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公開番号2024018607
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-08
出願番号2022122038
出願日2022-07-29
発明の名称シリコン単結晶
出願人グローバルウェーハズ・ジャパン株式会社
代理人個人,個人
主分類C30B 29/06 20060101AFI20240201BHJP(結晶成長)
要約【課題】チョクラルスキー法によりシリコン単結晶を引き上げる際、溶融液に対し断続的に副ドーパントを投入するカウンタードープを実施し、要求される規格範囲が狭い範囲であっても、軸方向に沿った抵抗率を規格範囲に収めることのできるシリコン単結晶を提供する。
【解決手段】直胴部を有し、該直胴部からシリコンウェーハが製造されるシリコン単結晶であって、前記直胴部の結晶軸方向において、規格範囲の変動幅で周期変化する抵抗率を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
直胴部を有し、該直胴部からシリコンウェーハが製造されるシリコン単結晶であって、
前記直胴部の結晶軸方向において、規格範囲の変動幅で周期変化する抵抗率を有することを特徴とするシリコン単結晶。
続きを表示(約 400 文字)【請求項2】
前記直胴部において、軸方向に沿って2~3mmの間を2~10Ωcmの幅で少なくとも1周期の変化をする抵抗率を有することを特徴とする請求項1に記載されたシリコン単結晶。
【請求項3】
前記直胴部において、軸方向に沿って3~100mmの間をカウンタードープによる補償率が80%以上の範囲で少なくとも1周期の変化をする抵抗率を有することを特徴とする請求項1に記載されたシリコン単結晶。
【請求項4】
前記直胴部において、軸方向に沿って100~200mmの間をカウンタードープによる補償率が80%以上の範囲で少なくとも1周期の変化をする抵抗率を有することを特徴とする請求項1に記載されたシリコン単結晶。
【請求項5】
前記直胴部は、p型ドーパントにより80%以上補償されたn型ドーパントを含むことを特徴とする請求項1に記載されたシリコン単結晶。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコン単結晶に関し、特にチョクラルスキー法によりシリコン単結晶を引き上げる際、溶融液に対し断続的に副ドーパントを投入し、軸方向における抵抗率を制御するカウンタードープにより育成されたシリコン単結晶に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
チョクラルスキー法(CZ法)によるシリコン単結晶の育成は、チャンバ内に設置した石英ルツボに原料であるポリシリコンを充填し、前記石英ルツボの周囲に設けられたヒータによってポリシリコンを加熱して溶融し、シリコン溶融液とする。その後、シードチャックに取り付けた種結晶(シード)を当該シリコン溶融液に浸漬し、シードチャックおよび石英ルツボを同方向または逆方向に回転させながらシードチャックを引上げることにより行う。
【0003】
このようなCZ法により製造されたシリコン単結晶の多くは、半導体材料として使用される。育成されるシリコン単結晶の抵抗率は、シリコン溶融液に添加されるドーパントにより調整される。ドーパントは、n型とp型とに分類され、n型結晶を育成する場合のドーパントとしては、P(リン)が多く用いられている。
【0004】
CZ法によるシリコン単結晶の育成において、ドーパントを添加した際、結晶成長方向に抵抗率が変化する現象が見られる。これは、ドーパントの偏析によるものであり、単結晶成長に伴うルツボ内のシリコン溶融液の減少に応じ、徐々に残液中のドーパント濃度が高くなり、それに伴い単結晶の抵抗率も連続的に低下していくためである。P(リン)の偏析係数は、0.35であるが、p型結晶のドーパントとして広く用いられているB(ボロン)の偏析係数0.8よりも低く、p型結晶と比べてトップ部からボトム部にかけての抵抗率の低下が顕著である。そのため、製品として使用できる部分が少なくなり、歩留の向上が厳しいという課題がある。
【0005】
このような課題に対し、例えば特許文献1には、主ドーパントと、この主ドーパントとは反対極性で偏析係数のより小さい副ドーパントとを結晶引上前に添加する(すなわち、コドープする)方法が開示されている。この方法を用いることによって、主ドーパントによる抵抗率の低下が副ドーパントによって相殺され、単結晶の軸方向の抵抗率分布を改善することが可能である。
しかしながら、前記したようにn型単結晶の製造において最も良く用いられるドーパントはP(リン)であり、その偏析係数は0.35程度であるが、反対極性の元素としてデバイスを作製する上で広く用いられているB(ボロン)は、その偏析係数が0.8程度と、P(リン)より偏析係数が大きく、上述の技術をそのまま用いることができない。
【0006】
このような課題を解決するものとして特許文献2には、単結晶の引き上げ中において、主ドーパントのP(リン)に対してB(ボロン)を連続的に添加する方法(すなわち、カウンタードープする)が開示されている。この方法を用いれば主ドーパントをP(リン)とし、副ドーパントをB(ボロン)としたカウンタードープにより軸方向抵抗率分布を改善したn型単結晶を製造することができる。
【0007】
ところで、シリコン単結晶の用途として、ダイオードまたはIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)などがあるが、耐圧Vb特性のばらつきを抑えるために、要求される抵抗の規格範囲(ばらつき幅)が狭く、材料となるウェーハを得るための単結晶を製造する際に、単にカウンタードープによる抵抗率の制御を行っても容易ではなかった。
そのため、特許文献3においては、デバイス製造の際、ベースバンドの濃度3.0×10
13
atoms/cm

のドリフト層の内部に、2.5×10
14
atoms/cm

の高濃度層を形成し、それにより耐圧Vbのばらつきやスイッチング特性のばらつきを抑えることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2004-307305号公報
特開平3-247585号公報
特開2021-93541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献3に開示されるようにデバイス製造の段階で、ドリフト層内に高濃度層を形成し、特性のばらつきを抑制する方法があるが、シリコンウェーハの段階で、その厚さ方向に抵抗率分布を管理して出荷することができれば、デバイスメーカにとってメリットが大きい。例えば、シリコンウェーハの厚さによらず、狭い規格範囲内(例えば5Ωcm内)に抵抗率が収まるようなシリコン単結晶を提供できることが望ましい。
【0010】
上記事情のもと、本願発明者は、シリコン単結晶の引上中において副ドーパントを投入し、軸方向の抵抗率を制御するカウンタードープを行うことを前提に鋭意検討を行い、本発明をするに至った。
本発明の目的は、チョクラルスキー法によりシリコン単結晶を引き上げる際、溶融液に対し断続的に副ドーパントを投入するカウンタードープを実施し、要求される規格範囲が狭い範囲であっても、軸方向に沿った抵抗率を規格範囲に収めることのできるシリコン単結晶を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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