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公開番号2023172996
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-12-07
出願番号2022084916
出願日2022-05-25
発明の名称基体および基体の製造方法
出願人国立大学法人京都工芸繊維大学
代理人個人,個人,個人
主分類C30B 29/16 20060101AFI20231130BHJP(結晶成長)
要約【課題】高い性能と信頼性を有する半導体装置を実現することができる基体および基体の製造方法を提供する。
【解決手段】基体は、YSZ基板である基板1と、基板1上に、ビックスバイト型結晶構造を有するβ-Fe2O3結晶から形成された第1酸化物層2と、第1酸化物層2上に、ビックスバイト型結晶構造を有するδ-Ga2O3結晶から形成された第2酸化物層3と、を備える。第1酸化物層2の厚さは、2.5nm以上且つ590.2nm以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
立方晶系の結晶構造を有する基板と、
前記基板の上方に位置し、ビックスバイト型結晶構造を有する第1酸化物結晶から形成された第1酸化物層と、
前記第1酸化物層上に、ガリウムを含み且つビックスバイト型結晶構造を有する第2酸化物結晶から形成された第2酸化物層と、を備える、
基体。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記第2酸化物結晶は、δ-Ga



である、
請求項1に記載の基体。
【請求項3】
前記第1酸化物結晶は、β-Fe



結晶、Mn



結晶、Y



結晶、Pr



結晶、La



結晶、Sm



結晶またはGd



結晶である、
請求項1または2に記載の基体。
【請求項4】
前記第1酸化物層の厚さは、2.5nm以上且つ590.2nm以下である、
請求項1または2に記載の基体。
【請求項5】
前記基板と前記第1酸化物層との間に介在し、ビックスバイト型結晶構造を有する前記第1酸化物結晶とは異なる第3酸化物結晶から形成された第3酸化物層を更に備える、
請求項1または2に記載の基体。
【請求項6】
前記基板は、安定化ジルコニア基板、MgO基板、SrTiO

基板、MgAl



基板、Si基板、GaAs基板、NiO基板またはCeO

基板である、
請求項1または2に記載の基体。
【請求項7】
前記安定化ジルコニア基板は、イットリウム安定化ジルコニア基板である、
請求項6に記載の基体。
【請求項8】
立方晶系の結晶構造を有する基板を準備する準備工程と、
ミストCVD法により、前記基板の上方に、ビックスバイト型結晶構造を有する第1酸化物結晶を成長させることにより第1酸化物層を形成する第1成長工程と、
ミストCVD法により、前記第1酸化物層上に、ガリウムを含み且つビックスバイト型結晶構造を有する第2酸化物結晶を成長させることにより第2酸化物層を形成する第2成長工程と、を含む。
基体の製造方法。
【請求項9】
前記第2成長工程において、成長温度は、600℃以上且つ650℃以下である、
請求項8に記載の基体の製造方法。
【請求項10】
前記第1成長工程において、成長温度は、475℃以上且つ550℃以下である、
請求項8または9に記載の基体の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、基体および基体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
SiCのようなバンドギャップが比較的大きいいわゆるワイドギャップ半導体は、絶縁破壊電界強度、熱伝導度が比較的高いという特徴を有する。このようなワイドギャップ半導体の中でも特に、酸化ガリウム(Ga



