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公開番号2025142302
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-30
出願番号2025126560,2022555689
出願日2025-07-29,2022-07-08
発明の名称腎毒性軽減剤
出願人日本新薬株式会社
代理人個人,個人
主分類A61K 31/7088 20060101AFI20250919BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】一実施形態において、本発明は、アンチセンスオリゴマーを含む医薬組成物の腎毒性軽減剤、当該医薬組成物の腎毒性を軽減するための方法を提供することを課題とする。
【解決手段】一実施形態において、本発明は、アンチセンスオリゴマーを含む医薬組成物の腎毒性軽減剤であって、グルコースではない糖を含み、前記医薬組成物中の糖の濃度が1mg/mL~400mg/mLになる量で使用される、腎毒性軽減剤に関する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
アンチセンスオリゴマーを含む医薬組成物の腎毒性軽減剤であって、グルコースではない糖を含み、前記医薬組成物中の糖の濃度が1mg/mL~400mg/mLになる量で使用される、腎毒性軽減剤。
続きを表示(約 650 文字)【請求項2】
前記医薬組成物中の糖の濃度が5mg/mL~340mg/mLになる量で使用される、請求項1に記載の腎毒性軽減剤。
【請求項3】
前記医薬組成物中のアンチセンスオリゴマーの濃度が、0.5mg/mL~200mg/mLである、請求項1又は2に記載の腎毒性軽減剤。
【請求項4】
アンチセンスオリゴマーを含む医薬組成物の腎毒性軽減剤であって、グルコースではない糖を含み、アンチセンスオリゴマーを1としたときの糖の重量比が0.05~30となる量で使用される、腎毒性軽減剤。
【請求項5】
アンチセンスオリゴマーを1としたときの糖の重量比が0.1~13.3となる量で使用される、請求項4に記載の腎毒性軽減剤。
【請求項6】
糖が、二糖類の糖である、請求項1~5のいずれか一項に記載の腎毒性軽減剤。
【請求項7】
糖が、スクロースである、請求項1~6のいずれか一項に記載の腎毒性軽減剤。
【請求項8】
糖が、トレハロースである、請求項1~6のいずれか一項に記載の腎毒性軽減剤。
【請求項9】
アンチセンスオリゴマーがモルホリノオリゴマーである、請求項1~8のいずれか一項に記載の腎毒性軽減剤。
【請求項10】
アンチセンスオリゴマーがホスホロジアミデートモルホリノオリゴマーである、請求項1~9のいずれか一項に記載の腎毒性軽減剤。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アンチセンスオリゴマーを含む医薬組成物の腎毒性軽減剤、当該医薬組成物の腎毒性を軽減するための方法、アンチセンスオリゴマーを含む腎毒性が軽減された医薬組成物などに関する。
続きを表示(約 4,200 文字)【背景技術】
【0002】
アンチセンスオリゴマーは、標的とするmRNA及びmRNA前駆体に配列特異的にハイブリダイゼーションする核酸である。アンチセンスオリゴマーは、mRNA及びmRNA前駆体の分解、エキソンスキッピング、エキソンインクルージョン、翻訳阻害等を介してその作用を発揮し、幾つかの疾患の治療薬として用いられている。例えば、特開2015-91229(特許文献1)は、SVA型レトロトランスポゾンの挿入変異を有するフクチン遺伝子の異常スプライシングを正常化することにより、福山型筋ジストロフィー等を治療し得るアンチセンス核酸を開示している。
【0003】
しかし、アンチセンスオリゴマーに関しては、例えばモルホリノオリゴマーが腎臓に集積すること(非特許文献1、図2)、モルホリノオリゴマー投与により腎毒性が発現すること(非特許文献2、図3、表5)、モルホリノオリゴマー投与により腎臓尿細管に好塩基性物質が認められること(非特許文献3、図1)が知られていた。この腎毒性及び尿細管内の好塩基性物質の出現を回避する方法は不明であった。一方、単量体形態におけるよりも高い毒性を凝集体形態において有するオリゴヌクレオチドについて、凝集を崩壊させるマンニトール等の化学種を使用して加熱することで、治療用オリゴヌクレオチドの製剤中での多量体形成を抑制可能であること(特許文献2)、液体製剤中の糖、糖アルコール類がオリゴヌクレオチドの凝集を抑制すること(特許文献3)が知られていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2015-91229
国際公開2002/036767
国際公開2010/009038
【非特許文献】
【0005】
Heemskerk HA, de Winter CL, de Kimpe SJ, van Kuik-Romeijn P, Heuvelmans N, Platenburg GJ, van Ommen GJ, van Deutekom JC, Aartsma-Rus A. In vivo comparison of 2'-O-methyl phosphorothioate and morpholino antisense oligonucleotides for Duchenne muscular dystrophy exon skipping. J Gene Med. 2009 Mar;11(3):257-66. doi: 10.1002/jgm.1288.
Sazani P, Ness KP, Weller DL, Poage D, Nelson K, Shrewsbury AS. Chemical and mechanistic toxicology evaluation of exon skipping phosphorodiamidate morpholino oligomers in mdx mice. Int J Toxicol. 2011 May;30(3):322-33. doi: 10.1177/1091581811403504. Epub 2011 May 3.
