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公開番号2024044756
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-02
出願番号2022150494
出願日2022-09-21
発明の名称タイヤ用ゴム組成物およびタイヤ
出願人横浜ゴム株式会社
代理人個人
主分類C08L 23/22 20060101AFI20240326BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】タイヤリサイクルのために再生カーボンブラック(再生CB)をインナーライナーに使用した場合は、空気透過防止性能や発熱性が大幅に悪化するという問題点がある。
【解決手段】ブチル系ゴムを含むジエン系ゴム、カーボンブラック(CB)および再生CBを含み、前記再生CBのDBP吸油量と圧縮DBP吸油量の差(ΔDBP)が20ml/100g未満であり、前記再生CBの窒素吸着比表面積N2SA(単位m2/g)と沃素吸着量IA(単位mg/g)の比であるN2SA/IAが0.8以上2.0未満の範囲にあり、かつ前記CBおよび前記再生CBの合計の総量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、20~80質量部であるタイヤ用ゴム組成物によって上記課題を解決した。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ブチル系ゴムを含むゴム成分、カーボンブラックおよび再生カーボンブラックを含むタイヤ用ゴム組成物であって、
前記再生カーボンブラックのDBP吸油量と圧縮DBP吸油量(24M4DBP)の差(ΔDBP)が20ml/100g未満であり、
前記再生カーボンブラックの窒素吸着比表面積N

SA(単位m

/g)と沃素吸着量IA(単位mg/g)の比であるN

SA/IAが0.8以上2.0未満の範囲にあり、
前記ゴム成分100質量部中、前記ブチル系ゴムを80質量部以上含み、
前記カーボンブラックおよび前記再生カーボンブラックの合計の総量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、20~80質量部である
ことを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
続きを表示(約 940 文字)【請求項2】
前記カーボンブラックおよび前記再生カーボンブラックの合計の総量に対し、前記再生カーボンブラックの割合が0.1~50質量%であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
【請求項3】
前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積N

SAが20~62m

/gであり、かつDBP吸油量が55~164ml/100gであることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
【請求項4】
前記ジエン系ゴム100質量部に対し、さらに、無機充填剤を55質量部以下の割合で配合してなることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
【請求項5】
ブチル系ゴムを含むゴム成分、カーボンブラックおよび再生カーボンブラック並びに加硫系成分を混合する工程を有するタイヤ用ゴム組成物の製造方法であって、
前記再生カーボンブラックを100℃未満で投入し混練する第1工程と、
前記第1工程後、加硫系成分を投入しさらに混練する最終工程と、を有し、
前記再生カーボンブラックのDBP吸油量と圧縮DBP吸油量(24M4DBP)の差(ΔDBP)が20ml/100g未満であり、
前記再生カーボンブラックの窒素吸着比表面積N

SA(単位m

/g)と沃素吸着量IA(単位mg/g)の比であるN

SA/IAが0.8以上2.0未満の範囲にあり、かつ
前記ゴム成分100質量部中、前記ブチル系ゴムを80質量部以上含み、
前記カーボンブラックおよび前記再生カーボンブラックの合計の総量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、20~80質量部である
ことを特徴とするタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
【請求項6】
請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物を用いたタイヤ。
【請求項7】
請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物を、インナーライナーに用いたタイヤ。
【請求項8】
前記インナーライナーの厚さが、0.2mm~20mmである請求項6に記載のタイヤ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ用ゴム組成物およびタイヤに関するものであり、詳しくは再生カーボンブラックを配合しても、実用上十分な空気透過防止性能および低発熱性を有するタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いたタイヤに関するものである。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
チューブレス空気入りタイヤの最内層には、インナーライナーが配置されており、空気透過防止性能や酸化劣化防止性能等の特性をタイヤに付与している。
【0003】
一方、近年、資源の保全や環境保護が注目される中、タイヤにおいてもリサイクル率の向上が求められている。そこで廃タイヤなど使用済みのゴム製品を熱分解して得られる再生カーボンブラックや(例えば下記特許文献1~3参照)、非石油原料由来の再生カーボンブラックの使用が提案されている。
しかし再生カーボンブラックにはタイヤの原材料である補強材、タイヤコード等由来の不純物が含まれ、および/または、製造時の熱分解工程由来の不純物が含まれるため、ゴムの空気透過防止性能や発熱性が大幅に悪化するという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許6553959号公報
特開2012-1682号公報
特許6856781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって本発明の目的は、再生カーボンブラックを配合しても、実用上十分な空気透過防止性能および低発熱性を有するタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いたタイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、ブチル系ゴムを含むゴム成分、カーボンブラックおよび再生カーボンブラックを含むタイヤ用ゴム組成物において、再生カーボンブラックのDBP吸油量と圧縮DBP吸油量(24M4DBP)の差(ΔDBP)並びに窒素吸着比表面積N

