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公開番号2025129826
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-05
出願番号2024026735
出願日2024-02-26
発明の名称ポリビニルアルコール系水溶性フィルム、ポリビニルアルコール系樹脂溶液並びに、ポリビニルアルコール系水溶性フィルムの製造方法
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08L 29/04 20060101AFI20250829BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】多量の殺菌剤、防腐剤を用いずに微生物の増殖を抑制できるポリビニルアルコール系樹脂溶液、及び微生物の増殖が抑制された、ポリビニルアルコール系水溶性フィルム、並びにポリビニルアルコール系水溶性フィルムの製造方法を提供する。
【解決手段】ポリビニルアルコール系樹脂と塩化ベンザルコニウムとを有し、前記ポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対し、前記塩化ベンザルコニウムを0.025~0.1質量部含有する、ポリビニルアルコール系水溶性フィルム。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリビニルアルコール系樹脂と塩化ベンザルコニウムとを有し、
前記ポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対し、前記塩化ベンザルコニウムを0.025~0.1質量部含有する、ポリビニルアルコール系水溶性フィルム。
続きを表示(約 920 文字)【請求項2】
更に、メチルパラベンを有し、
前記ポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対し、前記メチルパラベンを0.3~1.5質量部含有する、請求項1記載のポリビニルアルコール系水溶性フィルム。
【請求項3】
ポリビニルアルコール系樹脂溶液であって、
ポリビニルアルコール系樹脂と塩化ベンザルコニウムとを有し、
前記ポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対し、前記塩化ベンザルコニウムを0.025~0.1質量部含有する、ポリビニルアルコール系樹脂溶液。
【請求項4】
更に、メチルパラベンを有し、
前記ポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対し、前記メチルパラベンを0.3~1.5質量部含有する、請求項3記載のポリビニルアルコール系樹脂溶液。
【請求項5】
ポリビニルアルコール系水溶性フィルムを製造する方法であって、
ポリビニルアルコール系樹脂を水に溶解させてポリビニルアルコール系樹脂溶液を作製する溶解・混和工程と、
前記溶解・混和工程で得られたポリビニルアルコール系樹脂溶液を用いて製膜する製膜工程と、を有し、
前記溶解・混和工程で作製するポリビニルアルコール系樹脂溶液の固形分濃度が10~65質量%であり、
前記ポリビニルアルコール系樹脂溶液がポリビニルアルコール系樹脂と塩化ベンザルコニウムとを有し、
前記ポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対し、前記塩化ベンザルコニウムを0.025~0.1質量部含有する、ポリビニルアルコール系水溶性フィルムの製造方法。
【請求項6】
前記ポリビニルアルコール系樹脂溶液が更にメチルパラベンを有し、
前記ポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対し、前記メチルパラベンを0.3~1.5質量部含有する、請求項5記載のポリビニルアルコール系水溶性フィルムの製造方法。
【請求項7】
前記製膜工程が、前記ポリビニルアルコール系樹脂溶液を流延製膜するものである、請求項5又は6に記載のポリビニルアルコール系水溶性フィルムの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリビニルアルコール系水溶性フィルム、ポリビニルアルコール系樹脂溶液、及びポリビニルアルコール系水溶性フィルムの製造方法に関し、更に詳しくは、カビ等の微生物の増殖が抑制されたポリビニルアルコール系樹脂溶液、及び前記ポリビニルアルコール系樹脂溶液から得られる、ポリビニルアルコール系水溶性フィルム、及びポリビニルアルコール系水溶性フィルムの製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年、ポリビニルアルコール系水溶性フィルムは、内包する剤の計量、投下等を容易にするための包装材として多用されている(例えば、特許文献1参照)。
このようなポリビニルアルコール系水溶性フィルムは、まず、製膜原料として各種原料を混合・溶解してポリビニルアルコール系樹脂溶液を作製し、必要に応じて前記ポリビニルアルコール系樹脂溶液をペレットに成形し、ついで前記製膜原料を、製膜装置を用いた溶融押出法や流延法等で製膜して得られるのが一般的である。
【0003】
一方、ポリビニルアルコール系水溶性フィルムは、化粧料包装用途、飲食品包装用途に用いられることも多くなってきている。化粧料包装用途、飲食品包装用途に用いられる場合、安全面からポリビニルアルコール系水溶性フィルム、すなわち、原料として用いられるポリビニルアルコール系樹脂溶液に不純物が少ないことが求められるが、ポリビニルアルコール系樹脂溶液の不純物を低減させるとカビ等の微生物が増殖しやすくなることがある。
