によってAlNを生成し、
前記N
2
ガスの供給量を調整して前記Mg
3

2
の生成量を制御し、さらに前記Al材の加熱温度を複数段階に制御し、
前記セラミック基材の上に、前記セラミック基材を覆うように前記AlNが形成されたAlN層(11)と、前記Al材のAlと前記AlNを含むAl-AlN層(12)と、前記Al材のAlが表面に露出しているAl層(13)とを順番に形成し、
前記Al-AlN層では、前記AlNが前記AlN層から突出するように櫛刃状に形成された櫛刃状AlN(12a)を構成しているAl-AlN複合材料の製造方法。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
Al-Mg合金の融点以上、かつ、Alの融点より低い第1温度(T1)で前記Al-Mg合金材を加熱し、溶融した前記Al-Mg合金材に前記Mg
3

2
を沈降させ、前記セラミック基材の上に前記Mg
3

2
を堆積させるMg
3

2
堆積工程と、
前記AlN生成反応が起こる下限温度を下限とする所定温度範囲内の第2温度(T2)で前記Al-Mg合金材を加熱し、前記Mg
3

2
と溶融した前記Al-Mg合金材のAlとを反応させて前記AlNを生成させることで前記AlN層を形成するAlN層形成工程と、
前記AlN層形成工程の終了後、前記Al-Mg合金材を昇温させながら、前記N
2
ガスの供給量を減少させて前記Mg
3

2
の生成量を減少させ、前記AlN層の上に前記櫛刃状AlNを形成して前記Al-AlN層を形成するAl-AlN層形成工程と、
を備える請求項1に記載のAl-AlN複合材料の製造方法。
【請求項3】
前記Al-AlN層形成工程では、前記Al-Mg合金材の昇温終了後、溶融した前記Al-Mg合金材の内部に存在している前記Mg
3

2
のすべてを前記Al材のAlと反応させることが可能となる下限温度を含む所定温度範囲内の第3温度(T3)で前記Al材を加熱する請求項2に記載のAl-AlN複合材料の製造方法。
【請求項4】
前記Al-AlN層形成工程の終了後、Mgの沸点以上であり、かつ、Alの沸点より低い第4温度(T4)で前記Al-Mg合金材を加熱し、前記Al-Mg合金材からMgを除去するMg除去工程を備える請求項2に記載のAl-AlN複合材料の製造方法。
【請求項5】
前記Mg
3

2
堆積工程では、前記Mg
3

2
は比重差によって溶融した前記Al-Mg合金材の内部に沈降する請求項2に記載のAl-AlN複合材料の製造方法。
【請求項6】
前記N
2
ガスととともに、Mgの蒸気を前記Al-Mg合金材に向かって供給し、前記N
2
ガスと前記Mgの蒸気とを反応させて生成したMg
3

2
を溶融した前記Al-Mg合金材の内部に沈降させる請求項1に記載のAl-AlN複合材料の製造方法。
【請求項7】
前記セラミック基材は、六方晶の結晶構造を備えている請求項1に記載のAl-AlN複合材料の製造方法。
【請求項8】
前記セラミック基材は、AlN、BN、GaN、SiCのいずれかである請求項7に記載のAl-AlN複合材料の製造方法。
【請求項9】
前記AlN層および前記Al-AlN層では、前記AlNが六方晶のC軸方向に配向成長している請求項7または8に記載のAl-AlN複合材料の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、Al-AlN複合材料の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
例えば電力制御を行うためのパワーデバイスを熱交換器で冷却する場合には、パワーデバイスの電極板と熱交換器との間に絶縁板が設けられる。絶縁板と、パワーデバイスおよび熱交換器との接触面に空気が存在すると熱抵抗が増大するため、絶縁板と、パワーデバイスおよび熱交換器との間にグリスを設けることが行われる。ところが、絶縁板の両面にグリスを設ける場合には、グリスによる熱抵抗が2箇所で発生するので、パワーモジュールから熱交換器への熱抵抗の増大を充分に抑制することができない。
【0003】
そこで、絶縁板の片面だけにグリスを設ける構成が考えられている。例えば特許文献1では、金属層とセラミック層を一体化した複合材料が提案されている。このような複合材料をパワーデバイスと熱交換器との間に設けることで、絶縁性を確保しながらパワーデバイスから熱交換器への熱抵抗の増大を抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平10-287934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の複合材料では、窒化アルミニウム粉末を1900℃以上で焼結するので、1900℃以上という高温に昇温させる必要がある。さらに特許文献1の複合材料では、金属層とセラミック層の接合強度が低く、接合界面で剥離するおそれがある。
【0006】
本発明は上記点に鑑み、低温度で製造でき、アルミニウムと窒化アルミニウムの接合強度を向上させることができるAl-AlN複合材料の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、セラミック基材(10)の上にAl-Mg合金材(20)を設け、Al-Mg合金材を加熱して溶融させ、Al-Mg合金材のMgとN
2
ガスとを反応させてMg
3

