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公開番号2025179835
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-10
出願番号2025088788
出願日2025-05-28
発明の名称ランダム分布式テンソル抵抗率測定方法及び測定システム
出願人浙江大学,ZHEJIANG UNIVERSITY
代理人個人
主分類G01V 3/02 20060101AFI20251203BHJP(測定;試験)
要約【課題】従来のテンソル抵抗率測定法では、電極の布設が規則的配置を必要とするため、現場の地形条件や地表環境によって適用が制限されることが多かった。
【解決手段】ランダム分布式テンソル抵抗率測定方法および測定システムを提供する。電極布設は、現場の接地条件に応じてランダムに配置することが可能であり、給電所は前後の順序で交差方向の2つの給電チャンネルに給電する。全ての電位測定ステーションは、並列方式で2つの電位測定チャンネルの電位差を同時に測定し、GPSタイムスタンプにより給電所および各測定ステーションで記録された時刻に対応する電流および電位差データを抽出する。これらのデータに基づいて、対応する電流密度ベクトルおよび電界強度ベクトルを算出し、さらに、見かけ抵抗率テンソルを求める。これにより、様々な深度および複雑な地表条件に対応した地質探査が実現される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ランダム分布式テンソル抵抗率測定方法であって、
地表条件に応じて、測定エリア全体をカバーする複数の電位測定サイトPを測定エリア内に任意に配置するステップS1と、
各電位測定サイトPの周囲に四つの電位測定電極点M1、N1、M2、N2を配置し、各電位測定サイトPに一つの電位測定ステーションを配置し、且つM1とN1を結ぶ線がM2とN2を結ぶ線と交差し、M1とN1との間の距離及びM2とN2との間の距離が電極距離aであり、a=(1/10~1/20)Hであり、Hが探査深さであるステップS2と、
測定エリア内に複数の給電点を配置し、4つの給電点A1、B1、A2、B2を任意に選択し、且つA1とB1を結ぶ線がA2とB2を結ぶ線と交差することを満たすステップS3と、
まず給電所がA1、B1における電極に給電し、すべての電位測定サイトPにおける電極が同時に電位測定を行い、給電所がA1、B1における電極の給電電流I

を測定し、各電位測定ステーションがM1、N1とM2、N2に対応するA1、B1における給電の電位差ΔU
M1N1
(1)
とΔU
M2N2
(1)
を測定し、さらに給電所がA2、B2における電極に給電し、すべての電位測定サイトPにおける電極が同時に電位測定を行い、給電所がA2、B2における電極の給電電流I

を測定し、各電位測定ステーションがM1、N1とM2、N2に対応するA2、B2における給電の電位差ΔU
M1N1
(2)
とΔU
M2N2
(2)
を測定するステップS4と、
給電電流I

とI

、及びA1、B1とP点の位置関係に基づいて、A1、B1がP点において発生する第一の電流密度ベクトル及びA2、B2がP点において発生する第二の電流密度ベクトルを得、電位差ΔU
M1N1
(1)
とΔU
M2N2
(1)
及び電極距離に基づいて、A1、B1がP点において発生する第一の電界強度ベクトルを得、ΔU
M1N1
(2)
とΔU
M2N2
(2)
及び電極距離に基づいて、A2、B2がP点において発生する第二の電界強度ベクトルを得るステップS5と、
第一の電流密度ベクトル、第二の電流密度ベクトル、第一の電界強度ベクトル、第二の電界強度ベクトルを同一の座標系においてベクトル分解し、見かけ抵抗率テンソルを算出するステップS6とを含む、ことを特徴とするランダム分布式テンソル抵抗率測定方法。
続きを表示(約 2,800 文字)【請求項2】
この方法は、S1を実行する前に、先に測定エリア全体を複数のサブ測定エリアに分け、そして各サブ測定エリア内でS1~S6を実行し、各サブ測定エリアのテンソル抵抗率測定を完了すると、測定エリア全体のテンソル抵抗率測定を完了することをさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載のランダム分布式テンソル抵抗率測定方法。
【請求項3】
この方法は、S1を実行する前に、先に測定エリア全体を複数のサブ測定エリアに分け、そして各サブ測定エリア内でS1~S2を実行し、各サブ測定エリア内に電位測定サイトP及び電位測定電極点M1、N1、M2、N2を配置し、
ステップS3の給電点の配置と選択を次のように置き換え、即ち、各サブ測定エリア内にk個の内部給電点を配置し、各サブ測定エリアの外周にl個の外部給電点を配置し、k個の内部給電点から1つを選択し、O点と命名し、l個の外部給電点から2つを任意に選択し、A1、A2と命名し、即ち、B1、B2がいずれもO点と重なり、