【0004】
そして、製膜原料であるポリビニルアルコール系樹脂溶液中に微生物が存在すると、ポリビニルアルコール系樹脂溶液が変色したり、異物が発生したりすることがある。
前記ポリビニルアルコール系樹脂溶液が変色したり、異物を内包したりすると、製膜ラインに不具合が生じたり、製膜した水溶性フィルムに欠点が生じたり、水溶性フィルムを加工する際に問題が生じたりする可能性がある。
このため、ポリビニルアルコール系樹脂溶液における微生物の増殖を抑制する必要がある。
また、製膜された水溶性フィルムについても、湿度や温度等が異なる様々な環境下で用いられ、吸湿して水分量が多くなる可能性がある。このため、前記水溶性フィルムが水分量が多くなった状態でも微生物の増加が抑制されることが必要である。
【0005】
微生物の増殖を抑制するには、製膜原料であるポリビニルアルコール系樹脂溶液に殺菌剤や防腐剤を添加することが考えられるが、得られるポリビニルアルコール系水溶性フィルムの安全性の点から、多量に用いるのは好ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2011/094472号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明ではこのような背景の下において、多量の殺菌剤、防腐剤を用いずに微生物の増殖を抑制できるポリビニルアルコール系樹脂溶液、、ポリビニルアルコール系水溶性フィルム及びポリビニルアルコール系フィルムの製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
しかるに本発明者らは、かかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、ポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対し、塩化ベンザルコニウムを0.025~0.1質量部含有させることで、ポリビニルアルコール系樹脂溶液並びにポリビニルアルコール系水溶性フィルムにおける微生物の増殖を抑制することができることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明は、以下の態様を有する。
[1] ポリビニルアルコール系樹脂と塩化ベンザルコニウムとを有し、
前記ポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対し、前記塩化ベンザルコニウムを0.025~0.1質量部含有する、ポリビニルアルコール系水溶性フィルム。
[2] 更に、メチルパラベンを有し、
前記ポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対し、前記メチルパラベンを0.3~1.5質量部含有する、[1]記載のポリビニルアルコール系水溶性フィルム。
[3] ポリビニルアルコール系樹脂溶液であって、
ポリビニルアルコール系樹脂と塩化ベンザルコニウムとを有し、
前記ポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対し、前記塩化ベンザルコニウムを0.025~0.1質量部含有する、ポリビニルアルコール系樹脂溶液。
[4] 更に、メチルパラベンを有し、
前記ポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対し、前記メチルパラベンを0.3~1.5質量部含有する、[3]記載のポリビニルアルコール系樹脂溶液。
[5] ポリビニルアルコール系水溶性フィルムを製造する方法であって、
ポリビニルアルコール系樹脂を水に溶解させてポリビニルアルコール系樹脂溶液を作製する溶解・混和工程と、
前記溶解・混和工程で得られたポリビニルアルコール系樹脂溶液を用いて製膜する製膜工程と、を有し、
前記溶解・混和工程で作製するポリビニルアルコール系樹脂溶液の固形分濃度が10~65質量%であり、
前記ポリビニルアルコール系樹脂溶液がポリビニルアルコール系樹脂と塩化ベンザルコニウムとを有し、
前記ポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対し、前記塩化ベンザルコニウムを0.025~0.1質量部含有する、ポリビニルアルコール系水溶性フィルムの製造方法。
[6] 前記ポリビニルアルコール系樹脂溶液が更にメチルパラベンを有し、
前記ポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対し、前記メチルパラベンを0.3~1.5質量部含有する、[5]記載のポリビニルアルコール系水溶性フィルムの製造方法。
[7] 前記製膜工程が、前記ポリビニルアルコール系樹脂溶液を流延製膜するものである、[5]又は[6]に記載のポリビニルアルコール系水溶性フィルムの製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、ポリビニルアルコール系樹脂と塩化ベンザルコニウムとを有し、前記ポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対し、前記塩化ベンザルコニウムを0.025~0.1質量部含有する、ポリビニルアルコール系水溶性フィルムであるため、製膜工程に供する前の、各種材料を混合・溶解して作製したポリビニルアルコール系樹脂溶液における微生物の増殖を抑制することができ、安全面への配慮が十分になされている。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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