2
を生成し、Mg
3

2
を溶融したAl-Mg合金材の内部に沈降させ、溶融したAl-Mg合金材のAlとMg
3

2
とが反応するAlN生成反応によってAlNを生成する。
【0008】

2
ガスの供給量を調整してMg
3

2
の生成量を制御し、さらにAl材の加熱温度を複数段階に制御し、セラミック基材の上に、セラミック基材を覆うようにAlNが形成されたAlN層(11)と、Al材のAlとAlNを含むAl-AlN層(12)と、Al材のAlが表面に露出しているAl層(13)とを順番に形成する。Al-AlN層では、AlNがAlN層から突出するように櫛刃状に形成された櫛刃状AlN(12a)を構成している。
【0009】
これによれば、AlとMg
3

2
から直接AlNを生成するため、低温でAlNを含んだAl-AlN複合材料を製造することができる。また、Al-AlN複合材料のAl-AlN層は、AlとAlNが複合的に入り組んだ構造を備えており、AlとAlNの界面の接合強度を向上させることができる。
【0010】
なお、上記各構成要素の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

株式会社デンソー
電子機器
2日前
株式会社デンソー
吸引装置
今日
株式会社デンソー
半導体装置
今日
株式会社デンソー
半導体装置
2日前
株式会社デンソー
位置検出装置
2日前
株式会社デンソー
異常検出装置
6日前
株式会社デンソー
電圧検出装置
2日前
株式会社デンソー
縦型半導体装置
今日
株式会社デンソー
開閉体制御装置
7日前
株式会社デンソー
過電流検出回路
2日前
株式会社デンソーウェーブ
位置分析システム
今日
株式会社デンソー
電池認証システム
6日前
株式会社デンソー
運行管理システム
1日前
株式会社デンソー
車両用通信システム
3日前
株式会社デンソー
スイッチング電源装置
3日前
株式会社デンソーウェーブ
固定部材外しシステム
2日前
株式会社デンソー
SiCウェハの製造装置
2日前
株式会社デンソーテン
通信装置及び通信システム
1日前
株式会社デンソー
窒化物半導体装置の製造方法
2日前
株式会社デンソートリム
ワイヤハーネス故障検出装置
2日前
株式会社デンソーテン
画像処理装置及び画像処理方法
1日前
株式会社デンソー
スパークプラグ、及び製造方法
1日前
株式会社デンソー
識別情報設定装置及びプログラム
1日前
株式会社SOKEN
振戦検出装置
2日前
トヨタ自動車株式会社
車両制御装置
6日前
株式会社デンソーテン
仮想化制御装置および仮想化制御方法
7日前
トヨタ自動車株式会社
電力伝送装置
2日前
トヨタ自動車株式会社
車両走行装置
7日前
トヨタ自動車株式会社
異常診断方法
1日前
株式会社アドヴィックス
液圧制御装置
2日前
株式会社デンソー
接続構造、半導体装置および絶縁内蔵基板
1日前
トヨタ自動車株式会社
車両減速支援装置
1日前
株式会社SOKEN
電力変換装置、プログラム
1日前
株式会社SOKEN
電力変換装置、プログラム
1日前
株式会社SOKEN
電力変換装置、プログラム
1日前
株式会社デンソー
識別情報設定装置、電池システム及びプログラム
1日前
続きを見る