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公開番号2025129124
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-04
出願番号2025004514
出願日2025-01-14
発明の名称アルミノケイ酸塩の塩化焙焼による汎用セメントの製造方法
出願人湖南科技大学,Hunan University of Science and Technology,湖南湘楚先路環保科技有限責任公司
代理人個人
主分類C04B 7/36 20060101AFI20250828BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】アルミノケイ酸塩の塩化焙焼によりアルカリ金属酸化物を導入して低炭素排出量の汎用セメントを製造する方法を提供する。
【解決手段】水蒸気雰囲気中でアルミノケイ酸塩と塩化ナトリウムの混合物を焙焼して焙焼残渣を取得し、後者をさらにCaO及びMgOを含む物質と混合し、粉砕して原料混合物を製造し、原料混合物粉末を1240℃以上の温度で酸化焼成した後、急冷して焼成残渣を取得し、焼成残渣を0~3%の苛性アルカリに添加して混合し、微細化して汎用セメント粉を製造する。この方法は、アルミノケイ酸塩のスラグだけを使用して低炭素汎用セメントを製造することができ、またスラグにおける有価金属を回収し、重金属汚染を解消し、経済的及び社会的利益の両方を備える。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記の順序でステップ(1)からステップ(3)を含むアルミノケイ酸塩の塩化焙焼により汎用セメントを製造する方法であって、
ステップ(1):水蒸気雰囲気中でSiO

及びAl



を主な化学組成とするアルミノケイ酸塩と塩化ナトリウムの均一混合物を焙焼し、排ガスを排出して固体の焙焼残渣を取得し、
ステップ(2):焙焼残渣と、CaO及びMgOを含む物質とを所定量で混合し、微細化して粉体S1を取得し、或いは焙焼残渣を単独で微細化した後に水洗して乾燥させてからCaO及びMgOを含む微粉と均一に混合して粉体S1を取得し、
ステップ(3):粉体S1を1240℃以上の温度で、相状態が安定するまで酸化焼成した後、急冷して焼成残渣S2を取得し、
ステップ(4):焼成残渣S2を固体である強塩基の水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムと混合して微細化し、汎用セメント粉を取得し、或いは焼成残渣S2を微細化した後、単独で保存し、使用時に水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムの水溶液と混合することを特徴とする、方法。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
ステップ(1)において、水蒸気の流量は60g・min
-1
・m
-2
以上であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップ(1)において、最高焙焼温度は800~1000℃であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ステップ(1)において、最高焙焼温度での保温時間は1.0時間以上であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ステップ(1)におけるアルミノケイ酸塩を950℃で酸化焼却して得られた残渣において、SiO

+Al



+Fe



+CaO+MgO+Na

O+K

Oの質量比が90.0%を超え、かつ100質量部SiO

+Al



+Fe



+CaO+MgO+Na

O+K

Oごとに各組成の質量がそれぞれSiO

:49.0~82.5、Al



:10.0~46.0、Fe



:0~8.1、CaO:0~5.0、MgO:0~9.5、Na

O+K

O:0~12.2であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ステップ(1)において、アルミノケイ酸塩と塩化ナトリウムを任意の方式により混合、粉砕し、混合粉体は、全て80μmの角穴篩を通ることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ステップ(1)において、塩化ナトリウムの配合量は、塩化ナトリウム及びアルミノケイ酸塩に対するSiO

+Al



の質量比が45.0%以下となるように確定されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ステップ(3)で得られた焼成残渣S2において、100質量部のSiO

+Al



+Fe



+CaO+MgO+Na

O+K

Oに含まれる各組成の質量は、SiO

:30.0~42.0、Al



:10.0~17.0、Fe



:0~6.0、CaO:22.0~46.0、MgO:0~16.0、Na

O+K

O:3.1-8.3であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ステップ(4)において、塩基の配合質量は、(NaOH+0.713KOH)/S2=0~3.0%で計算されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ステップ(1)で排出される排ガスを水中に導入し、溶解して収集し、水溶液をHClガス若しくは塩酸の生産、又は有価金属の回収に使用することを特徴とする、請求項1に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、固形廃棄物の処理及びセメント建材の分野に属し、特にアルミノケイ酸塩の塩化焙焼により汎用セメントを製造する方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
経済の発展に伴い、粗大固形廃棄物の排出量は増加し、その保管場所は広大な土地を占用するだけでなく、地質学的災害の深刻なリスクをもたらし、環境の土壌、水系、大気を汚染している。現在、粗大固形廃棄物を有効に利用する方法として最も採用されているのは、汎用セメントを調製する方法である。従来の汎用セメントはポルトランドセメントのクリンカーに少量の石膏などを混合したものである。粗大固形廃棄物の多くは、SiO

