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公開番号2024072671
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-28
出願番号2022183642
出願日2022-11-16
発明の名称位相差膜形成用組成物、位相差膜の製造方法および位相差板
出願人住友化学株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類G02B 5/30 20060101AFI20240521BHJP(光学)
要約【課題】従来よりも低い、例えば100℃を下回るような低い温度で溶剤を除去する工程を採用して製膜することが可能であって、かつ、製膜時のムラの発生を抑制して、光学特性に優れた位相差膜を形成し得る位相差膜形成用組成物を提供すること。
【解決手段】100℃以上200℃以下にネマチック液晶相転移温度を有する重合性液晶化合物と、互いに異なる沸点を有する少なくとも2種の有機溶剤Aと有機溶剤Bとを含み、
前記重合性液晶化合物のネマチック液晶相転移温度をX(℃)、有機溶剤Aの沸点をTa(℃)、有機溶剤Bの沸点をTb(℃)とした場合に、下記式(1)~(3):
Tb-Ta ≧ 10(℃) (1)
Ta < X-30(℃) (2)
Tb > X-70(℃) (3)
を満たす、位相差膜形成用組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
100℃以上200℃以下にネマチック液晶相転移温度を有する重合性液晶化合物と、互いに異なる沸点を有する少なくとも2種の有機溶剤Aと有機溶剤Bとを含み、
重合性液晶化合物のネマチック液晶相転移温度をX(℃)、有機溶剤Aの沸点をTa(℃)、有機溶剤Bの沸点をTb(℃)とした場合に、下記式(1)~(3):
Tb-Ta ≧ 10(℃) (1)
Ta < X-30(℃) (2)
Tb > X-70(℃) (3)
を満たす、位相差膜形成用組成物。
続きを表示(約 2,400 文字)【請求項2】
重合性液晶化合物が下記式(I)で表される重合性液晶化合物(I)を含む、請求項1に記載の位相差膜形成用組成物。
TIFF
2024072671000035.tif
5
169
[式(I)中、


、L

、B

およびB

は、それぞれ独立に、単結合または二価の連結基を表し、


およびG

は、それぞれ独立に、二価の芳香族基または二価の脂環式炭化水素基を表し、該二価の芳香族基または二価の脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のフルオロアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基、シアノ基またはニトロ基に置換されていてもよく、該二価の芳香族基または二価の脂環式炭化水素基を構成する炭素原子が、酸素原子、硫黄原子または窒素原子に置換されていてもよく、
kおよびlは、それぞれ独立に、0~3の整数を表し、1≦k+lの関係を満たし、


およびE

は、それぞれ独立に、炭素数1~17のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよく、該アルカンジイル基に含まれる-CH

-は、-O-、-S-、-C(=O)-で置換されていてもよく、


およびP

は互いに独立に、重合性基または水素原子を表し(但し、P

およびP

のうちの少なくとも1つは重合性基である)、
Arは、式(Ar-1)~(Ar-5)のいずれかで表される基である
TIFF
2024072671000036.tif
46
144
[式(Ar-1)~(Ar-5)中、
*は、結合部を表す;


は-S-、-O-または-NR
11
-を表し、R
11
は水素原子または置換基を有してもよい炭素数1~6のアルキル基を表し、


は水素原子または置換基を有してもよい炭素数1~6のアルキル基を表す;


およびW

は、それぞれ独立に、-O-、-S-、-CO-、-NR
11
-を表し、R
11
は水素原子または置換基を有してもよい炭素数1~6のアルキル基を表す;


は炭素数1~6のアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表し、


はCN基または置換基を有してもよい炭素数1~12のアルキル基を表し、該アルキル基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよく、該アルキル基に含まれる-CH

-は、-O-、-CO-、-O-CO-または-CO-O-で置換されていてもよい;


、Z

およびZ

は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1~20の脂肪族炭化水素基またはアルコキシ基、炭素数3~20の脂環式炭化水素基、1価の炭素数6~20の芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、-NR
12

