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公開番号2024046851
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-05
出願番号2022152179
出願日2022-09-26
発明の名称鉄道レール、一体型レール間絶縁体及び接続継目部絶縁レール
出願人関東分岐器株式会社
代理人個人
主分類E01B 11/24 20060101AFI20240329BHJP(道路,鉄道または橋りょうの建設)
要約【課題】 軌道短絡を抑止すると共に、フロー除去周期の延伸を図ることによって、フロー削正に掛かる保守費用を低減する。また列車が継目部を通過する際の車輪の落ち込みが抑制され、騒音や振動が低減される。
【解決手段】レールの継目部における当接面が、上方に配置された頭部と、下方に配置された底部と、前記頭部と底部を連接する中間部とから形成されており、前記突き合わせた2本のレールの頭部が一方は二等辺開先形状であり、当該二等辺開先形状に対向する他方は嵌合する二等辺尖先形状であって、前記突き合わせたレールの中間部及び底部は平面状に形成されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
2本の鉄道レールが突き合わされている接着絶縁レールの鉄道レールにおいて、上方に配置された頭部と、下方に配置された底部と、前記頭部と底部を連接する中間部とから形成されており、前記鉄道レールの頭部が、一方は二等辺開先形状であり、当該二等辺開先形状に対向する他方は嵌合する二等辺尖先形状であって、前記レールの中間部及び底部は平面状に形成されていることを特徴とする鉄道レール。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記鉄道レールの頭部において、二等辺開先の開先角度が平面視220~280°で形成され、二等辺尖先における尖先角度が平面視80~140°で形成されていることを特徴とする請求項1に記載された鉄道レール。
【請求項3】
前記鉄道レールの二等辺開先及び二等辺尖先の頭部における上端辺が、1.0~2.0mmで面取りされていることを特徴とする請求項1又は2に記載されている鉄道レール。
【請求項4】
2本の鉄道レールの突き合わせ部間に配置されたレール間絶縁体において、当該レール間絶縁体が上方に配置された頭部と、下方に配置された底部と、前記頭部と底部を連接するように配置された中間部とから一体型に形成されており、当該一体型レール間絶縁体の頭部、中間部、底部が2本の鉄道レール断面における頭部、中間部、底部と当接するように、前記頭部がV字形状に形成され、前記中間部及び底部は平面状に形成されていることを特徴とする一体型レール間絶縁体。
【請求項5】
前記一体型レール間絶縁体において、尖先角度が平面視80~140°で形成されていることを特徴とする請求項4に記載された一体型レール間絶縁体。
【請求項6】
2本の鉄道レールがレール間絶縁体を介して突き合わされた継目部の両側面に、絶縁部材、継目板の順に配置し、絶縁材で形成したチューブを挿入したボルトで、前記絶縁部材、継目板、レールを固定した接着絶縁レールにおいて、前記2本の鉄道レールが請求項2又は3に記載された鉄道レールであり、前記レール間絶縁体が請求項4又は5に記載された一体型レール間絶縁体である接続継目部絶縁レール。
【請求項7】
1本の鉄道レールをレール切断機で切断した後、2本の鉄道レールを突き合わせ絶縁して接着する接続継目部絶縁レールの製造方法において、切断された一の鉄道レールの当接面が上方に配置された頭部と、下方に配置された底部と、前記頭部と底部を連接する中間部とから形成されており、前記一の鉄道レールの頭部を二等辺開先形状に切削加工し、また前記他の鉄道レールの頭部を当該二等辺開先に嵌合する二等辺尖先形状に切削加工し、前記レールの中間部及び底部は平面状に切削加工したレールを、一体型に形成されたレール間絶縁体を介し突き合わせ、継目部の両側面に絶縁部材、継目板の順に配置し、絶縁材で形成されたチューブを挿入したボルトを貫通孔に差し込み、前記絶縁部材、継目板及びレールをナットで固定した後に継目部を均一に加熱接着して一体接合することを特徴とする接続継目部絶縁レールの製造方法。
【請求項8】
