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公開番号2024070137
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-22
出願番号2022180555
出願日2022-11-10
発明の名称エピタキシャル成長用シリコンウェーハ及びエピタキシャルウェーハ
出願人信越半導体株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C30B 29/06 20060101AFI20240515BHJP(結晶成長)
要約【課題】欠陥を抑制して、非常に良好な表層品質を有するエピタキシャル成長用シリコンウェーハを提供することを目的とする。
【解決手段】エピタキシャル成長用シリコンウェーハであって、チョクラルスキー法によって、Voidおよび転位クラスターを含まない全面N(Neutral)領域で、かつ酸素析出核のサイズ及び密度が調整されたシリコン単結晶からなるシリコンウェーハであり、シリコンウェーハ内の酸素析出核は、サイズが18nm以上のものの密度が5×107/cm3未満であるエピタキシャル成長用シリコンウェーハを提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
エピタキシャル成長用シリコンウェーハであって、
チョクラルスキー法による、Voidおよび転位クラスターを含まない全面N(Neutral)領域で、かつ酸素析出核のサイズ及び密度が調整されたシリコン単結晶からなるシリコンウェーハであり、
前記シリコンウェーハ内の前記酸素析出核は、サイズが18nm以上のものの密度が5×10

/cm

未満であることを特徴とするエピタキシャル成長用シリコンウェーハ。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
前記シリコンウェーハ内の前記酸素析出核は、サイズが12nm以上のものの平均サイズが18.5nm以下であり、かつサイズが12nm以上のものの密度が4×10

/cm

以下であることを特徴とする請求項1に記載のエピタキシャル成長用シリコンウェーハ。
【請求項3】
前記シリコン単結晶にドープされた窒素濃度が2×10
13
atoms/cm

から30×10
13
atoms/cm

であることを特徴とする請求項1に記載のエピタキシャル成長用シリコンウェーハ。
【請求項4】
前記シリコンウェーハの面方位が(100)、(110)、(551)のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のエピタキシャル成長用シリコンウェーハ。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のエピタキシャル成長用シリコンウェーハの表面にエピタキシャル層が形成されたものであり、前記エピタキシャル層にあるEP-SF(積層欠陥及び転位)が0.001個/cm

以下であることを特徴とするエピタキシャルウェーハ。
【請求項6】
前記エピタキシャルウェーハの780℃3hr+1000℃16hrの酸化熱処理後のシリコンウェーハ中のBMD密度は1×10