そして各サブ測定エリア内でS4~S6を実行し、各サブ測定エリアのテンソル抵抗率測定を完了すると、測定エリア全体のテンソル抵抗率測定を完了することをさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載のランダム分布式テンソル抵抗率測定方法。
【請求項4】
S1を実行する前に、先に測定エリア全体を複数のサブ測定エリアに分け、そして各サブ測定エリア内でS1~S2を実行し、各サブ測定エリア内に電位測定サイトP及び電位測定電極点M1、N1、M2、N2を配置し、
ステップS3の給電点の配置と選択を次のように置き換え、即ち、各サブ測定エリアの外周に4つ以上の外部給電点を配置し、外部給電点から4つを任意に選択し、A1、B1、A2、B2と命名し、且つA1とB1を結ぶ線がA2とB2を結ぶ線と交差し、
そして、各サブ測定エリア内でS4~S6を実行し、各サブ測定エリアのテンソル抵抗率測定を完了すると、測定エリア全体のテンソル抵抗率測定を完了する、ことを特徴とする請求項1に記載のランダム分布式テンソル抵抗率測定方法。
【請求項5】
各サブ測定エリアの外周に配置される外部給電点は、サブ測定エリアの外周の各方向に分布している、ことを特徴とする請求項4に記載のランダム分布式テンソル抵抗率測定方法。
【請求項6】
サブ測定エリアの外周に配置される外部給電点は、8つであり、サブ測定エリアの外周の東、西、南、北、南西、北西、南東、北東の八つの方向に分布している、ことを特徴とする請求項5に記載のランダム分布式テンソル抵抗率測定方法。
【請求項7】
前記ステップS2において、電位測定電極点N1、N2は、電位測定サイトPと重なる、ことを特徴とする請求項1に記載のランダム分布式テンソル抵抗率測定方法。
【請求項8】
給電点B1、B2は、O点に重なり、給電所は、このO点に配置される、ことを特徴とする請求項1に記載のランダム分布式テンソル抵抗率測定方法。
【請求項9】
隣接する電位測定サイトの間のピッチは、電極距離の2~3倍であり、隣接する給電点の間の距離は、隣接する電位測定サイトの間の距離の3~5倍である、ことを特徴とする請求項1に記載のランダム分布式テンソル抵抗率測定方法。
【請求項10】
ランダム分布式テンソル抵抗率測定システムであって、複数の給電所と電位測定ステーションとを含み、
前記給電所は、給電所ホストと、長距離給電ケーブルと、給電電極と、昇圧電源とを含み、
前記給電所ホストは、第一の制御モジュールと、第一の電源モジュールと、第一の内蔵電池と、電流測定モジュールと、第一のGPSモジュールとを含み、前記第一の制御モジュールは、給電所全体の給電電極チャンネルの選択、給電パラメータの設定、外付けの昇圧電源のアクセス、内部電源管理、給電プロセス電流測定、GPSクロック、及び給電プロセスにおいて測定される給電電流データのレジストレーションを制御することで、時系列の電流データを形成し、設定される時間間隔でセグメント別に記憶するために用いられ、
前記電流測定モジュールは、A/D変換回路により、給電電流値を測定してデジタル化し、
前記第一の電源モジュールは、特定の給電チャンネルを選択し、給電インターフェースを介して前記昇圧電源に接続されるために用いられ、
前記第一の内蔵電池は、給電所が長時間作動するのに必要な電気エネルギーを提供するために用いられ、
前記第一のGPSモジュールは、前記第一の制御モジュールによって制御され、パワーオンしてセルフチェックが正常になった後に前記給電所ホストにGPSコードを継続的に送信し、位置及びクロック情報を提供する外付けアンテナを含み、
前記給電所ホストは、四つの電源出力ポートを提供し、前記長距離給電ケーブルを介してA1、B1、A2、B2の四つの給電点に位置する給電電極を接続し、順に地下に給電し、
前記電位測定ステーションは、電位測定ステーションホストと、電位測定ケーブルと、電位測定電極とを含み、
前記電位測定ステーションホストは、第二の制御モジュールと、第二の電源モジュールと、第二の内蔵電池と、電位測定モジュールと、第二のGPSモジュールとを含み、
前記第二の制御モジュールは、電位差測定電極チャンネルの選択、電位測定パラメータの設定、内部電源管理、デュアルチャンネル電位差の測定と記憶、GPSクロックと電位差測定データのレジストレーションを制御し、時系列の電位差データを形成し、設定される時間間隔でセグメント別に記憶するために用いられ、
前記電位測定モジュールは、交差して配置される二つの電位測定チャンネルの電位差データを同時に収集するために用いられ、
前記第二の電源モジュールは、内蔵電池のモニタリング状況及び充電プロセスの監視と管理に用いられ、
前記第二の内蔵電池は、電位測定ステーションが長時間作動する時に必要な電気エネルギーを提供するために用いられ、
前記第二のGPSモジュールは、前記第二の制御モジュールによって制御され、パワーオンしてセルフチェックした後に第二の制御モジュールにGPSコードを継続的に送信し、測定ステーションの位置及びクロック情報を提供する外付けアンテナを含み、