SA(単位m

/g)と沃素吸着量IA(単位mg/g)の比であるN

SA/IAを適切な範囲に定め、かつカーボンブラックおよび再生カーボンブラックの配合量を特定の範囲に定めるとともに、ゴム成分の組成を特定化することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
【0007】
すなわち本発明は、ブチル系ゴムを含むゴム成分、カーボンブラックおよび再生カーボンブラックを含むタイヤ用ゴム組成物であって、
前記再生カーボンブラックのDBP吸油量と圧縮DBP吸油量(24M4DBP)の差(ΔDBP)が20ml/100g未満であり、
前記再生カーボンブラックの窒素吸着比表面積N

SA(単位m

/g)と沃素吸着量IA(単位mg/g)の比であるN

SA/IAが0.8以上2.0未満の範囲にあり、
前記ゴム成分100質量部中、前記ブチル系ゴムを80質量部以上含み、
前記カーボンブラックおよび前記再生カーボンブラックの合計の総量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、20~80質量部である
ことを特徴とするタイヤ用ゴム組成物を提供するものである。
また本発明は、前記タイヤ用ゴム組成物を用いたタイヤを提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
上述のように、再生カーボンブラックにはタイヤの原材料である補強材、タイヤコード等由来の不純物が含まれ、および/または、製造時の熱分解工程由来の不純物が含まれるため、十分な空気透過防止性能および低発熱性が得られないという問題点があった。本発明者は鋭意検討を重ねた結果、再生カーボンブラックに不純物(例えば灰分)が存在する場合でも、特定範囲の前記ΔDBPおよび前記N

SA/IAを満たす再生カーボンブラックを採用することにより、前記問題点の発現を極力抑制できることを見出した。
これにより本発明によれば、再生カーボンブラックを配合しても、実用上十分な空気透過防止性能および低発熱性を有するタイヤ用ゴム組成物およびタイヤを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0010】
(ゴム成分)
本発明で使用されるゴム成分は、ゴム成分全体を100質量部としたときに、ブチル系ゴムを80~100質量部含む。
ブチル系ゴムとしては、インナーライナー用として使用されている任意のブチル系ゴム、例えばブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(Br-IIR、Cl-IIR)、イソブチレン-パラメチルスチレン共重合体およびそのハロゲン化物等を挙げることができる。ブチル系ゴムの市販品としては、例えば臭素化ブチルゴムであるEXXON MOBILE社製、商品名BROMOBUTYL2255等が挙げられる。また、ブチル系ゴムは、再生ブチルゴムを利用できる。再生ブチルゴムは、使用済みのタイヤやチューブから回収されたゴムを脱硫処理したブチルゴムを主成分にしたリサイクルゴムである。ここでブチルゴムが主成分であるとは、再生ブチルゴム100質量%中、ブチルゴム成分が50質量%以上であることをいう。再生ブチルゴムは、ブチルゴムの他、無機充填剤や残留する加硫剤等を含有してよいものとする。再生ブチルゴムを使用する場合は、再生ブチルゴムに含まれるブチル系ゴムの量を基準として前記配合量に算入される。
また、ゴム成分には、ブチル系ゴム以外に、任意のジエン系ゴムを配合することが必要である。ジエン系ゴムとしては、ゴム組成物として使用されるジエン系ゴムをいずれも使用することができ、例えば天然ゴム(NR)や合成イソプレンゴム(IR)等が挙げられる。
(【0011】以降は省略されています)

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