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公開番号2025171313
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-20
出願番号2024076518
出願日2024-05-09
発明の名称マージングユニット及び保護リレーシステム
出願人株式会社日立製作所
代理人弁理士法人信友国際特許事務所
主分類H02H 3/28 20060101AFI20251113BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】ディジタル変電所における適切な同期システムを構築可能とする。
【解決手段】MUとして、電力系統のアナログ情報を取り込む入力変換基板と、第一および第二の演算基板とを有する。第一の演算基板は、第一のサンプリングタイミングを生成する回路部と、第一のサンプリングタイミングで変換する第一のA/D変換部と、第一のディジタルデータを送信する第一の送信部とを備える。第二の演算基板は、第二のサンプリングタイミングを生成する回路部と、第二のサンプリングタイミングで変換する第二のA/D変換部と、第二のディジタルデータを送信する第二の送信部と、を備える。第一のサンプリングタイミングは、第一のマスタクロックと時刻同期を行い、第二のサンプリングタイミングは、第一のマスタクロックとは別の第二のマスタクロックと時刻同期を行う。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
主器から電力系統のアナログ情報を取り込む入力変換基板と、第一の演算基板と、第二の演算基板とを有するマージングユニットであって、
前記第一の演算基板は、
第一のサンプリングタイミングを生成する回路部と、
前記入力変換基板のアナログ出力信号を前記第一のサンプリングタイミングでディジタル変換する第一のA/D変換部と、
前記第一のディジタルデータを送信する第一の送信部と、を備え、
前記第二の演算基板は、
第二のサンプリングタイミングを生成する回路部と、
前記入力変換基板のアナログ出力信号を前記第二のサンプリングタイミングでディジタル変換する第二のA/D変換部と、
前記第二のディジタルデータを送信する第二の送信部と、を備え、
前記第一のサンプリングタイミングは、第一のマスタクロックと時刻同期を行い、
前記第二のサンプリングタイミングは、前記第一のマスタクロックとは別の第二のマスタクロックと時刻同期を行うことを特徴とする
マージングユニット。
続きを表示(約 3,100 文字)【請求項2】
当該マージングユニットは、当該マージングユニットが設置される自端変電所とは異なる対向変電所との変電所間保護リレー用通信網に接続され、
前記第一のマスタクロックは、前記変電所間保護リレー用通信網に接続される装置に実装され、
前記第二のマスタクロックは、当該マージングユニットが設置される前記自端変電所内のプロセスバスに接続された装置に実装されることを特徴とする
請求項1に記載のマージングユニット。
【請求項3】
当該マージングユニットは、当該マージングユニットが設置される自端変電所とは異なる対向変電所との変電所間保護リレー用通信網に接続され、
前記第一のディジタルデータは前記変電所間の保護リレー演算に用いられ、
前記第二のディジタルデータは前記自端変電所の構内の保護リレー演算に用いられることを特徴とする
請求項1に記載のマージングユニット。
【請求項4】
出力基板を備え、
前記出力基板は、前記第一のディジタルデータによる保護リレー演算または前記第二のディジタルデータによる保護リレー演算のいずれかの結果によるトリップ指令情報を受けて動作させることを特徴とする
請求項1に記載のマージングユニット。
【請求項5】
自端変電所と対向変電所を変電所間保護リレー用通信網でネットワーク接続した保護リレーシステムであって、
前記自端変電所は、第一のマージングユニットと、
マスタクロック装置と、
変電所間保護リレー用のインテリジェント電子デバイスと、
自端変電所構内保護リレー用のインテリジェント電子デバイスと、を備え、
前記対向変電所において、第二のマージングユニットと、
前記変電所間保護リレー用のインテリジェント電子デバイスと、を備え、
前記第一のマージングユニット及び前記第二のマージングユニットは、主器から電力系統のアナログ情報を取り込む入力変換基板と、第一の演算基板と、第二の演算基板とを有し、
