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公開番号
2025160343
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-22
出願番号
2025125382,2025501011
出願日
2025-07-28,2024-01-26
発明の名称
接合体の製造方法およびセラミックス回路基板の製造方法
出願人
株式会社Niterra Materials
代理人
弁理士法人iX
主分類
C04B
37/02 20060101AFI20251015BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約
【課題】窒化チタン層に所定量の酸素を含有させた接合体の製造方法およびセラミックス回路基板の製造方法を提供する。
【解決手段】実施形態に係る接合体の製造方法は、活性金属ろう材を用意する工程と、活性金属ろう材ペーストを作製する工程と、活性金属ろう材層を形成する工程と、積層体を作製する工程と、加熱接合する工程と、を備える。連続炉の加熱接合ゾーンに供給される窒素ガスの酸素量は、10~1000volppmである。活性金属ろう材層から形成される接合層は、窒化チタン層およびろう材層を含む。窒化チタン層は、酸素量が1at%以上である箇所を含む。窒化チタン層の任意の5つの測定領域における酸素量の平均値は1~10at%であり、窒素量の平均値は50~65at%である。ろう材層は、Tiを30at%以上含有するTiリッチ領域を含む。Tiリッチ領域における窒素量は1~15at%である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
1質量%以上15質量%以下のTiまたはTiH
2
と、15質量%以上85質量%以下のCuと、0質量%以上70質量%以下のAgと、SnおよびInから選ばれる1種以上が1質量%以上50質量%以下の範囲内で含まれる活性金属ろう材を用意する工程と、
前記活性金属ろう材に有機バインダを添加して活性金属ろう材ペーストを作製する工程と、
窒化物系セラミックス部材の上に前記活性金属ろう材ペーストを塗布することで、活性金属ろう材層を形成する工程と、
活性金属ろう材層の上に銅板を配置することにより、前記窒化物系セラミックス部材上に、前記活性金属ろう材層および前記銅板を配置した積層体を作製する工程と、
前記積層体を連続炉を用いて加熱接合する工程と、を備えた接合体の製造方法であって、
前記連続炉は、前記積層体を加熱接合する加熱接合ゾーンを含み、
前記加熱接合する工程において、前記加熱接合ゾーンに供給される窒素ガスの酸素量は、10volppm以上1000volppm以下であり、
前記加熱接合により、前記活性金属ろう材層から接合層が形成されるとともに接合体が作製され、
前記接合層は、
前記窒化物系セラミックス部材と前記接合層の界面に位置し、チタンと窒素の合計が70at%以上の窒化チタン層と、
前記窒化チタン層と前記銅板との間に位置するろう材層と、
を含み、
前記窒化チタン層は、酸素量が1at%以上である箇所を含み、
前記窒化チタン層における20nm×20nmの測定領域をTEM-EDXによってエリア分析し、炭素以外の構成元素の合計を100at%としたとき、
任意の5つの前記測定領域における酸素量の平均値は、1at%以上10at%以下の範囲内であり、
前記5つの測定領域における窒素量の平均値は、50at%以上65at%以下の範囲内であり、
前記ろう材層は、Tiを30at%以上含有するTiリッチ領域を含み、
前記Tiリッチ領域における窒素量は1at%以上15at%以下の範囲内である、接合体の製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記加熱接合ゾーンに供給される窒素ガスのCO量は、1000volppm以下である、請求項1記載の接合体の製造方法。
【請求項3】
前記加熱接合ゾーンが、排気され且つ窒素雰囲気に制御され、
前記窒素雰囲気中の酸素量は、10volppm以上1000volppm以下、CO量は1000volppm以下である、請求項1または請求項2記載の接合体の製造方法。
【請求項4】
前記加熱接合ゾーンに供給される窒素ガス流量が、2リットル/分以上400リットル/分以下の範囲内である、請求項1または請求項2に記載の接合体の製造方法。
【請求項5】
前記加熱接合ゾーンに供給される窒素ガス流量が、2リットル/分以上400リットル/分以下の範囲内である、請求項3に記載の接合体の製造方法。
【請求項6】
前記加熱接合ゾーンの接合温度が、650℃以上980℃以下の範囲内である、請求項1または請求項2に記載の接合体の製造方法。
【請求項7】
