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公開番号2023182034
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-12-26
出願番号2022095410
出願日2022-06-14
発明の名称ヘテロエピタキシャルウェーハの製造方法
出願人信越半導体株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C30B 29/36 20060101AFI20231219BHJP(結晶成長)
要約【課題】単結晶シリコン基板上に良質な3C-SiC単結晶膜を効率よくエピタキシャル成長させることができるヘテロエピタキシャルウェーハの製造方法を提供する。
【解決手段】単結晶シリコン基板上に3C-SiC単結晶膜をヘテロエピタキシャル成長させるヘテロエピタキシャルウェーハの製造方法であって、減圧CVD装置を用いて、単結晶シリコン基板の表面の自然酸化膜を水素ベイクにより除去する第一工程と、炭素を含むソースガスを供給しつつ、圧力が13Pa以上13332Pa以下、温度が600℃以上1200℃以下の条件で単結晶シリコン基板上にSiCの核形成を行う第二工程と、炭素とケイ素を含むソースガスを供給しつつ、圧力が13Pa以上13332Pa以下、温度が800℃以上1200℃未満の条件でSiC単結晶を成長させて3C-SiC単結晶膜を形成する第三工程と、を含むヘテロエピタキシャルウェーハの製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
単結晶シリコン基板上に3C-SiC単結晶膜をヘテロエピタキシャル成長させるヘテロエピタキシャルウェーハの製造方法であって、
減圧CVD装置を用いて、
前記単結晶シリコン基板の表面の自然酸化膜を水素ベイクにより除去する第一工程と、
前記減圧CVD装置内に炭素を含むソースガスを供給しつつ、圧力が13Pa以上13332Pa以下、温度が600℃以上1200℃以下の条件で前記単結晶シリコン基板上にSiCの核形成を行う第二工程と、
前記減圧CVD装置内に炭素とケイ素を含むソースガスを供給しつつ、圧力が13Pa以上13332Pa以下、温度が800℃以上1200℃未満の条件でSiC単結晶を成長させて前記3C-SiC単結晶膜を形成する第三工程と、
を含むことを特徴とするヘテロエピタキシャルウェーハの製造方法。
続きを表示(約 600 文字)【請求項2】
前記炭素を含むソースガスとしてメタン、エチレン、アセチレン、またはプロパンを用いることを特徴とする請求項1に記載のヘテロエピタキシャルウェーハの製造方法。
【請求項3】
前記炭素とケイ素を含むソースガスとしてモノメチルシランまたはトリメチルシランを用いることを特徴とする請求項1に記載のヘテロエピタキシャルウェーハの製造方法。
【請求項4】
前記炭素とケイ素を含むソースガスとしてモノメチルシランまたはトリメチルシランを用いることを特徴とする請求項2に記載のヘテロエピタキシャルウェーハの製造方法。
【請求項5】
前記第一工程を、温度が1000℃以上1200℃以下の条件で行うことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のヘテロエピタキシャルウェーハの製造方法。
【請求項6】
前記第二工程を、温度が600℃以上800℃以下の範囲から900℃以上1200℃以下の範囲に徐々に昇温する条件で行うことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のヘテロエピタキシャルウェーハの製造方法。
【請求項7】
前記第二工程を、温度が600℃以上800℃以下の範囲から900℃以上1200℃以下の範囲に徐々に昇温する条件で行うことを特徴とする請求項5に記載のヘテロエピタキシャルウェーハの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は単結晶シリコン基板上に3C-SiC単結晶膜をヘテロエピタキシャル成長させるヘテロエピタキシャルウェーハの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
Siのバンドギャップ1.1eVと比べ、SiCは2.2~3.3eVという広いバンドギャップを有することから高い絶縁破壊強度を有し、また熱伝導率も大きいためパワーデバイスや高周波用デバイスなどの各種半導体デバイス用の半導体材料として期待されている材料である。
