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公開番号2024064840
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-14
出願番号2022173749
出願日2022-10-28
発明の名称SiCウェハの製造装置
出願人株式会社デンソー,トヨタ自動車株式会社,株式会社ミライズテクノロジーズ
代理人弁理士法人ゆうあい特許事務所
主分類H01L 21/205 20060101AFI20240507BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】欠陥が含まれにくいSiCウェハとしつつ、SiCウェハを製造する工程とは別の工程を不要にする。
【解決手段】搭載部50は、種基板10の裏面10b側が載置される載置面61aを有するサセプタ部60と、種基板10の周囲を囲む状態でサセプタ部60に配置されているガイド部70とを有する構成とする。そして、エピタキシャル層11を成長させる際、ステップフロー成長方向の上流側における種基板10とガイド部70との第1間隔L1がステップフロー成長方向の下流側における種基板10とガイド部70との第2間隔L2より狭くなるようにし、ガイド部70は、エピタキシャル層11を成長させる際に種基板11よりも温度が低くなる構成とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
炭化珪素ウェハの製造装置であって、
反応ガスが導入され、炭化珪素で構成されると共にオフ角を有する種基板(10)の表面(10a)側に、炭化珪素で構成されたエピタキシャル層(11)をステップフロー成長させる反応室(20a)を形成する反応室形成部(20)と、
前記反応室に備えられ、前記反応室に前記エピタキシャル層を成長させる反応ガスを供給する反応ガス用供給管(30)と、
前記反応室に配置され、前記種基板が配置される搭載部(50)と、
一端部側に前記搭載部が配置される筒部(41)を有し、前記搭載部を前記種基板と共に回転させる回転装置(40)と、
前記種基板を加熱する加熱装置(80、90)と、を備え、
前記搭載部は、前記種基板の裏面(10b)側が載置される載置面(61a)を有するサセプタ部(60)と、前記種基板の周囲を囲む状態で前記サセプタ部に配置されているガイド部(70)とを有し、前記エピタキシャル層を成長させる際、ステップフロー成長方向の上流側における前記種基板と前記ガイド部との第1間隔(L1)が前記ステップフロー成長方向の下流側における前記種基板と前記ガイド部との第2間隔(L2)より狭くなる構成とされ、
前記ガイド部は、前記エピタキシャル層を成長させる際に前記種基板よりも温度が低くなる構成とされている炭化珪素ウェハの製造装置。
続きを表示(約 760 文字)【請求項2】
前記ガイド部は、前記種基板より輻射率が大きい構成とされ、
前記加熱装置は、前記種基板の前記裏面側を加熱する第1加熱装置(80)と、前記種基板の前記表面側を加熱する第2加熱装置(90)と、を有し、
前記第1加熱装置および前記第2加熱装置は、前記種基板の前記裏面側の温度が前記表面側の温度より高くなるように駆動される請求項1に記載の炭化珪素ウェハの製造装置。
【請求項3】
前記ガイド部は、前記種基板より輻射率が小さい構成とされ、
前記加熱装置は、前記種基板の前記裏面側を加熱する第1加熱装置(80)と、前記種基板の前記表面側を加熱する第2加熱装置(90)と、を有し、
前記第1加熱装置および前記第2加熱装置は、前記種基板の前記表面側の温度が前記裏面側の温度より高くなるように駆動される請求項1に記載の炭化珪素ウェハの製造装置。
【請求項4】
前記サセプタ部は、前記載置面の面方向に対する法線方向において、前記種基板の中心が前記サセプタ部の中心よりも前記ステップフロー成長方向の上流側となる構成とされている請求項1ないし3のいずれか1つに記載の炭化珪素ウェハの製造装置。
【請求項5】
前記ガイド部は、筒状とされ、周方向に肉厚が変化した部分を有し、前記サセプタ部の前記載置面の面方向に対する法線方向において、内部の空間(70a)の中心(70c)が前記サセプタ部の中心(60c)と異なる形状とされており、
