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公開番号2025135830
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024033830
出願日2024-03-06
発明の名称異常検知システム及び異常検知方法
出願人株式会社日立製作所
代理人藤央弁理士法人
主分類G05B 23/02 20060101AFI20250911BHJP(制御;調整)
要約【課題】設備に発生した障害に加えて、障害の予兆も含めた設備の異常を精度よく検知する。
【解決手段】異常検知システムであって、プロセッサと、記憶装置と、を有し、記憶装置は、正常時の音響データと、異常時の音響データと、を保持し、プロセッサは、正常時の音響データ及び異常時の音響データからそれぞれ正常時のスペクトログラム及び異常時のスペクトログラムを生成し、異常時のスペクトログラムから正常な箇所と異常な箇所とを抽出し、抽出した異常な箇所を正常時のスペクトログラムに追加することによって新たな異常時のスペクトログラムを生成し、正常時のスペクトログラム及び異常時のスペクトログラムを学習に使用することによって設備の障害の異常を検知するモデルを生成する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
異常検知システムであって、
プロセッサと、記憶装置と、を有し、
前記記憶装置は、設備が正常に稼働しているときに収集した稼働音から生成された正常時の音響データと、設備に異常があるときに収集した稼働音から生成された異常時の音響データと、を保持し、
前記プロセッサは、
前記正常時の音響データ及び前記異常時の音響データからそれぞれ正常時のスペクトログラム及び異常時のスペクトログラムを生成し、
前記異常時のスペクトログラムから正常な箇所と異常な箇所とを抽出し、
前記抽出した異常な箇所を前記正常時のスペクトログラムに追加することによって新たな異常時のスペクトログラムを生成し、
前記正常時のスペクトログラム及び前記異常時のスペクトログラムを学習に使用することによって前記設備の異常を検知するモデルを生成することを特徴とする異常検知システム。
続きを表示(約 2,400 文字)【請求項2】
請求項1に記載の異常検知システムであって、
前記設備は、複数の部品を含み、
前記プロセッサは、
前記正常時のスペクトログラム及び前記異常時のスペクトログラムを、周波数に基づいて、前記複数の部品の各々の稼働音のスペクトログラムに分解し、
異常時の前記各部品の稼働音のスペクトログラムを時間で区切ることによって複数の箇所を抽出して、前記抽出した複数の箇所の各々を正常時の前記各部品の稼働音のスペクトログラムと比較することによって、前記異常時のスペクトログラムから前記正常な箇所と前記異常な箇所とを抽出することを特徴とする異常検知システム。
【請求項3】
請求項2に記載の異常検知システムであって、
前記プロセッサは、前記異常時の各部品の稼働音のスペクトログラムから抽出した箇所の信号強度のピークの周波数と、前記正常時の各部品の稼働音のスペクトログラムにおける信号強度のピークの周波数との相違が所定の基準以上であり、かつ、その相違の持続時間が所定の時間長さ以上である場合に、当該箇所を異常な箇所として抽出することを特徴とする異常検知システム。
【請求項4】
請求項2に記載の異常検知システムであって、
前記プロセッサは、異常時のいずれかの前記部品の稼働音のスペクトログラムから抽出した前記異常な箇所を、正常時の同一部品の稼働音のスペクトログラムに追加することによって、前記新たな異常時のスペクトログラムを生成することを特徴とする異常検知システム。
【請求項5】
請求項2に記載の異常検知システムであって、
前記記憶装置は、前記音響データから前記スペクトログラムを生成するためのパラメータを保持し、
前記プロセッサは、
前記パラメータに基づいて、前記正常時の音響データ及び前記異常時の音響データからそれぞれ正常時のスペクトログラム及び異常時のスペクトログラムを生成し、
前記部品ごとに、前記正常時のスペクトログラムを学習することによって前記モデルを生成し、
前記部品ごとに、前記異常時のスペクトログラムを前記モデルに入力することによって異常度を評価し、
前記異常度が所定の基準より小さい場合、前記パラメータを変更することを特徴とする異常検知システム。
【請求項6】
請求項5に記載の異常検知システムであって、
前記プロセッサは、
異常検知対象の音響データを取得し、
前記パラメータに基づいて、前記異常検知対象の音響データから異常検知対象のスペクトログラムを生成し、
前記異常検知対象のスペクトログラムを、周波数に基づいて、前記複数の部品の各々の稼働音のスペクトログラムに分解し、
前記部品ごとに、前記異常検知対象のスペクトログラムを前記モデルに入力し、その結果を出力することを特徴とする異常検知システム。
【請求項7】
計算機システムが実行する異常検知方法であって、
前記計算機システムは、プロセッサと、記憶装置と、を有し、
前記記憶装置は、設備が正常に稼働しているときに収集した稼働音から生成された正常時の音響データと、設備に異常があるときに収集した稼働音から生成された異常時の音響データと、を保持し、
前記異常検知方法は、
前記プロセッサが、前記正常時の音響データ及び前記異常時の音響データからそれぞれ正常時のスペクトログラム及び異常時のスペクトログラムを生成する第1手順と、
前記プロセッサが、前記異常時のスペクトログラムから正常な箇所と異常な箇所とを抽出する第2手順と、
前記プロセッサが、前記抽出した異常な箇所を前記正常時のスペクトログラムに追加することによって新たな異常時のスペクトログラムを生成する第3手順と、
前記プロセッサが、前記正常時のスペクトログラム及び前記異常時のスペクトログラムを学習に使用することによって前記設備の異常を検知するモデルを生成する第4手順と、を含むことを特徴とする異常検知方法。
【請求項8】
請求項7に記載の異常検知方法であって、
前記設備は、複数の部品を含み、
前記第2手順において、前記プロセッサは、
前記正常時のスペクトログラム及び前記異常時のスペクトログラムを、周波数に基づいて、前記複数の部品の各々の稼働音のスペクトログラムに分解し、
