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公開番号2025128833
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-03
出願番号2024025774
出願日2024-02-22
発明の名称組成物の製造方法、オキシアルキレン重合体の製造方法、硬化性組成物の製造方法、及び硬化物の製造方法
出願人AGC株式会社
代理人弁理士法人志賀国際特許事務所
主分類C08G 65/12 20060101AFI20250827BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】より粘度が低い水酸基及び分子末端の炭素-炭素2重結合を有するオキシアルキレン重合体Aを含む組成物の製造方法、前記組成物を用いたより効率的な主鎖に反応性ケイ素基を有し、末端基に前記反応性ケイ素基を有さず、水酸基を有するオキシアルキレン重合体Bの製造方法、前記オキシアルキレン重合体Bを含む硬化性組成物の製造方法、及び前記硬化性組成物を用いた硬化物の製造方法の提供。
【解決手段】水酸基及び分子末端の炭素-炭素2重結合を有するオキシアルキレン重合体Aを含む組成物の製造方法であって、配位子がアルコールである複合金属シアン化物錯体触媒の存在下、活性水素含有基及び分子末端の炭素-炭素2重結合を有する開始剤に、アルキレンオキシドを重合してオキシアルキレン重合体Aを得ることを含む、組成物の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
水酸基及び分子末端の炭素-炭素2重結合を有するオキシアルキレン重合体Aを含む組成物の製造方法であって、
配位子がアルコールである複合金属シアン化物錯体触媒の存在下、活性水素含有基及び分子末端の炭素-炭素2重結合を有する開始剤に、アルキレンオキシドを重合してオキシアルキレン重合体Aを得ることを含む、組成物の製造方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記開始剤の総質量に対する、前記複合金属シアン化物錯体触媒の使用量が、100~1500質量ppmである、請求項1に記載の組成物の製造方法。
【請求項3】
前記オキシアルキレン重合体Aの数平均分子量が3,000~20,000である、請求項1に記載の組成物の製造方法。
【請求項4】
前記オキシアルキレン重合体Aの分子量分布が1.30以下である、請求項1に記載の組成物の製造方法。
【請求項5】
前記複合金属シアン化物錯体触媒は、配位子がtert-ブチルアルコールの亜鉛ヘキサシアノコバルテート錯体である、請求項1に記載の組成物の製造方法。
【請求項6】
前記オキシアルキレン重合体Aは、前記水酸基を1~3個有し、前記分子末端の炭素-炭素2重結合を1~3個有する、請求項1に記載の組成物の製造方法。
【請求項7】
前記オキシアルキレン重合体Aは、前記水酸基を1個有し、前記分子末端の炭素-炭素2重結合を1個有する、請求項6に記載の組成物の製造方法。
【請求項8】
主鎖に下式1で表される反応性ケイ素基を有し、末端基に前記反応性ケイ素基を有さず、水酸基を有するオキシアルキレン重合体Bの製造方法であって、
ヒドロシリル化触媒の存在下、請求項1に記載の組成物の製造方法によって製造された組成物に、シリル化剤を反応させてオキシアルキレン重合体Bを得ることを含む、オキシアルキレン重合体Bの製造方法。
-SiR

