TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025142555
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-01
出願番号2024041986
出願日2024-03-18
発明の名称コンクリート構造物の塩害劣化評価方法、コンクリート構造物のアルカリシリカ反応予測評価方法及び電気化学的防食工法
出願人デンカ株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類G01N 27/416 20060101AFI20250924BHJP(測定;試験)
要約【課題】コンクリート構造物のコンクリート内に配置された鋼材の塩害劣化状況を評価するコンクリート構造物の塩害劣化評価方法、コンクリート構造物のアルカリシリカ反応(ASR)の進行程度の予測評価を簡易的な方法により把握可能なコンクリート構造物のアルカリシリカ反応予測評価方法、及びコンクリート構造物の腐食状況やASRの進行程度を把握することで通電処理の要否を判断する電気化学的防食工法を提供する。
【解決手段】本発明のコンクリート構造物の塩害劣化評価方法は、コンクリートの内部に鉄筋を埋設するコンクリート構造物の前記コンクリートを粉砕した微粉末を採取する工程と、前記微粉末を純水に混合した混合液を作製する工程と、前記混合液のイオン組成を測定する工程と、測定した前記混合液のイオン組成からCl-/OH-モル比を算出する工程とを含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
コンクリートの内部に鉄筋を埋設するコンクリート構造物の前記コンクリートを粉砕した微粉末を採取する工程と、
前記微粉末を純水に混合した混合液を作製する工程と、
前記混合液のイオン組成を測定する工程と、
測定した前記混合液のイオン組成からCl

/OH

モル比を算出する工程とを含む、コンクリート構造物の塩害劣化評価方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記混合液における前記微粉末と前記純水との質量比率は、1:1~1:3である、請求項1に記載のコンクリート構造物の塩害劣化評価方法。
【請求項3】
前記微粉末の粒径は、150μm以下である、請求項1に記載のコンクリート構造物の塩害劣化評価方法。
【請求項4】
前記Cl

/OH

モル比は、前記コンクリート構造物の前記鉄筋近傍の前記コンクリートから採取した前記微粉末による前記混合液のイオン組成を測定して得られたものである、請求項1に記載のコンクリート構造物の塩害劣化評価方法。
【請求項5】
前記Cl

/OH

モル比に基づいて前記コンクリート構造物の塩害劣化程度を評価する工程をさらに含む、請求項1に記載のコンクリート構造物の塩害劣化評価方法。
【請求項6】
コンクリートの内部に鉄筋を埋設するコンクリート構造物の前記コンクリートを粉砕した微粉末を採取する工程と、
前記微粉末を純水に混合した混合液を作製する工程と、
前記混合液のイオン組成を測定する工程と、
測定した前記混合液のイオン組成からLi

/Na

モル比を算出する工程とを含む、コンクリート構造物のアルカリシリカ反応予測評価方法。
【請求項7】
前記混合液における前記微粉末と前記純水との質量比率は、1:1~1:3である、請求項6に記載のコンクリート構造物のアルカリシリカ反応予測評価方法。
【請求項8】
前記微粉末の粒径は、150μm以下である、請求項6に記載のコンクリート構造物のアルカリシリカ反応予測評価方法。
【請求項9】
前記Li

/Na

モル比は、前記コンクリート構造物の表面近傍の前記コンクリートから採取した前記微粉末による前記混合液のイオン組成を測定して得られたものである、請求項6に記載のコンクリート構造物のアルカリシリカ反応予測評価方法。
【請求項10】
前記Li

