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公開番号2025157445
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-15
出願番号2025121098,2024059991
出願日2025-07-18,2020-03-31
発明の名称コンクリートの表面処理方法
出願人前田建設工業株式会社,株式会社トヨコー
代理人個人
主分類B23K 26/352 20140101AFI20251007BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】高速処理をする場合であってもガラス化を抑制したコンクリートの表面処理方法を提供する。
【解決手段】コンクリートの表面に対してビームスポットが所定の走査パターンに沿って走査しかつ走査パターンが所定の送り速度によって表面に沿って移動するようレーザ光を照射する。ビームスポットBSが走査パターンにおける所定の箇所を繰り返し通過する際に、表面でビームスポットの通過経路が直前の照射におけるビームスポットの通過経路と重複する割合であるラップ率が90%以下とする。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
コンクリートの表面に対してビームスポットが所定の走査パターンに沿って走査しかつ前記走査パターンが所定の送り速度によって前記表面に沿って移動するようレーザ光を照射し、
前記ビームスポットが前記走査パターンにおける所定の箇所を繰り返し通過する際に、前記表面で前記ビームスポットの通過経路が直前の照射における前記ビームスポットの通過経路と重複する割合であるラップ率が90%以下であること
を特徴とするコンクリートの表面処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリートの表面にレーザ光を照射して表面を掘削するコンクリートの表面処理方法、及び、レーザ処理済みコンクリート表面に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
コンクリート製の建築物、構造物等において、内部構造の検査や補修材料(モルタル、塗料等)の塗布下地の生成などのメインテナンスを目的として、コンクリートの表面層を剥離する場合がある。
従来、このような剥離に利用可能な手法として、例えば、ノズルから高圧に加圧した水を噴射し、水圧でコンクリートの結合を破壊するウォータージェット工法が知られている。
また、補修工事などを目的として、構造物の一部を壊したり、形を整えるため、表面をピックやドリル、その他の機材や道具で機械的な力により掘削する斫り(はつり)作業が知られている。
【0003】
上述したウォータージェット工法による表面処理は、例えばサイズが20mm程度の比較的大きい粗骨材(砂利など)が露出するまで行われるが、近年このようなコンクリート表面の処理を、レーザ光の照射によって行うことが提案されている。
例えば、非特許文献1には、疑似的CWレーザ(QCW)を用い、パルス状のレーザをコンクリート表面に照射することが記載されている。
非特許文献2には、パルスレーザをコンクリート表面に照射して熱衝撃により微細な部分を剥離することが記載されている。
また、特許文献1には、コンクリートの表面処理に係るものではないが、連続波(CW)レーザ光を照射対象物に照射する照射ヘッドに、レーザ光を所定の偏角だけ偏向させるウェッジプリズムを設け、このウェッジプリズムを回転させながらレーザ光を照射することによって、照射箇所が照射対象物の表面を旋回しながら走査することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2002- 89033号公報
【非特許文献】
【0005】
「Experimental characterization of concrete removal by high-power quasicontinuous wave fiber laser irradiation」Nguyen Phi Long, Hiroyuki Daido, Tomonori Yamada, Akihiko Nishimura, Noboru Hasegawa, and Tetsuya Kawachi, JOURNAL OF LASER APPLICATIONS VOLUME 29, NUMBER 4, NOVEMBER 2017
「Efficiency of concrete removal with a pulsed Nd:YAG laser」Michael Savina, Zhiyue Xu, Yong Wang, Claude Reed, Michael Pellin, Journal of Laser Applications 12, 200 (2000) p.200-204