)は、SiCよりも大きなバンドギャップを持ち、半導体材料をパワーデバイスに用いる際の性能指数であるバリガ指数が、SiCに比べて数倍大きくパワーデバイスへの適用が期待されている。これに対して、コランダム型結晶構造を有する下地基板と、コランダム型結晶構造を有する半導体層と、コランダム型結晶構造を有する絶縁膜と、を備え、下地基板、半導体層、絶縁膜が、酸化ガリウム、酸化インジウム、酸化鉄等或いはこれらの混晶から形成された半導体装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2014-72463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ワイドギャップ半導体から形成された半導体装置は、透明電極材料としてよく用いられているITO(Indium Tin Oxide)から形成された透明電極と組み合わせた構造として、太陽電池、センサ等に適用される場合がある。一方、ITOは、ビックスバイト型結晶構造とコランダム型結晶構造とを持ち、ビックスバイト型結晶構造が最も安定している。しかしながら、特許文献1に記載された半導体装置では、コランダム型の半導体層、絶縁膜を備えるため、半導体層、絶縁膜等の上に比較的不安定なコランダム型結晶構造を有するITOを成長させざるを得ないため、その分、半導体装置の性能および信頼性が低下してしまう。
【0005】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、高い性能と信頼性を有する半導体装置を実現することができる基体および基体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る基体は、
立方晶系の結晶構造を有する基板と、
前記基板の上方に位置し、ビックスバイト型結晶構造を有する第1酸化物結晶から形成された第1酸化物層と、
前記第1酸化物層上に、ガリウムを含み且つビックスバイト型結晶構造を有する第2酸化物結晶から形成された第2酸化物層と、を備える。
【0007】
本発明に係る基体の製造方法は、
立方晶系の結晶構造を有する基板を準備する準備工程と、
ミストCVD法により、前記基板の上方に、ビックスバイト型結晶構造を有する第1酸化物結晶を成長させることにより第1酸化物層を形成する第1成長工程と、
ミストCVD法により、前記第1酸化物層上に、ガリウムを含み且つビックスバイト型結晶構造を有する第2酸化物結晶を成長させることにより第2酸化物層を形成する第2成長工程と、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、基体が、ビックスバイト型結晶構造を有する第1酸化物結晶から形成された第1酸化物層と、第1酸化物層上に、ガリウムを含み且つビックスバイト型結晶構造を有する第2酸化物結晶から形成された第2酸化物層と、を備える。これにより、基体の第1酸化物層、第2酸化物層に、安定したビックスバイト型結晶構造を有するITOを成長させて透明電極を形成することができるので、高い性能と信頼性とを備える半導体装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施形態に係る基体の断面図である。
実施形態に係るミストCVD装置の概略構成図である。
変形例に係る基体の断面図である。
(A)は比較例1および実施例1乃至4に係る基体についてX線回折測定により得られたプロファイルを示す図であり、(B)は実施例1、5乃至8に係る基体についてX線回折測定により得られたプロファイルを示す図である。
(A)は比較例2乃至4および実施例9に係る基体についてX線回折測定により得られたプロファイルを示す図であり、(B)は比較例5、6および実施例9乃至11に係る基体についてX線回折測定により得られたプロファイルを示す図である。
実施例10に係る基体についてX線回折測定により得られたプロファイルを示す図である。
実施例10に係る基体についてφ測定法によるX線回折測定を行った結果を示す図である。
(A)は実施例10に係る基体の基板のTEM回折スポットを示す図であり、(B)実施例10に係る基体の第2酸化物層のTEM回折スポットを示す図である。
比較例7、8および実施例12乃至22に係る基体についてX線回折測定により得られたプロファイルを示す図である。
比較例9乃至12および実施例23乃至25に係る基体についてX線回折測定により得られたプロファイルを示す図である。
実施例23に係る基体についてX線回折測定により得られたプロファイルを示す図である。
実施例23に係る基体についてφ測定法によるX線回折測定を行った結果を示す図である。
(A)は比較例13に係る基体についてX線回折測定により得られたプロファイルを示す図であり、(B)は比較例14に係る基体についてX線回折測定により得られたプロファイルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態に係る基体について図面を参照しながら説明する。図1(A)に示すように、本実施形態に係る基体10は、基板1と、基板1上に形成された第1酸化物層2と、第1酸化物層上に形成された第2酸化物層3と、を備える。基板1は、立方晶系の結晶構造を有する基板である。このような基板としては、立方晶系の結晶構造で安定化した安定化ジルコニア基板、MgO基板、SrTiO

基板、MgAl



基板、Si基板、GaAs基板、NiO基板またはCeO

基板が挙げられる。安定化ジルコニア基板としては、イットリウム安定化ジルコニア基板(YSZ基板)が挙げられる。
(【0011】以降は省略されています)

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