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公開番号2023165693
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-11-17
出願番号2023076816
出願日2023-05-08
発明の名称テルビウム・アルミニウム・ガリウム・ガーネット光磁気結晶に基づくファラデー光磁気アイソレータ
出願人山東大学,SHANDONG UNIVERSITY
代理人個人
主分類G02B 27/28 20060101AFI20231110BHJP(光学)
要約【解決手段】本発明は、テルビウム・アルミニウム・ガリウム・ガーネット光磁気結晶に基づくファラデー光磁気アイソレータに関し、光路に沿って順番に設けられた第1の偏光板と、磁気コイル及び磁気コイル中に設けられた光磁気結晶を含むファラデー回転子と、第2の偏光板とを含み、前記光磁気結晶は、結晶分子式がTb3AlxGa5-xO12(1.75≦x<5)であるテルビウム・アルミニウム・ガリウムガーネット光磁気結晶である。
【効果】本発明のテルビウム・アルミニウム・ガリウム・ガーネット光磁気結晶に基づくファラデー光磁気アイソレータは、熱消磁効果を大幅に低下させ、高出力下で適用性能が劣化する状況を効果的に改善することができ、デバイスの小型化の点でも、適用潜在力が高い。そして、コスト的にも安価であり、商業的に極めて有利である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
光路に沿って順番に設けられた第1の偏光板と、磁気コイル及び磁気コイル中に設けられた光磁気結晶を含むファラデー回転子と、第2の偏光板とを含み、前記光磁気結晶は、結晶分子式がTb

Al

Ga
5-x

12
(1.75≦x<5)であるテルビウム・アルミニウム・ガリウムガーネット光磁気結晶である、
ことを特徴とするテルビウム・アルミニウム・ガリウム・ガーネット光磁気結晶に基づくファラデー光磁気アイソレータ。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記光磁気結晶は、結晶分子式がTb

Al

Ga
5-x

12
(3≦x<5)であるテルビウム・アルミニウム・ガリウムガーネット光磁気結晶である、
ことを特徴とする請求項1に記載のテルビウム・アルミニウム・ガリウム・ガーネット光磁気結晶に基づくファラデー光磁気アイソレータ。
【請求項3】
前記光磁気結晶の光路方向の表面には、反射防止膜が設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載のテルビウム・アルミニウム・ガリウム・ガーネット光磁気結晶に基づくファラデー光磁気アイソレータ。
【請求項4】
前記光磁気結晶は、<111>方向の結晶である、
ことを特徴とする請求項1に記載のテルビウム・アルミニウム・ガリウム・ガーネット光磁気結晶に基づくファラデー光磁気アイソレータ。
【請求項5】
前記光磁気結晶の熱膨張係数が8.48×10
-6
/Kより小さい、
ことを特徴とする請求項1に記載のテルビウム・アルミニウム・ガリウム・ガーネット光磁気結晶に基づくファラデー光磁気アイソレータ。
【請求項6】
前記ファラデー回転子の外形は、円筒形或いは直方体である、
ことを特徴とする請求項1に記載のテルビウム・アルミニウム・ガリウム・ガーネット光磁気結晶に基づくファラデー光磁気アイソレータ。
【請求項7】
前記ファラデー回転子のファラデー偏向角が30°~60°である、
ことを特徴とする請求項1に記載のテルビウム・アルミニウム・ガリウム・ガーネット光磁気結晶に基づくファラデー光磁気アイソレータ。
【請求項8】
前記ファラデー回転子のファラデー偏向角が45°である、
ことを特徴とする請求項7に記載のテルビウム・アルミニウム・ガリウム・ガーネット光磁気結晶に基づくファラデー光磁気アイソレータ。
【請求項9】
高純度アルミニウムテルビウムアルミニウムガリウムガーネット結晶であって、分子式がTb
3
Al
x
Ga
5-x
O
12
、1.75≦x<5であることを特徴とする、3≦x<5であることを特徴とする。
【請求項10】
前記高純度アルミニウムテルビウムアルミニウムガリウムガーネット結晶は直径が≧5 mmであること;
好ましくは、前記高純度アルミニウムテルビウムアルミニウムガリウムガーネット結晶は一致溶融特性を有すること;
好ましくは、前記高純度アルミニウムテルビウムアルミニウムガリウムガーネット結晶はフィールド定数が>45 rad m
-1

