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公開番号
2025133025
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-10
出願番号
2024223118
出願日
2024-12-18
発明の名称
架橋ゴム組成物
出願人
日本エラストマー株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C08L
9/00 20060101AFI20250903BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】 低動倍率であることと、且つ繰り返し歪時の特性変化が小さく、性能安定性に優れた架橋ゴム組成物を提供すること。
【解決手段】 少なくとも一種の共役ジエン系重合体を含むゴム成分と、カーボンブラックと、硫黄と、を含む架橋ゴム組成物であって、
歪後の貯蔵弾性率ΔG’=G'(歪0.1%)-G'(歪10%)が3.0MPa以下
であり、
以下の計算式で算出される歪後の貯蔵弾性率を2回繰り返し測定したときの貯蔵弾性率G'(歪0.1%)の差が0.4MPa以下、貯蔵弾性率G'(歪10%)の差が0.2MPa以下であり、かつ、
歪後の貯蔵弾性率を2回繰り返し測定したときの、歪0.1%および歪10%のそれぞれの貯蔵弾性率G'変化率が6.0%以下である架橋ゴム組成物。
2回繰り返し測定G'(歪0.1%)の差=1回目測定G'-2回目測定G'
2回繰り返し測定G'(歪10%)の差=1回目測定G'-2回目測定G'
G'変化率=(2回繰り返し測定G'(歪0.1%)の差/1回目測定G')×100
G'変化率=(2回繰り返し測定G'(歪10%)の差/1回目測定G')×100
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
少なくとも一種の共役ジエン系重合体を含むゴム成分と、カーボンブラックと、硫黄と、を含む架橋ゴム組成物であって、
歪後の貯蔵弾性率ΔG’=G'(歪0.1%)-G'(歪10%)が3.0MPa以下
であり、
以下の計算式で算出される歪後の貯蔵弾性率を2回繰り返し測定したときの貯蔵弾性率G'(歪0.1%)の差が0.4MPa以下、貯蔵弾性率G'(歪10%)の差が0.2MPa以下であり、かつ、
歪後の貯蔵弾性率を2回繰り返し測定したときの、歪0.1%および歪10%のそれぞれの貯蔵弾性率G'変化率が6.0%以下である架橋ゴム組成物。
2回繰り返し測定G'(歪0.1%)の差=1回目測定G'-2回目測定G'
2回繰り返し測定G'(歪10%)の差=1回目測定G'-2回目測定G'
G'変化率=(2回繰り返し測定G'(歪0.1%)の差/1回目測定G')×100
G'変化率=(2回繰り返し測定G'(歪10%)の差/1回目測定G')×100
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
架橋ゴム組成物中の前記カーボンブラックの体積分率が7~30vоl%である、請求項1に記載の架橋ゴム組成物。
【請求項3】
前記共役ジエン系重合体のガラス転移温度が-110℃~-80℃である、請求項1又は2に記載の架橋ゴム組成物。
【請求項4】
前記共役ジエン系重合体の共役ジエン単量体単位中の1.2-ビニル結合量が10モル%以上、25モル%以下である、請求項1又は2に記載の架橋ゴム組成物。
【請求項5】
前記共役ジエン系重合体の芳香族ビニル単量体単位の含有量が0質量%以上、7質量%以下である、請求項1又は2に記載の架橋ゴム組成物。
【請求項6】
前記共役ジエン系重合体が、活性末端と反応する分子中に少なくとも1つの>C=O基と少なくとも1つの置換アミノ基を併せもつ変性剤を反応させて得られた変性共役ジエン系重合体であるか、または、非ハロゲンからなる活性末端と反応する官能基を1分子中に4個以上有する窒素原子含有のカップリング剤および活性末端と反応する分子中に少なくとも1つの>C=O基と少なくとも1つの置換アミノ基を併せもつ変性剤を反応させて得られた変性共役ジエン系重合体である、請求項1又は2に記載の架橋ゴム組成物。
【請求項7】
前記活性末端と反応する分子中に少なくとも1つの>C=O基と少なくとも1つの置換アミノ基を併せもつ変性剤を反応させて得られた変性共役ジエン系重合体のカラム吸着法GPCで測定される変性率が、50%以上、99%以下である、請求項1又は2に記載の架橋ゴム組成物。
【請求項8】
