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公開番号
2025131715
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-09
出願番号
2025093429,2022019754
出願日
2025-06-04,2022-02-10
発明の名称
CNT製品の製造方法
出願人
高圧ガス工業株式会社
,
国立大学法人静岡大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C01B
32/168 20170101AFI20250902BHJP(無機化学)
要約
【課題】基板上に成長したCNTを基板から剥離又は引き出す際における基板上へのCNTの不均一な残存の抑制。
【解決手段】基板を含む反応室に原料ガスを供給し、成長温度及び成長圧力の下、前記基板上にCNTを成長させる成長工程と、前記原料ガスを排出して前記原料ガス圧を前記成長圧力の5%以上95%以下である低減圧力にまで低減させる排出工程と、所定時間、前記原料ガス圧を前記低減圧力の範囲で保持する保持工程と、を含む、化学気相成長法を用いるCNT合成プロセスを含む、CNT製品の製造方法。
【選択図】図4A
特許請求の範囲
【請求項1】
CNTの集合体であるCNT製品であって、前記CNTのうち複数のCNT端が端点から10nm~100nmにおる平均直径D1と各端点から1000nm~2000nmにおける平均直径D2との比(D1/D2)が0.75以下である先細り構造を形成している、CNT製品。
続きを表示(約 780 文字)
【請求項2】
前記CNT製品がCNTの配向集合体であるCNTアレイであって、一面において複数のCNT端が、各端点から10nm~100nmにおる平均直径D1と各端点から1000nm~2000nmにおける平均直径D2との比(D1/D2)が0.75以下である先細り構造を形成している、請求項1に記載のCNT製品。
【請求項3】
前記CNT製品がCNTを繊維として含むCNT繊維製品であって、複数のCNT端が、各端点から10nm~100nmにおる平均直径D1と各端点から1000nm~2000nmにおける平均直径D2との比(D1/D2)が0.75以下である先細り構造を形成している、請求項1又は2に記載のCNT製品。
【請求項4】
CNTウェブ、CNT糸、CNTシート、CNTシート、CNT織編物、又はCNT不織布である、請求項3に記載のCNT製品。
【請求項5】
前記CNTのうち複数のCNT端が、CNTの長さ方向に繰り返し凹凸表面を形成している、請求項1~4のいずれか一項に記載のCNT製品。
【請求項6】
複数のCNT端が、捲縮形状を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のCNT製品。
【請求項7】
複数のCNT端が、近傍のCNT端とともにからみあい構造を形成している、請求項1~6のいずれか一項に記載のCNT製品。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載のCNT製品に樹脂を含浸させてなる、CNT樹脂複合体。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか一項に記載のCNT製品又は請求項8に記載のCNT樹脂複合体を含む物品。
【請求項10】
放熱材、ヒーター、及び電磁波吸収シートからなる群から選択される請求項9に記載の物品。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、CNT製品の製造方法に関する。
続きを表示(約 4,100 文字)
【背景技術】
【0002】
カーボンナノチューブ(以下、「CNT」ということもある)は、熱伝導性、導電性、機械的強度等に優れることから、広範囲にわたる分野における様々な用途での利用が期待されている。
【0003】
CNTの合成プロセスとしては、アーク放電法、レーザ蒸発法、及び化学気相成長法(以下、「CVD法」ということもある)等が挙げられる。これらのうち、CVD法が大量生産に向いていることから、工業的には主にCVD法が用いられる。CVD法によるCNTの製造は、触媒の存在下で、原料である炭素原子を含むガスを反応させて、CNTを成長させる。特許文献1においては、CVD法において、第一温度で原料ガスを供給し、第一温度よりも50~200℃高い第二温度原料ガスを供給することにより、十分な厚みのアモルファス層を有し、凝集を抑制することができるCNTの合成プロセスを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2014-231446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
CVD法によるCNTの合成プロセスを用いた場合、基板と基板上に成長したCNTとの接着性によっては、基板上に成長したCNTを基板から剥離又は(CNTウェブとして)引き出した後において、基板上にCNTが不均一に残存することを本願発明者は見出した。このようなCNTの不均一な残存はCNTの生産性の観点から問題である。また、CNTの不均一な残存は剥離又は引き出して得られるCNTの均一性や連続性、CNTの剥離面の密集性を損ない得るため、CNTの特性(例えば、信頼性、熱伝導性、電気伝導性等)の観点からも問題となり得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示はかかる事情に鑑みて為されたものである。従来技術の延長線上で対応するのではなく、新たな方向で対処することによって上記目的の達成を試み、上記の主目的を達成できることを見出し、本開示に至った。本開示における好ましい一実施形態は次のとおりである:
[項1]
基板を含む反応室に原料ガスを供給し、成長温度及び成長圧力の下、前記基板上にCNTを成長させる成長工程と、
前記原料ガスを排出して前記原料ガス圧を前記成長圧力の5%以上95%以下である低減圧力にまで低減させる排出工程と、
所定時間、前記原料ガス圧を前記低減圧力の範囲で保持する保持工程と、
を含む、化学気相成長法を用いるCNT合成プロセスを含む、CNT製品の製造方法。
[項2]
前記保持工程において成長温度を保持する、項1に記載のCNT製品の製造方法。
[項3]