-1
@1064nmであることを特徴とする請求項1に記載の高純度アルミニウムテルビウムアルミニウムガリウムガーネット結晶。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、テルビウム・アルミニウム・ガリウム・ガーネット光磁気結晶に基づくファラデー光磁気アイソレータに関し、光学結晶デバイスの分野に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、光通信技術(5G通信、光ファイバ通信等)は、高速化、高精度化、大容量化に向けて急速に発展しており、高出力レーザーは、軍事産業などの分野における発展の必要により、レーザー出力も高まっている。ファラデー光磁気アイソレータは、レーザーシステムの基本素子として、反射光を効果的に分離してフロントエンドシステムを保護し、レーザー光の一方向伝送を確保し、光路の安定性を向上させる。ファラデー光磁気アイソレータは、非可逆受動デバイスであり、光ダイオードとも呼ばれ、主に光磁気材料のファラデー効果を利用して、光の一方向伝送のみを可能にするものであり、レーザーシステムにおける光の一方向伝送を確保でき、反射光による不安定な振動を低減し、増幅器システムにおける寄生振動或いはレーザーダイオードにおける周波数の不安定を防止することができる。したがって、光アイソレータは、光源と他の光学部材との間に配置されて使用されることが多い。
【0003】
光アイソレータは、一般に、入射光側に位置する偏光子と、光磁気材料(例えばガラス、セラミック、結晶材料)と、磁石或いはコイルからなるファラデー回転子と、出射光側に位置する検光子とからなる。入射光方向に平行な磁界を印加し、光が光磁気材料を通過する際に、その偏光方向が偏向される。光磁気材料の特性に応じて、ファラデー回転子を光の偏向角が45°になるように調整し、その後偏光子及び検光子の位置を調整することができ、光が順方向から入射する場合、光は検光子を正常に通過することができる。光の偏光方向が入射光の方向と無関係であるため、光が逆方向から入射する場合、光はファラデー回転子を透過した後、その偏光面は偏光子の偏光方向と90°をなし、即ち光は偏光子を通過できず、逆方向分離の効果を奏した。
【0004】
光アイソレータの性能は、根本的に、光アイソレータの最も重要な部分としての光磁気材料により決定される。光磁気結晶は、光磁気ガラス及び光磁気セラミックに比べ、その高いベルデ定数、高い透過率、高い熱的性能、高いレーザー損傷閾値、低い温度係数のために、非常に広く商業的に適用され、高出力の適用の点においても非常に大きな利点を有する。レーザー出力が向上し続けるのに伴い、アイソレータの高出力下での使用性能が劣化しやすく、高出力下での使用に適する光アイソレータをマッチングする必要がある。デバイスの性能劣化の根本的な原因は、材料の熱吸収による熱消磁効果のせいで分離度が低下することであり、デバイス口径を大きくし、材料の長さを小さくし、材料熱的性能を向上させることにより、材料の熱消磁効果を効果的に低減することができる。立方晶系に属する光磁気結晶は、光学性能や熱的性能がよく、さらに、対称性が高く、温度係数が小さく、構造の安定性がよいという特徴を有し、そのため、光磁気アイソレータに広く適用されている。Tb

Ga


12
(TGG)及びTb

Sc

Al


12
(TSAG)は、400~1100nm(470~500nmを含まない)波長範囲内で、現在のどころ商業価値が最も大きく、適用が最も広い光磁気結晶である。しかし、TGG結晶には、成長過程において、Ga



