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公開番号2023182155
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-12-26
出願番号2022095597
出願日2022-06-14
発明の名称エピタキシャルウェーハの製造方法
出願人信越半導体株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C30B 29/06 20060101AFI20231219BHJP(結晶成長)
要約【課題】十分な酸素濃度を有するエピタキシャル用基板を用いてもエピタキシャル欠陥中心密集の発生を抑制できるエピタキシャルウェーハの製造方法を提供すること。
【解決手段】インゴットから抵抗率が0.01Ω・cm以下、酸素濃度が24ppma以上のP++基板を切り出す工程、インゴットのコーン側の端部から切り出し位置までの距離をP++基板に関連付けて管理する工程、65cm以下の距離と関連付けられたP++基板をエピタキシャル用基板として選択する工程、エピタキシャル用基板を反応温度まで昇温する工程、エピタキシャル用基板の表面をエッチング処理に供する工程、エピタキシャル用基板をH2下でのベイク処理に供する工程、及びエッチング処理されたエピタキシャル用基板の表面上にエピタキシャル層を成長させて、エピタキシャルウェーハを得る工程を含むエピタキシャルウェーハの製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
エピタキシャルウェーハの製造方法であって、
CZ法により得られたインゴットから、抵抗率が0.01Ω・cm以下であり且つ酸素濃度が24ppma(ASTM79)以上であるP
++
基板を切り出す基板切り出し工程と、
前記インゴットの種結晶側であるコーン側の端部から、前記P
++
基板を切り出した切り出し位置までの距離を測定して、前記距離を前記P
++
基板に関連付けて管理する切り出し位置管理工程と、
前記切り出し位置管理工程において65cm以下である前記距離と関連付けられた前記P
++
基板を、エピタキシャル用基板として選択する選択工程と、
前記エピタキシャル用基板を反応温度まで昇温する昇温工程と、
前記昇温工程の後に、前記エピタキシャル用基板の表面をエッチング処理に供するエッチング工程と、
前記エッチング工程の前又は後に、前記エピタキシャル用基板をH

下でのベイク処理に供するベイキング工程と、
前記エッチング処理され且つ前記ベイク処理された前記エピタキシャル用基板の表面上にエピタキシャル層を成長させて、エピタキシャルウェーハを得るエピタキシャル層成長工程と
を含むことを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造方法。
続きを表示(約 160 文字)【請求項2】
前記エッチング工程において、HClを含むガスをエッチングガスとして用いることを特徴とする請求項1に記載のエピタキシャルウェーハの製造方法。
【請求項3】
前記インゴットとして、ボロンドープインゴットを用いることを特徴とする請求項1又は2に記載のエピタキシャルウェーハの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エピタキシャルウェーハの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、半導体デバイスのデザインルールの微細化に伴い、エピタキシャルウェーハにおけるエピタキシャル欠陥低減の要求が高まっている。
【0003】
エピタキシャルウェーハの作製工程は、主に、CZ法によりシリコン単結晶の引き上げによるインゴット作製、インゴットからのウェーハの切り出し(スライス)、研磨によるポリッシュドウェーハ(PW)の作製、及びエピタキシャル用基板としてのPWへのシリコン単結晶膜(エピタキシャル層)のエピタキシャル成長によるエピタキシャルウェーハの作製からなる。
【0004】
結晶の引き上げ工程において、特に高濃度のボロンを含むP
++
結晶では、数十nmからなる結晶起因の酸素析出物が、結晶の中心付近に多く形成される。そして、後段のエピタキシャル成長の過程において、ウェーハ表面に存在する上記の酸素析出物を起点として、エピタキシャル成長後にエピタキシャル欠陥の中心密集が生成する。そのため、結晶酸素析出物起因のエピタキシャル欠陥を抑制できるエピタキシャルウェーハの製造方法の検討が必要であった。
【0005】
エピタキシャル欠陥の抑制方法の1つとして、デポジション(エピタキシャル成長)前の水素ベイクに加えて、エピタキシャル用基板表面をエッチングすることにより、エピタキシャル欠陥発生のオリジンを除去する方法が挙げられる。エピタキシャルウェーハの製造過程においてウェーハをエッチングする手法としては、エピタキシャル成長装置において、エピタキシャル成長前にエッチング工程として、HCl、H

