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公開番号2024057767
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-25
出願番号2022164652
出願日2022-10-13
発明の名称固定部材及び固定構造
出願人大和化成工業株式会社,トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類H02G 3/30 20060101AFI20240418BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】板状部材の貫通孔に固定部材の係合部が挿入固定される固定構造を、固定部材の貫通孔からの取り外しが容易でかつ取り外すときに傷や破損が生じにくい構造にする。その際、固定部材の防塵・防水性能、射出成形金型による加工性、皿状当接部の弾性(柔軟性)を従来と同程度に維持するとともに、サイズ増も抑える。
【解決手段】 板状部材100の貫通孔101に挿入固定された固定部材10を取り外すために、貫通孔101の周辺部102に対し挿入方向Iの手前側から環状に当接する皿状当接部13において、対をなす弾性係止片12、12の側にそれぞれ折り返し部13Sを形成し、皿状当接部13の内側に治具を進入させる案内部とする。折り返し部13Sは、弾性係止片12、12の最下端12bよりも外側において、当該最下端12bの位置に向かって上り勾配となり、かつ支柱11の軸線11Z周りに滑らかに連続する湾曲面をなして形成される。
【選択図】図8

特許請求の範囲【請求項1】
上下方向に延びる支柱と、
前記支柱を左右方向から挟むように対をなし、それぞれが支柱上端側から支柱下端側に向けて延びる弾性係止片と、
前記支柱の下端側から前記支柱を取り囲みつつ外向き斜め上方へと拡径する皿状当接部と、
を備え、板状部材の貫通孔に前記支柱及び前記弾性係止片を支柱上端側から挿入することにより、各前記弾性係止片が、前記支柱に接近する弾性変形を伴う形で貫通孔を通過し、所定係合位置に到達したとき弾性復帰して、貫通孔から下方に突出して貫通孔の内壁面を押し付けつつ貫通孔の周辺部を挿入方向の奥側から係止し、かつ前記皿状当接部が、貫通孔の周辺部に対し挿入方向の手前側から環状に当接することで、板状部材に固定される固定部材であって、
前記皿状当接部は、外向き斜め上方へ延びた先で外向き斜め下方に折り返す折り返し部を有し、
前記折り返し部は、左右方向において各前記弾性係止片の前記支柱との接続位置よりも外側にそれぞれ独立して形成され、
各前記折り返し部の上面は、前記支柱の軸線周りに滑らかに連続する湾曲面をなし、かつ前記支柱の軸線方向から見たときの当該湾曲面の外縁から自然状態の前記弾性係止片の最下端に向かう方向が、上り勾配となるよう形成されることを特徴とする固定部材。
続きを表示(約 920 文字)【請求項2】
各前記折り返し部の前記支柱の軸線に対する径方向の長さは、前記支柱に対する左右方向の外側において最も長く、そこから当該軸線周りに向かって離れていくほど短くなるように形成され、当該軸線周りの両端側で前記皿状当接部における前記折り返し部の非形成部に対し滑らかに接続するように形成される請求項1に記載の固定部材。
【請求項3】
各前記折り返し部は、前記皿状当接部の最下面よりも下方に突出しない請求項1に記載の固定部材。
【請求項4】
前記皿状当接部の下側にワイヤーハーネスの保持部を備える請求項1に記載の固定部材。
【請求項5】
貫通孔が設けられる板状部材と、
上下方向に延びる支柱と、前記支柱を左右方向から挟むように対をなし、それぞれが支柱上端側から支柱下端側に向けて延びる弾性係止片と、前記支柱の下端側から前記支柱を取り囲みつつ外向き斜め上方へと拡径する皿状当接部と、を有した係合部が設けられる固定部材と、
を備え、前記板状部材の前記貫通孔に前記支柱及び前記弾性係止片を支柱上端側から挿入することにより、各前記弾性係止片が、前記支柱に接近する弾性変形を伴う形で前記貫通孔を通過し、所定係合位置に到達したとき弾性復帰して、前記貫通孔から下方に突出して当該貫通孔の内壁面を押し付けつつ当該貫通孔の周辺部を挿入方向の奥側から係止し、かつ前記皿状当接部が、当該貫通孔の周辺部に対し挿入方向の手前側から環状に当接することで、前記係合部が前記板状部材に係合固定される固定構造であって、
前記皿状当接部は、外向き斜め上方へ延びた先で外向き斜め下方に折り返す折り返し部を有し、
前記折り返し部は、左右方向において各前記弾性係止片の前記支柱との接続位置よりも外側にそれぞれ独立して形成され、
