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公開番号2025136047
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024034215
出願日2024-03-06
発明の名称塩化ビニル系ペースト樹脂の製造方法
出願人株式会社カネカ
代理人弁理士法人池内アンドパートナーズ
主分類C08F 2/16 20060101AFI20250911BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】低温加工性を有し、粘度安定性が向上した塩化ビニル系ペースト樹脂を提供する。
【解決手段】本発明の1以上の実施形態は、塩化ビニルおよび他のモノマーを、水系媒体および乳化剤の存在下、重合反応器中で重合する工程を含み、前記他のモノマーは、水酸基含有モノマーを含み、前記塩化ビニル100質量部に対し、前記水酸基含有モノマーの使用量は2質量部以上であり、前記塩化ビニルの全量の50質量%以上を重合反応器中に供給した後に重合を開始し、前記水酸基含有モノマーの全量を、重合転化率が5%以上になった後、かつ50%になるまでの間に、連続的に重合反応器に供給する、塩化ビニル系ペースト樹脂の製造方法を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
塩化ビニルおよび他のモノマーを、水系媒体の存在下、重合反応器中で重合する工程を含み、
前記他のモノマーは、水酸基含有モノマーを含み、
前記塩化ビニル100質量部に対し、前記水酸基含有モノマーの使用量は2質量部以上であり、
前記塩化ビニルの全量の50質量%以上を重合反応器中に供給した後に重合を開始し、
前記水酸基含有モノマーの全量を、重合転化率が5%以上になった後、かつ50%になるまでの間に、連続的に重合反応器に供給する、塩化ビニル系ペースト樹脂の製造方法。
続きを表示(約 900 文字)【請求項2】
前記他のモノマーは、さらにビニルエステル系モノマーを含み、
前記ビニルエステル系モノマーの全量を、重合を開始する前に重合反応器に供給する、請求項1に記載の塩化ビニル系ペースト樹脂の製造方法。
【請求項3】
前記水酸基含有モノマーは、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルである、請求項1に記載の塩化ビニル系ペースト樹脂の製造方法。
【請求項4】
前記(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルは、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、および8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる一つ以上である、請求項3に記載の塩化ビニル系ペースト樹脂の製造方法。
【請求項5】
前記(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルは、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートである、請求項3に記載の塩化ビニル系ペースト樹脂の製造方法。
【請求項6】
前記ビニルエステル系モノマーは、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、およびステアリン酸ビニルからなる群から選ばれる一つ以上である、請求項2に記載の塩化ビニル系ペースト樹脂の製造方法。
【請求項7】
前記ビニルエステル系モノマーは、酢酸ビニルである、請求項6に記載の塩化ビニル系ペースト樹脂の製造方法。
【請求項8】
前記塩化ビニル100質量部に対し、前記ビニルエステル系モノマーの使用量は4~10質量部である、請求項2に記載の塩化ビニル系ペースト樹脂の製造方法。
【請求項9】
前記塩化ビニル100質量部に対し、前記水酸基含有モノマーの使用量は3~10質量部である、請求項1に記載の塩化ビニル系ペースト樹脂の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、塩化ビニルおよび水酸基含有モノマーなどの他のモノマーが共重合した塩化ビニル系ペースト樹脂の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
塩化ビニル系ペースト樹脂は、壁紙、床材、カーペット、電気部材、自動車部品、レザーなどの様々な製品に用いられている。特に、塩化ビニル系ペースト樹脂は、耐候性、耐傷付き性、および熱安定性などに優れていることから、自動車シーラント剤や自動車アンダーボディコート剤などの自動車塗料として好適に用いられている。例えば、特許文献1には、水酸基を含有するモノマー残基単位1~10質量%、塩化ビニル残基単位90~99質量%を含み、平均重合度が1000~2000である塩化ビニル系共重合体100質量部に対して、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩0.5~2.0質量部を含有するペースト加工用水酸基含有塩化ビニル系共重合体組成物粒子を、自動車アンダーボディコート剤として用いることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-116328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、分子内に水酸基を含有する塩化ビニル共重合体を用いているが、分子内に水酸基を含有する塩化ビニル共重合体を含むプラスチゾルは、低温加工性を有するものの、水酸基を含有するモノマー残基単位の含有量が高い場合、粘度が経時的変化しやすい場合があった。
【0005】
本発明は、前記問題を解決するため、低温加工性を有し、粘度安定性が向上した塩化ビニル系ペースト樹脂が得られる塩化ビニル系ペースト樹脂の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1以上の実施形態は、塩化ビニルおよび他のモノマーを、水系媒体の存在下、重合反応器中で重合する工程を含み、前記他のモノマーは、水酸基含有モノマーを含み、前記塩化ビニル100質量部に対し、前記水酸基含有モノマーの使用量は2質量部以上であり、前記塩化ビニルの全量の50質量%以上を重合反応器中に供給した後に重合を開始し、前記水酸基含有モノマーの全量を、重合転化率が5%以上になった後、かつ50%になるまでの間に、連続的に重合反応器に供給する、塩化ビニル系ペースト樹脂の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、低温加工性を有し、粘度安定性が向上した塩化ビニル系ペースト樹脂を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の発明者らは、上述した問題を解決するために検討を重ねた。その結果、塩化ビニル100質量部に対し、前記水酸基含有モノマーの使用量は2質量部以上の場合、塩化ビニルおよび水酸基含有モノマーを含む他のモノマーを、水系媒体の存在下、重合反応器中で重合する重合工程において、重合転化率(モノマー転化率とも称される。)が所定の範囲の間に水酸基含有モノマーの全量を重合反応容器に連続的供給することで、得られた塩化ビニル系ペースト樹脂を含むペースト樹脂組成物を、例えば、120℃で加工した際、せん断特性および引張特性が良好であるとともに、該ペースト樹脂組成物の35℃における粘度安定性が向上することを見出した。
【0009】
本明細書において、数値範囲が「~」で示されている場合、該数値範囲は両端値(上限および下限)を含む。例えば、「X~Y」という数値範囲は、XおよびYという両端値を含む範囲であり、「X以上Y以下」と同じ範囲である。また、その範囲内にある任意の数やその範囲内に含まれる任意の範囲が、具体的に開示される。また、本明細書において、数値範囲が複数記載されている場合、異なる数値範囲の上限および下限を適宜組み合わせた数値範囲を含むものとする。
【0010】
本明細書において、塩化ビニル系ペースト樹脂は、ペースト用塩ビ樹脂とも称されるものであり、ペースト加工法にて加工させる樹脂である。ペースト加工法は、ペースト樹脂を液体の可塑剤中に懸濁させてペースト状(ゾル)にし、その流動性を利用して賦形し、その後加熱固化(ゲル化)して成形する加工法である。塩化ビニル系ペースト樹脂は、一般的に、1次粒子の粒子径の範囲が0.1~10μm程度である。本明細書において、塩化ビニル系ペースト樹脂の1次粒子の粒子径の範囲は、塩化ビニル系ペースト樹脂を水に分散させた分散液を用い、動的光散乱法で粒子径分布を測定することで確認することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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