及びトリクロロシランの混合ガスにてシリコン基板表面をエッチングすることを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造方法(特許文献1)、エピタキシャル成長装置において、エピタキシャル成長後にエッチング工程として、HClガスにてエピタキシャル膜表面をエッチングし、鏡面研磨工程を簡略化することを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造方法(特許文献2)、砒素がドープされ2.5mΩ・cm以上の抵抗率<100>のシリコン単結晶インゴットから、[001]方向に0.2°以下傾斜させた範囲、且つ[010]方向又は[010]方向に0.1°以下傾斜させた範囲にウェーハを切り出し、ウェーハをHClでガスエッチングした後に、エピタキシャル成長を行うことを特徴とする製造方法(特許文献3)、エピタキシャル成長装置において、エピタキシャル成長前にエッチング工程として、HClガスにてシリコン基板表面の凸形状の線状形状欠陥を10nm以上0.1μm以下のエッチング量でエッチングすることを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造方法(特許文献4)、エピタキシャル成長装置において、エピタキシャル成長前に炉内にHClガスを導入して炉内のパーティクル低減のためのエッチングを行うことを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造方法(特許文献5)などが、先行技術文献に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2013-055231号公報
特開2011-091387号公報
特開2004-091234号公報
特開2003-197547号公報
特開平11-060380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
結晶起因のエピタキシャル欠陥の中心密集を抑制する従来の手法として、結晶引き上げ時における、結晶の酸素濃度を低下させる、又は引き上げ速度(SE)を低下させるなどの手法が挙げられるが、近年、金属不純物のゲッタリングを目的としたBMD(Bulk Micro Defects)密度増加の要求があることから、酸素濃度の低下は難しく、また、引き上げ速度を低下することで、結晶の生産性が低下する等の問題があった。
【0008】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、十分な酸素濃度を有するエピタキシャル用基板を用いながらも、エピタキシャル欠陥の中心密集の発生を抑制できるエピタキシャルウェーハの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明では、エピタキシャルウェーハの製造方法であって、
CZ法により得られたインゴットから、抵抗率が0.01Ω・cm以下であり且つ酸素濃度が24ppma(ASTM79)以上であるP
++
基板を切り出す基板切り出し工程と、
前記インゴットの種結晶側であるコーン側の端部から、前記P
++
基板を切り出した切り出し位置までの距離を測定して、前記距離を前記P
++
基板に関連付けて管理する切り出し位置管理工程と、
前記切り出し位置管理工程において65cm以下である前記距離と関連付けられた前記P
++
基板を、エピタキシャル用基板として選択する選択工程と、
前記エピタキシャル用基板を反応温度まで昇温する昇温工程と、
前記昇温工程の後に、前記エピタキシャル用基板の表面をエッチング処理に供するエッチング工程と、
前記エッチング工程の前又は後に、前記エピタキシャル用基板をH

下でのベイク処理に供するベイキング工程と、
前記エッチング処理され且つ前記ベイク処理された前記エピタキシャル用基板の表面上にエピタキシャル層を成長させて、エピタキシャルウェーハを得るエピタキシャル層成長工程と
を含むことを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造方法を提供する。
【0010】
本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法であれば、低抵抗且つ十分な酸素濃度を有するP
++
基板をインゴットから切り出し、インゴットからのP
++
基板の切り出し位置を管理し、インゴットのうち、エピタキシャル欠陥の中心密集が顕著に起こり得る、コーン側の端部からの距離が65cm以下である切り出し位置から切り出したP
++
基板をエピタキシャル用基板として選択し、該エピタキシャル用基板に対してエッチング処理を行い、その後にエピタキシャル用基板上にエピタキシャル層を形成することで、十分な酸素濃度を有するエピタキシャル用基板を用いながらも、エピタキシャル欠陥の中心密集の発生を抑制して、エピタキシャルウェーハを製造することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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