a1


3-a1
式1
前記式1中、R

は、炭素数1~20の1価の有機基であって、加水分解性基以外の有機基を示し、X

は水酸基、ハロゲン原子、又は加水分解性基を示す。a1は0~2の整数である。a1が2の場合、R

は、互いに同一でも異なっていてもよく、a1が0又は1の場合、X

は、互いに同一でも異なっていてもよい。
【請求項9】
前記組成物の総質量に対する、ヒドロシリル化触媒の使用量が、前記ヒドロシリル化触媒に含まれる金属換算で1~15質量ppmである、請求項8に記載のオキシアルキレン重合体Bの製造方法。
【請求項10】
前記オキシアルキレン重合体Bの数平均分子量が3,000~20,000である、請求項8に記載のオキシアルキレン重合体Bの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、組成物の製造方法、オキシアルキレン重合体の製造方法、硬化性組成物の製造方法、及び硬化物の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)【背景技術】
【0002】
1分子中に少なくとも1個の反応性ケイ素基を有する重合体は、室温においても、湿分等による反応性ケイ素基の加水分解反応等を伴うシロキサン結合の形成によって架橋し、ゴム状の硬化物が得られるという性質を有することが知られている。
【0003】
これらの反応性ケイ素基を有する重合体の中で、主鎖骨格がオキシアルキレン重合体、飽和炭化水素重合体、アクリル酸アルキルエステル重合体、及びメタクリル酸アルキルエステル重合体は、既に工業的に生産され、シーリング材、接着剤及び塗料等の用途に広く使用されている。
【0004】
硬化性組成物の扱いやすさを考慮し、硬化性組成物の粘度を下げる目的で可塑剤が使用される。上記可塑剤としては、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニルエステル、ジイソノニルフタレート等の低分子量化合物が広く用いられている。しかしながら、可塑剤として低分子量化合物を用いると、得られる硬化物においてブリードアウトが発生することがある。
【0005】
ブリードアウトを抑制可能な可塑剤として、反応性可塑剤が知られている。反応性可塑剤としては、1分子中に1個の反応性ケイ素基と1個の水酸基を有する低分子量のオキシアルキレン重合体が知られている。上記オキシアルキレン重合体の反応性ケイ素基が反応することにより硬化物に取り込まれることにより、ブリードアウトが抑制される。
【0006】
特許文献1には、1分子中に1個の反応性ケイ素基と1個の水酸基を有する低分子量のオキシアルキレン重合体の製造方法が開示されている。具体的には、開始剤として平均分子量1,500の1分子中に不飽和基と水酸基を有するポリオキシプロピレン系重合体を用い、ヘキサシアノコバルト酸亜鉛グライム錯体の存在下、プロピレンオキシドを重合させ、1分子中に不飽和基と水酸基を有する前駆体を得、上記前駆重合体に、白金ジビニルテトラメチルジシロキサン触媒の存在下、メチルジメトキシシランをヒドロシリル化反応させ、1分子中に反応性ケイ素基と水酸基を有する重合体を製造する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2001-294659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
なお、特許文献1には、上記ヘキサシアノコバルト酸亜鉛グライム錯体が、ヒドロシリル化反応を阻害することが開示されており、前駆重合体を得た後、無水コハク酸等のカルボン酸化合物を添加することによりヘキサシアノコバルト酸亜鉛グライム錯体の不活性化処理を行った後にヒドロシリル化反応を行っている。ヘキサシアノコバルト酸亜鉛グライム錯体の不活性化処理の分、製造工程が効率的ではない。
さらに、反応性可塑剤は、粘度が低いことが求められるが、特許文献1に記載の製造方法により製造される1分子中に反応性ケイ素基と不飽和基を有する重合体の粘度の低さは充分ではない。なお、1分子中に反応性ケイ素基と不飽和基を有する重合体の粘度は、前駆重合体の粘度に大きく影響される。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、より粘度が低い水酸基及び分子末端の炭素-炭素2重結合を有するオキシアルキレン重合体Aを含む組成物の製造方法、上記組成物を用いたより効率的な主鎖に反応性ケイ素基を有し、末端基に前記反応性ケイ素基を有さず、水酸基を有するオキシアルキレン重合体Bの製造方法、上記オキシアルキレン重合体Bを含む硬化性組成物の製造方法、及び上記硬化性組成物を用いた硬化物の製造方法の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、下記[1]~[17]である。
[1] 水酸基及び分子末端の炭素-炭素2重結合を有するオキシアルキレン重合体Aを含む組成物の製造方法であって、配位子がアルコールである複合金属シアン化物錯体触媒の存在下、活性水素含有基及び分子末端の炭素-炭素2重結合を有する開始剤に、アルキレンオキシドを重合してオキシアルキレン重合体Aを得ることを含む、組成物の製造方法。
[2] 前記開始剤の総質量に対する、前記複合金属シアン化物錯体触媒の使用量が、100~1,500質量ppmである、[1]に記載の組成物の製造方法。
[3] 前記オキシアルキレン重合体Aの数平均分子量が3,000~20,000である、[1]又は[2]に記載の組成物の製造方法。
[4] 前記オキシアルキレン重合体Aの分子量分布が1.30以下である、[1]~[3]のいずれかに記載の組成物の製造方法。
[5] 前記複合金属シアン化物錯体触媒は、配位子がtert-ブチルアルコールの亜鉛ヘキサシアノコバルテート錯体である、[1]~[4]のいずれかに記載の組成物の製造方法。
[6] 前記オキシアルキレン重合体Aは、前記水酸基を1~3個有し、前記分子末端の炭素-炭素2重結合を1~3個有する、[1]~[5]のいずれかに記載の組成物の製造方法。
[7] 前記オキシアルキレン重合体Aは、前記水酸基を1個有し、前記分子末端の炭素-炭素2重結合を1個有する、[6]に記載の組成物の製造方法。
[8] 主鎖に下式1で表される反応性ケイ素基を有し、末端基に前記反応性ケイ素基を有さず、水酸基を有するオキシアルキレン重合体Bの製造方法であって、ヒドロシリル化触媒の存在下、[1]~[7]のいずれかに記載の組成物の製造方法によって製造された組成物に、シリル化剤を反応させてオキシアルキレン重合体Bを得ることを含む、オキシアルキレン重合体Bの製造方法。
-SiR

