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公開番号2024049285
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-09
出願番号2023025438,2022154953
出願日2023-02-21,2022-09-28
発明の名称(メタ)アクリル酸メチルの再生システムおよび(メタ)アクリル酸メチルの再生方法
出願人住友化学株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類C08J 11/12 20060101AFI20240402BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】連結管における発火爆発を防止する、再生システム及び方法。
【解決手段】(メタ)アクリル樹脂組成物の成形体のスクラップを熱分解するための熱分解装置10であって、スクラップを投入するための投入部12と、(メタ)アクリル樹脂組成物が熱分解されて生成した(メタ)アクリル酸メチルを含むガスを抜き出すためのガス抜き出し部14とを有する熱分解装置と、ガス抜き出し部に連結管20により連結され、連結管を介して抜き出されたガスを精製する精製器およびガスを冷却するための冷却器からなるガス処理装置30とを備え、連結管は、1以上の管部本体22Aを含み、管部本体の少なくとも一部分の領域に、管部本体内を流通するガスを冷却するための冷却部24を有し、熱分解装置が押出機であって、下記式(1)を満たす再生システム。
0.6≦D2.5/A2.0≦25(1)(A:連結管の内径、D:押出機のシリンダー内径)
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
(メタ)アクリル系重合体を含む(メタ)アクリル系重合体組成物を成形した成形体のスクラップを熱分解するための熱分解装置であって、前記スクラップを投入するための投入部と、前記(メタ)アクリル樹脂組成物が熱分解されて生成した(メタ)アクリル酸メチルを含むガスを抜き出すためのガス抜き出し部とを有している熱分解装置と、
前記ガス抜き出し部に連結管により連結されており、該連結管を介して抜き出された、前記ガスを精製するための精製器および前記ガスを冷却するための冷却器からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むガス処理装置とを備えており、
前記連結管は、1以上の管部本体を含み、該管部本体の少なくとも一部分の領域に、該管部本体内を流通する前記ガスを冷却するための冷却部を有しており、
前記熱分解装置が押出機であって、
下記式(1)
0.6≦D
2.5
/A
2.0
≦25 (1)
(前記式(1)中、
Aは、前記連結管の内径を表し、
Dは、前記押出機のシリンダー内径を表す。)
を満たす、(メタ)アクリル酸メチルの再生システム。
続きを表示(約 900 文字)【請求項2】
前記接続部が、フランジ接続部またはねじ込み接続部である、請求項1に記載の再生システム。
【請求項3】
前記ガス抜き出し部の最も近傍に位置する前記接続部から前記ガス抜き出し部までの冷却部の延在長の前記連結管の全長に対する割合が、前記連結管の全長を100%としたときに、5%~50%である、請求項2に記載の再生システム。
【請求項4】
前記冷却部が、前記ガスの沸点以上かつ発火点未満の温度まで冷却することができる機能部である、請求項1~3のいずれか一項に記載の再生システム。
【請求項5】
前記冷却部が、内部に媒体を流通させることができる、二重管熱交換器を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の再生システム。
【請求項6】
前記二重管熱交換器において用いられる媒体が、水、空気、油、溶融塩および水蒸気からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項5に記載の再生システム。
【請求項7】
前記熱分解装置が、0.005MPa~1.5MPaの圧力下で前記スクラップを熱分解する装置である、請求項1~3のいずれか一項に記載の再生システム。
【請求項8】
請求項1~3のいずれか一項に記載の再生システムを用いて、前記スクラップを熱分解装置により0.005MPa~1.5MPaの圧力にて熱分解する熱分解工程と、
前記熱分解装置の前記ガス抜き出し部から前記ガスを抜き出して回収するにあたり、1以上の管部本体を含み、該管部本体の少なくとも一部分の領域に、該管部本体内を流通する前記ガスを冷却するための前記冷却部により前記ガスを冷却しつつ抜き出して回収する回収工程と
を含む、(メタ)アクリル酸メチルの再生方法。
【請求項9】
前記接続部が、フランジ接続部またはねじ込み接続部である、請求項8に記載の再生方法。
【請求項10】
前記スクラップに含まれる水の含有量が1%未満である、請求項8に記載の再生方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、(メタ)アクリル酸メチルの再生システムおよび(メタ)アクリル酸メチルの再生方法に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
(メタ)アクリル酸メチル(MMA)を重合した重合体であるポリ(メタ)アクリル酸メチル(PMMA)は、透明性に優れており、さらには耐候性にも優れている。よって、ポリ(メタ)アクリル酸メチルは、自動車用部品、看板標識、表示装置等を構成する部材の材料として、広く用いられている。
【0003】
そして、近年の資源価格の高騰、さらには環境問題に対する意識の高まりに伴って、上記のとおりの種々の用途に用いられたポリ(メタ)アクリル酸メチルを含む製品(成形体)は回収されてリサイクル(再資源化)が図られている。
【0004】
ポリ(メタ)アクリル酸メチルのリサイクルの方法としては、例えば、回収された成形体に対し、再度、成形工程を実施して新たな成形体を製造するマテリアルリサイクル、回収された成形体を熱処理して、ポリ(メタ)アクリル酸メチルを熱分解(解重合)することにより(メタ)アクリル酸メチルを回収し、回収された(メタ)アクリル酸メチル(再生MMAという場合がある。)を用いて新たな成形体を製造するケミカルリサイクル、および回収された成形体を燃料として燃焼させ、燃焼エネルギーを直接的に熱源として、さらには燃焼エネルギーを用いて発電して利用するサーマルリサイクルが挙げられる。
