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公開番号2025136920
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024035857
出願日2024-03-08
発明の名称制動装置
出願人株式会社アドヴィックス
代理人個人,個人
主分類B60T 8/17 20060101AFI20250911BHJP(車両一般)
要約【課題】車両制動時に、調圧弁での振動の発生を抑制できるようにすること。
【解決手段】制動装置100は、マスタシリンダ30と加圧ユニット71と第2調圧弁78と第1調圧弁77とを備えている。マスタシリンダ30のシリンダ31内には、マスタピストン37,38によってマスタ室Rm1,Rm2が形成されている。制動装置100の制御装置200は、加圧ユニット71及び第2調圧弁78の作動に伴うマスタ室Rm1,Rm2の液圧の増加によってホイール圧を発生させている状況下において、制動力の要求値が増加又は保持されている場合にはマスタ室Rm1,Rm2の液圧の減少を制限する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ホイールシリンダの液圧であるホイール圧に応じた制動力が車輪で発生する車両に適用され、
マスタ室が形成されているマスタシリンダと、
高圧のブレーキ液を供給する加圧ユニットと、
前記加圧ユニットから供給されたブレーキ液の液圧を調整し、液圧を調整したブレーキ液を前記マスタシリンダに供給することによって、前記マスタ室の液圧を増加させる調圧弁と、
前記マスタ室に接続されているとともに、当該マスタ室から前記ホイールシリンダに向けてブレーキ液を供給するためのブレーキ液路である供給流路と、
前記供給流路に接続され、前記ホイール圧を調整できるように構成された制動アクチュエータと、
前記加圧ユニット、前記調圧弁及び前記制動アクチュエータを制御する制御装置と、を備え、
前記マスタシリンダは、
シリンダと、
ブレーキペダルに連結されており、当該ブレーキペダルの操作量が増加する場合には前進方向に移動し、当該操作量が減少する場合には前記前進方向の反対方向である後退方向に移動する入力ピストンと、
前記シリンダ内における前記入力ピストンよりも前記前進方向に位置しており、且つ前記マスタ室を区画するマスタピストンと、を有し、
前記制御装置は、
前記加圧ユニット及び前記調圧弁の作動に伴う前記マスタ室の液圧の増加によって前記ホイール圧を発生させている状況下において、制動力の要求値が増加又は保持されている場合には前記マスタ室の液圧の減少を制限する
制動装置。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記調圧弁によって液圧が調整されたブレーキ液を前記マスタシリンダ内に供給する調圧流路を備え、
前記マスタシリンダには、サーボ室及び離間室が形成されているとともに、前記サーボ室には前記調圧流路が接続されており、
前記シリンダ内には、前記入力ピストンよりも前記前進方向に位置する区画部材が設けられており、
前記サーボ室は、前記マスタピストンと前記区画部材とによって区画された室であって、且つ前記マスタ室よりも前記後退方向に位置し、
前記離間室は、前記区画部材と前記入力ピストンとによって区画された室であって、前記区画部材を挟んで前記サーボ室の反対側に位置し、
前記入力ピストンが前記前進方向に移動すると前記離間室の容積が小さくなる一方、前記入力ピストンが前記後退方向に移動すると前記離間室の容積が大きくなるようになっており、
前記マスタシリンダは、前記サーボ室の液圧が増加すると、前記マスタピストンが前記前進方向に移動することによって前記マスタ室の液圧が増加するとともに当該マスタ室から前記供給流路にブレーキ液が吐出される一方、前記サーボ室の液圧が減少すると、前記マスタピストンが前記後退方向に移動することによって前記マスタ室の液圧が減少するとともに前記供給流路から当該マスタ室にブレーキ液が流入するように構成されている
請求項1に記載の制動装置。
【請求項3】
前記加圧ユニット及び前記調圧弁の作動によって発生する前記ホイール圧が上流ホイール圧であり、前記制動アクチュエータの作動によって発生する前記ホイール圧が下流ホイール圧であり、
前記制御装置は、前記加圧ユニット及び前記調圧弁の作動に伴う前記マスタ室の液圧の増加によって前記上流ホイール圧を発生させている状況下において、前記制動力の要求値が増加又は保持されている場合には、前記上流ホイール圧を前記下流ホイール圧にすり替えることを禁止する
請求項1に記載の制動装置。
【請求項4】
前記加圧ユニット及び前記調圧弁の作動によって発生する前記ホイール圧が上流ホイール圧であり、前記制動アクチュエータの作動によって発生する前記ホイール圧が下流ホイール圧であり、
前記制御装置は、前記加圧ユニット及び前記調圧弁の作動に伴う前記マスタ室の液圧の増加によって前記上流ホイール圧を発生させている状況下において、前記制動力の要求値が増加又は保持されている場合には、前記上流ホイール圧を前記下流ホイール圧にすり替えることを許容するようになっており、
前記制御装置は、前記加圧ユニットが高温であると判定している状況下で前記上流ホイール圧を前記下流ホイール圧にすり替える場合、前記加圧ユニットが高温ではないと判定している状況下で前記上流ホイール圧を前記下流ホイール圧にすり替える場合と比較して、前記上流ホイール圧の減少速度を小さくする
請求項1に記載の制動装置。
【請求項5】
前記制御装置は、
前記制動力の要求値の増加速度が判定増加速度以上である場合に、前記加圧ユニット及び前記調圧弁の作動に伴う前記マスタ室の液圧の調整によって前記ホイール圧を増加させ、
前記制動力の要求値の増加速度が前記判定増加速度未満である場合に、前記加圧ユニット及び前記調圧弁の作動によって前記マスタ室の液圧を保持した上で、前記制動アクチュエータを作動させることによって前記ホイール圧を増加させる
