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公開番号2024058194
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-25
出願番号2022165405
出願日2022-10-14
発明の名称セラミックス多孔体及びその製造方法
出願人美濃窯業株式会社,国立研究開発法人産業技術総合研究所
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C04B 38/00 20060101AFI20240418BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】高気孔率かつ高通気率であるとともに、耐熱衝撃性に優れたセラミックス多孔体を提供する。
【解決手段】セラミックスにより形成されており、多数の球状の気孔を内包するとともに、隣接する気孔どうしを連通する貫通孔が気孔を構成する隔壁に形成された連続気孔構造を有し、気孔径の第2四分位数(μm)が130μm以下であるとともに、気孔径の四分位範囲(μm)が50μm以下であり、その気孔径が300μm以上の粗大気孔の単位面積(1cm2)当たりの数が20個以下であり、気孔率が50~99%であり、通気率が1×10-13~1×10-10m2であるセラミックス多孔体。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
セラミックスにより形成されており、
多数の球状の気孔を内包するとともに、隣接する前記気孔どうしを連通する貫通孔が前記気孔を構成する隔壁に形成された連続気孔構造を有し、
気孔径の第2四分位数(μm)が130μm以下であるとともに、気孔径の四分位範囲(μm)が50μm以下であり、
その気孔径が300μm以上の粗大気孔の単位面積(1cm

)当たりの数が20個以下であり、
気孔率が50~99%であり、
通気率が1×10
-13
~1×10
-10


であるセラミックス多孔体。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
耐熱衝撃温度が、480℃以上であるとともに、緻密体の臨界温度差ΔT(℃)以上である請求項1に記載のセラミックス多孔体。
【請求項3】
前記セラミックスが、ムライト、アルミナ、ジルコニア、シリカ、炭化珪素、窒化珪素、窒化硼素、コーディエライト、及び炭素からなる群より選択される少なくとも一種である請求項1又は2に記載のセラミックス多孔体。
【請求項4】
セラミックスからなる原料粉体、ゲル化剤、界面活性剤、及び水を含有するスラリーを泡立てて得た、泡を含有する原料スラリーをゲル化させてゲル体を得る工程と、
前記ゲル体を凍結して凍結体を得る工程と、
前記凍結体から氷を除去して得た乾燥体を焼成して、多数の球状の気孔を内包するとともに、隣接する前記気孔どうしを連通する貫通孔が前記気孔を構成する隔壁に形成された連続気孔構造を有するセラミックス多孔体を得る工程と、を有し、
前記泡の気泡径が10~150μmであるとともに、前記気泡径の標準偏差が20μm以下であるセラミックス多孔体の製造方法。
【請求項5】
セラミックスからなる原料粉体、ゲル化剤、及び水を含有するスラリーと、界面活性剤を用いて調製した泡と、を混合して得た、前記泡を含有する原料スラリーをゲル化させてゲル体を得る工程と、
前記ゲル体を凍結して凍結体を得る工程と、
前記凍結体から氷を除去して得た乾燥体を焼成して、多数の球状の気孔を内包するとともに、隣接する前記気孔どうしを連通する貫通孔が前記気孔を構成する隔壁に形成された連続気孔構造を有するセラミックス多孔体を得る工程と、を有し、
前記泡の気泡径が10~150μmであるとともに、前記気泡径の標準偏差が20μm以下であるセラミックス多孔体の製造方法。
【請求項6】
その径が300μm以上の粗大気泡の少なくとも一部を前記原料スラリーから除去した後にゲル化して前記ゲル体を得る請求項4又は5に記載のセラミックス多孔体の製造方法。
【請求項7】
前記原料スラリー中の泡の量が、前記原料スラリーの全体を基準として30~90体積%である請求項4又は5に記載のセラミックス多孔体の製造方法。
【請求項8】
前記セラミックスが、ムライト、アルミナ、ジルコニア、シリカ、炭化珪素、窒化珪素、窒化硼素、コーディエライト、及び炭素からなる群より選択される少なくとも一種である請求項4又は5に記載のセラミックス多孔体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックス多孔体及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来、高温条件下で使用可能なセラミックス多孔体及びその製造方法が種々提案されている。例えば、セラミックス原料粉末を水に分散させて調製したスラリーを凍結させて一方向に氷を成長させた後、凍結乾燥して氷を昇華させてセラミックス多孔体を製造する方法が提案されている(特許文献1)。さらに、ゲル化剤を添加したセラミックス原料粉体のスラリーをゲル化した後、凍結、乾燥及び焼成することで、連通孔が形成された、ハンドリング強度の高いセラミックス多孔体を製造する方法が提案されている(特許文献2)。
【0003】
また、ゲル化剤及び水溶性高分子を添加したセラミックス原料粉体のスラリーを原料として用いて、その内部に隔壁構造が形成されて部分的に遮断された連通孔を有する、高い断熱特性を持ったセラミックス多孔体を製造する方法が開示されている(特許文献3)。
【0004】
しかし、特許文献1及び2で提案された方法で製造されたセラミックス多孔体は、マクロポーラスな連通孔が形成されていることを構造上の特徴とするものであるため、熱やガスが容易に通過してしまい、高温条件下で使用可能なセラミックス多孔体のひとつである断熱材として利用することが困難であった。一方、特許文献3で提案された方法で製造されたセラミックス多孔体は、その内部に隔壁構造が形成されて部分的に遮断された連通孔を有するため、断熱材としての利用が期待される。しかし、前述の通り、特許文献1~3で提案されるセラミックス多孔体は、方向によって機械的特性等が大きく異なる事や、凍結時に粗大欠陥の元となる粗大氷結晶が生成しやすく、大型化が困難といった、構造材料として課題を有するものであった。
【0005】
これに対し、界面活性剤等を用いて調製した泡を添加したスラリーを用いて製造した、向き(方向)による物理的特性の差が小さく、泡の共存によって凍結時に粗大氷結晶の生成を抑制でき、構造材料として利用可能な強度を有するセラミックス多孔体が提案されている(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2001-192280号公報
特開2008-201636号公報
特開2011-195437号公報
特開2018-140905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献4で提案されたセラミックス多孔体は、高温条件に曝された場合には破損等しやすくなることがあった。すなわち、特許文献4で提案された従来のセラミックス多孔体は、高気孔率かつ高通気率である一方で、耐熱衝撃性についてはさほど良好であるとはいえず、さらなる改善の余地があった。
【0008】
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、高気孔率かつ高通気率であるとともに、耐熱衝撃性に優れたセラミックス多孔体を提供することにある。また、本発明の課題とするところは、このセラミックス多孔体を簡便に製造することが可能な製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明によれば、以下に示すセラミックス多孔体が提供される。
[1]セラミックスにより形成されており、多数の球状の気孔を内包するとともに、隣接する前記気孔どうしを連通する貫通孔が前記気孔を構成する隔壁に形成された連続気孔構造を有し、気孔径の第2四分位数(μm)が130μm以下であるとともに、気孔径の四分位範囲(μm)が50μm以下であり、その気孔径が300μm以上の粗大気孔の単位面積(1cm

