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公開番号2025150265
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-09
出願番号2024051070
出願日2024-03-27
発明の名称接着剤組成物、積層体、及び加工された半導体基板の製造方法
出願人日産化学株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C09J 201/00 20060101AFI20251002BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】赤外線レーザーを用いた剥離において、半導体基板又は電子デバイス層の洗浄を容易にする接着剤組成物などの提供。
【解決手段】半導体基板又は電子デバイス層である第1基体と、赤外線レーザーを透過する支持基板である第2基体と、前記第1基体と前記第2基体との間に設けられた接着剤層とを有する積層体における前記第1基体を加工後に、前記第2基体側から前記赤外線レーザーを前記接着剤層に照射し、その後、前記第1基体と前記第2基体とを分離することに用いられる前記接着剤層を形成するための接着剤組成物であって、赤外線を透過する第1成分と、赤外線を吸収する第2成分とを含有し、前記接着剤層において、前記第1基体側よりも前記第2基体側に前記第1成分又はその硬化物が多く存在し、前記第2基体側よりも前記第1基体側に前記第2成分又はその硬化物が多く存在する、接着剤組成物。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
半導体基板又は電子デバイス層である第1基体と、赤外線レーザーを透過する支持基板である第2基体と、前記第1基体と前記第2基体との間に設けられた接着剤層とを有する積層体における前記第1基体を加工後に、前記第2基体側から前記赤外線レーザーを前記接着剤層に照射し、その後、前記第1基体と前記第2基体とを分離することに用いられる前記接着剤層を形成するための接着剤組成物であって、
赤外線を透過する第1成分と、赤外線を吸収する第2成分とを含有し、
前記接着剤層において、前記第1基体側よりも前記第2基体側に前記第1成分又はその硬化物が多く存在し、前記第2基体側よりも前記第1基体側に前記第2成分又はその硬化物が多く存在する、
接着剤組成物。
続きを表示(約 740 文字)【請求項2】
前記第2成分が、赤外線吸収剤を含む、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項3】
前記赤外線レーザーを前記接着剤層に照射せずに鋭部を有する機材の前記鋭部を前記第1基体と前記第2基体との間に差し込んで前記第1基体と前記第2基体とを分離する際に必要な差し込み力よりも、前記赤外線レーザーを前記接着剤層に照射した後に前記鋭部を前記第1基体と前記第2基体との間に差し込んで前記第1基体と前記第2基体とを分離する際に必要な差し込み力の方が小さい、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項4】
半導体基板又は電子デバイス層である第1基体と、
赤外線レーザーを透過する支持基板である第2基体と、
前記第1基体と前記第2基体との間に設けられた、接着剤層とを有し、
前記接着剤層が、請求項1から3のいずれかに記載の接着剤組成物から形成された接着剤層である、積層体。
【請求項5】
請求項4に記載の積層体の前記第1基体が加工される加工工程と、
前記第2基体側から前記赤外線レーザーを前記接着剤層に照射し、その後、加工された前記第1基体と前記第2基体とを分離する分離工程と、
を含む、加工された半導体基板又は電子デバイス層の製造方法。
【請求項6】
前記赤外線レーザーを前記接着剤層に照射することで、前記赤外線レーザーを前記接着剤層に照射しない場合と比べて、鋭部を有する機材の前記鋭部を前記第1基体と前記第2基体との間に差し込んで前記第1基体と前記第2基体とを分離する際に必要な差し込み力が低下する、請求項5に記載の加工された半導体基板又は電子デバイス層の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、接着剤組成物、積層体、及び加工された半導体基板の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来2次元的な平面方向に集積してきた半導体ウエハーは、より一層の集積化を目的に平面を更に3次元方向にも集積(積層)する半導体集積技術が求められている。この3次元積層はシリコン貫通電極(TSV:through silicon via)によって結線しながら多層に集積していく技術である。多層に集積する際に、集積されるそれぞれのウエハーは形成された回路面とは反対側(即ち、裏面)を研磨によって薄化し、薄化された半導体ウエハーを積層する。
【0003】
薄化前の半導体ウエハー(ここでは単にウエハーとも呼ぶ)が、研磨装置で研磨するために支持体に接着される。その際の接着は研磨後に容易に剥離されなければならないため、仮接着と呼ばれる。この仮接着は支持体から容易に取り外されなければならず、取り外しに大きな力を加えると薄化された半導体ウエハーは、切断されたり変形したりすることがあり、その様なことが生じない様に、容易に取り外される。しかし、半導体ウエハーの裏面研磨時に研磨応力によって外れたりずれたりすることは好ましくない。従って、仮接着に求められる性能は研磨時の応力に耐え、研磨後に容易に取り外されることである。
【0004】