前記第一の演算基板は、第一のサンプリングタイミングを生成する回路部と、前記入力変換基板のアナログ出力信号を前記第一のサンプリングタイミングでディジタル変換する第一のA/D変換部と、前記第一のディジタルデータを前記変電所間保護リレー用のインテリジェント電子デバイスに送信する第一の送信部とを備え、
前記第二の演算基板は、第二のサンプリングタイミングを生成する回路部と、前記入力変換基板のアナログ出力信号を前記第二のサンプリングタイミングでディジタル変換する第二のA/D変換部と、前記第二のディジタルデータを前記変電所構内保護リレー用のインテリジェント電子デバイスに送信する第二の送信部を備え、
前記第一のサンプリングタイミングは、第一のマスタクロックと時刻同期を行い、
前記第二のサンプリングタイミングは、第二のマスタクロックと時刻同期を行うことを特徴とする
保護リレーシステム。
【請求項6】
前記第一のマスタクロックは、前記自端変電所の変電所間保護リレー用通信網に接続される変電所間保護リレー用インテリジェント電子デバイスの内部クロックであり、
前記第二のマスタクロックは、前記自端変電所のプロセスバスに接続される前記マスタクロック装置の内部クロックであることを特徴とする
請求項5に記載の保護リレーシステム。
【請求項7】
前記変電所間保護リレー用のインテリジェント電子デバイスは、前記第一のマージングユニットまたは前記第二のマージングユニットの前記第一のディジタルデータを、フォーマット変換し、異なる変電所に設置された変電所間保護リレー用のインテリジェント電子デバイスに送信する機能を有することを特徴とする
請求項5に記載の保護リレーシステム。
【請求項8】
前記第一のマスタクロックは、前記自端変電所の変電所間保護リレー用通信網に接続される変電所間保護リレー用のインテリジェント電子デバイスの内部クロックであり、
前記第二のマスタクロックは、前記自端変電所のプロセスバスに接続される前記マスタクロック装置の内部クロックであり、
前記変電所間保護リレー用のインテリジェント電子デバイスは、前記マージングユニットの前記第一のディジタルデータを、フォーマット変換し、異なる変電所に設置された変電所間保護リレー用のインテリジェント電子デバイスに送信する機能を有し、
前記自端変電所に設置された前記変電所間保護リレー用のインテリジェント電子デバイスは、前記自端変電所に設置された前記第一のマージングユニットの前記第一のディジタルデータと、前記対向変電所に設置された前記変電所間保護リレー用のインテリジェント電子デバイスのディジタルデータを用いて、保護リレー演算を行い、
前記対向変電所に設置された前記変電所間保護リレー用のインテリジェント電子デバイスは、前記自端変電所に設置された前記変電所間保護リレー用のインテリジェント電子デバイスのディジタルデータと、前記対向変電所に設置された前記第二のマージングユニットの前記第一のディジタルデータを用いて、保護リレー演算を行い、
前記自端変電所に設置された前記変電所構内保護リレー用のインテリジェント電子デバイスは、前記自端変電所に設置された前記第一のマージングユニットの前記第二のディジタルデータを用いて、保護リレー演算を行うことを特徴とする
請求項5に記載の保護リレーシステム。
【請求項9】
前記第一のマスタクロックは、前記自端変電所の変電所間保護リレー用通信網に接続される変電所間保護リレー用のインテリジェント電子デバイスの内部クロックであり、
前記第二のマスタクロックは、前記自端変電所のプロセスバスに接続される前記マスタクロック装置の内部クロックであり、
前記自端変電所に設置された前記変電所間保護リレー用のインテリジェント電子デバイスは、前記自端変電所に設置された前記第一のマージングユニットの前記第一のディジタルデータと、前記対向変電所に設置された前記第二のマージングユニットの前記第一のディジタルデータを用いて、保護リレー演算を行い、
前記対向変電所に設置された前記変電所間保護リレー用のインテリジェント電子デバイスは、前記自端変電所に設置された前記第一のマージングユニットの前記第一のディジタルデータと、前記対向変電所に設置された前記第二のマージングユニットの前記第一のディジタルデータを用いて、保護リレー演算を行い、
前記自端変電所に設置された前記変電所構内保護リレー用のインテリジェント電子デバイスは、前記自端変電所に設置された前記第一のマージングユニットの前記第二のディジタルデータを用いて、保護リレー演算を行うことを特徴とする
請求項5に記載の保護リレーシステム。
【請求項10】
前記自端変電所のプロセスバスにおける同期網と前記変電所間保護リレー用通信網における同期網が相互に分割されていることを特徴とする
