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公開番号2023178095
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-12-14
出願番号2022091159
出願日2022-06-03
発明の名称III族窒化物単結晶基板の製造方法
出願人信越化学工業株式会社
代理人個人
主分類C30B 29/38 20060101AFI20231207BHJP(結晶成長)
要約【課題】デバイスの製造時間を短縮することができ、かつ、デバイス製造時の割れや特性劣化を抑制可能なIII族窒化物単結晶基板の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のIII族窒化物単結晶基板の製造方法は、窒化物セラミックスを含む支持基板を準備する支持基板準備ステップと、支持基板の上面に平坦化層を設ける平坦化層形成ステップと、平坦化層の上面に種結晶層を設ける種結晶層形成ステップと、種結晶層の上面に目的のIII族窒化物単結晶をエピタキシャル成長させて複合基板とするエピタキシャル成膜ステップと、平坦化層又は種結晶層の少なくともいずれか一方を除去することで、III族窒化物単結晶からなるIII族窒化物単結晶基板を、複合基板の残部と分離する分離ステップと、を実行する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
窒化物セラミックスを含む支持基板を準備する支持基板準備ステップと、
前記支持基板の上面に平坦化層を設ける平坦化層形成ステップと、
前記平坦化層の上面に種結晶層を設ける種結晶層形成ステップと、
前記種結晶層の上面に目的のIII族窒化物単結晶をエピタキシャル成長させて複合基板とするエピタキシャル成膜ステップと、
前記平坦化層又は前記種結晶層の少なくともいずれか一方を除去することで、前記III族窒化物単結晶からなるIII族窒化物単結晶基板を、前記複合基板の残部と分離する分離ステップと、
を実行するIII族窒化物単結晶基板の製造方法。
続きを表示(約 890 文字)【請求項2】
前記平坦化層又は前記種結晶層の少なくともいずれか一方の除去は、高周波誘導加熱による溶融によって行う請求項1に記載のIII族窒化物単結晶基板の製造方法。
【請求項3】
前記平坦化層又は前記種結晶層の少なくともいずれか一方の除去は、Si系化合物及び/又はIII族窒化物系のエッチングガスによるドライエッチングによって行う請求項1に記載のIII族窒化物単結晶基板の製造方法。
【請求項4】
前記支持基板の下面に応力調整層を設ける応力調整層形成ステップを更に実行する請求項1に記載のIII族窒化物単結晶基板の製造方法。
【請求項5】
前記応力調整層が、シリコンを含むことを特徴とする請求項4に記載のIII族窒化物単結晶基板の製造方法。
【請求項6】
前記窒化物セラミックスが、AlN系、GaN系又はSi



系のいずれかである請求項1に記載のIII族窒化物単結晶基板の製造方法。
【請求項7】
前記支持基板は、前記窒化物セラミックスからなるコアを、厚み0.05μm以上1.5μm以下の封止層で包み込んだ構造である請求項1に記載のIII族窒化物単結晶基板の製造方法。
【請求項8】
前記封止層が、Si



又はSiO



(ここで、x=1、1≦y≦20)の少なくともいずれか一方を含む請求項7に記載のIII族窒化物単結晶基板の製造方法。
【請求項9】
前記平坦化層が、SiO

、Si



(ここで、1≦x≦20、y=1)の少なくともいずれか一方を含む請求項1に記載のIII族窒化物単結晶基板の製造方法。
【請求項10】
前記平坦化層の厚みが、0.5μm以上3.0μm以下である請求項1に記載のIII族窒化物単結晶基板の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、窒化アルミニウム(AlN)、窒化アルミニウムガリウム(Al

Ga
1-x
N(ただし、0<x<1)、窒化ガリウム(GaN)等のIII族窒化物単結晶基板の製造方法に関する。具体的には、III族窒化物系の無垢基板をエピタキシャル成膜により高特性、低コストで製造するIII族窒化物単結晶基板の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
結晶性AlN系、GaN系等のIII族窒化物の基板は広いバンドギャップを有し、短波長の発光性や高耐圧で優れた高周波特性を持つ。このため、III族窒化物の基板は、発光ダイオード(LED)、レーザ、ショットキーダイオード、パワーデバイス、高周波デバイス等のデバイスへの応用が期待されている。特に AlNおよびAl