そのような仮接着に用いられる仮接着剤として、ポリジメチルシロキサンを含有する接着剤(特許文献1)、エポキシ変性ポリシロキサンを含有する仮接着剤(特許文献2)などが提案されている。これらの技術では、支持体と半導体ウエハーとの剥離は、仮接着剤の層にデボンダーと呼ばれる鋭部を有する機材の鋭部を差し込むことによって行われる。
【0005】
他方で、赤外線を利用した支持体と半導体ウエハーとの剥離が提案されている。
例えば、赤外線照射により剥離可能な赤外線剥離用接着剤組成物であって、ヒドロシリル化反応により硬化する成分(A)と、エポキシ変性ポリオルガノシロキサンを含む成分、メチル基含有ポリオルガノシロキサンを含む成分及びフェニル基含有ポリオルガノシロキサンを含む成分からなる群から選択される少なくとも1種の成分(B)と、を含有する赤外線剥離用接着剤組成物が提案されている(特許文献3)。
また、半導体形成基板からなる第1基体と、赤外線レーザーを透過する支持基板からなる第2基体とを、前記第1基体側に設けられた第1接着層と、前記第2基体側に設けられた第2接着層とを介して接合して積層体とする際に、前記第1接着層を、ヒドロシリル化反応により硬化する成分を含有する接着剤(A)を硬化して得られる接着層とし、前記第2接着層を、主鎖及び側鎖の少なくとも一方に芳香環を有する高分子系接着剤である接着剤(B)を用いて得られる、前記赤外線レーザーを透過する接着層とする、第1工程と、前記積層体の前記第2基体側から前記赤外線レーザーを照射し、前記第1接着層と前記第2接着層との間で剥離する第2工程とを含む積層体の剥離方法が提案されている(特許文献4)。
赤外線を利用した剥離では、赤外線の照射によって接着剤を変質させ、剥離を容易にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2017/221772号パンフレット
国際公開第2018/216732号パンフレット
国際公開第2020/100966号パンフレット
国際公開第2020/100965号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1及び特許文献2に記載の技術における鋭部を有する機材による剥離ではある程度の差し込み力が必要なことから、処理時間が掛かること、及び半導体ウエハー又は支持基板にダメージが生じることが問題になることがある。
特許文献3及び特許文献4に記載の技術においては、剥離を容易にするために赤外線レーザーを十分に照射する必要があるが、その場合、処理時間が掛かること、及び接着剤の変質により洗浄性が低下することが問題になることがある。
【0008】
本発明は、赤外線レーザーを用いた剥離において、半導体基板又は電子デバイス層の洗浄を容易にする接着剤組成物、該接着剤組成物を用いた積層体、及び当該積層体を用いた、加工された半導体基板又は電子デバイス層の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、前記の課題を解決する為、鋭意検討を行った結果、前記の課題を解決出来ることを見出し、以下の要旨を有する本発明を完成させた。
【0010】
すなわち、本発明は以下を包含する。
[1] 半導体基板又は電子デバイス層である第1基体と、赤外線レーザーを透過する支持基板である第2基体と、前記第1基体と前記第2基体との間に設けられた接着剤層とを有する積層体における前記第1基体を加工後に、前記第2基体側から前記赤外線レーザーを前記接着剤層に照射し、その後、前記第1基体と前記第2基体とを分離することに用いられる前記接着剤層を形成するための接着剤組成物であって、
赤外線を透過する第1成分と、赤外線を吸収する第2成分とを含有し、
前記接着剤層において、前記第1基体側よりも前記第2基体側に前記第1成分又はその硬化物が多く存在し、前記第2基体側よりも前記第1基体側に前記第2成分又はその硬化物が多く存在する、
接着剤組成物。
[2] 前記第2成分が、赤外線吸収剤を含む、[1]に記載の接着剤組成物。
[3] 前記赤外線レーザーを前記接着剤層に照射せずに鋭部を有する機材の前記鋭部を前記第1基体と前記第2基体との間に差し込んで前記第1基体と前記第2基体とを分離する際に必要な差し込み力よりも、前記赤外線レーザーを前記接着剤層に照射した後に前記鋭部を前記第1基体と前記第2基体との間に差し込んで前記第1基体と前記第2基体とを分離する際に必要な差し込み力の方が小さい、[1]又は[2]に記載の接着剤組成物。
[4] 半導体基板又は電子デバイス層である第1基体と、
赤外線レーザーを透過する支持基板である第2基体と、
前記第1基体と前記第2基体との間に設けられた、接着剤層とを有し、
前記接着剤層が、[1]から[3]のいずれかに記載の接着剤組成物から形成された接着剤層である、積層体。
[5] [4]に記載の積層体の前記第1基体が加工される加工工程と、
前記第2基体側から前記赤外線レーザーを前記接着剤層に照射し、その後、加工された前記第1基体と前記第2基体とを分離する分離工程と、
を含む、加工された半導体基板又は電子デバイス層の製造方法。
[6] 前記赤外線レーザーを前記接着剤層に照射することで、前記赤外線レーザーを前記接着剤層に照射しない場合と比べて、鋭部を有する機材の前記鋭部を前記第1基体と前記第2基体との間に差し込んで前記第1基体と前記第2基体とを分離する際に必要な差し込み力が低下する、[5]に記載の加工された半導体基板又は電子デバイス層の製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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