【0005】
ポリ(メタ)アクリル酸メチルは、300℃程度の比較的低い温度で加熱することによって、(メタ)アクリル酸メチルを高収率で回収することができ、不純物の低減が可能であるため、ケミカルリサイクルによりリサイクルされることが好ましい。
【0006】
ケミカルリサイクルにおいて、例えば、密閉されたシリンダを有する2軸押出機にアクリル樹脂のスクラップを供給し、400~600℃に加熱して熱分解し、2軸押出機の先端部から吐出される分解ガスを残渣タンクを介してクーラーの負圧効果と真空ポンプによって吸引し、クーラーで分解ガスを凝縮して液状モノマーとする態様が知られている(特許文献1参照。)。また、合成高分子材料をシリンダに供給して、シリンダ内で連続的に加熱することにより得られた低分子量の気体状熱分解物を導出して濃縮する熱処理方法が知られている(特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開平11-106427号公報
米国特許第3959357号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1および2にかかる技術によっては、加熱処理後にシリンダ外に導出された分解ガスおよび気体状熱分解物をシリンダに連結された連結管により外部に導出する際に連結管から分解ガスおよび気体状熱分解物が漏出してしまうことが考えられ、特に当該連結管が複数の管部を含んでおり、これらが例えばフランジ接続部またはねじ込み接続部といった接続部により接続される構成である場合には、接続部から分解ガスおよび気体状熱分解物が漏出してしまう場合がある。ここで、分解ガスおよび気体状熱分解物は、通常、可燃性であるため、場合によっては漏出したガスが発火爆発してしまうおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を進めたところ、熱分解されて生成したガスを熱分解装置から導出する場合に用いられる連結管が所定の構成を備えることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、下記〔1〕~〔14〕を提供する。
〔1〕 (メタ)アクリル系重合体を含む(メタ)アクリル系重合体組成物を成形した成形体のスクラップを熱分解するための熱分解装置であって、前記スクラップを投入するための投入部と、前記(メタ)アクリル樹脂組成物が熱分解されて生成した(メタ)アクリル酸メチルを含むガスを抜き出すためのガス抜き出し部とを有している熱分解装置と、
前記ガス抜き出し部に連結管により連結されており、該連結管を介して抜き出された、前記ガスを精製するための精製器および前記ガスを冷却するための冷却器からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むガス処理装置とを備えており、
前記連結管は、1以上の管部本体を含み、該管部本体の少なくとも一部分の領域に、該管部本体内を流通する前記ガスを冷却するための冷却部を有している、(メタ)アクリル酸メチルの再生システム。
〔2〕 前記連結管が、2以上の前記管部本体を含み、前記連結管の全長のうちの中途に2以上の前記管部本体同士が接合されることにより形成される少なくとも1つの接続部を有しており、前記ガス抜き出し部から該ガス抜き出し部の最も近傍に位置する接続部までの領域のうちの少なくとも一部分の領域に、前記冷却部が設けられており、
前記接続部が、フランジ接続部またはねじ込み接続部である、〔1〕に記載の再生システム。
〔3〕 前記ガス抜き出し部の最も近傍に位置する前記接続部から前記ガス抜き出し部までの冷却部の延在長の前記連結管の全長に対する割合が、前記連結管の全長を100%としたときに、5%~50%である、〔2〕に記載の再生システム。
〔4〕 前記冷却部が、前記ガスの沸点以上かつ発火点未満の温度まで冷却することができる機能部である、〔1〕~〔3〕のいずれか一つに記載の再生システム。
〔5〕 前記冷却部が、内部に媒体を流通させることができる、二重管熱交換器を含む、〔1〕~〔4〕のいずれか一つに記載の再生システム。
〔6〕 前記二重管熱交換器において用いられる媒体が、水、空気、油、溶融塩および水蒸気からなる群から選ばれる少なくとも1種である、〔5〕に記載の再生システム。
〔7〕 前記熱分解装置が、0.005MPa~1.5MPaの圧力下で前記スクラップを熱分解する装置である、〔1〕~〔6〕のいずれか一つに記載の再生システム。
〔8〕 前記熱分解装置が、押出機、ニーダーまたは流動床加熱機である、〔1〕~〔7〕のいずれか一つに記載の再生システム。
〔9〕 前記熱分解装置が押出機である、〔8〕に記載の再生システム。
〔10〕 下記式(1)を満たす、〔9〕に記載の再生システム。
0.6≦D2.5/A2.0≦25 (1)
(前記式(1)中、
Aは、前記連結管の内径を表し、
Dは、前記押出機のシリンダー内径を表す。)
〔11〕 請求項1~10のいずれか一つに記載の再生システムを用いて、前記スクラップを熱分解装置により0.005MPa~1.5MPaの圧力にて熱分解する熱分解工程と、
前記熱分解装置の前記ガス抜き出し部から前記ガスを抜き出して回収するにあたり、1以上の管部本体を含み、該管部本体の少なくとも一部分の領域に、該管部本体内を流通する前記ガスを冷却するための前記冷却部により前記ガスを冷却しつつ抜き出して回収する回収工程と
を含む、(メタ)アクリル酸メチルの再生方法。
〔12〕 前記回収工程が、2以上の前記管部本体を含み、前記連結管の全長のうちの中途に2以上の前記管部本体同士が接合されることにより形成される接続部であって、フランジ接続部またはねじ込み接続部である少なくとも1つの接続部を有しており、前記ガス抜き出し部から該ガス抜き出し部の最も近傍に位置する接続部までの領域のうちの少なくとも一部分の領域に設けられている前記冷却部により前記ガスを冷却しつつ抜き出して回収する回収工程である、〔11〕に記載の再生方法。
〔13〕 前記スクラップに含まれる水の含有量が1%未満である、〔11〕または〔12〕に記載の再生方法。
〔14〕 前記スクラップに含まれるアルミニウムの含有量が0~50質量%である、〔11〕~〔13〕のいずれか一つに記載の再生方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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