前記鉄道レール及びレール間絶縁体の頭部における二等辺開先の開先角度が、平面視220~280°で形成され、かつ二等辺尖先における尖先角度が平面視80~140°で形成され、前記鉄道レールの少なくとも二等辺尖先の頭部における上端辺を1.0~2.0mmで面取り加工することを特徴とする請求項7又は8に記載されている接続継目部絶縁レールの製造方法。
【請求項9】
前記レール間絶縁体が、ガラスペーパーに熱硬化性エポキシ系樹脂接着剤を含浸させた後、積層し、金型によりプレス成形することによって得られることを特徴とする請求項7又は8に記載された接続継目部絶縁レールの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、50kgNレール、60kgレールの両方に使用可能であり、強度や絶縁抵抗といった要求特性を満たす新規な接着絶縁レール用の鉄道レール、レール間絶縁体及びそれらを組み合わせた接続継目部絶縁レールに関する。特にレールフローの発生及び騒音や振動を低減させ、かつ長期にわたって使用しても亀裂や損傷が発生しない接着絶縁レールに関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
現在、レールを列車の車軸で電気的に短絡することを利用して列車の位置を検知する軌道回路が導入されている。そのため鉄道レールは、一定間隔で絶縁を確保する必要がある為、所定の長さの2本のレール間(継目部)に絶縁材を配置することが周知となっている。
かかるレールの継目部においては、列車が有する車輪が一旦落ち込み次のレールへ飛び乗るように乗り移るため、列車が継目部を通過する際に、騒音や振動が発生する点が問題となっていた。又、列車が通過する際に、車輪を介した荷重によってレールが損傷してしまう問題が報告されていた。
更に継目部における鉄道レールの上端部が、車輪を介した荷重によって潰され、上端部が経年伸張するレールフロー現象が見られ、軌道短絡を発生させる問題が指摘されていた。そのため常日頃に、作業員がレールの継目を目視によって確認する保守点検を行う必要がある。
【0003】
このような問題や煩雑な作業を解消するために、特許文献1~3に掲載されている技術が開発された。これらの文献には、2本の鉄道レールの突合面が、軌道方向に尖鋭角になるように斜め切りされ、又は緩やかなS字形曲線をもって斜め切りされた技術が共通して開示されている。すなわち継目部において鉄道レールの突き合わせ面を斜め切りすることによって、車輪の乗り移りを円滑に行うことができる。そのため、列車が継目部を通過する際における騒音や振動を低減すると共に、車輪を介した荷重をレールの斜め形状を利用して接点移動させて支持することができるため、レール頭部の損傷自体を減少させることに成功した。
特にS字形曲線をもって斜め切りされた特許文献1は、車輪を介した荷重をアール曲線によって分散させることによって、レールフローを低減させて、軌道短絡を抑えることに成功した。
【0004】
しかし、このような従来技術には致命的な問題が発生していた。例えば、S字形曲線をもって斜め切りされたレールには、経年的にレール中間部に水平亀裂が発生する事例が報告されていた。それはレールの尖鋭角の端部略中央より軌道方向に切れ目(亀裂)が発生するというものであった。このような問題は、S字形曲線をもったレールのみならず、斜め切りされたレールが共通して有している問題点といえる。
すなわち斜め切りされたレールは、尖鋭角に向かうほど厚みが薄くなっており、車輪を介した荷重を薄い先端で一箇所の点で受けることから、亀裂が生じやすいと考えられる。
【0005】
更に、従来の技術では、レールフローの問題は完全には解決することはできなかった。そのため斜め切りされたレールを使用した接着絶縁レールにおいては、レールフローの兆候が見られる鉄道レールの上端部を研削する等のフロー削正作業が必要とされていた。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みて開発された新規な技術思想である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2001-64901号公報
特開昭57-172001号公報