【0003】
また、窒化ガリウム(GaN)成長のプラットフォームとしての利用(例えば特許文献1および非特許文献1)も進められているが、一方でSiCウェーハは小口径が主流であり、パワーデバイスや高周波デバイス向けとして大口径化が求められており、良質な3C-SiC単結晶膜を大口径基板上に成膜することができれば、3C-SiC単結晶膜そのものの利用以外に、大口径で良質なGaN層をもつヘテロエピタキシャルウェーハを作製することが可能になる。
【0004】
そこで、この大口径化の方法として、デバイスプロセスとの整合性がよいシリコン基板上へのエピタキシャル成長が検討されてきた(例えば特許文献1および2)。
これらの特許文献では、シリコン基板上に3C-SiC単結晶膜が成長できること、ならびにリアクタの種類を選べば直径300mm基板のような大口径基板へ3C-SiC単結晶膜が成長できることが開示されている。
これらの特許文献における3C-SiC単結晶膜の形成は、炭素源前駆体を含むガスとシリコン源前駆体を含むガスの2種類の原料ガスをキャリアガスとともにリアクタ内に導入し、高温処理(~1200℃)ないしは高温処理とプラズマ処理を組合せてこれらの原料ガスを分解して成長することを特徴としている。
【0005】
このように2種類の原料ガスを同時に流して成膜する場合、それぞれのガス種の熱的安定性や拡散係数の違いにより、これらを制御して良質な3C-SiC単結晶膜を成長することが非常に困難であり、使用できるプロセス条件の範囲が狭くなる問題がある(エピタキシャル成長が起こらず、分解した原料ガスが気相中で反応してリアクタを汚染することのないようなプロセス条件で行う必要があるなど)。また高温処理を必要とするために既存プロセスとの親和性が低くなる(直径が300mmのように大口径化するとスリップ耐性などの問題のためできるだけ低温での成膜が望ましい)問題がある。また、使用する原料ガス種が多くなると、装置および付帯設備のコストアップや安全上の問題(特にシリコン源となるガスは概して反応性が高い)が生じることから、使用する原料ガス種は少ない方がよい。
【0006】
シリコン基板上への3C-SiC単結晶膜の成長例として、特許文献3には、シリコンとSiCの格子不整合をより小さくするために、単結晶シリコン基板として面方位(110)の単結晶シリコン基板を使用することが開示されている。格子不整合の面からは有利だが、ヘテロエピタキシャルウェーハの製造を考慮した場合、面方位を限定することは望ましくない。また、水素を含む3C-SiC単結晶層を形成することが同時に開示されているが、エピタキシャル成長シーケンス中の昇温過程で水素は容易に抜けてしまうことが想像され、水素量に依存した条件でないことが望まれる。
【0007】
また、特許文献4には、単結晶シリコン基板のオフ角度について言及されているが、プロパンによる炭化とそれに続くプロパン+シランガスの成長であり、やはり原料ガス種が多くなり、エピタキシャル成長には不利である。
また、特許文献5には、原料ガスとしてモノメチルシランを用いて、面方位が(111)で直径が8インチ(200mm)未満の単結晶シリコン基板上に3C-SiC単結晶層を成長する方法が公開されているが、このときの成膜条件は単結晶シリコン基板の温度が1050~1100℃の成膜条件に達した後で、5~12時間の間、チャンバー内の圧力を2×10
-4
~3×10
-4
Torr(0.02~0.03Pa)の条件で行うというものであり、極めて圧力が低い条件で3C-SiC単結晶層の形成を行っているので形成速度が遅いという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特表2018-522412号公報
特開2021-020819号公報
特開2006-253617号公報
特開2008-184361号公報
特開2017-039622号公報
【非特許文献】
【0009】
Japanese Journal of Applied Physics 53, 05FL09 (2014)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、単結晶シリコン基板上に良質な3C-SiC単結晶膜を効率よくエピタキシャル成長させることができるヘテロエピタキシャルウェーハの製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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