各前記折り返し部の上面は、前記支柱の軸線周りに滑らかに連続する湾曲面をなし、かつ前記支柱の軸線方向から見たときの当該湾曲面の外縁から自然状態の前記弾性係止片の最下端に向かう方向が、上り勾配となるよう形成されることを特徴とすることを特徴とする固定構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は固定部材及び固定構造に関する。
続きを表示(約 3,800 文字)【背景技術】
【0002】
ワイヤーハーネスを保持した状態で車体側に固定する車両用の固定部材は、ワイヤーハーネスを保持する保持部と、板状部材(車両用パネル材)の貫通孔に係合挿入する係合部を有した樹脂射出成形体として形成される(特許文献1参照)。
【0003】
具体的にいえば、係合部には、支柱と、支柱を挟むように対をなしそれぞれが支柱の上端側から下端側に向けて延びる弾性係止片と、支柱の下端側から支柱を取り囲みつつ支柱の径方向の外向き斜め上方へと広がる皿状当接部と、が設けられる。支柱及び弾性係止片が板状部材の貫通孔に対し支柱上端側から挿入されると、対をなす弾性係止片が、支柱に接近する内向きの弾性変形を伴う形で貫通孔を通過し、所定係合位置に到達したときに弾性復帰(完全に復帰した状態でなくてもよい)して、それら弾性係止片の先端の各係止部が、貫通孔の内周壁を外向きに押し付け、かつ貫通孔の周辺部を挿入方向の奥側から係止した係止状態となる一方、皿状当接部は、貫通孔の周辺部に対し挿入方向の手前側から環状に当接した当接状態となる。これにより、係合部が板状部材を挿入方向において挟んだ係合固定状態となる。
【0004】
こうした係合部による固定部材の固定構造において、係合部を板状部材から取り外すためには、従来であれば、例えば板状部材と皿状当接部との間にマイナスドライバー等の治具を差し入れて、貫通孔から下方に突出している各弾性係止片の突出先端部を、それぞれ支柱側に押し付けて弾性変形させることにより係合を解除し、その上で挿入方向の逆向きに抜き取ることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2019-161880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、こうした従来のやり方では、互いに強く密着した板状部材と皿状当接部との間にマイナスドライバー等の治具を差し入れることが難しく、容易に取り外すことはできない。また、板状部材と皿状当接部との間に治具を差し入れる際に、それらを傷つけたり破損させたりする可能性もある。傷ついたり破損した固定部材は、取り外せたとしても再利用は難しい。一方で、再利用可能に取り外せるものが新たに作成できたとしても、従来品よりも皿状当接部が大型化するような場合は、コスト及び配置自由度の観点から採用することは難しい。
【0007】
本発明の課題は、板状部材の貫通孔に固定部材の係合部が挿入固定される固定構造を、固定部材の貫通孔からの取り外しが容易で、かつ取り外すときに傷や破損が生じにくい構造にすることにある。また、その際に、固定部材の挿入固定時における防塵・防水性能、射出成形金型による加工性、皿状当接部の弾性(柔軟性)を従来と同程度に維持するとともに、サイズ増を抑えることも課題としている。
【発明の概要】
課題を解決するための手段及び発明の効果
【0008】
上記課題を解決するための固定部材は、
上下方向に延びる支柱と、
前記支柱を左右方向から挟むように対をなし、それぞれが支柱上端側から支柱下端側に向けて延びる弾性係止片と、
前記支柱の下端側から前記支柱を取り囲みつつ外向き斜め上方へと拡径する皿状当接部と、
を備え(を備える係合部が設けられ)、板状部材の貫通孔に前記支柱及び前記弾性係止片を支柱上端側から挿入することにより、各前記弾性係止片が、前記支柱に接近する弾性変形を伴う形で貫通孔を通過し、所定係合位置に到達したとき弾性復帰(自然状態に完全復帰していなくてもよい)して、貫通孔から下方に突出して貫通孔の内壁面を押し付けつつ貫通孔の周辺部を挿入方向の奥側(上側)から係止し、かつ前記皿状当接部が、貫通孔の周辺部に対し挿入方向の手前側(下側)から環状に当接することで(係合固定状態となり)、板状部材に固定(挿入固定)される固定部材であって、
前記皿状当接部は、外向き斜め上方へ延びた先で外向き斜め下方に折り返す折り返し部を有し、
前記折り返し部は、左右方向において各前記弾性係止片の前記支柱との接続位置よりも外側にそれぞれ独立して形成され、