Ga
1-x
N(ただし、0.5<x<1.0)の単結晶から作製されたLEDは、深紫外線領域(UVC;200~280nm)の発光波長において殺菌効果が報告され(非特許文献1参照)、昨今のコロナ対策用のデバイスとして期待されている。また、GaN単結晶は、5G、6Gの無線局やEVの無線充電用のデバイスとして期待されており、更なる高品質化、大口径化、低コスト化が求められている。
【0003】
このうちAlNは、常圧下で融点を持たないため、シリコン単結晶等の製造に用いられる一般的な融液法での製造は難しい。そのような事情を背景に、非特許文献2および非特許文献3には、1700~2250℃のN

雰囲気下で、SiCやAlNを種結晶として昇華法(改良Lely法)でAlN単結晶基板を製造する方法が記載されている。しかし、結晶成長に高温を要するなど、装置が大掛かりになるため、低コスト化が難しく、φ4インチ以上の大口径化も困難であった。また、特許文献1には、シリコン基板やAlN基板を支持基板として、ハイドライド気相成長(HVPE)法でAlN層を成長させる方法が記載されている。
【0004】
しかし、特許文献1の方法ではシリコン等を支持基板に用いるため、熱膨張率や格子定数の違いに起因するAlN層の転位密度を低減することが困難である。そこで、支持基板として結晶性の良い昇華法AlN基板を使うことが考えられるが、転位密度を低減できる反面、支持基板自体が小口径で、しかも高価なため、基板の大口径化や低コスト化が困難であった。
【0005】
一方、GaN基板の製造方法に関しては、特許文献2に記載されている。この製造方法では、熱膨張率や格子定数がGaN単結晶に比較的近い、AlNセラミックスをコアとし、これをSiO

やSi



等の多層膜で封止して支持基板とする。続いて、支持基板の凹凸の埋め合わせのため、SiO

などの平坦化層を形成する。そして、平坦化層上に種結晶のシリコン<111>単結晶を薄膜転写して複合基板と成した後、種結晶からGaN等の単結晶をエピタキシャル成長させて成膜する。
【0006】
しかし、この製造方法では、例えばGaN或いはAlNやAl

Ga
1-x
N(ただし、0<x<1)の単結晶を厚くエピタキシャル成膜すると、シリコン<111>の種結晶とGaN、AlN、Al

Ga
1-x
N(ただし、0<x<1)のそれぞれの単結晶との格子定数差が大きいことから、転位密度の低減が難しい。また、AlNセラミックスと封止層との間、多層膜間、及び多層膜と平坦化層との間における、相互の親和性や熱膨張率の差などにより、製造されたIII族窒化物単結晶基板にクラックや反り等が生じやすいという問題がある。更に、製造されたIII族窒化物単結晶基板は、デバイス作成後、バックグラインディングで、より薄くするための薄化処理が施されるのが通常である。このとき、Si等の半導体と異なり、硬く割れ易いAlNセラミックスのコアを含む支持基板を削るため、加工に長い時間を要し、また、割れてデバイスの歩留まり低下や特性劣化をもたらし資源ロスを生じやすいことが、III族窒化物単結晶基板の製造上の大きな欠点となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第4565042号公報
特許第6626607号公報
【非特許文献】
【0008】
LEDs Magazine Japan;2016年12月、p30-31
SEIテクニカルレビュー;No.177号、p88-91
フジクラ技報;No.119号、2010年Vol.2、p33-38
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記状況に鑑みなされたものであり、デバイスの製造時間を短縮することができ、かつ、デバイス製造時の割れや特性劣化を抑制可能なIII族窒化物単結晶基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のIII族窒化物単結晶基板の製造方法は、窒化物セラミックスを含む支持基板を準備する支持基板準備ステップと、支持基板の上面に平坦化層を設ける平坦化層形成ステップと、平坦化層の上面に種結晶層を設ける種結晶層形成ステップと、種結晶層の上面に目的のIII族窒化物単結晶をエピタキシャル成長させて複合基板とするエピタキシャル成膜ステップと、平坦化層又は種結晶層の少なくともいずれか一方を除去することで、III族窒化物単結晶からなるIII族窒化物単結晶基板を、複合基板の残部と分離する分離ステップと、を実行する。
(【0011】以降は省略されています)

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