異常時の前記各部品の稼働音のスペクトログラムを時間で区切ることによって複数の箇所を抽出して、前記抽出した複数の箇所の各々を正常時の前記各部品の稼働音のスペクトログラムと比較することによって、前記異常時のスペクトログラムから前記正常な箇所と前記異常な箇所とを抽出することを特徴とする異常検知方法。
【請求項9】
請求項8に記載の異常検知方法であって、
前記第2手順において、前記プロセッサは、前記異常時の各部品の稼働音のスペクトログラムから抽出した箇所の信号強度のピークの周波数と、前記正常時の各部品の稼働音のスペクトログラムにおける信号強度のピークの周波数との相違が所定の基準以上であり、かつ、その相違の持続時間が所定の時間長さ以上である場合に、当該箇所を異常な箇所として抽出することを特徴とする異常検知方法。
【請求項10】
請求項8に記載の異常検知方法であって、
前記第3手順において、前記プロセッサは、異常時のいずれかの前記部品の稼働音のスペクトログラムから抽出した前記異常な箇所を、正常時の同一部品の稼働音のスペクトログラムに追加することによって、前記新たな異常時のスペクトログラムを生成することを特徴とする異常検知方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、音響データに基づいて設備の異常を検知する技術に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
音響データに基づいて設備の異常を検知する技術に関して、例えば、特開2022-067407号公報(特許文献1)及び特開2023-108581号公報(特許文献2)に開示の技術が知られている。
【0003】
特許文献1には、「分岐器密着度合監視装置は、定位側においてトングレールを基本レールに密着させる定位側密着状態と、反位側においてトングレールを基本レールに密着させる反位側密着状態とのうちの一方の密着状態から他方の密着状態へと分岐器を転換させる電気転てつ機の転換動作毎の音響データを取得するデータ取得部と、音響データに基づいて、一方の密着状態を離間させる離間期の音響の大きさを示す離間期音響値と、他方の密着状態にさせる密着期の音響の大きさを示す密着期音響値とを算出する音響値算出部と、離間期音響値および密着期音響値に基づいて、トングレールが基本レールに密着する密着度合に変化が生じたことを検出する密着度合検出部とを備える。」と記載されている。
【0004】
特許文献2には、「本開示の異音診断システムは、対象物から発せられる音のデータを取得する音取得部と、対象物で発生した異音に関する問診情報を取得する問診情報取得部と、音のデータから時間と周波数と音圧との関係を示すスペクトログラムを取得する演算処理部と、問診情報取得部により取得された問診情報に基づいて対象物で発生した異音の推定周波数範囲を取得すると共に、演算処理部により取得されたスペクトログラムの推定周波数範囲に対応した範囲を抽出する抽出部と、スペクトログラムの抽出部により抽出された範囲に基づいて対象物で発生した異音の原因を診断する診断部とを含む。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-067407号公報
特開2023-108581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の特許文献1及び特許文献2に記載の通り、設備から収集される音響データに基づいて設備の異常を検知する技術が知られている。ここで、一般に、設備の破損又は故障といった障害が発生したときと比較すると、これから発生する障害の予兆があるときに収集された音響データは、正常時に収集されるものとの差が小さい。このため、障害の予兆も含めた異常を検知しようとする場合には、音の大きさだけでなく、音の周波数成分も分析することが望ましい。また、一般に、運用時に発生する音の周波数は設備の部位ごとに異なることから、異常がある部位を特定するためにも、周波数成分の分析をすることが望ましい。
【0007】
設備の異常を検知するために、音響データの入力に基づく異常検知モデルを学習によって作成することが考えられる。異常検知モデルの学習のためには、設備が正常な場合の音響データと、異常がある場合の音響データとが必要となる。しかし、現実の設備では異常が生じないように管理され、運用されていることから、正常時の音響データと比較すると、異常時の音響データを取得できることは稀であり、精度のよい異常検知モデルを生成するために十分な量の音響データを収集することは困難であった。
【0008】
上記のような部位ごとの障害の予兆も含めた異常を検知するモデルの生成について、従来は十分に検討されていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題の少なくとも一つを解決するため、本発明は、異常検知システムであって、プロセッサと、記憶装置と、を有し、前記記憶装置は、設備が正常に稼働しているときに収集した稼働音から生成された正常時の音響データと、設備に障害の異常があるときに収集した稼働音から生成された異常時の音響データと、を保持し、前記プロセッサは、前記正常時の音響データ及び前記異常時の音響データからそれぞれ正常時のスペクトログラム及び異常時のスペクトログラムを生成し、前記異常時のスペクトログラムから正常な箇所と異常な箇所とを抽出し、前記抽出した異常な箇所を前記正常時のスペクトログラムに追加することによって新たな異常時のスペクトログラムを生成し、前記正常時のスペクトログラム及び前記異常時のスペクトログラムを学習に使用することによって前記設備の障害の異常を検知するモデルを生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、音響データに基づいて、設備に発生した障害に加えて、障害の予兆も含めた設備の異常を高精度に検知することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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