/cm

以上であって、狙いBMD密度に対して、
狙いBMD密度≦9.6875×10

{exp(Ini.Oi[ppma-ASTM’79]-21.99-5.35)}^0.3961
を満たすものであることを特徴とする請求項5に記載のエピタキシャルウェーハ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エピタキシャル成長用シリコンウェーハ及びエピタキシャルウェーハに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、微細化・積層化が進む半導体デバイス(Logic、NAND、DRAM)においては、二つの大きな課題がある。
一つは、ウェーハ表面近傍の極小さな欠陥もデバイス不良の要因となり得るため、デバイス動作領域となる表面近傍で欠陥が少ないもしくは無い高品質なウェーハであることであり、
もう一つは、プロセス中の金属汚染がデバイスの歩留りの低下要因となるため、不純物金属のゲッタリングサイトとなるBMD(Bulk Micro Defect)が十分に形成されなければならないことである。
【0003】
前者のウェーハ表面近傍欠陥に対する要求を満足するものとしては、空孔起因のCOPを有するV-rich領域や熱酸化時に酸化誘起積層欠陥が発生するR-OSF領域、格子間シリコン起因の転位ループや転位クラスターのいずれも含まないN(Neutral)領域で製造された低/無欠陥結晶PWや、基板上に無欠陥の層を形成するエピタキシャルウェーハ、アニールウェーハがある。
このうち、アニールウェーハにおいては無欠陥層を形成するために要する後処理時間が長く、大量供給には不向きで高コストになり易いという問題がある。
エピタキシャルウェーハは低/無欠陥結晶PWと比べると追加のコストがかかってしまうが、表層の欠陥レベルが良好なため、特に微細化が進み、プロセスが複雑化・長期化してプロセスコストが高い先端Logicデバイス向けに多く使用されている。
一般的に、エピタキシャルウェーハにおいては、比較的短時間の後処理で無欠陥層形成が可能であることから、低/無欠陥結晶PWよりも高速で結晶成長させた高生産性のV-rich結晶を用いることで、EP反応処理の追加コストを相殺することが可能となっている。
【0004】
更に、不純物金属のゲッタリングサイトとなるBMD(Bulk Micro Defect)を増やすには、窒素ドープが有効であることが知られている。
しかしながら、窒素ドープV-rich結晶においては、ウェーハ外周部でR-OSF領域起因のBMD密度低下、EP欠陥化、および高窒素濃度ドープした際の板状または棒状のCOPに起因するEP欠陥化が問題になる場合がある。
これを回避するためには、結晶を製品直径よりも太く成長して円筒研削でR-OSFにあたる部分を取り除く方法があるが、研削ロスおよび加工時間の増加により研削加工コストが増加する。
【0005】
ここで、V領域の基板を用いたエピタキシャルウェーハ製造の場合の課題をまとめる。基板に存在するVoidが表面に露出した状態で、Void内壁酸化膜がEP反応の前処理で除去・無害化することができないとEP欠陥(SF)発生要因となる。特に窒素ドープを行うと、Void形状が正八面体から板状・棒状の長細い形状となってEP反応の前処理で除去・無害化がし難くなるため、Void起因のEP欠陥発生が増加する。さらに、窒素ドープした、(110)および(551)基板においては、ウェーハ表面に直交する方向に深く伸びたVoidが形成されるため、EP反応の前処理で除去・無害化が(100)基板を使用する際よりも困難となり、より一層Void起因のEP欠陥の発生が増加する。
【0006】
別の方法として、R-OSFを含まないN(Neutral)領域の結晶を用いる方法があるが、後述するようにR-OSFを含まないN(Neutral)領域の結晶でもN(Neutral)領域に存在する酸素析出核がEP欠陥の発生要因となることがあり、極めて良好なEP表層欠陥レベルを実現することは困難であった。
【0007】
次に、プロセス中の金属汚染がデバイスの歩留り低下要因となることを抑制するための、不純物金属ゲッタリングサイトとなるBMD(Bulk Micro Defect)の重要性について説明する。
【0008】
MOSFETの動作(ソース・ドレイン電流)には、ゲート絶縁膜の静電容量(=絶縁膜比誘電率×ゲート面積/絶縁膜厚さ)が必要量確保されなければならないが、微細化の進行でゲート長が短くなってゲート面積が減少する分をゲート絶縁膜の薄膜化で補ってきている。
そのため、近年のデバイスにおいては、ゲート絶縁膜は極薄いEOT(等価酸化膜厚)0.5nm程度となっており、ゲート絶縁膜の均一性がデバイス動作の信頼性に対する重要なファクターを占めることとなる。
【0009】
そこで、デバイス工程の各種熱処理を低温・短時間化することでゲート絶縁膜の膜厚・膜質の均一化が図られている。
しかしながら、デバイスプロセスの低温・短時間化の弊害として、従来はデバイスプロセス中に不純物金属のゲッタリングサイトとなるBMD(Bulk Micro Defect)が基板中に十分に形成されていたのに対して、低温・短時間化によりデバイスプロセス中でのBMD形成が少なくなり、不純物金属に対するゲッタリング能力が減少し、デバイス歩留りが低下するということがある。
【0010】
このような問題があるため、先端の低温・短時間のデバイスプロセスに対しては従来よりもBMDを形成しやすい、低温・短時間のデバイスプロセス中においても高ゲッタリング能力を有するウェーハが必要とされている。
(【0011】以降は省略されています)

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