前記サセプタ部は、前記載置面の面方向に対する法線方向において、前記種基板の中心が前記サセプタ部の中心と一致する状態で配置される構成とされている請求項1ないし3のいずれか1つに記載の炭化珪素ウェハの製造装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、炭化珪素(以下では、単にSiCともいう)で構成されると共にオフ角を有する種基板上にエピタキシャル層を成長させてSiCウェハを製造するためのSiCウェハの製造装置に関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、SiCで構成されると共にオフ角を有する種基板上にエピタキシャル層を成長させてSiCウェハを構成することが提案されている。また、SiCで構成される種基板上にエピタキシャル層を成長させる場合、エピタキシャル層はステップフロー成長することが報告されている。さらに、オフ角を有する種基板上にエピタキシャル層を成長させる場合、ステップフロー成長方向の上流側で凹凸を含む欠陥が発生し易いことが報告されている。
【0003】
そして、SiCウェハに凹凸を含む欠陥が発生している場合、そのまま欠陥を含むSiCウェハを用いてMOSFET等の半導体素子を形成しようとすると、熱処理時に凹凸部分に応力が集中してSiCウェハが割れる可能性がある。また、半導体素子を形成する際にSiCウェハ上にレジストを配置する工程を含む場合、レジストを剥離する際に当該レジストが凹凸部分に残存し易くなり、異物となる可能性がある。なお、MOSFETは、metal oxide semiconductor field effect transistorの略称である。
【0004】
このため、例えば、特許文献1には、種基板上にエピタキシャル層を成長させてSiCウェハを構成した後、SiCウェハにおけるステップフロー成長方向の上流側に位置する部分を除去することが提案されている。つまり、特許文献1には、種基板上にエピタキシャル層を成長させてSiCウェハを構成した後、欠陥が構成され易い部分を除去することが提案されている。そして、除去したSiCウェハを用いて半導体素子を形成することにより、SiCウェハが割れたり、製造したSiC半導体装置に異物が含まれることを抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-034670号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、SiCウェハにおけるステップフロー成長方向の上流側に位置する部分を除去することは、SiCウェハを製造する工程とは別の工程が必要となり、製造工程が増加し易くなる。
【0007】
本発明は上記点に鑑み、欠陥が含まれにくいSiCウェハとしつつ、SiCウェハを製造する工程とは別の工程を不要にできるSiCウェハの製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための請求項1は、SiCウェハの製造装置であって、反応ガスが導入され、SiCで構成されると共にオフ角を有する種基板(10)の表面(10a)側に、SiCで構成されたエピタキシャル層(11)をステップフロー成長させる反応室(20a)を形成する反応室形成部(20)と、反応室に備えられ、反応室にエピタキシャル層を成長させる反応ガスを供給する反応ガス用供給管(30)と、反応室に配置され、種基板が配置される搭載部(50)と、一端部側に搭載部が配置される筒部(41)を有し、搭載部を種基板と共に回転させる回転装置(40)と、種基板を加熱する加熱装置(80、90)と、を備え、搭載部は、種基板の裏面(10b)側が載置される載置面(61a)を有するサセプタ部(60)と、種基板の周囲を囲む状態でサセプタ部に配置されているガイド部(70)とを有し、エピタキシャル層を成長させる際、ステップフロー成長方向の上流側における種基板とガイド部との第1間隔(L1)がステップフロー成長方向の下流側における種基板とガイド部との第2間隔(L2)より狭くなる構成とされ、ガイド部は、エピタキシャル層を成長させる際に種基板よりも温度が低くなる構成とされている。
【0009】
これによれば、エピタキシャル層を成長させる際、ガイド部が種基板よりも低温となる。また、エピタキシャル層を成長させる際、種基板とガイド部との第1間隔が種基板とガイド部との第2間隔より狭くなる。このため、エピタキシャル層を成長させる際、欠陥が発生し易い成長方向の上流側でエピタキシャル層が成長し難くなる。したがって、SiCウェハに凹凸が含まれ難くなり、成長方向の上流側を除去する工程を行わなくても、そのまま半導体素子を製造するのに利用することができる。
【0010】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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