13
または-SR
14
を表し、Z

およびZ

は、互いに結合して芳香環または芳香族複素環を形成してもよく、R
12
~R
14
【請求項3】
有機溶剤Aのハンセン溶解度パラメータ(δD

、δP

、δH

)と、有機溶剤Bとのハンセン溶解度パラメータ(δD

、δP

、δH

)とを用いて算出されるハンセン溶解度パラメータ距離が10以下である、請求項1に記載の位相差膜形成用組成物。
【請求項4】
重合性液晶化合物が、棒状重合性液晶化合物をさらに含む、請求項2に記載の位相差膜形成用組成物。
【請求項5】
固形分濃度が5質量%以上である、請求項1に記載の位相差膜形成用組成物。
【請求項6】
位相差膜形成用組成物中に含まれる溶剤の総質量に対する、有機溶剤Aおよび有機溶剤Bの合計含有量が80質量%以上である、請求項1に記載の位相差膜形成用組成物。
【請求項7】
有機溶剤Aがエーテル系有機溶剤またはケトン系溶剤である、請求項1に記載の位相差膜形成用組成物。
【請求項8】
レベリング剤を含む、請求項1に記載の位相差膜形成用組成物。
【請求項9】
請求項1~8のいずれかに記載の位相差膜形成用組成物の塗膜を形成する工程、
前記塗膜を乾燥温度Td(℃)で乾燥して乾燥塗膜を得る工程、および、
前記乾燥塗膜を硬化させて位相差膜を得る工程、
を含み、前記乾燥温度Td(℃)が、式(4)および(5):
Ta < Td < Tb (4)
X-80 ≦ Td ≦ X-20 (5)
を満たす、位相差膜の製造方法。
【請求項10】
乾燥温度Tdが70℃以上130℃未満である、請求項9に記載の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、位相差膜形成用組成物、前記位相差膜形成用組成物を用いる位相差膜の製造方法、前記位相差膜形成用組成物の硬化膜を含む位相差板、に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
各種画像表示装置に用いられる位相差膜(位相差フィルム)には、その特性の1つとして全波長領域において偏光変換可能であることが求められており、例えば[Re(450)/Re(550)]<1の逆波長分散性を示す波長域では、理論上、一様の偏光変換が可能であることが知られている。例えば、いわゆるT字型やH型の分子構造を有する重合性液晶化合物は、重合して硬化させた際に逆波長分散性を発現する傾向にあり、位相差膜の形成用材料として用いられている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-191504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
重合性液晶化合物から形成される位相差膜は、例えば、重合性液晶化合物を溶剤に溶解させて得られる塗工液を支持基材に塗布して塗膜を形成した後、塗膜に含まれる重合性液晶化合物を液晶相状態へ転移させ、溶剤を留去することによって得ることができる。通常、かかる製膜方法は溶剤を留去するための加熱乾燥工程を含むが、近年、環境負荷低減の観点から製膜時の低温化が求められている。
【0005】
しかしながら、本発明者等の検討によれば、例えばネマチック相転移温度が100℃を超えるような、ネマチック相転移温度が比較的高い重合性液晶化合物を用いる従来の位相差膜形成用組成物においては、溶剤除去時の乾燥温度を下げると、得られる位相差膜の面内位相差の分布が悪化しやすくなり、位相差ムラを生じる場合があることがわかった。
【0006】
本発明は、従来よりも低い、例えば100℃を下回るような低い温度で溶剤を除去する工程を採用して製膜することが可能であって、かつ、製膜時のムラの発生を抑制して、光学特性に優れた位相差膜を形成し得る位相差膜形成用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の好適な態様を提供するものである。
[1]100℃以上200℃以下にネマチック液晶相転移温度を有する重合性液晶化合物と、互いに異なる沸点を有する少なくとも2種の有機溶剤Aと有機溶剤Bとを含み、
重合性液晶化合物のネマチック液晶相転移温度をX(℃)、有機溶剤Aの沸点をTa(℃)、有機溶剤Bの沸点をTb(℃)とした場合に、下記式(1)~(3):
Tb-Ta ≧ 10(℃) (1)
Ta < X-30(℃) (2)
Tb > X-70(℃) (3)
を満たす、位相差膜形成用組成物。
[2]重合性液晶化合物が下記式(I)で表される重合性液晶化合物(I)を含む、前記[1]に記載の位相差膜形成用組成物。
TIFF
2024072671000001.tif
5
169
[式(I)中、