米国特許第2051224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、接着絶縁レールの継目部で発生するレールフローの問題を従来技術以上の精度で解決し、軌道短絡を抑止すると共に、フロー除去周期の延伸を図ることによって、フロー削正に掛かる保守費用を低減することを目的とする。また、継目部のレール自体やレール間絶縁体の損傷を抑制することを目的とする。
更に本発明は、列車が継目部を通過する際の車輪の落ち込みを従来に比較して大幅に抑制し、騒音や振動の発生を低減させる接着絶縁レールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記の課題を解決するために以下の構成を採用した。
(1)2本の鉄道レールが突き合わされている接着絶縁レールの鉄道レールにおいて、上方に配置された頭部と、下方に配置された底部と、前記頭部と底部を連接する中間部とから形成されており、前記鉄道レールの頭部が、一方は二等辺開先形状であり、当該二等辺開先形状に対向する他方は嵌合する二等辺尖先形状であって、前記鉄道レールの中間部及び底部は平面状に形成されていることを特徴とする鉄道レールである。
本発明は、突き合わせた2本の鉄道レールの頭部が、一方は二等辺尖先形状であり、もう一方は二等辺開先形状に形成されている点に特徴を有する。このような形状を有することによって、継目部を車輪が通過する際に車輪とレール面との接触面が常に前後のレールにまたがった状態で継目部を通過させることができる。そのため一般的な接着絶縁レールと比較して、継目部における車輪の落ち込みが少ないため、振動や騒音を低減させることができる。
【0009】
また、突き合わされるレールの頭部をV字形状にすることによって、V字の中央部以外は2箇所で車輪を介した列車の荷重を支持することができるため、一箇所で荷重を支持する斜め切りされた従来のレールに比較して、レールの中心軸より応力を均等に分散することができる。そのためレール自体の損傷を低減することができる。なお、V字の中央部は10~15mmのR加工が施されており、レールの損傷を抑制している。
また斜め接着絶縁レールと比較して、加工範囲が限定され、かつ特殊な形状加工が必要な箇所は、レールの当接面における頭部のみであり、底部や中間部については、平面であるため、加工時間が短縮され、製造上のコストを大幅に低廉化できる。
さらに、最も列車による負荷がかかる尖鋭角の端部略中央部を底部に連接する中間部と平面状に形成することによって、垂直方向の応力を平板で分散して支持することができるため、V字形状で頭部から底面を均一に構成するよりも、尖鋭角の中央部における亀裂の発生を抑止できる。
【0010】
(2)前記鉄道レールの頭部において、二等辺開先の開先角度が平面視220~280°で形成され、二等辺尖先における尖先角度が平面視80~140°で形成されていることを特徴とする上記(1)に記載された鉄道レールである。
二等辺開先の開先角度が平面視280°を超えると、レール加工の際に使用する工具の大きさが適用しない等の困難性が発生する。一方、二等辺尖先の尖先角度が80°未満で形成すると、V字先端の肉厚が薄くなり強度が低下する。また、二等辺開先の開先角度が220°未満、二等辺尖先の尖先角度が140°以上、で形成すると、騒音の抑制とフローの発生抑制といった効果が得られない。
(3)前記鉄道レールの二等辺開先及び二等辺尖先の頭部における上端辺が、1.0~2.0mmで面取りされていることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載され鉄道レールである。
本発明は、二等辺開先・尖先の頭部における上端辺を面取りすることによって、継目部で発生するレールフローの問題を解決している。又、レールフローを抑制することによって、軌道短絡を防止し、フロー除去周期の延伸を図ることができる。そのためフロー削正に掛かる保守費用を大幅に削減できるようになる。
面取りが2.0mmを超えるとレールとレールの間隙が広くなるため、騒音や振動の発生につながる。対して、面取りを1.0mm未満とするとレールフローを抑制する効果が低くなり、フロー除去周期の延伸効果が得られない。
(【0011】以降は省略されています)

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