/Na

モル比に基づいて前記コンクリート構造物のアルカリシリカ反応予測を評価する工程をさらに含む、請求項6に記載のコンクリート構造物のアルカリシリカ反応予測評価方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート構造物の塩害劣化評価方法、コンクリート構造物のアルカリシリカ反応予測評価方法及び電気化学的防食工法に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来、道路、鉄道などの土木建設構造物、具体的には橋梁の下部工、橋梁の橋桁、トンネルなどの地下構造物又は半地下構造物、カルバートなどの構築には、一般的に鉄筋コンクリート(RC:Reinforced Concrete)及びプレストレストコンクリート(PC:Prestressd Concrete)等のコンクリート内に鉄筋又はPC鋼材の鋼材が配置されたコンクリート構造物が使用されている。鉄筋コンクリート(RC)は、高い圧縮強度性能を持つコンクリートと、高い引張強度性能を持つ鉄筋とを組み合わせることにより、圧縮強度と引張強度とを併せ持つ建築材料である。プレストレストコンクリート(PC)は、PC鋼材(PC鋼線、PC鋼棒、PC鋼より線など)をコンクリート内に配置して、コンクリート部材に荷重が働く前に逆方向の力がかかったような状態にすることで、コンクリートに引っ張る力が発生しないようになり、コンクリートのひび割れを抑制することができる建築材料である。
【0003】
コンクリート構造物は、塩害によりコンクリート内に配置する鋼材が腐食してしまうことがある。鋼材が腐食することで、コンクリート構造物の劣化が進行し、耐久性が大きく低下することになる。
そこで、劣化したコンクリート構造物の補修方法として、破壊を伴うことなく電気化学的な方法により補修を行う方法が提案され、実施されてきた(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6586000号公報
特開2015-227578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1及び2に開示される方法など、電気化学的な方法により補修を行うことで、コンクリート構造物の脱塩を、非破壊でかつ効率的に行うことができる。
しかしながら、電気化学的な方法においては、コンクリート中に含まれるナトリウム等のアルカリ金属イオンがコンクリート中の陰極に引き寄せられて、陰極である鉄筋(鋼材)周辺に集積され、アルカリシリカ反応(以下「ASR」と称することがある。)が開始されることがある。
橋梁部などのコンクリート構造物では、鉄筋の配筋量が異なる部位が存在するため、鉄筋(鋼材)が密の部分と鉄筋(鋼材)が疎の部分が存在する。鉄筋(鋼材)が疎の部分では、鉄筋表面積当たりの電流量は多くなるため、鉄筋(鋼材)近傍のコンクリートにアルカリイオンが集積するとともに、水酸化物イオン(OH

)が生成し、高アルカリ環境を形成する。そのため、ASRが促進すると、アルカリシリカゲルが生成され、アルカリシリカゲルが吸水して膨張することでコンクリートのひび割れ、剥離、剥落が発生する問題があった。
【0006】
以上から、本発明は、コンクリート構造物のコンクリート内に配置された鋼材の塩害劣化状況を評価する塩害劣化評価方法、コンクリート構造物のアルカリシリカ反応(ASR)の進行程度の予測評価を簡易的な方法により把握可能なアルカリシリカ反応予測評価方法、及びコンクリート構造物の腐食状況やASRの進行程度を把握することで通電処理の要否を判断する電気化学的防食工法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために鋭意検討したところ、本発明者は下記本発明に想到し、当該課題を解決できることを見出した。すなわち本発明は下記のとおりである。
[1]コンクリートの内部に鉄筋を埋設するコンクリート構造物の前記コンクリートを粉砕した微粉末を採取する工程と、前記微粉末を純水に混合した混合液を作製する工程と、前記混合液のイオン組成を測定する工程と、測定した前記混合液のイオン組成からCl

/OH

モル比を算出する工程とを含む、コンクリート構造物の塩害劣化評価方法。
[2]前記混合液における前記微粉末と前記純水との質量比率は、1:1~1:3である、[1]に記載のコンクリート構造物の塩害劣化評価方法。
[3]前記微粉末の粒径は、150μm以下である、[1]又は[2]に記載のコンクリート構造物の塩害劣化評価方法。
[4]前記Cl

/OH

モル比は、前記コンクリート構造物の前記鉄筋近傍の前記コンクリートから採取した前記微粉末による前記混合液のイオン組成を測定して得られたものである、[1]~[3]のいずれかに記載のコンクリート構造物の塩害劣化評価方法。
[5]前記Cl

/OH

モル比に基づいて前記コンクリート構造物の塩害劣化程度を評価する工程をさらに含む、[1]~[4]のいずれかに記載のコンクリート構造物の塩害劣化評価方法。
[6]コンクリートの内部に鉄筋を埋設するコンクリート構造物の前記コンクリートを粉砕した微粉末を採取する工程と、前記微粉末を純水に混合した混合液を作製する工程と、前記混合液のイオン組成を測定する工程と、測定した前記混合液のイオン組成からLi

/Na

モル比を算出する工程とを含む、コンクリート構造物のアルカリシリカ反応予測評価方法。
[7]前記混合液における前記微粉末と前記純水との質量比率は、1:1~1:3である、[6]に記載のコンクリート構造物のアルカリシリカ反応予測評価方法。
[8]前記微粉末の粒径は、150μm以下である、[6]又は[7]に記載のコンクリート構造物のアルカリシリカ反応予測評価方法。
[9]前記Li

/Na

モル比は、前記コンクリート構造物の表面近傍の前記コンクリートから採取した前記微粉末による前記混合液のイオン組成を測定して得られたものである、[6]~[8]のいずれかに記載のコンクリート構造物のアルカリシリカ反応予測評価方法。
[10]前記Li

