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公開番号2025136111
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024034321
出願日2024-03-06
発明の名称エネルギーシステム
出願人株式会社フジタ
代理人弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
主分類F24H 1/18 20220101AFI20250911BHJP(加熱;レンジ;換気)
要約【課題】水電解装置を備えたエネルギーシステムにおいて、貯湯タンク層の温度境界層を維持しながら、水電解装置の作動で生じた排熱を有効利用すること。
【解決手段】エネルギーシステムは、水電解装置と、水電解装置の作動により生じた熱を取得する水回路と、貯湯タンクと、を含み、貯湯タンクは、上部に所定の温度以上の温度を有する第1温度領域の水を貯蔵し、下部に第1温度領域よりも低い温度を有する第2温度領域の水を貯蔵し、第1温度領域の水と、第2温度領域の水とは、連続して設けられ、下部出口から供給された水回路中の水を水電解装置の作動で生じた熱により加熱し、水回路中の水の温度に基づいて、水回路中の水を上部入口または下部入口のいずれかを介して貯湯タンクに戻す。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
電力を用いて水素を生成する水電解装置と、
前記水電解装置の作動により生じた熱を取得する水回路と、
上部に設けられ前記水回路から供給される水を受ける上部入口、前記上部のうち前記上部入口とは異なる位置に設けられ水を排出する上部出口、下部に設けられ前記水回路に水を供給する下部出口、および前記下部のうち前記下部出口とは異なる位置に設けられ前記水回路から供給される水を受ける下部入口を有する貯湯タンクと、を含み、
前記貯湯タンクは、前記上部に所定の温度以上の温度を有する第１温度領域の水を貯蔵し、前記下部に前記第１温度領域よりも低い温度を有する第２温度領域の水を貯蔵し、
前記第１温度領域の水と、前記第２温度領域の水とは、連続して設けられ、
前記下部出口から供給された前記水回路中の水を前記水電解装置の作動で生じた熱により加熱し、
前記水回路中の水の温度に基づいて、前記水回路中の水を前記上部入口または前記下部入口のいずれかを介して前記貯湯タンクに戻す、
エネルギーシステム。
続きを表示（約 880 文字）【請求項２】
加熱された前記水回路中の水を前記第１温度領域まで加熱するヒータを含む、
請求項１に記載のエネルギーシステム。
【請求項３】
前記水回路は、サーモスタットバルブを含み、
前記サーモスタットバルブは、加熱された前記水回路中の水の温度に基づいて、前記上部入口または前記下部入口のいずれかへガイドするために前記水回路の流路を切り替える、
請求項１に記載のエネルギーシステム。
【請求項４】
前記貯湯タンクは、前記下部に底部および側部を含み、
前記下部入口は、前記側部に設けられ、
前記下部出口は、前記下部入口と前記底部との間に設けられる、
請求項１に記載のエネルギーシステム。
【請求項５】
前記貯湯タンクは、さらに市水導入口を備え、
前記市水導入口は前記下部入口よりも下方に設けられる、
請求項４に記載のエネルギーシステム。
【請求項６】
前記水回路中の水の温度に基づいて、前記上部入口または前記下部入口のいずれかから前記水回路中の水に戻すように制御する制御装置をさらに含む、
請求項１に記載のエネルギーシステム。
【請求項７】
前記水回路は、前記水回路中の水の流量を調整するポンプを含み、
前記下部入口から前記貯湯タンクに戻る、加熱された前記水回路中の水の温度が、所定の温度よりも高いとき、
前記制御装置は、前記貯湯タンクから前記水回路中への流水量を増大させるよう前記ポンプの作動を制御する、
請求項６に記載のエネルギーシステム。
【請求項８】
前記水回路のうち前記水電解装置の上流又は下流のいずれかに配置したポンプと、
前記水電解装置の下流に配置された温度センサと、を備え、
前記制御装置は、前記温度センサが所定の温度以下を検知した場合、前記制御装置は前記水回路の流量を減少させるよう制御する、
請求項６に記載のエネルギーシステム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、エネルギーシステムに関する。
続きを表示（約 1,600 文字）【背景技術】
【０００２】
近年、持続可能な開発目標（ＳｕｓｔａｉｎａｂｌｅＤｅｖｅｌｏｐｍｅｎｔＧｏａｌｓ：ＳＤＧｓ）の取り組みが広がっている。そのうえで、石油、石炭、液化天然ガスなどの化石燃料を用いて電力を作り出す従来の方式から、太陽光や風力、地熱等の再生可能エネルギーを利用したエネルギーシステムが注目されている。
【０００３】
この種のエネルギーシステムは、天候や季節、立地等によって発電電力が大きく変動してしまう。また、家屋や店舗などの消費する側（負荷）も消費電力が変化する。それゆえに、発電と消費の電力需給バランスに応じて電力の余剰または不足が生じてしまう。そこで、最近では、燃料電池や、水電解装置を用いて電力供給の安定化を図る取り組みが進められている。特許文献１には、燃料電池、水電解装置を用いてエネルギー制御することにより、安定的に電力を供給するシステムが開示されている。
【０００４】
また、特許文献２には、エネルギー制御方法として、燃料電池の発電時に生じる熱を用いて水を加熱して貯湯タンクに貯める方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
国際公開第２０１９／１０３０５９号
特開２０２０－０９９１３０号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
燃料電池コージェネレーションシステムでは、貯湯タンク内に高い温度と低い温度とで異なる水の比重の差を利用した温度境界層を維持して、対流による温度低下を防いで高い温度の水を上層に貯める構造となっている。
【０００７】
一方、水電解装置は、耐久性の観点から低い温度で動作させることが望ましい。この場合、水電解装置の作動時に生じる温度が低く、排熱を利用することが難しい。仮に、従来のように排熱を用いて水を加熱する場合、水電解装置の作動時に生じた熱でわずかに加熱された低温の水が貯湯タンクの上層に流入することになり、低温の水が混ざることで高温層の水の温度が低下し、温度境界層の維持ができなくなるため、高温の水が利用できなくなってしまう。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、水電解装置を備えたエネルギーシステムにおいて、貯湯タンクの温度境界層を維持しながら、水電解装置の作動で生じた排熱を有効利用することを目的の一つとする。
【０００９】
本発明の一実施形態によれば、電力を用いて水素を生成する水電解装置と、前記水電解装置の作動により生じた熱を取得する水回路と、上部に設けられ前記水回路から供給される水を受ける上部入口、前記上部のうち前記上部入口とは異なる位置に設けられ水を排出する上部出口、下部に設けられ前記水回路に水を供給する下部出口、および前記下部のうち前記下部出口とは異なる位置に設けられ前記水回路から供給される水を受ける下部入口を有する貯湯タンクと、を含み、前記貯湯タンクは、前記上部に所定の温度以上の温度を有する第１温度領域の水を貯蔵し、前記下部に前記第１温度領域よりも低い温度を有する第２温度領域の水を貯蔵し、前記第１温度領域の水と、前記第２温度領域の水とは、連続して設けられ、前記下部出口から供給された前記水回路中の水を前記水電解装置の作動で生じた熱により加熱し、前記水回路中の水の温度に基づいて、前記水回路中の水を前記上部入口または前記下部入口のいずれかを介して前記貯湯タンクに戻す、エネルギーシステムが提供される。
【００１０】
本態様によれば、水電解装置の排熱を利用して貯湯タンクの水を温めることができる。
（【００１１】以降は省略されています）

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