Carver MP, Charleston JS, Shanks C, Zhang J, Mense M, Sharma AK, Kaur H, Sazani P. Toxicological Characterization of Exon Skipping Phosphorodiamidate Morpholino Oligomers (PMOs) in Non-human Primates. J Neuromuscul Dis. 2016 Aug 30;3(3):381-393. doi: 10.3233/JND-160157.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、アンチセンスオリゴマーを含有する医薬組成物には腎毒性の問題があることが知られている。このような状況において、改善されたアンチセンスオリゴマーを含む医薬組成物を提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明は、以下に記載するアンチセンスオリゴマーを含む医薬組成物の腎毒性軽減剤、当該医薬組成物の腎毒性を軽減するための方法、アンチセンスオリゴマーを含む腎毒性が軽減された医薬組成物などを提供する。
(1)アンチセンスオリゴマーを含む医薬組成物の腎毒性軽減剤であって、グルコースではない糖を含み、前記医薬組成物中の糖の濃度が1mg/mL~400mg/mLになる量で使用される、腎毒性軽減剤。
(2)前記医薬組成物中のグルコースではない糖の濃度が5mg/mL~340mg/mLになる量で使用される、(1)に記載の腎毒性軽減剤。
(3)前記医薬組成物中のアンチセンスオリゴマーの濃度が、0.5mg/mL~200mg/mLである、(1)又は(2)に記載の腎毒性軽減剤。
(4-1)アンチセンスオリゴマーを含む医薬組成物の腎毒性軽減剤であって、グルコースではない糖を含み、アンチセンスオリゴマーを1としたときの糖の重量比が0.05~30となる量で使用される、腎毒性軽減剤。
(4-2)前記医薬組成物と腎毒性軽減剤が別々に投与される、(4-1)に記載の腎毒性軽減剤。
(5)アンチセンスオリゴマーを1としたときの糖の重量比が0.1~13.3となる量で使用される、(4-1)又は(4-2)に記載の腎毒性軽減剤。
(6)糖が、二糖類の糖である、(1)~(5)のいずれかに記載の腎毒性軽減剤。
(7)糖が、スクロースである、(1)~(6)のいずれかに記載の腎毒性軽減剤。
(8)糖が、トレハロースである、(1)~(6)のいずれかに記載の腎毒性軽減剤。
(9)アンチセンスオリゴマーがモルホリノオリゴマーである、(1)~(8)のいずれかに記載の腎毒性軽減剤。
(10)アンチセンスオリゴマーがホスホロジアミデートモルホリノオリゴマーである、(1)~(9)のいずれかに記載の腎毒性軽減剤。
(11)アンチセンスオリゴマーの5'末端が、下記化学式(1)~(2):
【0008】
TIFF
2025142302000002.tif
52
170
【0009】
のいずれかの基である、(1)~(10)のいずれかに記載の腎毒性軽減剤。
(12)前記アンチセンスオリゴマーが、その塩基配列中に4つの連続するプリン塩基を含む、(1)~(11)のいずれかに記載の腎毒性軽減剤。
(13)前記4つの連続するプリン塩基のうちの少なくとも2つがグアニンである、(12)に記載の腎毒性軽減剤。
(14)前記アンチセンスオリゴマーが、配列番号1~12からなる群から選択される塩基配列を含む、(1)~(13)のいずれかに記載の腎毒性軽減剤。
(15-1)アンチセンスオリゴマーを含む医薬組成物の腎毒性を軽減するための方法であって、グルコースではない糖を、前記医薬組成物中の糖の濃度が1mg/mL~400mg/mLになる量で添加することを含む、方法。
(15-2)グルコースではない糖を、前記医薬組成物中の糖の濃度が5mg/mL~340mg/mLになる量で添加する、(15-1)に記載の方法。
(15-3)前記医薬組成物中のアンチセンスオリゴマーの濃度が、0.5mg/mL~200mg/mLである、(15-1)又は(15-2)に記載の方法。
(16-1)アンチセンスオリゴマーを投与した対象において、アンチセンスオリゴマーの腎毒性を軽減するための方法であって、グルコースではない糖を前記対象に投与することを含み、アンチセンスオリゴマーを1としたときの糖の重量比が0.05~30となる量で投与される、方法。
(16-2)前記アンチセンスオリゴマーと前記糖が別々に投与される、(16-1)に記載の方法。
(16-3)糖が、アンチセンスオリゴマーを1としたときの糖の重量比が0.1~13.3となる量で使用される、(16-1)又は(16-2)に記載の方法。
(17-1)アンチセンスオリゴマーを含む腎毒性が軽減された医薬組成物であって、グルコースではない糖を含む腎毒性軽減剤を1mg/mL~400mg/mLの濃度で含む、医薬組成物。
(17-2)グルコースではない糖を含む腎毒性軽減剤を5mg/mL~340mg/mLの濃度で含む、(17-1)に記載の医薬組成物。
(17-3)前記医薬組成物中のアンチセンスオリゴマーの濃度が、0.5mg/mL~200mg/mLである、(17-1)又は(17-2)に記載の医薬組成物。
(18)糖が、二糖類の糖である、(15-1)~(17-3)のいずれかに記載の方法又は医薬組成物。
(19)糖が、スクロースである、(15-1)~(18)のいずれかに記載の方法又は医薬組成物。
(20)糖が、トレハロースである、(15-1)~(18)のいずれかに記載の方法又は医薬組成物。
(21)アンチセンスオリゴマーがモルホリノオリゴマーである、(15-1)~(20)のいずれかに記載の方法又は医薬組成物。
(22)アンチセンスオリゴマーがホスホロジアミデートモルホリノオリゴマーである、(15-1)~(21)のいずれかに記載の方法又は医薬組成物。
(23)アンチセンスオリゴマーの5'末端が、下記化学式(1)~(2):
【0010】
TIFF
2025142302000003.tif
51
170
(【0011】以降は省略されています)

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