前記非ハロゲンからなる活性末端と反応する官能基を1分子中に4個以上有する窒素原子含有のカップリング剤による変性共役ジエン系重合体のカップリング比率が、7%以上、25%以下である、請求項6に記載の架橋ゴム組成物。
【請求項9】
前記非ハロゲンからなる活性末端と反応する官能基を1分子中に4個以上有する窒素原子含有のカップリング剤による変性共役ジエン系重合体のカップリング比率が、7%以上、15%以下である、請求項6に記載の架橋ゴム組成物。
【請求項10】
前記共役ジエン系重合体のスズの含有量が20ppm以下である、請求項1又は2に記載の架橋ゴム組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一種の共役ジエン系重合体を含むゴム成分と、カーボンブラックと、硫黄と、を含む架橋ゴム組成物に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)
【背景技術】
【0002】
防振ゴムや工業材料用途等の加硫架橋ゴム組成物には、一般的に防振性能やゴム補強性に優れる天然ゴムを含有するゴム材料や充填剤として主にカーボンブラックが用いられている(例えば特許文献1及び2参照)。
近年、これら分野において加硫架橋ゴム組成物の性能を改善する方法として、共役ジエン系重合体の末端に、所定の官能基を導入する種々の技術が提案されている(例えば特許文献3及び4参照)。
さらに防振ゴムにおいては、防振性能である動倍率や耐久性の改善も要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2018-35253
特開2007-70582
特開平5-202102
特表2023-519535
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動車等のエンジンの支持および振動伝達を抑制するためのエンジンマウントやサスペンションブッシュ等に使用される防振ゴムにおいては、低動倍率であることと、且つ繰り返し歪時の特性変化が小さく、性能安定性に優れた架橋ゴム組成物を提供することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上述した従来技術の課題を解決するため鋭意検討した結果、少なくとも一種の共役ジエン系重合体を含むゴム成分と、カーボンブラックと、硫黄と、を含む架橋ゴム組成物であって、歪後の貯蔵弾性率ΔG’が3.0MPa以下であり、かつ、歪後の
貯蔵弾性率を2回繰り返し測定したときの貯蔵弾性率G'の差と変化率が特定範囲に調整された架橋ゴム組成物により、低動倍率であることと、且つ繰り返し歪時の特性変化が小さく、性能安定性に優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は以下の通りである。
[1]
少なくとも一種の共役ジエン系重合体を含むゴム成分と、カーボンブラックと、硫黄と、を含む架橋ゴム組成物であって、
歪後の貯蔵弾性率ΔG’=G'(歪0.1%)-G'(歪10%)が3.0MPa以下
であり、
以下の計算式で算出される歪後の貯蔵弾性率を2回繰り返し測定したときの貯蔵弾性率G'(歪0.1%)の差が0.4MPa以下、貯蔵弾性率G'(歪10%)の差が0.2MPa以下であり、かつ、
歪後の貯蔵弾性率を2回繰り返し測定したときの、歪0.1%および歪10%のそれぞれの貯蔵弾性率G'変化率が6.0%以下である架橋ゴム組成物。
2回繰り返し測定G'(歪0.1%)の差=1回目測定G'-2回目測定G'
2回繰り返し測定G'(歪10%)の差=1回目測定G'-2回目測定G'
G'変化率=(2回繰り返し測定G'(歪0.1%)の差/1回目測定G')×100
G'変化率=(2回繰り返し測定G'(歪10%)の差/1回目測定G')×100
[2]
架橋ゴム組成物中の前記カーボンブラックの体積分率が7~30vоl%である、上記[1]に記載の架橋ゴム組成物。
[3]
前記共役ジエン系重合体のガラス転移温度が-110℃~-80℃である、上記[1]又は[2]に記載の架橋ゴム組成物。
[4]
前記共役ジエン系重合体の共役ジエン単量体単位中の1.2-ビニル結合量が10モル%以上、25モル%以下である、上記[1]乃至[3]のいずれかに記載の架橋ゴム組成物。
[5]
前記共役ジエン系重合体の芳香族ビニル単量体単位の含有量が0質量%以上、7質量%以下である、上記[1]乃至[4]のいずれかに記載の架橋ゴム組成物。
[6]
