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公開番号2024062155
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-09
出願番号2022169982
出願日2022-10-24
発明の名称偏光板
出願人住友化学株式会社
代理人弁理士法人深見特許事務所
主分類G02B 5/30 20060101AFI20240430BHJP(光学)
要約【課題】高温環境下において透過率の低下及びクロス抜けの発生を抑制することができる新規の偏光板を提供する。
【解決手段】ポリビニルアルコール系樹脂層に二色性色素を吸着配向させてなる偏光素子と、透明保護フィルムと、を有する偏光板であって、前記偏光素子は、視感度補正偏光度が99.9%以上であり、波長780nmにおける直交透過率が1.8%以下である、偏光板。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリビニルアルコール系樹脂層に二色性色素を吸着配向させてなる偏光素子と、透明保護フィルムと、を有する偏光板であって、
前記偏光素子は、視感度補正偏光度が99.9%以上であり、波長780nmにおける直交透過率が1.8%以下である、偏光板。
続きを表示(約 730 文字)【請求項2】
前記偏光素子と前記透明保護フィルムとは、尿素系化合物を含有する水系接着剤から形成される接着剤層によって貼合されており、
前記尿素系化合物は、尿素、尿素誘導体、チオ尿素及びチオ尿素誘導体からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の偏光板。
【請求項3】
前記尿素系化合物は、尿素誘導体及びチオ尿素誘導体からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項2に記載の偏光板。
【請求項4】
前記水系接着剤は、ポリビニルアルコール系樹脂を含む、請求項2又は3に記載の偏光板。
【請求項5】
前記水系接着剤において、前記尿素系化合物の含有量が、前記ポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対して0.1質量部以上400質量部以下である、請求項4に記載の偏光板。
【請求項6】
前記水系接着剤は、メタノールを含み、
前記メタノールの濃度が10質量%以上70質量%以下である、請求項2又は3に記載の偏光板。
【請求項7】
前記水系接着剤は、シクロデキストリン類を含む、請求項2又は3に記載の偏光板。
【請求項8】
前記接着剤層は、厚みが0.01μm以上7μm以下である、請求項2又は3に記載の偏光板。
【請求項9】
前記偏光素子の厚みが、15μm以下である、請求項1又は2に記載の偏光板。
【請求項10】
前記偏光素子の含水率は、温度20℃相対湿度30%の平衡含水率以上、かつ温度20℃相対湿度50%の平衡含水率以下である、請求項1又は2に記載の偏光板。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光板に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
液晶表示装置(LCD)は、液晶テレビだけでなく、パソコン、携帯電話等のモバイル、カーナビ等の車載用途にも広く用いられている。通常、液晶表示装置は、液晶セルの両側に粘着剤で偏光板を貼合した液晶パネルを有し、バックライトからの光を液晶パネルで制御することにより表示が行われている。近年では、有機EL表示装置も液晶表示装置と同様にテレビ、携帯電話等のモバイル、カーナビ等の車載用途で広く用いられている。有機EL表示装置では、外光が金属電極(陰極)で反射され鏡面のように視認されることを抑止するために、画像表示パネルの視認側表面に円偏光板(偏光素子とλ/4板を含む積層体)が配置される場合がある。
【0003】
偏光板は上記のように、液晶表示装置、有機EL表示装置等の画像表示装置の部材として、車に搭載される機会が増えている。車載用の画像表示装置に用いられる偏光板は、テレビや携帯電話等のモバイル用途に比較して、高温環境下に曝されることが多いため、より高温での特性変化が小さいこと(高温耐久性)が求められる。
【0004】
一方、外表面から衝撃による画像表示パネルの破損防止等を目的として、画像表示パネルより視認側に透明樹脂板やガラス板等の前面板(「ウインドウ層」とも称される。)を設ける構成が増えている。タッチパネルを備える画像表示装置では、画像表示パネルよりも視認側にタッチパネルが設けられ、タッチパネルよりもさらに視認側に前面板を備える構成が広く採用されている。
【0005】
