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公開番号2024032502
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-12
出願番号2022136182
出願日2022-08-29
発明の名称包装用不織布及びその製造方法、ならびに包装材
出願人大和紡績株式会社
代理人
主分類D04H 1/498 20120101AFI20240305BHJP(組みひも;レース編み;メリヤス編成;縁とり;不織布)
要約【課題】包装材としての衝撃保護性及び傷付き防止性が良好であり、好ましくは取り扱い性やヒートシール性も良好である包装用不織布及びその製造方法、並びに包装材を提供する。
【解決手段】第1繊維層が不織布の第1表面を形成し、第2繊維層が不織布の第2表面を形成している積層不織布であって、前記第1繊維層は接着性繊維を80質量%以上含み、前記第2繊維層は非接着性繊維を80質量%以上含み、前記接着性繊維により前記第1繊維層を構成する繊維同士が接着された後、前記第1繊維層と前記第2繊維層とを積層して交絡一体化することにより、不織布の第1表面及び第2表面における表面交絡度が所定の範囲を満たす包装用不織布を得る。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
第1繊維層と、第2繊維層とを含み、第1繊維層が不織布の第1表面を形成し、
第2繊維層が不織布の第2表面を形成している積層不織布であって、
前記第1繊維層は、第1繊維層の総質量を基準として接着性繊維を80質量%以上含み、
前記第2繊維層は、第2繊維層の総質量を基準として非接着性繊維を80質量%以上含み、
前記第1繊維層においては、前記接着性繊維により繊維同士が接着しており、
前記第1繊維層と前記第2繊維層とは繊維同士の交絡により一体化しており、
下記方法に従って測定される不織布の第1表面における表面交絡度が、3.0mg未満であり、
第2表面における表面交絡度が、3.0mg以上である、包装用不織布。
(表面交絡度)
a)ウレタンフォーム(厚さ5mm)で表面を覆った円盤(直径70mm、350g)を、
回転軸が円盤中心から20mmずれた位置となるように回転軸に取り付ける。
b)上記と同じウレタンフォームを敷き、その上に不織布の第1表面または第2表面が露出面となるように、不織布を台上に固定する。
c)不織布の上に前記円盤を載せる。このとき、不織布に加わる荷重は円盤の自重のみとする。
d)回転軸を回転させて、円盤を不織布上で周動させる(周動した面積は86.5cm

)。
周動は時計周りに2回転、反時計周りに2回転を1セットとして、7セット行う。
このときの周動速度は1周動あたり約3秒である。
e)7セットの周動後、不織布から抜け落ちて、円盤を覆っているウレタンフォームの表面に付着した繊維を集める。
f)前記a)~e)の操作をn=3枚の不織布について行う。
3枚の不織布それぞれについて、抜け落ちた繊維の質量を測定し、その平均値を表面交絡度(mg)とする。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
第1繊維層と、第2繊維層とを含み、第1繊維層が不織布の第1表面を形成し、
第2繊維層が不織布の第2表面を形成している積層不織布であって、
前記第1繊維層は、第1繊維層の総質量を基準として接着性繊維を80質量%以上含み、
前記第2繊維層は、第2繊維層の総質量を基準として非接着性繊維を80質量%以上含み、
前記第1繊維層においては、前記接着性繊維により繊維同士が接着しており、
前記第1繊維層と前記第2繊維層とは繊維同士の交絡により一体化しており、
前記第1表面においては、第2繊維層を構成する繊維は露出しておらず、
前記第2表面においては、第1繊維層を構成する繊維は露出しておらず、
第1繊維層と第2繊維層の界面近傍においては、各繊維層を構成する繊維が交絡している、包装用不織布。
【請求項3】
前記非接着性繊維は、非熱可塑性繊維および前記接着性繊維を構成する成分のうち最も融点の低い樹脂よりも
30℃以上高い融点を有する熱可塑性繊維から選ばれる少なくとも一つである、
請求項1または2に記載の包装用不織布。
【請求項4】
前記非接着性繊維は、セルロース系繊維である、請求項1または2に記載の包装用不織布。
【請求項5】
前記接着性繊維は、芯成分が高融点成分であり、
鞘成分が芯成分の融点よりも30℃以上低い温度で接着する成分である芯鞘型複合繊維を含む、
請求項1または2に記載の包装用不織布。
【請求項6】
前記第2繊維層において、繊維同士が接着していない、請求項1または2に記載の包装用不織布
【請求項7】
前記積層不織布において、MD方向の10%伸長時応力が5.0N/5cm以上20.0N/5cm以下であり、
CD方向の10%伸長時応力が0.7N/5cm以上4.0N/5cm以下である、
請求項1または2に記載の包装用不織布。
【請求項8】
前記第1繊維層の目付が10g/m