請求項5に記載の保護リレーシステム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、マージングユニット及び保護リレーシステムに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、変電所設備のスリム化によるコスト低減を目的として、変電所のディジタルネットワーク化(以下ディジタル変電所と呼ぶ)に関する研究が進められている。
ディジタル変電所では、従来同一の盤で構成された保護継電装置から、入出力部を有するマージングユニット(MU:Merging Unit)を、演算部を有するインテリジェント電子デバイス(IED:Intelligent Electronic Device)と分離させ、マージングユニットを主器近傍に配置させることで、主器近傍から保護制御装置間に接続されている大量のメタルケーブルを、少量の光ケーブルに置き換えるようにしている。
以下の説明では、インテリジェント電子デバイスをIED、マージングユニットをMUと称する。
【0003】
ディジタル変電所におけるIEDとMUは、プロセスバスを介して、MUが計測したアナログ情報および機器状態情報とIEDが演算した処理情報を、IEC(International Electrotechnical Commission)61850規格に基づくデータ通信を用いて相互に送受信を行っている。
【0004】
保護リレーシステムにおける電流差動方式は、保護区間内の系統事故を判別するために、自装置が測定した電流と対向装置が測定した電流を相互に送受信し、送受信した電流値から差電流を求め、差電流の大きさによって保護区間内の系統事故を判別する。
系統事故を正確に判別するために、システムを構成する全ての装置は、同時にサンプリングされた電流データを用いる必要がある。つまり、ディジタル変電所において、アナログ情報を計測するMUは、高精度にサンプルタイミングを同期させる必要がある。
【0005】
高精度なサンプリング同期性を担保するために、一般的に時刻同期によるサンプリング同期制御が行われている。時刻同期プロトコルとしては、NTP(Network Time Protocol)、SNTP(Simple Network Time Protocol)、PTP(Precision Time Protocol)等様々な手法が知られている。
【0006】
PTPは、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1588規格で定められた手法である。PTPでは、時刻同期の基準となる装置(以下マスタクロックと呼ぶ)と、時刻同期対象となる装置との間の時刻フレームに関する通信プロトコルが定められている。マスタクロックと装置間では、通信路を介して時刻フレームが送受信され、マスタクロックに対する自装置の時刻オフセットが算出されて、自装置の時刻が補正される。
【0007】
保護リレーシステムは、母線保護継電装置や変圧器保護継電装置等に代表される変電所構内保護リレーシステムと、IP―PCM(Internet Protocol Pulse Code Modulation)電流差動保護継電装置等に代表される変電所間保護リレーシステムを備える。したがって、ディジタル変電所における保護リレーシステムの時刻同期は、変電所構内だけでなく変電所間においても較正させる必要がある。
【0008】
特許文献1には、複数の保護リレーの各端子をPTPの時刻同期機能を持つスイッチングHUBを介して送電線に接続し、系統の電気量のサンプリングタイミングを保護リレー間で同期させるため保護リレーのそれぞれに伝送・サンプリング同期制御部を備える保護リレーシステムが記載されている。この特許文献1に記載された技術は、サンプリング同期情報に基づいてリレー演算を実行している。
【0009】
また、特許文献2には、ディジタル保護継電装置に設けたサンプリング制御方法切替部と遅延時間差計測部、第1時刻同期補正部、第2時刻同期補正部において、通信遅延時間が所定以上の場合は第1時刻同期補正部から第2時刻同期補正部に切り替えて時刻同期補正演算を実行する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2018-102043号公報
特開2017-189074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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