各前記折り返し部の上面は、前記支柱の軸線周りに滑らかに連続する湾曲面をなし、かつ前記支柱の軸線方向から見たときの当該湾曲面の外縁から自然状態(非弾性変形状態)の前記弾性係止片の最下端に向かう方向が、上り勾配となるよう形成されることを特徴とする。
また、上記課題を解決するための固定構造は、
貫通孔が設けられる板状部材と、
上下方向に延びる支柱と、前記支柱を左右方向から挟むように対をなし、それぞれが支柱上端側から支柱下端側に向けて延びる弾性係止片と、前記支柱の下端側から前記支柱を取り囲みつつ外向き斜め上方へと拡径する皿状当接部と、を有した係合部が設けられる固定部材と、
を備え、前記板状部材の前記貫通孔に前記支柱及び前記弾性係止片を支柱上端側から挿入することにより、各前記弾性係止片が、前記支柱に接近する弾性変形を伴う形で前記貫通孔を通過し、所定係合位置に到達したとき弾性復帰して、前記貫通孔から下方に突出して当該貫通孔の内壁面を押し付けつつ当該貫通孔の周辺部を挿入方向の奥側から係止し、かつ前記皿状当接部が、当該貫通孔の周辺部に対し挿入方向の手前側から環状に当接することで、前記係合部が前記板状部材に係合固定される固定構造であって、
前記皿状当接部は、外向き斜め上方へ延びた先で外向き斜め下方に折り返す折り返し部を有し、
前記折り返し部は、左右方向において各前記弾性係止片の前記支柱との接続位置よりも外側にそれぞれ独立して形成され、
各前記折り返し部の上面は、前記支柱の軸線周りに滑らかに連続する湾曲面をなし、かつ前記支柱の軸線方向から見たときの当該湾曲面の外縁から自然状態の前記弾性係止片の最下端に向かう方向が、上り勾配となるよう形成されることを特徴とすることを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、皿状当接部に折り返し部が形成されることで、板状部材と皿状当接部との間にマイナスドライバー等の治具を差し入れやすくなる。また、差し入れやすくなることで、傷をつけたり破損させたりする可能性も大きく減じられるから、固定部材の再利用も可能になり、SDGs(Sustainable Development Goals)にも貢献できる。また、折り返し部は、皿状当接部において対をなす弾性係止片が位置する側にのみ形成されるから、折り返し部によるサイズ増を最小限にとどめることができるし、弾性係止片先端の爪の位置(即ち治具を差し入れる位置)も把握しやすい。また、支柱の軸線方向から見て、折り返し部がその外縁から弾性係止片の最下端位置に向かって上り勾配となり、かつ軸線周りに滑らかに連続する弧状の湾曲面をなすことで、弾性係止片の下側に位置する係止部への治具のアクセスが良好になる。即ち、治具の差し込み位置がずれたとしても、治具を係止部へと向かわせる方向修正を容易に行うことが可能になる。さらにいえば、折り返し部は、各弾性係止片の支柱との接続位置よりも左右方向の外側に形成される。貫通孔の周辺部に対し係止した弾性係止片は、最大でも支柱との接続位置付近まで撓んでいるため、この部分まで折り返し部が形成されていれば、仮に治具の差し込み位置がずれたとしても、折り返し部上面上を摺動させる形で方向修正をしながら治具を係止部に到達させることができる。また、皿状当接部において折り返し部が弾性係止片の位置する側にのみ限定的に形成されることで、固定部材の防塵・防水性能、射出成形金型による加工性、皿状当接部の弾性能力(柔軟性)を従来のものより損なうこともない。
【0010】
各前記折り返し部の前記支柱の軸線に対する径方向の長さは、前記支柱に対する左右方向の外側において最も長く、そこから当該軸線周りに向かって離れていくほど短くなるように形成され、当該軸線周りの両端側で前記皿状当接部における前記折り返し部の非形成部に対し滑らかに接続するように形成できる。上記構成によれば、折り返し部は、弾性係止片の係止部の外側という弧状中央部においては確実に治具を案内できるよう斜面幅(斜面長さ)が長く形成される一方、弧状両端部に近づくほど斜面幅(斜面長さ)が短く形成されて、大きくずれた治具の差し込み操作にまで手厚い案内形状を形成する無駄を省き、サイズ増を最小限にとどめることができる。また、折り返し部において斜面幅(斜面長さ)が短くなる支柱の軸線周りの両端側は、皿状部において折り返し部が形成されない非形成部に対し、斜面幅(斜面長さ)を減じていく形で接近し、最終的にはゼロとなって接続するため、治具が引っかかるような部分(凹凸や切り欠き)が皿状当接部には形成されない。このため、軸線周りの両端側から治具が挿入されたとしても、そこから治具を方向修正して係止部へと向かわせることも可能になる。
(【0011】以降は省略されています)

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