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
非特許文献1に記載された技術においては、コンクリート中の石英などの珪素系の成分が照射熱によって溶融、再凝固し、ガラス化することが問題となっている。
非特許文献2に記載された技術においては、高エネルギ密度のパルスレーザを短い照射時間だけ照射することにより、ガラス化の抑制を図っている。
しかし、レーザ光によるコンクリートの表面処理を工業的に行う場合、高速に処理を行うことが要望されている。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、高速処理をする場合であってもガラス化を抑制したコンクリートの表面処理方法、及び、レーザ処理済みコンクリート表面を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
本発明の第一のコンクリートの表面処理方法は、コンクリートの表面に対してビームスポットが所定の走査パターンに沿って走査しかつ前記走査パターンが所定の送り速度によって前記表面に沿って移動するようレーザ光を照射し、前記ビームスポットが前記走査パターンにおける所定の箇所を繰り返し通過する際に、前記表面で前記ビームスポットの通過経路が直前の照射における前記ビームスポットの通過経路と重複する割合であるラップ率が90%以下であることを特徴とする。
本発明の発明者は、コンクリート表面へのレーザ照射により表面層剥離等の掘削処理を行う際に、ビームスポットの照射範囲が走査パターンの一周期前の照射範囲と重複する範囲であるラップ率が、ガラス化の発生有無及び発生程度に支配的な因子であることを見出した。
本発明によれば、ラップ率が90%以下となるように、所定の走査パターンをコンクリートの表面を送りながらレーザ光を照射することにより、高速処理する場合であってもガラス化の発生を抑制し、良好な処理表面を得ることができる。
なお、ここでラップ率が90%以下とは、本明細書に記載された複数のラップ率の定義における少なくとも一つに基づいて算出されたラップ率が90%以下であることを意味するものとする。
【0008】
本発明の第二のコンクリートの表面処理方法は、前記第一の方法において、前記ビームスポットはその直径に相当する幅を有する所定のパスに沿って前記表面上を移動し、前記ラップ率は、直前に照射したパスと最新のパスとが重複する幅の前記ビームスポットの直径に対する比であることを特徴とする。
本発明の第三のコンクリートの表面処理方法は、前記第一の方法において、前記ラップ率は、前記走査パターンの一周期における前記走査パターンの前記送り速度による送り量に対する前記ビームスポットの直径の比であることを特徴とする。
本発明の第四のコンクリートの表面処理方法は、前記第一の方法において、前記ラップ率は、前記表面における前記ビームスポットの移動速度をV、前記ビームスポットの直径をd、照射時間tでの照射面積をSとしたときに、((1-(S/(V×d×t))×100(%)であることを特徴とする。
これらの各発明によれば、ラップ率を適切に定義して上述した効果を確実に得ることができる。
【0009】
本発明の第五のコンクリートの表面処理方法は、前記の各方法において、前記ビームスポットは、前記表面上において毎秒6m以上の速度で移動することを特徴とする。
これによれば、ビームスポットが表面上を高速で移動することにより、所定の一点に着目した場合、入熱を受けた後直ちに冷却されるため、表面温度の向上を抑制してガラス化の発生を防止することができる。
本発明の第六のコンクリートの表面処理方法は、前記の各方法において、前記表面における前記ビームスポットのパワー密度が0.53MW/cm

以上であることを特徴とする。
これによれば、高いパワー密度によりコンクリート表面の剥離等に必要な熱量を短時間で与えることにより、表面温度の上昇を抑制し、ガラス化の発生を防止することができる。
【0010】
本発明の第七のコンクリートの表面処理方法は、コンクリートの表面を、0.53MW/cm

以上のパワー密度のレーザ光で、一回の照射時間が0.12msec以下でありかつ所定のインターバルを隔てるよう繰り返し照射することを特徴とする。
これによれば、高いパワー密度で短時間の照射を、所定のインターバルを隔てて周期的に繰り返すことにより、コンクリート表面を掘削しつつ表面温度の上昇を抑制し、ガラス化を防止することができる。
本発明の第八のコンクリートの表面処理方法は、前記の第七の方法において、前記表面の同一箇所における前記繰り返し照射の照射回数が10回以下であることを特徴とする。
これによれば、照射が過度に多くの回数繰り返されることによるガラス化の発生を防止することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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