、L

、B

およびB

は、それぞれ独立に、単結合または二価の連結基を表し、


およびG

は、それぞれ独立に、二価の芳香族基または二価の脂環式炭化水素基を表し、該二価の芳香族基または二価の脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のフルオロアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基、シアノ基またはニトロ基に置換されていてもよく、該二価の芳香族基または二価の脂環式炭化水素基を構成する炭素原子が、酸素原子、硫黄原子または窒素原子に置換されていてもよく、
kおよびlは、それぞれ独立に、0~3の整数を表し、1≦k+lの関係を満たし、


およびE

は、それぞれ独立に、炭素数1~17のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよく、該アルカンジイル基に含まれる-CH

-は、-O-、-S-、-C(=O)-で置換されていてもよく、


およびP

は互いに独立に、重合性基または水素原子を表し(但し、P

およびP

のうちの少なくとも1つは重合性基である)、
Arは、式(Ar-1)~(Ar-5)のいずれかで表される基である
TIFF
2024072671000002.tif
46
144
[式(Ar-1)~(Ar-5)中、
*は、結合部を表す;


は-S-、-O-または-NR
11
-を表し、R
11
は水素原子または置換基を有してもよい炭素数1~6のアルキル基を表し、


は水素原子または置換基を有してもよい炭素数1~6のアルキル基を表す;


およびW

は、それぞれ独立に、-O-、-S-、-CO-、-NR
11
-を表し、R
11
は水素原子または置換基を有してもよい炭素数1~6のアルキル基を表す;


は炭素数1~6のアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表し、


はCN基または置換基を有してもよい炭素数1~12のアルキル基を表し、該アルキル基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよく、該アルキル基に含まれる-CH

-は、-O-、-CO-、-O-CO-または-CO-O-で置換されていてもよい;


、Z

およびZ

【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、従来よりも低い、例えば100℃を下回るような低い温度で溶剤を除去する工程を採用して製膜することが可能であって、かつ、製膜時のムラの発生を抑制して、光学特性に優れた位相差膜を形成し得る位相差膜形成用組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、本発明の範囲はここで説明する実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で種々の変更をすることができる。
【0010】
<位相差膜形成用組成物>
本発明の位相差膜形成用組成物は、100℃以上200℃以下にネマチック液晶相転移温度を有する重合性液晶化合物と、互いに異なる沸点を有する少なくとも2種の有機溶剤Aと有機溶剤Bとを含む。本発明の位相差膜形成用組成物は、重合性液晶化合物のネマチック相転移温度をX℃、前記有機溶剤Aの沸点をTa℃、前記有機溶剤Bの沸点をTb℃とした場合に、下記式(1)~(3)を満たす。
Tb-Ta ≧ 10(℃) (1)
Ta < X-30(℃) (2)
Tb > X-70(℃) (3)
なお、本開示においては、位相差膜形成用組成物に含まれる溶剤のうち、沸点が低い方の有機溶剤を「有機溶剤A」とし、沸点が高い方の有機溶剤を「有機溶剤B」とする。位相差膜形成用組成物に3種以上の有機溶剤が含まれる場合、該位相差膜形成用組成物に含まれる重合性液晶化合物のネマチック液晶相転移温度X℃との関係において、前記式(1)~(3)を全て満たす関係にある少なくとも2種の有機溶剤を含むことが必要である。
また、位相差膜形成用組成物が複数の重合性液晶化合物を含む場合、上記重合性液晶化合物のネマチック液晶相転移温度は、位相差膜形成用組成物を構成する全ての重合性液晶化合物を位相差膜形成用組成物における組成と同じ比率で混合した重合性液晶化合物の混合物を用いて測定される温度を意味する。
(【0011】以降は省略されています)

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