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公開番号2025152717
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024054751
出願日2024-03-28
発明の名称車両の合流位置評価装置及び方法
出願人マツダ株式会社
代理人弁理士法人三協国際特許事務所
主分類B60W 30/10 20060101AFI20251002BHJP(車両一般)
要約【課題】車両の合流シーンにおいて、後続車への影響を考慮した合流位置の評価を短時間で適切に行う。
【解決手段】合流位置評価装置は、自車両の周囲の交通環境を取得する取得部(12)と、自車両が他車群の中に割り込むときの割込み先ギャップの候補である合流位置候補を抽出する抽出部(12)と、運転挙動モデルを用いて自車両及び他車群の将来挙動をシミュレーションすることにより、合流位置候補ごとに、合流に伴って自車両の後ろの他車両である後続車に及ぼす影響の大きさを表す後続車影響度を求めるシミュレーション部(13)と、求めた後続車影響度に基づいて合流位置候補の優劣を評価する評価部(14)と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
自車両が支線を通って本線に合流するときの合流位置を評価する装置であって、
前記本線を走行する他車群の位置及び速度並びに道路形状を含む、前記自車両の周囲の交通環境を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記交通環境に基づいて、前記自車両が前記他車群の中に割り込むときの割込み先ギャップの候補である合流位置候補を抽出する抽出部と、
前記自車両及び前記他車群の挙動を予測する運転挙動モデルを用いて前記自車両及び前記他車群の将来挙動をシミュレーションすることにより、前記抽出部が抽出した前記合流位置候補ごとに、前記自車両の合流に伴って当該自車両の後ろの他車両である後続車に及ぼす影響の大きさを表す後続車影響度を求めるシミュレーション部と、
前記シミュレーション部が求めた前記後続車影響度に基づいて前記合流位置候補の優劣を評価する評価部と、を備えた、車両の合流位置評価装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
請求項1に記載の車両の合流位置評価装置において、
前記シミュレーション部は、合流から所定期間内に減速が生じた前記後続車を抽出するとともに、抽出した当該後続車の減速度が大きいほど大きくなる値を、前記後続車影響度として算出し、
前記評価部は、前記後続車影響度が小さい前記合流位置候補を、前記後続車影響度が大きい前記合流位置候補よりも優れていると評価する、車両の合流位置評価装置。
【請求項3】
請求項2に記載の合流位置評価装置において、
前記シミュレーション部は、合流に伴って減速が生じた前記後続車における前記所定期間内の最大減速度をそれぞれ算出するとともに、当該各後続車の最大減速度を合計した値を前記後続車影響度として算出する、車両の合流位置評価装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の車両の合流位置評価装置において、
前記運転挙動モデルは、前記他車群の挙動を予測するモデルとして、先行車両との間に適切な車間距離を維持しながら走行するのに必要な加速度を出力する追従走行モデルを含む、車両の合流位置評価装置。
【請求項5】
請求項4に記載の車両の合流位置評価装置において、
前記運転挙動モデルは、前記自車両の挙動を予測するモデルとして、所定の目標位置及び目標速度との差に比例した加速度を出力する比例モデルを含む、車両の合流位置評価装置。
【請求項6】
自車両が支線を通って本線に合流するときの合流位置を評価する方法であって、
前記本線を走行する他車群の位置及び速度並びに道路形状を含む、前記自車両の周囲の交通環境を取得するステップと、
取得した前記交通環境に基づいて、前記自車両が前記他車群の中に割り込むときの割込み先ギャップの候補である合流位置候補を抽出するステップと、
前記自車両及び前記他車群の挙動を予測する運転挙動モデルを用いて前記自車両及び前記他車群の将来挙動をシミュレーションすることにより、抽出した前記合流位置候補ごとに、前記自車両の合流に伴って当該自車両の後ろの他車両である後続車に及ぼす影響の大きさを表す後続車影響度を求めるステップと、
求めた前記後続車影響度に基づいて前記合流位置候補の優劣を評価するステップと、を含む、車両の合流位置評価方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、自車両が支線を通って本線に合流するときの合流位置を評価する装置及び方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、車両の運転支援もしくは自動運転に関する研究の一環として、車両が支線から本線に合流する合流動作を支援もしくは自動化することが検討されている。例えば、下記特許文献1には、本線に合流する自車両の行動計画を生成する行動計画生成装置において、車両の運転を模擬的に体験することが可能なシミュレータ機能を通じて得られる走行データから生成された学習モデルを用いて、本線を走行する他車両が自車両に対し進路を譲る可能性を表す譲り度合いを算出し、算出した当該譲り度合いに基づいて自車両が本線に合流するときの行動計画を生成することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2023-146576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、自車両が本線に合流する際には、本線を走行する他車群における複数のギャップ(車間)のいずれかを目標の合流位置として定める必要がある。しかしながら、上記特許文献1では、目標の合流位置に実際に合流できるか否かの判定、つまり合流位置の評価が、シミュレータ機能を用いた被験者の繰り返し実験から得られる学習モデルの出力値(譲り度合い)に基づき行われるので、その評価ロジックの確立に手間と時間がかかるという問題がある。
【0005】
また、交通の円滑化の観点から、自車両の本線への合流は、自車両の後ろの後続車が急減速を予儀なくされるなどの悪影響ができるだけ及ばないような態様で行うことが望ましい。しかしながら、上記特許文献1では、合流位置の評価に際して後続車への影響を考慮することは特に行われていない。
【0006】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、後続車への影響を考慮した合流位置の評価を短時間で適切に行うことが可能な車両の合流位置評価装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためのものとして、本発明の一局面に係る車両の合流位置評価装置は、自車両が支線を通って本線に合流するときの合流位置を評価する装置であって、前記本線を走行する他車群の位置及び速度並びに道路形状を含む、前記自車両の周囲の交通環境を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記交通環境に基づいて、前記自車両が前記他車群の中に割り込むときの割込み先ギャップの候補である合流位置候補を抽出する抽出部と、前記自車両及び前記他車群の挙動を予測する運転挙動モデルを用いて前記自車両及び前記他車群の将来挙動をシミュレーションすることにより、前記抽出部が抽出した前記合流位置候補ごとに、前記自車両の合流に伴って当該自車両の後ろの他車両である後続車に及ぼす影響の大きさを表す後続車影響度を求めるシミュレーション部と、前記シミュレーション部が求めた前記後続車影響度に基づいて前記合流位置候補の優劣を評価する評価部と、を備えたものである。
【0008】
本発明によれば、自車両及び他車群の挙動を予測する運転挙動モデルを用いたシミュレーションを通じて合流位置候補ごとの評価が行われるので、評価のために機械学習や強化学習のような複雑な処理を経ることが不要になり、評価に要する時間を短縮することができる。
【0009】
また、各合流位置候補を評価するための評価値として、後続車に及ぼす影響の大きさを表す後続車影響度がシミュレーションによって算出されるので、この後続車影響度に基づいて、後続車への影響ができるだけ少ない合流位置候補を合流目標として決定することができ、交通の流れを阻害しないスムーズな合流動作を実現することができる。
【0010】
好ましくは、前記シミュレーション部は、合流から所定期間内に減速が生じた前記後続車を抽出するとともに、抽出した当該後続車の減速度が大きいほど大きくなる値を、前記後続車影響度として算出し、前記評価部は、前記後続車影響度が小さい前記合流位置候補を、前記後続車影響度が大きい前記合流位置候補よりも優れていると評価する。
(【0011】以降は省略されています)

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