反応触媒として遷移金属元素のハロゲン化物を用いる、項1又は2に記載のCNT製品の製造方法。
[項4]
前記原料ガスの供給と同時に酸素原子を有する炭化水素及び水素からなる群から選択される少なくとも一の第二ガスを供給する、項1~3のいずれか一項に記載のCNT製品の製造方法。
[項5]
前記成長工程における、前記成長温度が500℃以上、前記原料ガス圧が1Torr以上である、項1~4のいずれか一項に記載のCNT製品の製造方法。
[項6]
前記低減圧力が前記成長圧力の30%以上80%以下である、項1~5のいずれか一項に記載のCNT製品の製造方法。
[項7]
前記保持工程後、反応室雰囲気温度を降下させる降温工程を含む、項1~6のいずれか一項に記載のCNT製品の製造方法。
[項8]
前記保持工程後、前記原料ガスを排出して原料ガス圧を0.1Torr以下とする第二排出工程を含む、項1~7のいずれか一項に記載のCNT製品の製造方法。
[項9]
前記第二排出工程は前記降温工程と同時に行われる、項1~8のいずれか一項に記載のCNT製品の製造方法。
[項10]
前記基板上に成長したCNTを前記基板から剥離する剥離工程を含むCNTアレイ製造プロセスを含む、項1~9のいずれか一項に記載のCNT製品の製造方法。
[項11]
前記基板上に成長したCNTをCNTウェブとして前記基板から引き出す引き出し工程を含むCNT繊維製品製造プロセスを含む、項1~9のいずれか一項に記載のCNT製品の製造方法。
[項12]
前記基板の両面にCNTを成長させる、項1~11のいずれか一項に記載のCNT製品の製造方法。
[項13]
前記基板として両面研磨した基板を用いる、項1~12のいずれか一項に記載のCNT製品の製造方法。
[項14]
前記反応室が複数の前記基板を含み、複数の前記基板間の距離は各基板から成長した前記CNTが接触しない範囲で最小である、項1~13のいずれか一項に記載のCNT製品の製造方法。
[項15]
CNTの集合体であるCNT製品であって、前記CNTのうち複数のCNT端が端点から10nm~100nmにおる平均直径D1と各端点から1000nm~2000nmにおける平均直径D2との比(D1/D2)が0.75以下である先細り構造を形成している、CNT製品。
[項16]
前記CNT製品がCNTの配向集合体であるCNTアレイであって、一面において複数のCNT端が、各端点から10nm~100nmにおる平均直径D1と各端点から1000nm~2000nmにおける平均直径D2との比(D1/D2)が0.75以下である先細り構造を形成している、項15に記載のCNT製品。
[項17]
前記CNT製品がCNTを繊維として含むCNT繊維製品であって、複数のCNT端が、
各端点から10nm~100nmにおる平均直径D1と各端点から1000nm~2000nmにおける平均直径D2との比(D1/D2)が0.75以下である先細り構造を形成している、項15又は16に記載のCNT製品。
[項18]
CNTウェブ、CNT糸、CNTシート、CNTシート、CNT織編物、又はCNT不織布である、項17に記載のCNT製品。
[項19]
前記CNTのうち複数のCNT端が、CNTの長さ方向に繰り返し凹凸表面を形成している、項15~18のいずれか一項に記載のCNT製品。
[項20]
複数のCNT端が、捲縮形状を有する、項15~19のいずれか一項に記載のCNT製品。
[項21]
複数のCNT端が、近傍のCNT端とともにからみあい構造を形成している、項15~20のいずれか一項に記載のCNT製品。
[項22]
項15~21のいずれか一項に記載のCNT製品に樹脂を含浸させてなる、CNT樹脂複合体。
[項23]
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、基板上に成長したCNTの基板からの剥離性や引き出し性を向上させ、CNTを基板から剥離又は引き出した後の基板上へのCNTの不均一な残存を抑制できる。これによりCNT製品の生産性を向上し得る。また、これにより、CNTの特性(例えば、信頼性、熱伝導性、電気伝導性等)を改善し得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
CNTアレイの製造プロセスの模式図を示す。
CNTシートの製造プロセスの模式図を示す。
CNTアレイ製造例1で得られたCNTの端部のSEM写真を示す。
比較CNTアレイ製造例1で得られたCNTの端部のSEM写真を示す。
CNTアレイ製造例1で得られたCNT剥離後の基板表面のSEM写真を示す。
比較CNTアレイ製造例1で得られたCNT剥離後の基板表面のSEM写真を示す。
CNT樹脂複合体製造例1~4で得られたCNT樹脂複合体の特性等を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<CNT製品の製造方法>
本開示におけるCNT製品の製造方法は下記にて詳述するCNTの合成プロセスを含むものである。「CNT製品」とはCNTから構成される製品であって、例えば、CNT、CNT集合体、基板に結合したCNT、CNTアレイ及びCNT繊維製品が挙げられる。CNT製品はCNT配向集合体であってよい。「CNT配向集合体」とは、CNT配向集合体を構成する各CNTが一定の方向に配向しているCNTの集合体である。CNT配向集合体の例としてはCNTアレイ及びCNTシートが挙げられる。CNT配向集合体は異方的な熱伝導特性を有する。つまり、CNTの長さ方向においては高い熱伝導率を示し、CNTの長さ方向と垂直方向(CNTの直径方向)には相対的に低い熱伝導率を示す(図1及び図2参照)。この異方的な熱伝導特性は、例えば放熱材としての応用に有用である。
【0010】
[CVD法]
本開示におけるCNTの合成プロセスにおいてはCVD法を用いる。CVD法とは堆積物形成法の一種であり、堆積物形成の過程で化学反応を用いるのでこのように呼ばれる。CVD法には、温度を上げて熱により原料を分解させる熱CVD法、化学反応を促進させるために光を照射する光CVD法、ガスをプラズマ状態に励起するプラズマCVD法等が含まれるが、通常、本開示におけるCNTの合成プロセスにおいては、熱CVD法が好ましい。熱CVD法の例としては、DIPS法、CoMoCAT法、HiPCO法、スーパーグロースCVD法、固相触媒法、気相触媒法等が挙げられる。
(【0011】以降は省略されています)
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