とAl



からなるアルミノケイ酸塩である。含まれるアルカリ金属酸化物及びMgOなどの不純物は、ケイ酸塩セメントクリンカーの製造に害がある。一方、冶金及び鉱山の廃棄物残渣には、環境に深刻な悪影響を与える重金属元素が含まれていることが多く、建築材料の製造に直接使用することはできない。ケイ酸塩セメントクリンカーは、化学組成におけるカルシウムの含有量が多く、シリコンとアルミニウムの含有量が少ないため、炭素排出量が高くなる。また、アルミノケイ酸塩廃棄物残渣の利用率は高くない。
【0003】
セメント分野の科学者は、ポルトランドセメントの代替品として、低炭素で環境に優しく、アルミノケイ酸塩廃棄物残渣を利用可能な汎用セメントの開発に努力している。アルカリ活性セメントは、初期強度、耐食性、耐凍結融解性などに優れ、固形廃棄物残渣を多量に利用でき、低炭素で省エネルギー、環境に優しい新しいセメントの一つである。ポルトランドセメントに代わる可能性が最も高い。しかしながら、従来のアルカリ活性化セメントは、活性非晶質アルミノケイ酸塩(カルシウム)塩を強アルカリで活性化することによって硬化される二成分セメントであり、以下の欠点を有する。(1)カオリン資源は希少であり、フライアッシュや高炉スラグなどの他の主要原料は、ポルトランドセメントの混和剤として広く使用されているため、その価格上昇している。(2)工業用アルカリ活性剤の使用量が多い(Na

O基準で3~14wt%を占める)ためコストが高く、アルカリ化しやすく耐久性に影響を与える。(3)産業廃棄物残渣の固有組成は変動あるため、それを主原料として製造されるアルカリ活性セメントの特性及び製造プロセスを安定的に規制、標準化することが困難である。
【0004】
アルカリ活性化剤の使用を削減、排除することは、アルカリ活性化セメントのコストを効果的に削減できる。特許CN110371140A及びCN110451827Aは、それぞれ常温養生と蒸気養生のアルカリ活性化セメントの調製及び使用方法を開示している。これらのセメントは、いずれもアルミノケイ酸ナトリウムカリウムとカルシウム原料を混合し、粉砕した後、1250~1300℃で焼成し、急冷してクリンカーを取得し、クリンカーを細かく粉砕して、水ガラスと均一に混合することにより製造される。セメントペーストの28日目の圧縮強度は、それぞれ80MPa、110MPaを超えている。この2種類のセメントに用いられるアルカリ活性化剤の量は、通常の二成分アルカリ活性化セメントよりも少ないが、アルカリ活性化剤を完全に除去することが実現できない。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、アルミノケイ酸塩の塩化焙焼によりアルカリ金属酸化物を導入して低炭素排出量の汎用セメントを製造することである。
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明の技術的手段は下記である。
【0007】
下記の順序でステップ(1)からステップ(3)を含むアルミノケイ酸塩の塩化焙焼により汎用セメントを製造する方法であって、
ステップ(1):水蒸気雰囲気中で主な化学組成がSiO

及びAl



であるアルミノケイ酸塩と塩化ナトリウムの均一混合物を焙焼し、排ガスを排出して固体の焙焼残渣を取得し、
ステップ(2):焙焼残渣と、CaO及びMgOを含む物質とを混合し、微細化して粉体S1を取得し、或いは焙焼残渣を単独で微細化した後に水洗して乾燥させてからCaO及びMgOを含む微粉と均一に混合して粉体S1を取得し、
ステップ(3):粉体S1を1240℃以上の温度で十分に酸化焼成した後、急冷して焼成残渣S2を取得し、
ステップ (4):焼成残渣S2を水酸化ナトリウムに添加して混合し、微細化してセメント粉を取得し、或いは焼成残渣S2を微細化した後、二成分セメントの活性粉体組成として単独で保存し、使用時にその場で調製された水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムの水溶液と混合する、方法。
【0008】
好ましくは、ステップ(1)において、水蒸気の流量は60g・min
-1
・m
-2
以上である。
【0009】
好ましくは、ステップ(1) において、最高焙焼温度は800~1000℃である。
【0010】
好ましくは、ステップ(1)において、最高焙焼温度での保温時間は1.0時間以上である。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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