前記加熱接合ゾーンの接合温度が、650℃以上980℃以下の範囲内である、請求項5に記載の接合体の製造方法。
【請求項8】
前記連続炉は、昇温ゾーン、前記加熱接合ゾーン、および降温ゾーンを有し、
前記昇温ゾーンにおいて、200℃から前記接合温度までの平均昇温速度は15℃/分以上200℃/分以下の範囲内であり、
前記降温ゾーンにおいて、前記接合温度から200℃までの平均降温速度は15℃/分以上200℃/分以下の範囲内である、請求項6記載の接合体の製造方法。
【請求項9】
前記連続炉は、昇温ゾーン、前記加熱接合ゾーン、および降温ゾーンを有し、
前記昇温ゾーンにおいて、200℃から前記接合温度までの平均昇温速度は15℃/分以上200℃/分以下の範囲内であり、
前記降温ゾーンにおいて、前記接合温度から200℃までの平均降温速度は15℃/分以上200℃/分以下の範囲内である、請求項7記載の接合体の製造方法。
【請求項10】
前記接合層は、前記5つの測定領域のいずれにおいても、窒素量が50at%以上65at%以下の範囲内であり、酸素量が1at%以上10at%以下の範囲内である、請求項9に記載の接合体の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
後述する実施形態は、おおむね、接合体の製造方法およびセラミックス回路基板の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、放熱性とサーマルサイクルテスト(TCT)特性の良いセラミックス回路基板が開発されている。例えば、特許第6789955号公報(特許文献1)には、セラミックス基板と銅板が接合層を介して接合されたセラミックス回路基板が開示されている。特許文献1では、窒化珪素基板、窒化アルミニウム基板、酸化アルミニウム基板などが開示されている。窒化珪素基板および窒化アルミニウム基板は、窒化物系セラミックス基板と呼ばれている。窒化珪素基板は、500MPa以上の3点曲げ強度を有し、高強度である。また、窒化アルミニウム基板は、160W/m・K以上の熱伝導率を有し、高熱伝導性である。窒化物系セラミックス基板は、酸化物系セラミックス基板と比較して、優れた性能を有する。
【0003】
特許文献1では、窒化物系セラミックス基板と銅板の接合に、活性金属ろう材が用いられている。活性金属ろう材は、活性金属であるチタンを含有したろう材である。窒化物系セラミックス基板と銅板の間に活性金属ろう材を塗布し、加熱接合することにより、接合体が得られる。加熱接合することにより、活性金属ろう材層は接合層となる。チタンを含有した活性金属ろう材は、窒化物系セラミックス基板と反応して窒化チタン層を形成する。接合層の一部として、窒化物系セラミックス基板表面に窒化チタン層が形成されることにより、接合強度を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6789955号公報
特許第4077888号公報
特開2013-211546号公報
国際公開第2021/015122号
国際公開第2022/244769号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、接合層が、銅板端部からはみ出したはみ出し部を有する。はみ出し部のサイズおよび硬さを制御することにより、TCT特性を向上させている。しかしながら、それ以上の性能向上が見られなかった。この原因を追究したところ、窒化チタン層中の酸素量にあることが分かった。窒化チタン層は硬い材料である。例えば、特許第4077888号公報(特許文献2)では、窒化チタン層のビッカース硬さHVは、1100以上と高い。特許文献2では、窒化チタン層にCuやAlを含有させ、窒化チタン層を硬くすることにより、TCT特性を向上させている。Cuはろう材に含まれる成分であり、Alは窒化アルミニウム基板に含まれる成分である。これらの成分は、均一に分散させることが難しかった。窒化チタン層中の分散状態のばらつきが原因で、窒化チタン層の物性に部分的なばらつきが生じていた。
【0006】
従来、窒化チタン層中には、酸素の含有量が非常に少なかった。例えば、特開2013-211546号公報(特許文献3)の図2には、セラミックス回路基板の断面方向をEPMA(電子線マイクロアナライザー)にてライン分析を行った結果が示されている。酸素量に関しては、窒化チタン層中の相対強度(%)が小さかった。なお、特許文献3に記載された結果では、バックグランドの影響が大きく、酸素量の正確な数字を把握することができない。また、国際公開第2021/015122号(特許文献4)の表1では、窒化チタン層(界面層121、ナノ粒子層131)中の酸素量は0at%であった。
【0007】