前記共役ジエン系重合体が、活性末端と反応する分子中に少なくとも1つの>C=O基と少なくとも1つの置換アミノ基を併せもつ変性剤を反応させて得られた変性共役ジエン系重合体であるか、または、非ハロゲンからなる活性末端と反応する官能基を1分子中に4個以上有する窒素原子含有のカップリング剤および活性末端と反応する分子中に少なくとも1つの>C=O基と少なくとも1つの置換アミノ基を併せもつ変性剤を反応させて得られた変性共役ジエン系重合体である、上記[1]「乃至[5]のいずれかに記載の架橋ゴム組成物。
[7]
前記活性末端と反応する分子中に少なくとも1つの>C=O基と少なくとも1つの置換アミノ基を併せもつ変性剤を反応させて得られた変性共役ジエン系重合体のカラム吸着法GPCで測定される変性率が、50%以上、99%以下である、上記[1]乃至[6]のいずれかに記載の架橋ゴム組成物。
[8]
前記非ハロゲンからなる活性末端と反応する官能基を1分子中に4個以上有する窒素原子含有のカップリング剤による変性共役ジエン系重合体のカップリング比率が、7%以上、25%以下である、上記[6]又は[7]に記載の架橋ゴム組成物。
[9]
前記非ハロゲンからなる活性末端と反応する官能基を1分子中に4個以上有する窒素原子含有のカップリング剤による変性共役ジエン系重合体のカップリング比率が、7%以上、15%以下である、上記[6]乃至[8]のいずれかに記載の架橋ゴム組成物。
[10]
前記共役ジエン系重合体のスズの含有量が20ppm以下である、上記[1]乃至[9]のいずれかに記載の架橋ゴム組成物。
[11]
架橋ゴム組成物中の充填剤がカーボンブラックのみである、上記[1]乃至[10]のいずれかに記載の架橋ゴム組成物。
[12]
上記[1]乃至[11]のいずれかに記載の架橋ゴム組成物を含む、防振ゴム。
[13]
上記[1]乃至[11]のいずれかに記載の架橋ゴム組成物を含む、伝動ベルト及びコンベアベルト。
【発明の効果】
【0006】
本発明の架橋ゴム組成物は、低動倍率であり、かつ繰り返し歪時の性能低下が小さい(動倍率と性能安定性の改善)という効果を奏する。本発明の架橋ゴム組成物からなる防振ゴムは、自動車の車両等に用いられるエンジンマウント、スタビライザブッシュ、サスペンションブッシュ等の防振材料として、好適に用いられる。さらには、コンピューターのハードディスクの制振ダンパー、洗濯機等の一般家電製品の制振ダンパー、建築・住宅分野における建築用制震壁,制震(制振)ダンパー等の制震(制振)装置および免震装置の用途にも用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0008】
<架橋ゴム組成物>
本実施形態の架橋ゴム組成物は、少なくとも一種の共役ジエン系重合体を含むゴム成分と、カーボンブラックと、硫黄と、を含む架橋ゴム組成物であって、歪後の貯蔵弾性率Δ
G’=G'(歪0.1%)-G'(歪10%)は、低動倍率とする観点から3.0MPa以下であり、好ましくは2.8MPa以下であり、より好ましくは2.5MPa以下である。
【0009】
また、本実施形態の架橋ゴム組成物は、歪後の貯蔵弾性率を2回繰り返し測定したときの貯蔵弾性率G'(歪0.1%)の差が、低動倍率とする観点から0.40MPa以下であり、好ましくは0.30MPa以下、より好ましくは0.20MPa以下であり、2回繰り返し測定したときの貯蔵弾性率G'(歪10%)の差が、低動倍率とする観点から0.20MPa以下であり、好ましくは0.17MPa以下、より好ましくは0.15MPa以下である。さらに、架橋ゴム組成物の性能安定性の観点から、歪後の貯蔵弾性率を2回繰り返し測定したときの、歪0.1%および歪10%のそれぞれの貯蔵弾性率G'変化率が6.0%以下であり、好ましくは5.6%以下であり、より好ましくは5.0%以下である。
【0010】
ここで、歪後の貯蔵弾性率を2回繰り返し測定したときの貯蔵弾性率G’(歪0.1%)の差、貯蔵弾性率G’(歪10%)の差、歪後の貯蔵弾性率を2回繰り返し測定したときの、歪0.1%および歪10%のそれぞれの貯蔵弾性率G’変化率は以下の計算式で算出される。
2回繰り返し測定G'(歪0.1%)の差=1回目測定G'-2回目測定G'
2回繰り返し測定G'(歪10%)の差=1回目測定G'-2回目測定G'
G'変化率=(2回繰り返し測定G'(歪0.1%)の差/1回目測定G')×100
G'変化率=(2回繰り返し測定G'(歪10%)の差/1回目測定G')×100
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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