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公開番号
2025129111
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-04
出願番号
2024093361
出願日
2024-06-07
発明の名称
塩化ナトリウムを用いて段階的に焼成することによりアルカリ活性化セメントを製造する方法
出願人
湖南科技大学
,
Hunan University of Science and Technology
,
湖南湘楚先路環保科技有限責任公司
代理人
個人
主分類
C04B
7/36 20060101AFI20250828BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約
【課題】原料の選択範囲が広く、コストが低く、消耗量が低く、炭素排出量が低い等の優れた特性を有し、様々な分野で適用可能なアルカリ活性化セメントの製造方法を提供する。
【解決手段】塩化ナトリウムを用いて段階的に焼成することによりアルカリ活性化セメントを製造する方法であって、以下のステップを含む方法である。ステップ(1):塩化ナトリウム、ケイ酸塩、及び炭酸塩を混合し、細かく粉砕して原料混合物粉末S1を取得し、ステップ(2):まず、原料混合物粉末S1を850~1050℃で焼成し、その後、温度が1240℃以上になるまで加熱して再度焼成し、焼成完了後、急速冷却してクリンカーS2を取得し、ステップ(3):クリンカーS2を水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのうちの1種又は2種と混合し、細かく粉砕してセメント粉末を取得する
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
塩化ナトリウムを用いて段階的に焼成することによりアルカリ活性化セメントを製造する方法であって、以下のステップを順に含み、
ステップ(1):塩化ナトリウム、ケイ酸塩、及び炭酸塩を混合し、細かく粉砕して原料混合物粉末S1を取得し、
ステップ(2):まず、原料混合物粉末S1を850~1050℃で焼成し、その後、温度が1240℃以上になるまで加熱して焼成し、焼成完了後、急速冷却してクリンカーS2を取得し、
ステップ(3):クリンカーS2を水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのうちの1種又は2種と混合し、細かく粉砕してセメント粉末を取得し、
ステップ(1)において、ケイ酸塩と炭酸塩との混合物を(950±25)℃で酸化強熱して得られた強熱残分において、SiO
2
+Al
2
O
3
+CaO+MgOの質量の割合は、90.0%以上であり、かつSiO
2
は、31.0~47.0%であり、Al
2
O
3
は、12.4~18.0%であり、CaOは、21.3~46.3%であり、MgOは、0~16.2%であり、
ステップ(1)において、ケイ酸塩と炭酸塩との混合物を(950±25)℃で酸化強熱して取得した強熱残分に対する塩化ナトリウムの添加量の質量比は、8.0~20.0%であり、
ステップ(3)において、水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムの質量は、(NaOH+0.713KOH)/S2=0.5~3.0%となるように計算される
ことを特徴とする方法。
続きを表示(約 670 文字)
【請求項2】
ステップ(1)において、塩化ナトリウム、ケイ酸塩、及び炭酸塩を混合し、全部80μmの角孔篩を通過可能なように細かく粉砕する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップ(2)において、850~1050℃での焼成時間が1時間以上である
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ステップ(2)において、850~1050℃で焼成する際に、流量が80g・min
-1
・m
-2
以上の水蒸気を導入する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ステップ(2)において、1240℃以上での焼成時間が1時間以上である
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ステップ(2)において、前記急速冷却は、水焼入れ冷却又は送風冷却である
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ステップ(3)において、水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムを予め水に溶解し、セメントを使用する際にクリンカーS2を単独で細かく粉砕して取得した粉末と混合する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ステップ(2)を行う際に、焼成による排出ガスを収集し、水に導入して溶解し、排出ガスの水溶液を後処理して塩酸を生産し、又は有価金属を回収する