このような構成において、画像表示パネルと前面板やタッチパネル等の透明部材との間に空気層が存在すると、空気層界面での光の反射による外光の映り込みが生じ、画面の視認性が低下する傾向がある。そのため、画像表示パネルの視認側表面に配置される偏光板と透明部材との間の空間を、空気層以外の層であって通常は固体層(以下、「層間充填剤」と称する場合がある。)で充填する構成(以下、「層間充填構成」と称する場合がある。)を採用する動きが広まっている。層間充填剤は、好ましくは偏光板又は透明部材と屈折率が近い材料である。層間充填剤としては、界面での反射による視認性の低下を抑止すると共に、各部材間を接着固定する目的で、粘着剤やUV硬化型接着剤が用いられる(例えば特許文献1参照)。
【0006】
層間充填構成は、屋外で使用されることが多い携帯電話等のモバイル用途での採用が広がっている。また、近年の視認性に対する要求の高まりから、カーナビゲーション装置等の車載用途においても、画像表示パネル表面に前面透明板を配置し、パネルと前面透明板との間を粘着剤層等で充填した層間充填構成の採用が検討されている。
【0007】
しかし、このような構成を採用する場合、高温環境下で偏光板の透過率が著しく低下することが報告されている。特許文献2ではその問題の解決策として、偏光板の単位面積当たりの水分量を所定量以下とし、かつ偏光素子に隣接する透明保護フィルムの飽和吸水量を所定量以下とすることにより透過率の低下を抑制する方法を提案している。特許文献3では、水系接着剤に尿素系化合物を含有させることにより透過率の低下を抑制する方法を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開平11-174417号公報
特開2014-102353号公報
特開2020-190723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、高温環境下での透過率の低下を抑制できたとしても、二つの偏光板をクロスニコルの関係となるように配置して用いた場合に、光が抜けてくる不具合(以下「クロス抜け」とも称する。)が発生することがあった。特に、層間充填剤の厚みが100μm以上である構成は、クロス抜けがより発生し易いことがわかった。本発明は、高温環境下において透過率の低下及びクロス抜けの発生を抑制することができる新規の偏光板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、以下に例示する偏光板を提供する。
〔1〕 ポリビニルアルコール系樹脂層に二色性色素を吸着配向させてなる偏光素子と、透明保護フィルムと、を有する偏光板であって、
前記偏光素子は、視感度補正偏光度が99.9%以上であり、波長780nmにおける直交透過率が1.8%以下である、偏光板。
〔2〕 前記偏光素子と前記透明保護フィルムとは、尿素系化合物を含有する水系接着剤から形成される接着剤層によって貼合されており、
前記尿素系化合物は、尿素、尿素誘導体、チオ尿素及びチオ尿素誘導体からなる群より選択される少なくとも1種である、〔1〕に記載の偏光板。
〔3〕 前記尿素系化合物は、尿素誘導体及びチオ尿素誘導体からなる群より選択される少なくとも1種である、〔2〕に記載の偏光板。
〔4〕 前記水系接着剤は、ポリビニルアルコール系樹脂を含む、〔2〕又は〔3〕に記載の偏光板。
〔5〕 前記水系接着剤において、前記尿素系化合物の含有量が、前記ポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対して0.1質量部以上400質量部以下である、〔4〕に記載の偏光板。
〔6〕 前記水系接着剤は、メタノールを含み、
前記メタノールの濃度が10質量%以上70質量%以下である、〔2〕~〔5〕のいずれか1項に記載の偏光板。
〔7〕 前記水系接着剤は、シクロデキストリン類を含む、〔2〕~〔6〕のいずれか1項に記載の偏光板。
〔8〕 前記接着剤層は、厚みが0.01μm以上7μm以下である、〔2〕~〔7〕のいずれか1項に記載の偏光板。
〔9〕 前記偏光素子の厚みが、15μm以下である、〔1〕~〔8〕のいずれか1項に記載の偏光板。
〔10〕 前記偏光素子の含水率は、温度20℃相対湿度30%の平衡含水率以上、かつ温度20℃相対湿度50%の平衡含水率以下である、〔1〕~〔9〕のいずれか1項に記載の偏光板。
〔11〕 前記偏光板の含水率は、温度20℃相対湿度30%の平衡含水率以上、かつ温度20℃相対湿度50%の平衡含水率以下である、〔1〕~〔9〕のいずれか1項に記載の偏光板。
〔12〕 前記偏光板の一方の面に、厚みが50μm以下の粘着剤層が形成され、前記偏光板のもう一方の面に、厚みが50μm以上の粘着剤層が形成された、〔1〕~〔11〕のいずれか1項に記載の偏光板。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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