が揮発しやすい問題及び螺旋成長が発生しやすい問題等が依然として存在する。TSAG結晶はTGGに比べ、ベルデ定数が約20%高く(ファラデー回転角θ=VHLであり、ベルデ定数Vが大きいほど、同じ回転角の取得に必要な材料の長さが小さくなる)、吸収係数が約30%低く、熱的性質もTGGよりも優れているため、高出力光アイソレータを製造するのに理想的な材料であるが、TSAG結晶は、成長及び加工中に割れやすく、且つSc元素が高価であるため、TSAG結晶の適用が制限されている。TAG結晶は、性能が最も優れているものであるが、不均一な溶融の特性を有するため、汎用の溶融法(例えば引き上げ法、エッジ定義膜フィード成長法、ブリッジマン法等)を使用して適用レベルサイズの単結晶に成長させることが難しく、大規模生産が不可能であるため、今のどころは、使用価値がない。CN102485975Aはテルビウムドープガーネット(TGG)磁気光学結晶の引き上げ成長方法を開示し、アルミニウム添加TGG(Tb
3
Ga
5-x
Al
x
O
12
,x=0~0.5)、鉄添加TGG(Tb
3
Ga
5-x
Fe
x
O
12
,x=0~0.5)またはアルミニウムと鉄添加TGG(Tb
3
Ga
5-x-y
Al
x
Fe
y
O
12
,x+y=0~0.5)磁気光学結晶を成長させ、結晶のサイズがTAG結晶より数倍高い。また、国内の福州大学はTAGG単結晶におけるアルミニウム含有量をさらに高めたが、置換比率が34.2%にすぎない場合、結晶の内部に欠陥が多く、結晶の品質が理想的ではない(W. Zhang, F. Guo, J. Chen, Journal of Crystal Growth, 306, 2007, 195-199)。総じて言えば、TAGG結晶は優れた磁気光学特性を持っているが、現在報道されているTAGG結晶におけるアルミニウム含有量が比較的に低く(<35%)、成分におけるアルミニウム含有量がさらに増加すると、結晶成長が非常に難しく、現在、高純度アルミニウムTAGG単結晶(アルミニウム含有量は35%より高い)に関わる報道はまだない。
【0005】
したがって、大きいベルデ定数を有し、材料の長さを短くすることができ、よい熱的性質及び低い吸収係数、良好な成長特性、低い製造コストを有する光磁気結晶を探し出すのが急務となっている。当該結晶をファラデー回転子に製造すると、デバイスの小型化及び高出力適用のニーズを満たすことができ、優れた性能を持つファラデー光磁気アイソレータを得ることができる。
【0006】
そのため、本発明を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来技術における欠点に対して、400~1100nm(470~500nmを含まない)波長帯域は、優れた光磁気性能、熱学性能、光学性能を有するテルビウム・アルミニウム・ガリウム・ガーネット光磁気結晶に基づくファラデー光磁気アイソレータを提供する。そして、光磁気結晶は、生産コストが低く、成長難易度が小さく、それにより製造されるファラデー回転子により、アイソレータのサイズを効果的に小さくし、熱消磁効果が低下し、デバイスの分離度を高め、光磁気アイソレータの小型化及び高出力用途のニーズを満たすことができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の技術的解決手段は、下記のとおりである。
【0009】
テルビウム・アルミニウム・ガリウム・ガーネット光磁気結晶に基づくファラデー光磁気アイソレータであって、
光路に沿って順番に設けられた第1の偏光板と、磁気コイル及び磁気コイル中に設けられた光磁気結晶を含むファラデー回転子と、第2の偏光板とを含み、前記光磁気結晶は、結晶分子式がTb

Al

Ga
5-x

12
(1.75≦x<5)であるテルビウム・アルミニウム・ガリウムガーネット光磁気結晶である。
【0010】
本発明によれば、好ましくは、前記光磁気結晶は、470~500nmを含まない400~1100nm波長帯域範囲内で透過率が80%以上である。
(【0011】以降は省略されています)

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