ことを特徴とする請求項1又は請求項4に記載の方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、セメント建材の分野に属し、特に塩化ナトリウムを用いて段階的に焼成することによりアルカリ活性化セメントを製造する方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
ポルトランドセメントのクリンカーの製造には、炭素排出量が多く、エネルギーと材料の消費量が多く、深刻な粉塵と硫黄酸化物と窒素酸化物のガスの汚染、そして耐食性と耐久性が低いなどの顕著な問題がある。アルカリ活性化セメントは、初期強度、耐食性、耐凍結融解性などに優れ、固形廃棄物残渣を多量に利用でき、低炭素で省エネルギー、環境に優しい新しいセメントの一つである。ポルトランドセメントに代わる可能性が最も高い。しかしながら、従来のアルカリ活性化セメントは、活性非晶質アルミノケイ酸塩(カルシウム)塩を強アルカリで活性化することによって硬化される二成分セメントであり、以下の欠点を有する。(1)カオリン資源は希少であり、フライアッシュや高炉スラグなどの他の主要原料は、ポルトランドセメントの混和剤として広く使用されているため、その価格上昇している。(2)工業用アルカリ活性剤の使用量が多い(Na
2
O基準で3~14wt%を占める)ためコストが高く、アルカリ化しやすく耐久性に影響を与える。(3)産業廃棄物残渣の固有組成は変動あるため、それを主原料として製造されるアルカリ活性化セメントの特性および製造プロセスを安定的に規制、標準化することが困難である。
【0003】
アルカリ活性化剤の使用を削減、排除することは、アルカリ活性化セメントのコストを効果的に削減できる。特許CN110371140A及びCN110451827Aは、それぞれ常温養生と蒸気養生のアルカリ活性化セメントの調製及び使用方法を開示している。これらのセメントは、いずれもアルミノケイ酸ナトリウムカリウムとカルシウム原料を混合し、粉砕した後、1250~1300℃で焼成し、急冷してクリンカーを取得し、クリンカーを細かく粉砕して、水ガラスと均一に混合することにより製造される。セメントペーストの28日目の圧縮強度は、それぞれ80MPa、110MPaを超えている。この2種類のセメントに用いられるアルカリ活性化剤の量は、通常の二成分アルカリ活性化セメントよりも少ないが、クリンカーの焼成に用いられる工業用アルカリ及びケイ酸アルミニウムカリウムナトリウムが安価ではないため、依然としてアルカリ活性化セメントのコストに影響を与えている。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、塩化ナトリウムを用いて段階的に焼成することによりアルカリ活性化セメントを製造する方法を提供する。安価な原料でクリンカーを焼成し、アルカリ活性化剤の使用量を削減することにより、アルカリ活性化セメントの製造コストを削減する。
【0005】
本発明の目的は、以下の技術案により実現される。
塩化ナトリウムを用いて段階的に焼成することによりアルカリ活性化セメントを製造する方法であって、以下のステップを順に含み、
ステップ(1):塩化ナトリウム、ケイ酸塩、及び炭酸塩を混合し、細かく粉砕して原料混合物粉末S1を取得し、
ステップ(2):まず、原料混合物粉末S1を850~1050℃で焼成し、その後、温度が1240℃以上になるまで加熱して再度焼成し、焼成完了後、急速冷却してクリンカーS2を取得し、
ステップ(3):クリンカーS2を水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのうちの1種又は2種と混合し、細かく粉砕してセメント粉末を取得し、
ステップ(1)において、ケイ酸塩と炭酸塩との混合物を(950±25)℃で酸化強熱して取得した強熱残分において、SiO
2
+Al
2
O
3
+CaO+MgOの質量の割合が90.0%以上であり、かつSiO
2
の質量の割合が31.0~47.0%であり、Al
2
O
3
の質量の割合が12.4~18.0%であり、CaOの質量の割合が21.3~46.3%であり、MgOの質量の割合が0~16.2%であり、
ステップ(1)において、ケイ酸塩と炭酸塩との混合物を(950±25)℃で酸化強熱して取得した強熱残分に対する塩化ナトリウムの添加量の質量比が8.0~20.0%であり、
ステップ(3)において、水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムの質量は、(NaOH+0.713KOH)/S2=0.5~3.0%により計算される。
【0006】
好ましくは、ステップ(1)において、塩化ナトリウム、ケイ酸塩、及び炭酸塩を混合し、これらがすべて80μmの角孔篩を通過するまで細かく粉砕する。
【0007】
好ましくは、ステップ(2)において、850~1050℃での焼成時間が1時間以上である。
【0008】
好ましくは、ステップ(2)において、850~1050℃で焼成する際に、流量が80g・min
-1
・m
-2
以上の水蒸気を導入する。
【0009】
好ましくは、ステップ(2)において、1240℃以上の温度での焼成時間が1時間以上である。
【0010】
好ましくは、ステップ(2)において、前記急速冷却は、水焼入れ冷却又は送風冷却である。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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