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公開番号
2025129572
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-05
出願番号
2024026290
出願日
2024-02-26
発明の名称
磁気冷凍装置および磁気冷凍方法
出願人
国立研究開発法人物質・材料研究機構
代理人
主分類
F25B
21/00 20060101AFI20250829BHJP(冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒートポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化)
要約
【課題】 磁気作業物質の励消磁過程において、蓄積磁気エネルギー損失を抑制し、かつ、誘導電圧を低減した磁気冷凍装置、および、磁気冷凍方法を提供すること。
【解決手段】 本発明の磁気冷凍装置は、磁気熱量効果を有する磁気作業物質と、磁気作業物質に対し磁場を印加する、主超伝導電磁石と、主超伝導電磁石と磁気結合する副超伝導電磁石と、主超伝導電磁石に接続される電流源と、磁気作業物質を排熱し、熱交換する排熱機構と、電流源および排熱機構の動作を制御する制御部とを備え、制御部は、主超伝導電磁石および副超伝導電磁石のそれぞれに電流を流すタイミング、大きさ、および、方向を制御するように、電流源の動作を制御し、磁気作業物質の排熱および熱交換のタイミングを制御するように、排熱機構の動作を制御する。
【選択図】 図7
特許請求の範囲
【請求項1】
被冷却体を冷却する磁気冷凍装置であって、
磁気熱量効果を有する磁気作業物質と、
前記磁気作業物質に対し磁場を印加する、少なくとも1つの主超伝導電磁石と、
前記少なくとも1つの主超伝導電磁石と磁気結合する、少なくとも1つの副超伝導電磁石と、
前記少なくとも1つの主超伝導電磁石に接続される電流源と、
前記磁気作業物質を排熱し、熱交換する排熱機構と、
少なくとも前記電流源および前記排熱機構の動作を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、
前記少なくとも1つの主電磁石および前記少なくとも1つの副超伝導電磁石のそれぞれに電流を流すタイミング、大きさ、および、方向を制御するように、前記電流源の動作を制御し、
前記磁気作業物質の排熱および熱交換のタイミングを制御するように、前記排熱機構の動作を制御する、磁気冷凍装置。
続きを表示(約 1,600 文字)
【請求項2】
前記制御部は、
前記少なくとも1つの主超伝導電磁石に電流を流し、前記磁気作業物質に磁場を印加し、前記磁気作業物質の温度を上昇させ、
前記排熱機構により前記磁気作業物質から排熱させ、
前記磁気作業物質に印加する磁場を減少させるように、前記少なくとも1つの主超伝導電磁石、および、前記少なくとも1つの主超伝導電磁石に磁気結合した前記少なくとも1つの副超伝導電磁石に流す電流を増減させ、前記磁気作業物質の温度を低下させ、
前記少なくとも1つの主超伝導電磁石に流す電流、および、前記少なくとも1つの副超伝導電磁石に流す電流を維持し、前記磁気作業物質と前記被冷却体との間で熱交換するように、
前記電流源および前記排熱機構の動作を制御する、請求項1に記載の磁気冷凍装置。
【請求項3】
前記制御部は、さらに、
前記磁気作業物質に印加する磁場を増加させるように、前記少なくとも1つの主超伝導電磁石、および、前記少なくとも1つの副超伝導電磁石に流す電流を増減させ、前記磁気作業物質の温度を上昇させ、
前記少なくとも1つの主超伝導電磁石に流す電流および前記少なくとも1つの副超伝導電磁石に流す電流を維持し、前記排熱機構により前記磁気作業物質から排熱させ、
前記磁気作業物質の温度を低下させること、前記被冷却体との間で熱交換することと、前記磁気作業物質の温度を上昇させることと、前記排熱機構により前記磁気作業物質から排熱することとをこの順で繰り返すように、
前記電流源および前記排熱機構の動作を制御する、請求項2に記載の磁気冷凍装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの主超伝導電磁石および前記少なくとも1つの副超伝導電磁石は、中空筒状の形状を有し、積層されている、請求項1~3のいずれかに記載の磁気冷凍装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの主超伝導電磁石および前記少なくとも1つの副超伝導電磁石は、中空筒状の形状を有し、
前記少なくとも1つの主超伝導電磁石および前記少なくとも1つの副超伝導電磁石は、同心円状に位置する、請求項1~3のいずれかに記載の磁気冷凍装置。
【請求項6】
前記電流源は、直流電源、双方向電源、回生電源、および、フラックスポンプ装置からなる群から選択される、請求項1~5のいずれかに記載の磁気冷凍装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記電流源および前記排熱機構と電気的に接続する制御装置と、
前記少なくとも1つの主超伝導電磁石および前記少なくとも1つの副超伝導電磁石に電気的に接続する制御回路と
をさらに備える、請求項1~6のいずれかに記載の磁気冷凍装置。
【請求項8】
