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公開番号2024020930
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-15
出願番号2022123493
出願日2022-08-02
発明の名称電気化学的処理用陽極材及び電気化学的処理システム
出願人デンカ株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C04B 41/60 20060101AFI20240207BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】通電期間中、電圧の上昇を抑制し、コンクリートに電流を安定して供給できる鉄筋コンクリートの電気化学的処理用陽極材を提供することを目的とする。
【解決手段】チタン系基材と、前記チタン系基材の表面に貴金属を30~70質量%含有するコーティング層と、を有する鉄筋コンクリートの電気化学的処理用陽極材、及び電気化学的処理用陽極材を用いた電気化学的処理システムである。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
チタン系基材と、前記チタン系基材の表面に貴金属を30~70質量%含有するコーティング層と、を有する鉄筋コンクリートの電気化学的処理用陽極材。
続きを表示(約 620 文字)【請求項2】
前記貴金属がイリジウムである請求項1に記載の鉄筋コンクリートの電気化学的処理用陽極材。
【請求項3】
前記コーティング層が、さらに卑金属を含有する請求項1又は2に記載の鉄筋コンクリートの電気化学的処理用陽極材。
【請求項4】
前記卑金属がタンタルである請求項3に記載の鉄筋コンクリートの電気化学的処理用陽極材。
【請求項5】
前記貴金属及び前記卑金属を酸化物として含有する請求項3に記載の鉄筋コンクリートの電気化学的処理用陽極材。
【請求項6】
前記コーティング層の膜厚が、0.5μm以上3μm以下である請求項1または2に記載の鉄筋コンクリートの電気化学的処理用陽極材。
【請求項7】
脱塩工法又は再アルカリ化工法に用いられる請求項1又は2に記載の鉄筋コンクリートの電気化学的処理用陽極材。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の鉄筋コンクリートの電気化学的処理用陽極材を、コンクリート表面側に設置した外部電極とし、コンクリート内部側に埋設されている鉄筋を内部電極として、前記外部電極と前記内部電極との間に直流電流を通電する鉄筋コンクリートの電気化学的処理システム。
【請求項9】
前記コンクリートと前記外部電極との間に、電解質を保持した電解質保持材を備える請求項8に記載の鉄筋コンクリートの電気化学的処理システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電気化学的処理用陽極材及び電気化学的処理システムに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、道路、鉄道などの土木建設構造物、具体的には橋梁の下部工、橋梁の橋桁、トンネルなどの地下構造物又は半地下構造物、カルバートなどの構築には、一般的に鉄筋コンクリートが使用されている。この鉄筋コンクリートは、高い圧縮強度性能を持つコンクリートと、高い引張強度性能を持つ鉄筋とを組み合わせることにより、圧縮強度と引張強度とを併せ持つ複合構造体を作ることが可能であり、構造物の材料として多く使用されている。なお、この鉄筋コンクリートを用いた構造物には、所謂PC構造物と呼ばれ、更にPC鋼材(PC鋼線、PC鋼棒、PC鋼より線など)をコンクリート内に配置したコンクリート構造物も多く存在する。
【0003】
コンクリートは環境抵抗性が高く、コンクリート自体のアルカリ度はpH値で12~12.5の強アルカリ性であるため、コンクリート内部に配設された鉄筋は表面に不動態被膜を形成し腐食から防止されるものと考えられてきた。
【0004】
しかしながら、近年、コンクリートの中性化や塩害によって鉄筋コンクリート構造物に劣化現象が生じていることが社会問題となってきている。
ここで、「中性化」とは、セメントの水和反応によって生成された水酸化カルシウムが大気中の二酸化炭素と反応して炭酸カルシウムとなる現象であり、この炭酸化によりコンクリートのアルカリ度が低下し、pH値が10以下になると鉄筋の不動態被膜が破壊され、鉄筋の腐食が始まる劣化現象である。
また、「塩害」とは、沿岸部にあるコンクリート構造物の場合、海水の飛沫がコンクリート表面に付着し、その塩分がコンクリートの吸着現象や濃度勾配によりコンクリート中に浸透して鉄筋まで到達すると、塩素イオンにより鉄筋の不動態皮膜が破壊され腐食が始まる劣化現象である。さらに、過去のコンクリート構造物では、細骨材として海砂が使用されることもあり、その際、管理の不十分さから塩分除去が十分に行われないまま使用されたため、多量の塩化物がコンクリート中に存在することになり、その結果、鉄筋の不動態皮膜が破壊され腐食が始まるケースもあった。
【0005】
上記のような鉄筋コンクリートの劣化現象が進行すると、複合構造物としての耐久性が大きく低下することになる。
そこで、劣化した鉄筋コンクリートの補修方法として、劣化部分をはつり取り、コンクリート又はモルタル等で埋め戻すなどの構造物の破壊を伴う補修方法の他に、破壊を伴うことなく電気化学的な方法により補修を行う方法が提案され、実施されてきた。
【0006】
例えば、特許文献1では、板状体の一方面側に外部電極を配設するとともに、外部電極配設領域の全面を繊維質シートからなる電解質溶液保持材で被覆した電極用ユニットパネルを多数用意し、処理対象のコンクリート面に対して、電極用ユニットパネルを並べて配設するとともに、隣接する電極用ユニットパネル間の目地部及び外周部において液密性を確保した状態とし、任意箇所に電解質溶液供給口を設置するとともに、電解質溶液回収口を設置し、継続的又は断続的に、電解質溶液供給口から電解質溶液を電極用ユニットパネルとコンクリート表面との間に供給するとともに、電解質溶液回収口から電解質溶液を回収する、鉄筋コンクリートの電気化学的処理方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第6586000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の鉄筋コンクリートの電気化学的処理方法によれば、セルロースファイバー及び電解質溶液の吹付け作業を無くし作業環境を良好に保つとともに、作業員の安全性を確保することが可能であり、また特殊産業廃棄物の発生を極力抑え、更に電解質溶液の使用量を削減できるとともに、給水作業の省力化を図り得る等、種々の効果が期待できる。
【0009】
一方で、電気化学的処理方法においては、安全に作業を行うため、コンクリート内部の鉄筋(内部電極)と、外部電極との間に通電する電流を、通電期間中は、電圧の上昇を抑制し、安定して供給することが求められている。
【0010】
以上から、本発明は、通電期間中、電圧の上昇を抑制し、コンクリートに電流を安定して供給できる鉄筋コンクリートの電気化学的処理用陽極材、及び、電気化学的処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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