/Na

モル比に基づいて前記コンクリート構造物のアルカリシリカ反応予測を評価する工程をさらに含む、[6]~[9]のいずれかに記載のコンクリート構造物のアルカリシリカ反応予測評価方法。
[11]陽極材と電解質溶液を保持した電解質溶液保持材とを備え、コンクリート表面側に設置した電極を外部電極とし、コンクリート内部側に埋設されている鉄筋を内部電極とし、前記外部電極と前記内部電極との間に直流電流を通電させる通電処理を施す電気化学的防食工法であって、[1]~[5]のいずれかに記載のコンクリート構造物の塩害劣化評価方法で算出された前記Cl

/OH

モル比及び[6]~[10]のいずれかに記載のコンクリート構造物のアルカリシリカ反応予測評価方法で算出された前記Li

/Na

モル比の少なくともいずれかに基づいて前記通電処理を評価する工程を含む、電気化学的防食工法。
[12]前記Cl

/OH

モル比が1.5以下である場合に前記通電処理が完了したと評価し、1.5超である場合に前記通電処理が未完であると評価する、[11]に記載の電気化学的防食工法。
[13]前記Li

/Na

モル比が1.0以上である場合に前記通電処理が完了したと評価し、1.0未満である場合に前記通電処理が未完であると評価する、[11]又は[12]に記載の電気化学的防食工法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、コンクリート構造物のコンクリート内に配置された鋼材の塩害劣化状況を評価する塩害劣化評価方法、コンクリート構造物のアルカリシリカ反応(ASR)の進行程度の予測評価を簡易的な方法により把握可能なアルカリシリカ反応予測評価方法、及びコンクリート構造物の腐食状況やASRの進行程度を把握することで通電処理の要否を判断する電気化学的防食工法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本実施形態に係る電気化学的防食システムの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について実施形態を参照しつつより詳細に説明する。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

デンカ株式会社
容器
6日前
デンカ株式会社
熱伝導性シート
29日前
デンカ株式会社
熱伝導性シート
29日前
デンカ株式会社
熱伝導性シート
29日前
デンカ株式会社
人工毛髪用繊維束
19日前
デンカ株式会社
磁性ビーズの製造方法
5日前
デンカ株式会社
ゴム組成物及び架橋物
1か月前
デンカ株式会社
ゴム組成物及び架橋物
1か月前
デンカ株式会社
容器およびその製造方法
6日前
デンカ株式会社
有機酸又はその塩の製造方法
1か月前
デンカ株式会社
インフルエンザワクチン製剤
21日前
デンカ株式会社
接合基板、及びその製造方法
1か月前
デンカ株式会社
窒化ホウ素粉末及び樹脂組成物
19日前
デンカ株式会社
重症筋無力症のバイオマーカー
28日前
デンカ株式会社
窒化ホウ素粉末及び樹脂組成物
19日前
デンカ株式会社
接合基板、及び接合基板の製造方法
19日前
デンカ株式会社
蛍光体粉末、複合体および発光装置
9日前
デンカ株式会社
ダイシングテープ及びウェハ加工方法
1か月前
デンカ株式会社
ダイシングテープ及びウェハ加工方法
1か月前
デンカ株式会社
ダイシングテープ及びウェハ加工方法
1か月前
デンカ株式会社
ウェハ加工用テープ及びウェハ加工方法
1か月前
デンカ株式会社
ウェハ加工用テープ及びウェハ加工方法
1か月前
デンカ株式会社
磁性ビーズおよび磁性ビーズの製造方法
5日前
デンカ株式会社
3Dプリンタフィラメント用樹脂組成物
6日前
デンカ株式会社
ウエハ加工用テープ及びウエハ加工方法
6日前
デンカ株式会社
磁性ビーズおよび磁性ビーズの製造方法
5日前
デンカ株式会社
ウエハ加工用テープ及びウエハ加工方法
6日前
デンカ株式会社
ゴム組成物、加硫成形体、及びゴムロール
19日前
デンカ株式会社
ブロー成形金型、及び、成形品の製造方法
20日前
デンカ株式会社
墨汁様組成物、筆記具、及び筆記具セット
12日前
デンカ株式会社
ウェハ加工用フィルム及びウェハ加工方法
19日前
デンカ株式会社
電子源及びその製造方法、並びに、電子線装置
6日前
デンカ株式会社
容器
6日前
デンカ株式会社
インフルエンザウイルスのヘムアグルチニンの測定方法
21日前
デンカ株式会社
クロロプレン系重合体ラテックス組成物及び接着剤組成物
19日前
デンカ株式会社
クロロプレン系重合体ラテックス組成物、及び、浸漬成形体
19日前
続きを見る