本発明はこのような課題を改善するもので、窒化チタン層に所定量の酸素を含有させた接合体の製造方法およびセラミックス回路基板の製造方法を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態に係る接合体の製造方法は、1質量%以上15質量%以下のTiまたはTiH
2
と、15質量%以上85質量%以下のCuと、0質量%以上70質量%以下のAgと、SnおよびInから選ばれる1種以上が1質量%以上50質量%以下の範囲内で含まれる活性金属ろう材を用意する工程を備える。前記製造方法は、前記活性金属ろう材に有機バインダを添加して活性金属ろう材ペーストを作製する工程を備える。前記製造方法は、窒化物系セラミックス部材の上に前記活性金属ろう材ペーストを塗布することで、活性金属ろう材層を形成する工程を備える。前記製造方法は、活性金属ろう材層の上に銅板を配置することにより、前記窒化物系セラミックス部材上に、前記活性金属ろう材層および前記銅板を配置した積層体を作製する工程を備える。前記製造方法は、前記積層体を連続炉を用いて加熱接合する工程を備える。前記連続炉は、前記積層体を加熱接合する加熱接合ゾーンを含む。前記加熱接合する工程において、前記加熱接合ゾーンに供給される窒素ガスの酸素量は、10volppm以上1000volppm以下である。前記加熱接合により、前記活性金属ろう材層から接合層が形成されるとともに接合体が作製される。前記接合層は、前記窒化物系セラミックス部材と前記接合層の界面に位置し、チタンと窒素の合計が70at%以上の窒化チタン層と、前記窒化チタン層と前記銅板との間に位置するろう材層と、を含む。前記窒化チタン層は、酸素量が1at%以上である箇所を含む。
前記窒化チタン層における20nm×20nmの測定領域をTEM-EDXによってエ
リア分析し、炭素以外の構成元素の合計を100at%としたとき、任意の5つの前記測定領域における前記酸素量の平均値は、1at%以上10at%以下の範囲内である。前記5つの測定領域における窒素量の平均値は、50at%以上65at%以下の範囲内である。前記ろう材層は、Tiを30at%以上含有するTiリッチ領域を含む。前記Tiリッチ領域における窒素量は1at%以上15at%以下の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施形態にかかる接合体の一例を示す側面図。
窒化チタン層の測定領域の一例を示す断面図。
実施形態にかかるセラミックス回路基板の一例を示す側面図。
実施形態に係る半導体装置の一例を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施形態に係る接合体の製造方法は、1質量%以上15質量%以下のTiまたはTiH
2
と、15質量%以上85質量%以下のCuと、0質量%以上70質量%以下のAgと、SnおよびInから選ばれる1種以上が1質量%以上50質量%以下の範囲内で含まれる活性金属ろう材を用意する工程を備える。前記製造方法は、前記活性金属ろう材に有機バインダを添加して活性金属ろう材ペーストを作製する工程を備える。前記製造方法は、窒化物系セラミックス部材の上に前記活性金属ろう材ペーストを塗布することで、活性金属ろう材層を形成する工程を備える。前記製造方法は、活性金属ろう材層の上に銅板を配置することにより、前記窒化物系セラミックス部材上に、前記活性金属ろう材層および前記銅板を配置した積層体を作製する工程を備える。前記製造方法は、前記積層体を連続炉を用いて加熱接合する工程を備える。前記連続炉は、前記積層体を加熱接合する加熱接合ゾーンを含む。前記加熱接合する工程において、前記加熱接合ゾーンに供給される窒素ガスの酸素量は、10volppm以上1000volppm以下である。前記加熱接合により、前記活性金属ろう材層から接合層が形成されるとともに接合体が作製される。前記接合層は、前記窒化物系セラミックス部材と前記接合層の界面に位置し、チタンと窒素の合計が70at%以上の窒化チタン層と、前記窒化チタン層と前記銅板との間に位置するろう材層と、を含む。前記窒化チタン層は、酸素量が1at%以上である箇所を含む。
前記窒化チタン層における20nm×20nmの測定領域をTEM-EDXによってエ
リア分析し、炭素以外の構成元素の合計を100at%としたとき、任意の5つの前記測定領域における前記酸素量の平均値は、1at%以上10at%以下の範囲内である。前記5つの測定領域における窒素量の平均値は、50at%以上65at%以下の範囲内である。前記ろう材層は、Tiを30at%以上含有するTiリッチ領域を含む。前記Tiリッチ領域における窒素量は1at%以上15at%以下の範囲内である。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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