)当たりの数が20個以下であり、気孔率が50~99%であり、通気率が1×10
-13
~1×10
-10


であるセラミックス多孔体。
[2]耐熱衝撃温度が、480℃以上であるとともに、緻密体の臨界温度差ΔT(℃)以上である前記[1]に記載のセラミックス多孔体。
[3]前記セラミックスが、ムライト、アルミナ、ジルコニア、シリカ、炭化珪素、窒化珪素、窒化硼素、コーディエライト、及び炭素からなる群より選択される少なくとも一種である前記[1]又は[2]に記載のセラミックス多孔体。
【0010】
また、本発明によれば、以下に示すセラミックス多孔体の製造方法が提供される。
[4]セラミックスからなる原料粉体、ゲル化剤、界面活性剤、及び水を含有するスラリーを泡立てて得た、泡を含有する原料スラリーをゲル化させてゲル体を得る工程と、
前記ゲル体を凍結して凍結体を得る工程と、前記凍結体から氷を除去して得た乾燥体を焼成して、多数の球状の気孔を内包するとともに、隣接する前記気孔どうしを連通する貫通孔が前記気孔を構成する隔壁に形成された連続気孔構造を有するセラミックス多孔体を得る工程と、を有し、前記泡の気泡径が10~150μmであるとともに、前記気泡径の標準偏差が20μm以下であるセラミックス多孔体の製造方法(以下、「第1の製造方法」とも記す)。
[5]セラミックスからなる原料粉体、ゲル化剤、及び水を含有するスラリーと、界面活性剤を用いて調製した泡と、を混合して得た、前記泡を含有する原料スラリーをゲル化させてゲル体を得る工程と、前記ゲル体を凍結して凍結体を得る工程と、前記凍結体から氷を除去して得た乾燥体を焼成して、多数の球状の気孔を内包するとともに、隣接する前記気孔どうしを連通する貫通孔が前記気孔を構成する隔壁に形成された連続気孔構造を有するセラミックス多孔体を得る工程と、を有し、前記泡の気泡径が10~150μmであるとともに、前記気泡径の標準偏差が20μm以下であるセラミックス多孔体の製造方法(以下、「第2の製造方法」とも記す)。
[6]その径が300μm以上の粗大気泡の少なくとも一部を前記原料スラリーから除去した後にゲル化して前記ゲル体を得る前記[4]又は[5]に記載のセラミックス多孔体の製造方法。
[7]前記原料スラリー中の泡の量が、前記原料スラリーの全体を基準として30~90体積%である前記[4]~[6]のいずれかに記載のセラミックス多孔体の製造方法。
[8]前記セラミックスが、ムライト、アルミナ、ジルコニア、シリカ、炭化珪素、窒化珪素、窒化硼素、コーディエライト、及び炭素からなる群より選択される少なくとも一種である前記[4]~[7]のいずれかに記載のセラミックス多孔体の製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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