TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025175077
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-28
出願番号2025148723,2021043084
出願日2025-09-09,2021-03-17
発明の名称成形材料および成形品
出願人東レ株式会社
代理人
主分類C08L 101/00 20060101AFI20251120BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】射出成形により複雑形状の部材に対する成形性が高いことに加えて、曲げ弾性率に優れる成形品が得られる樹脂組成物を提供する。
【解決手段】数平均繊維長が0.3mm以下である炭素繊維と熱可塑性樹脂とを含む成形材料であって、炭素繊維の単繊維直径が6.5~8.5μm、Raman分光法による結晶化パラメーターIv1/Ig1が0.25~0.60を満たす。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
数平均繊維長が0.3mm以下である炭素繊維と熱可塑性樹脂とを含む成形材料であって、炭素繊維の単繊維直径が6.5~8.5μm、Raman分光法による結晶化パラメーターIv

/Ig

が0.25~0.60である成形材料。
続きを表示(約 940 文字)【請求項2】
前記結晶化パラメーターIv

/Ig

と炭素繊維の引張弾性率E(GPa)が式(1)の関係を満たす、請求項1に記載の成形材料。
E≧-100×Iv

/Ig

+400 ・・・式(1)
【請求項3】
前記結晶化パラメーターIv

/Ig

と炭素繊維の引張弾性率E(GPa)が式(2)の関係を満たす、請求項1、2のいずれかに記載の成形材料。
E≧290×(Iv

/Ig


-0.23
・・・式(2)
【請求項4】
成形品の曲げ弾性率FM(GPa)、成形材料中の炭素繊維の質量含有率Wf(%)、および前記結晶化パラメーターIv

/Ig

が式(3)の関係を満たす、請求項1~3のいずれかに記載の成形材料。
FM/Wf
0.5
≧-0.5×Iv

/Ig

+6.5 ・・・式(3)
【請求項5】
炭素繊維の単繊維直径の変動係数が3~7%である、請求項1~4のいずれかに記載の成形材料。
【請求項6】
前記炭素繊維の繊維軸に垂直な断面における中心部の結晶化パラメーターIv

/Ig

(=a)と前記炭素繊維の繊維軸に垂直な断面における外周部の結晶化パラメーターIv

/Ig

(=b)の比(a/b)が0.80~1.05である、請求項1~5のいずれかに記載の成形材料。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載の成形材料を成形してなる成形品。
【請求項8】
曲げ弾性率FM(GPa)、比重γ、炭素繊維の質量含有率Wf(%)、および炭素繊維の単繊維直径d(μm)が式(4)の関係を満たす、請求項7に記載の成形品。
FM/γ≧Wf
1.2
/d
1.3
・・・式(4)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成形に適した炭素繊維を含む成形材料であり、複雑形状の部材を成形可能であるうえに、曲げ弾性率が高い成形材料およびそれを用いた成形品に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
炭素繊維複合材料、特に炭素繊維強化プラスチックは優れた力学特性を示すために、従来はアルミニウムなどの軽金属が適用されていた部材を代替する軽量材料として近年幅広く使用されている。しかしながら、炭素繊維強化プラスチックは優れた力学特性を発現させるために連続繊維または不連続繊維でも数mm以上の長さの繊維の状態で使用されることが多く、その場合では複雑形状に賦形することが困難である問題があった。一方で、複雑形状への賦形性に優れる射出成形を、炭素繊維を含有する熱可塑性樹脂に対して適用すると一般に成形品の曲げ弾性率が低く、軽金属の代替としては満足できる力学特性ではなかった。
【0003】
炭素繊維を含有する熱可塑性樹脂の射出成形品の曲げ弾性率を高めるためには、主に炭素繊維の含有率を高める方法、炭素繊維の繊維長を長く残すような成形を行う方法、炭素繊維の引張弾性率を高める方法が一般的である。これらの方法はほぼ独立の効果を発現するためにそれぞれ検討が進んでいる。
【0004】
炭素繊維の引張弾性率を高める方法では、市販の炭素繊維の中から単に引張弾性率の高い品種を選択している例が見受けられる。例えば、引張弾性率が295~390GPaの炭素繊維と特定の芳香族アミドを組み合わせることで炭素繊維の含有率40質量%のときに成形品の曲げ弾性率で39GPaに向上させている(特許文献1)。また、特定のポリアミド樹脂との組み合わせにおいて炭素繊維の引張弾性率を汎用の240GPa付近から290GPaまで高める方法が提案されている(特許文献2)。また、ポリフェニレンスルフィド樹脂と引張弾性率が390~450GPaの炭素繊維を用いることで、炭素繊維の含有率が31質量%のときに成形品の曲げ弾性率で37GPaまで向上させている(特許文献3)。また、引張弾性率が860GPaのピッチ系炭素繊維をポリアクリロニトリル系炭素繊維に組み合わせて使用する技術が提案されている(特許文献4)。なお、特に断りがない場合は、本明細書内で記載される成形品は、射出成形品のことを指す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2006-1965号公報
特開2018-145292号公報
特開2017-190426号公報
特開2019-26808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、背景技術には次のような課題がある。
【0007】
特許文献1では成形品の曲げ弾性率を向上させる効果は見られるものの、汎用の炭素繊維である引張弾性率240GPaのものでは成形品の曲げ弾性率32GPaと、炭素繊維の引張弾性率が1.6倍になっても成形品の曲げ弾性率は1.2倍しか向上しない結果であり、効果が極めて小さいものであった。また、引張弾性率375GPaの炭素繊維を用いた場合にはRaman分光法による結晶化パラメーターが小さな(炭素化温度が高い)ものであって単繊維直径が小さいためか、成形品の曲げ弾性率は39GPaであり、効果の小さいものであった。特許文献2では炭素繊維の引張弾性率が低く、炭素繊維の含有率が45質量%のときに成形品の曲げ弾性率が33GPaから35GPaまでしか向上しないものであった。特許文献3ではRaman分光法による結晶化パラメーターが小さな(炭素化温度が高い)ものであって単繊維直径が小さいためか、炭素繊維の含有率31質量%のときだけでなく、56質量%まで高めたとしてもその使用量に対して成形品の曲げ弾性率は満足できる結果ではなかった。特許文献4では引張弾性率の高いピッチ系炭素繊維のみを用いたとしても成形品の曲げ弾性率は最大でも29GPaと満足できる結果ではなかった。
【0008】
上述したように、炭素繊維と熱可塑性樹脂とを含む成形材料において、従来技術では汎用の引張弾性率の高い炭素繊維を用いる着想はあったものの、射出成形に適した炭素繊維について何ら示唆はなかった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明の成形材料は、数平均繊維長が0.3mm以下である炭素繊維と熱可塑性樹脂とを含む成形材料であって、炭素繊維の単繊維直径が6.5~8.5μm、Raman分光法による結晶化パラメーターIv