以上40g/m

以下であり、
前記第2繊維層の目付が10g/m

以上40g/m

以下である、
請求項1または2に記載の包装用不織布。
【請求項9】
第1繊維層と、第2繊維層とを含む積層不織布であり、第1繊維層が不織布の第1表面を形成し、
第2繊維層が不織布の第2表面を形成している包装用不織布の製造方法であって、
前記第1繊維層を構成する第1繊維ウェブの総質量を基準として接着性繊維を80質量%以上含む、第1繊維ウェブを作製する工程、
前記第2繊維層を構成する第2繊維ウェブの総質量を基準として非接着性繊維を80質量%以上含む第2繊維ウェブを作製する工程、
前記接着性繊維により前記第1繊維ウェブの繊維同士を接着させる接着工程、
前記接着工程の後に前記第1繊維ウェブと前記第2繊維ウェブとを積層して積層繊維ウェブを得る積層工程、
前記積層繊維ウェブに対して、第2繊維ウェブの側に水流を噴射して前記第1繊維ウェブと前記第2繊維ウェブの繊維同士を水流交絡させて一体化する交絡工程、
を含む、包装用不織布の製造方法。
【請求項10】
前記接着工程において、前記接着性繊維は、芯成分が高融点成分であり、鞘成分が芯成分の融点よりも30℃以上低い温度で接着する成分である芯鞘型複合繊維を含み、
前記接着性繊維の鞘成分が溶融する温度以上、溶融する温度よりも25℃高い温度以下で熱処理される、請求項9に記載の包装用不織布の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、包装用不織布及びその製造方法、ならびに包装材に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、電子機器、精密機器、ガラス製品、陶器類、金属製品等の強硬な物品、あるいは食品、生活資材、衛生資材、医療資材等の柔軟な物品を梱包する場合、外部からの衝撃等により物品が破損しないように包装材が用いられる。このような包装材としては、一般に、クラフト紙、エアクッション、発泡シート、新聞紙、不織布等が用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1では、レーヨン及びポリエチレンテレフタレートから得られる不織布からなり、坪量、引張強度(縦、横)、伸び率(縦、横)を規定した包装材を提案している。
特許文献2では、セルロース系繊維と生分解性脂肪族ポリエステル繊維との混合繊維からなる混綿ウェッブを熱接着した生分解性袋を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2017-193366号公報
特開平9-142485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
包装材には、物品を外部からの衝撃から保護性、物品への傷付き防止性、物品の包装しやすさ等の取り扱い性、袋状に加工して仕様する場合はヒートシール性、等が求められる。
【0006】
本開示は、包装材としての衝撃保護性及び傷付き防止性が良好であり、好ましくは取り扱い性やヒートシール性も良好である包装用不織布及びその製造方法、並びに包装材を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、
第1繊維層と、第2繊維層とを含み、第1繊維層が不織布の第1表面を形成し、第2繊維層が不織布の第2表面を形成している積層不織布であって、
前記第1繊維層は、第1繊維層の総質量を基準として接着性繊維を80質量%以上含み、
前記第2繊維層は、第2繊維層の総質量を基準として非接着性繊維を80質量%以上含み、
前記第1繊維層においては、前記接着性繊維により繊維同士が接着しており、
前記第1繊維層と前記第2繊維層とは繊維同士の交絡により一体化しており、
下記方法に従って測定される不織布の第1表面における表面交絡度が、3.0mg未満であり、
第2表面における表面交絡度が、3.0mg以上30mg以下の範囲内にある、
包装用不織布を提供する。
【0008】
また本開示は、
第1繊維層と、第2繊維層とを含み、第1繊維層が不織布の第1表面を形成し、第2繊維層が不織布の第2表面を形成している積層不織布であって、
前記第1繊維層は、第1繊維層の総質量を基準として接着性繊維を80質量%以上含み、
前記第2繊維層は、第2繊維層の総質量を基準として非接着性繊維を80質量%以上含み、
前記第1繊維層においては、前記接着性繊維により繊維同士が接着しており、
前記第1繊維層と前記第2繊維層とは繊維同士の交絡により一体化しており、
前記第1表面においては、第2繊維層を構成する繊維は露出しておらず、
前記第2表面においては、第1繊維層を構成する繊維は露出しておらず、
第1繊維層と第2繊維層の界面近傍においては、各繊維層を構成する繊維が交絡している、包装用不織布。
【0009】
また本開示は、
第1繊維層と、第2繊維層とを含む積層不織布であり、第1繊維層が不織布の第1表面を形成し、第2繊維層が不織布の第2表面を形成している包装用不織布の製造方法であって、
前記第1繊維層を構成する第1繊維ウェブの総質量を基準として接着性繊維を80質量%以上含む、第1繊維ウェブを作製する工程、
前記第2繊維層を構成する第2繊維ウェブの総質量を基準として非接着性繊維を80質量%以上含む第2繊維ウェブを作製する工程、
前記接着性繊維により前記第1繊維ウェブの繊維同士を接着させる接着工程、
前記接着工程の後に前記第1繊維ウェブと前記第2繊維ウェブとを積層して積層繊維ウェブを得る積層工程、
前記積層繊維ウェブに対して、第2繊維ウェブの側に水流を噴射して前記第1繊維ウェブと前記第2繊維ウェブの繊維同士を水流交絡させて一体化する交絡工程、
を含む、包装用不織布の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本開示に係る包装用不織布は、接着性繊維を主として含み、繊維同士が接着した第1繊維層と、非接着性繊維を主として含む第2繊維層を含み、各繊維層における繊維の表面交絡度が所定の範囲を満たすものである。この構成により、物品に対する衝撃保護性及び傷付き防止性が良好となる。
あるいは、本開示に係る包装用不織布は、接着性繊維を主として含み、繊維同士が接着した第1繊維層と、非接着性繊維を主として含む第2繊維層を含み、各繊維層における繊維の表面および内部の交絡が所定の状態を満たすものである。この構成により、物品に対する衝撃保護性及び傷付き防止性が良好となる。
本開示に係る包装用不織布の製造方法によれば、物品に対する衝撃保護性及び傷付き防止性が良好である積層不織布を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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