前記制御回路は、放電抵抗部、スイッチ、ダイオード、および、これらの組み合わせからなる群から選択される要素を含み、前記少なくとも1つの主超伝導電磁石および前記少なくとも1つの副超伝導電磁石の蓄積磁気エネルギーを放電する、請求項7に記載の磁気冷凍装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの主超伝導電磁石、および、前記少なくとも1つの副超伝導電磁石は、それぞれ、ターン間絶縁を持つ超伝導コイル、無絶縁超伝導コイル、部分的に無絶縁な超伝導コイル、および、これらの組み合わせからなる群選択される、請求項1~8のいずれかに記載の磁気冷凍装置。
【請求項10】
前記排熱機構は、
前記磁気作業物質から排熱する予冷段と、
前記予冷段を排熱する熱交換器と
をさらに備える、請求項1~9のいずれかに記載の磁気冷凍装置。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気冷凍装置および磁気冷凍方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
ある温度の磁性体に印加される磁場を増減させると磁気モーメントに由来するエントロピーの増減によってその磁性体の温度が変化する。これは磁気熱量効果と呼ばれ、温度を上昇させると加熱装置としての、温度を低下させると冷却装置としての使途が可能になる。特に、磁気熱量効果を適用した冷凍技術のことを磁気冷凍と言い、冷媒ガスの圧縮と膨張を伴うサイクルによって排熱効果を得る冷凍技術と比べて、コンプレッサが不要、あるいは、機械的な駆動機構を小型化できるため、騒音や振動に関わる問題の解決、小型装置あるいは省力化の実現、メンテナンス性の向上が期待される。
【0003】
磁気冷凍を利用して低温環境をつくる方式としては、断熱消磁冷凍(Adiabatic Demagnetization Refrigeration,ADR)、カルノー式磁気冷凍(Carnot Magnetic Refrigeration,CMR)、能動的蓄冷式磁気冷凍(Active Magnetic Regenerative Refrigeration,AMRR)が知られている。
【0004】
これらいずれの磁気冷凍の方式においても、磁性体が感じる磁場を減少させる動作によって冷却効果を引き起こす。これに関して、磁石と磁性体の位置関係を機械的に動かすことで磁場の増減を得る機械駆動型磁気冷凍装置、および、電磁石の励消磁によって磁石と磁性体の位置関係を変えずに磁場の増減を得る静止型装置に分類される。後者においては、実用上有効な冷凍能力を得るためには、数テスラもの強磁場を数秒程度で消磁する必要があり、この動作は技術的に難しいものである。
【0005】
例えば、ADRでは励磁した超伝導磁石を外部抵抗と直列に接続して放電させて消磁する。この方法は、ADRのように瞬間的に低温を得る際は有効であるが、冷凍機(熱力学的なサイクルにより低温を作り出すまたは低温状態を維持する装置)のような定常的な運転を考えると、放電により都度損失するエネルギーは冷凍効率の観点から無視できない。一方、蓄積磁気エネルギーを回生するようにすると電源の大型化や専用設備が必要となり高コストとなる。すなわち、超伝導磁石の蓄積磁気エネルギーを熱エネルギーとして損失させずに磁性体にかかる磁場の変化を得ることが、磁気冷凍を利用した冷凍機(磁気冷凍機)を実用化するための課題のひとつである。
【0006】
このような課題のために、超伝導磁石等を用いて定常強磁場空間を生成し、この強磁場空間中に磁性体を配置した状態にし、磁気遮蔽体を用いて磁性体にかかる磁場を打ち消すことで消磁する方法が考案されている(例えば、特許文献1~4を参照)。
【0007】
特許文献1~4によれば、いずれも、超伝導磁石と磁性体との間に磁気遮蔽体を配置し、磁性体を磁気遮蔽体に挿入/回転して消磁する。しかしながら、これらの方法では、強磁場中で磁気遮蔽体を移動させるために複雑な駆動機構や大きな駆動力が必要となるという欠点がある。
【0008】
複数の超伝導磁石を用意し、消磁の際に排出するエネルギーを電気的な手段を用いて、別の超伝導コイルの励磁に用いることでエネルギー損失を低減する消磁方法が考案されている(例えば、特許文献5を参照)。この方法は、完全に電気的な方法であり、駆動部を持たないことから、エネルギー損失を大きく低減できる上に装置のメンテナンス性にも優れた方法である。しかし、実用的な冷凍サイクル(数秒程度の周期)の運転を考えたとき、超伝導コイルの励消磁の際に生じる大きな誘導電圧による絶縁破壊を防ぐために、相当な耐電圧(キロボルト相当以上)の電気絶縁が必要であるという課題は残っている。
【0009】
超伝導磁石がクエンチすると、急激な局所的温度上昇により超伝導導体の焼損・特性劣化などが発生する可能性があるため、このような不可逆的な不具合を防ぐための対策が必要となり、これはクエンチ保護と呼ばれる。クエンチ保護技術のひとつは、クエンチした超伝導磁石を急速に消磁させることである。非特許文献1によれば、メイン磁場コイルに磁気的にカップリングさせたサブコイルを用い、電磁誘導によりメイン磁場コイルの電流値を急速に減少させる方法が考えられている。しかしながら、このような技術のさらなる応用については報告がない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開平04-177065号公報
特開平04-240361号公報
特開平04-273956号公報
特開平06-151983号公報
特開2022-068403号公報
【非特許文献】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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