a1


3-a1
式1
前記式1中、R

は、炭素数1~20の1価の有機基であって、加水分解性基以外の有機基を示し、X

は水酸基、ハロゲン原子、又は加水分解性基を示す。a1は0~2の整数である。a1が2の場合、R

は、互いに同一でも異なっていてもよく、a1が0又は1の場合、X

は、互いに同一でも異なっていてもよい。
[9] 前記組成物の総質量に対する、ヒドロシリル化触媒の使用量が、前記ヒドロシリル化触媒に含まれる金属換算で1~15質量ppmである、[8]に記載のオキシアルキレン重合体Bの製造方法。
[10] 前記オキシアルキレン重合体Bの数平均分子量が3,000~20,000である、[8]又は[9]に記載のオキシアルキレン重合体Bの製造方法。
[11] 前記オキシアルキレン重合体Bの分子量分布が1.30以下である、[8]~[10]のいずれかに記載のオキシアルキレン重合体Bの製造方法。
[12] 前記ヒドロシリル化触媒が白金錯体である、[8]~[11]のいずれかに記載のオキシアルキレン重合体Bの製造方法。
[13] 前記白金錯体が白金-ビニルシロキサン錯体である[12]に記載のオキシアルキレン重合体Bの製造方法。
[14] 前記オキシアルキレン重合体Bは、前記水酸基を1~3個有し、前記反応性ケイ素基を1~3個有する、[8]~[13]のいずれかに記載のオキシアルキレン重合体Bの製造方法。
[15] 前記オキシアルキレン重合体Bは、前記水酸基を1個有し、前記反応性ケイ素基を1個有する、[14]に記載のオキシアルキレン重合体Bの製造方法。
[16] [8]~[15]のいずれかに記載のオキシアルキレン重合体Bの製造方法によって製造された重合体Bと、末端基に下式2で表される反応性ケイ素基を有し、数平均分子量が10,000~100,000であるオキシアルキレン重合体Cと、を混合する、硬化性組成物の製造方法。
-SiR

a2


3-a2
式2
前記式2中、R

は、炭素数1~20の1価の有機基であって、加水分解性基以外の有機基を示し、X

は水酸基、ハロゲン原子、又は加水分解性基を示す。a2は0~2の整数である。a2が2の場合、R

は、互いに同一でも異なっていてもよく、a2が0又は1の場合、X

は、互いに同一でも異なっていてもよい。
[17] [16]に記載の硬化性組成物の製造方法によって製造された硬化性組成物を硬化させる、硬化物の製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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