/Ig

が0.25~0.60であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の成形材料は、射出成形により複雑形状の部材に対する成形性が高いことに加えて、得られる成形品は曲げ弾性率に優れる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

東レ株式会社
電池
16日前
東レ株式会社
遠心ポッティング方法
29日前
東レ株式会社
ポリオレフィン系樹脂発泡シート
21日前
東レ株式会社
ポリアミド樹脂組成物および成形品
1か月前
東レ株式会社
電子部品の製造方法および樹脂組成物
23日前
東レ株式会社
湿式不織布、および固体電解質用補強シート
23日前
東レ株式会社
液体電解用多孔質輸送層およびその製造方法
21日前
東レ株式会社
樹脂シートの製造装置および樹脂シートの製造方法
2日前
東レ株式会社
芳香族化合物の製造方法、およびテレフタル酸の製造方法
21日前
東レ株式会社
ナノ粒子分散消毒液、その製造方法および抗ウイルス表面の形成方法。
8日前
東レ株式会社
芳香族ポリアミドフィルムおよび芳香族ポリアミドフィルムの製造方法
29日前
東レ株式会社
成形材料および成形品
今日
日華化学株式会社
撥水剤組成物、撥水性繊維製品の製造方法、及び撥水性繊維製品
21日前
東レ株式会社
ポリアミック酸の製造方法、ポリアミック酸、ポリアミック酸樹脂組成物およびその硬化物
8日前
東レ株式会社
カチオン可染ポリエステル繊維構造物およびその製造方法ならびにメディカル用ユニフォーム
21日前
東レ株式会社
積層体、フィルムロール、フィルムロールの製造方法、有機系太陽電池、および電子デバイス装置
21日前
東レ株式会社
シーラントフィルム、二次電池用外装材、二次電池、全固体電池、電子機器、電動自動車、電動航空機
今日
東レ株式会社
着色ポリエステル繊維の着色成分抽出方法及び着色成分抽出ポリエステル繊維からエステルモノマー、さらには再生ポリエステルを得る方法
21日前
株式会社カネカ
断熱材
21日前
東ソー株式会社
ペレット
1か月前
ユニチカ株式会社
透明シート
3か月前
ユニチカ株式会社
透明シート
2か月前
株式会社コバヤシ
成形体
1か月前
東レ株式会社
熱硬化性樹脂組成物
3か月前
東レ株式会社
ポリエステルフィルム
2か月前
丸住製紙株式会社
変性パルプ
2か月前
東ソー株式会社
ゴム用接着性改質剤
1か月前
東レ株式会社
ポリエステルフィルム
1か月前
住友精化株式会社
吸水剤の製造方法
2か月前
東ソー株式会社
プラスチゾル組成物
21日前
東レ株式会社
引抜成形品の製造方法
3か月前
東ソー株式会社
エチレン系重合用触媒
24日前
横浜ゴム株式会社
重荷重タイヤ
1か月前
東ソー株式会社
樹脂組成物および蓋材
2か月前
東ソー株式会社
樹脂組成物および蓋材
2か月前
東レ株式会社
ポリプロピレンフィルム
1か月前
続きを見る