前記電位測定ステーションホストは、四つの電位測定ポートを提供し、それぞれ前記電位測定ケーブルを介してM1、N1、M2、N2に位置する電位測定電極を接続し、電位測定電極点の間の電位差情報を受信する、ことを特徴とするランダム分布式テンソル抵抗率測定システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、非破壊検知及び透過性イメージング分野に属し、具体的にランダム分布式テンソル抵抗率測定方法及び測定システムに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来の直流抵抗率法及びその派生する高密度電気法は、すべて四重極プローブ法に基づく抵抗率測定方法であり、医学、工業プロセスの検出、監視と地球物理分野で広く応用されている。四重極プローブ法は、測定する時に四つの電極を採用し、ここで、二つを給電電極(AとB)とし、別の二つを電位測定電極(MとN)とし、機器システムは、給電電極の給電電流及びその電位測定電極の間に発生する電位差を同時に測定し、四つの電極の間の空間位置と組み合わせて地下媒体の真の抵抗率及び四つの電極の空間位置関係に関連する見かけ抵抗率値を算出し、さらに反転フィッティングによって、検知対象内部の抵抗率分布を得、さらにターゲット対象の内部構造と物性特徴を判断するのを支援する。
【0003】
直流抵抗率法は、安定した電流場における電位分布情報を測定することによって検知ターゲット内部に対して透過性イメージングを実現する検知技術である。測定によって得られる見かけ抵抗率値は、地下媒体の実際の抵抗率(異方性を含む)及びその空間分布に関連するだけでなく、測定点の位置、ピッチと方向などの幾何特性にも密切に関連しており、例えば給電と電位測定電極の電極ピッチ、給電と電位測定電極対との間の距離の遠近及び給電と電位測定電極の布設方向などは、すべて見かけ抵抗率に直接影響を与える。見かけ抵抗率測定の信頼性は、給電と電位測定電極との間の距離の遠近に関連する(給電電流を増加させることによって信号対雑音比を向上させる)だけでなく、方向にも非常に敏感であり、測定によって得られた見かけ抵抗率値に方向依存性及び可変性が存在する。
【0004】
1.給電電極対の位置が固定され、測定電極対の方向回転が可変である場合、測定電極対MNが電位等電位面勾配方向に沿って布設されると、MN間の電位差分値が最大となり、MNが等電位面方向に平行して布設されると、電位差分値がゼロに近くなる。
【0005】
2.測定電極対の位置が固定され、給電電極対の方向回転が可変である場合、見かけ抵抗率値も極小と極大値の間で変化する。
【0006】
上記二つの状況は、いずれも従来の抵抗率法で得られた見かけ抵抗率に方向可変性(一意の決定値ではない)が存在し、地下ターゲットの真実の抵抗率と一対一の対応関係を確立することが困難であり、抵抗率イメージングの正確性に極めて大きな影響を与えることを説明する。二次元高密度電気法にとって、電位測定電極対MNと給電電極対ABは、一直線上にあり、常に電流場電位差分値が最大となる勾配方向にあり、測定断面内の電界における電位分布を真実に反映できるため、電極方向の問題を考慮する必要はない。一方、三次元抵抗率探査にとって、給電電極ABと電位測定電極MNは、任意の位置と任意の方向に配置される可能性があり、給電電極対又は電位測定電極対の方向変化にかかわらず見かけ抵抗率値が変化し、さらに反転結果に重要な影響を与える。方向によって可変なこの見かけ抵抗率値を用いて地下ターゲットの真実の抵抗率(一意性を有する)を反転して決定することは、比較的大きな不確実性と不完全性が存在し、地下媒体の電界特徴及びその分布を完全に正確に反映することが困難である。
【0007】
まとめると、四重極プローブ法は、主に以下の先天的な不足が存在する。
【0008】
1.スカラー抵抗率測定方法の不確実性と不完全性:単一の成分測定時の見かけ抵抗率値は、方向変化によって変化し、最大値の方向が不明であり、収集方法と測定点の設計に明らかな盲目性と不完全性が存在し、得られた単一のチャンネルの見かけ抵抗率値は、実際の地表の電界特徴を完全に記述することができず、三次元測定時のこのような欠陥がより明らかになる。
【0009】
2.電極位置設計の盲目性によって、単一の成分電位測定が干渉の影響を受けやすくなる:電極布設の盲目性によって、電位測定電極点が電位等電位面に沿って布設され、電位差が0に近くなる可能性があり、特に装置システムのK値が大きい場合、測定によって得られた電位差が非常に小さくなり、見かけ抵抗率値は、極めて機器安定性及び外界電磁干渉の影響を受けやすく、見かけ抵抗率値のジャンプ又は偽値が現れることになる。
【0010】
四重極プローブ抵抗率法から高密度抵抗率法への発展は、マルチチャンネル測定によってデータ密度とイメージング解像度を向上させたが、四重極プローブ法の上記欠点を解消していないとともに、いくつかの新たな不足を追加した。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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