請求項1~請求項4のうち何れか一項に記載の制動装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ホイールシリンダの液圧に応じた制動力が車輪で発生する車両に適用される制動装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1は、マスタシリンダと加圧ユニットと調圧弁とを備えた制動装置の一例を開示している。マスタシリンダのシリンダ内には、マスタピストンと、ブレーキペダルが連結されている入力ピストンと、が設けられている。シリンダ内におけるマスタピストンと入力ピストンとの間には、マスタピストンと入力ピストンとの間の空間を2つの室に区画する区画部材が配置されている。2つの室のうち、一方の室が、マスタピストンと区画部材とによって区画されたサーボ室である一方、他方の室が、入力ピストンと区画部材とによって区画された離間室である。
【0003】
制動装置では、加圧ユニットによって生成された高圧のブレーキ液がサーボ室に供給されると、サーボ室の液圧が増加する。すると、サーボ室の液圧の増加に応じてマスタピストンが前進する。すると、マスタ室の液圧が増加するため、マスタ室から供給流路を介してホイールシリンダにブレーキ液が供給される。これにより、ホイールシリンダの液圧であるホイール圧が増加するため、車輪で制動力が発生する。このとき、制動装置の制御部は、調圧弁を作動させることによって、サーボ室に供給されるブレーキ液の液圧を調整する。すなわち、制御部は、調圧弁を作動させることによって、マスタシリンダ内のマスタ室の液圧及びホイール圧を制御できる。
【0004】
特許文献1の制動装置は、供給流路に設けられる制動アクチュエータをさらに備えている。制動アクチュエータは、加圧ユニット及び調圧弁の作動に拘わらず、ホイール圧を調整できるように構成されている。加圧ユニット及び調圧弁の作動によって発生するホイール圧を「上流ホイール圧」というとともに、制動アクチュエータの作動によって発生するホイール圧を「下流ホイール圧」という。また、ホイール圧のうちの上流ホイール圧が占める割合を「第1割合」というとともに、ホイール圧のうちの下流ホイール圧が占める割合を「第2割合」という。
【0005】
制動装置の制御部は、急制動が要求されている場合には、第1割合が第2割合よりも大きくなるように、加圧ユニット、調圧弁及び制動アクチュエータを作動させる。この状態で、ホイール圧の目標値である目標ホイール圧の増加速度が所定速度未満になると、制御部は、第2割合が第1割合よりも大きくなるように、上流ホイール圧を下流ホイール圧にすり替えるすり替え制御を実施する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2018-47807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のようなすり替え制御が実施された後で、制御部は、第1割合が再び大きくなるように加圧ユニット及び調圧弁を作動させることがある。調圧弁を作動させることによってマスタシリンダ内のマスタ室の液圧が増加される場合、加圧ユニットによって生成された高圧のブレーキ液が調圧弁内を通過することになる。このとき、調圧弁のソレノイドに流す電流の大きさを調整することによって、調圧弁の開度、すなわち調圧弁内における弁座に対するプランジャの位置が調整される。弁座とプランジャとの距離が近いほど、加圧ユニットによって生成された高圧のブレーキ液が調圧弁を通過しにくくなる。その結果、調圧弁を通過したブレーキ液の液圧が低くなる。このように高圧のブレーキ液が調圧弁内を通過する場合、当該高圧のブレーキ液によって調圧弁のプランジャが押されるため、調圧弁内でプランジャが振動するおそれがある。調圧弁内でプランジャが振動すると、調圧弁で異音が発生してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための制動装置は、ホイールシリンダの液圧であるホイール圧に応じた制動力が車輪で発生する車両に適用される。当該制動装置は、マスタ室が形成されているマスタシリンダと、高圧のブレーキ液を供給する加圧ユニットと、前記加圧ユニットから供給されたブレーキ液の液圧を調整し、液圧を調整したブレーキ液を前記マスタシリンダに供給することによって、前記マスタ室の液圧を増加させる調圧弁と、前記マスタ室に接続されているとともに、当該マスタ室から前記ホイールシリンダに向けてブレーキ液を供給するためのブレーキ液路である供給流路と、前記供給流路に接続され、前記ホイール圧を調整できるように構成された制動アクチュエータと、前記加圧ユニット、前記調圧弁及び前記制動アクチュエータを制御する制御装置と、を備えている。前記マスタシリンダは、シリンダと、ブレーキペダルに連結されており、当該ブレーキペダルの操作量が増加する場合には前進方向に移動し、当該操作量が減少する場合には前記前進方向の反対方向である後退方向に移動する入力ピストンと、前記シリンダ内に設けられており、且つ前記入力ピストンよりも前記前進方向に位置しており、且つ前記マスタ室を区画するマスタピストンと、を有している。前記制御装置は、前記加圧ユニット及び前記調圧弁の作動に伴う前記マスタ室の液圧の増加によって前記ホイール圧を発生させている状況下において、制動力の要求値が増加又は保持されている場合には前記マスタ室の液圧の減少を制限する。
【発明の効果】
【0009】
上記制動装置は、車両制動時に、調圧弁での振動の発生を抑制できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、実施形態の制動装置が搭載される車両の概略を示す構成図である。
図2は、図1の制動装置が備える第2液圧回路の概略を示す構成図である。
図3は、図1の制動装置が備える制御装置の概略を示すブロック図である。
図4は、図3に示した制御装置で実行される一連の処理を示すフローチャートである。
図5は、車両制動時のタイミングチャートである。
図6は、制動装置の変更例において、車両制動時のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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