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公開番号2025116921
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-12
出願番号2024011447
出願日2024-01-30
発明の名称減光装置、レーザ加工装置、及びレーザビーム計測装置
出願人株式会社タムロン
代理人個人
主分類H01S 3/00 20060101AFI20250804BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】入射するレーザビームが集光光であっても、レーザビームを減光しスポットの像形状及びエネルギー強度分布を精度良く測定できる減光装置を提供することを目的とする。
【解決手段】この目的を達成するため、レーザビームが入射する側に10層以上の光学薄膜が形成され、かつ、レーザビーム照射用光学ユニットの光軸に垂直な面における原点が光軸にある任意の直交座標軸をX軸とY軸としたとき、X軸を回転軸として光軸を基準とする角度が30°以上60°以下の角度αで傾けて配置されるビームスプリッターを備えていることを特徴とする減光装置を採用した。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
集光されたレーザビームを加工対象物にスポットを形成して照射しレーザ加工するためのレーザビーム照射用光学ユニットから照射される前記レーザビームを減光する減光装置であって、
前記レーザビームが入射する側に10層以上の光学薄膜が形成され、かつ、前記レーザビーム照射用光学ユニットの光軸に垂直な面における原点が前記光軸にある任意の直交座標軸をX軸とY軸としたとき、前記X軸を回転軸として前記光軸を基準とする角度が30°以上60°以下の角度αで傾けて配置されるビームスプリッターを備えていることを特徴とする減光装置。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
前記ビームスプリッターを保持し、少なくとも前記レーザビーム照射用光学ユニット側に開口部を有する筒状の導光部を更に備える請求項1に記載の減光装置。
【請求項3】
前記ビームスプリッターは、
前記ビームスプリッターへの前記レーザビームの入射角度が前記角度αにおける前記ビームスプリッターの透過率が2.0%以下であり、かつ、以下の条件式(1)を満足する透過型、または、
前記ビームスプリッターへの前記レーザビームの入射角度が前記角度αにおける前記ビームスプリッターの反射率が2.0%以下であり、かつ、以下の条件式(2)を満足する反射型である、請求項1に記載の減光装置。
0 ≦ (Tmax-Tmin)/Tave ≦ 0.05 ・・・(1)
0 ≦ (Rmax-Rmin)/Rave ≦ 0.05 ・・・(2)
但し、
Tmax:透過型のビームスプリッターへのレーザビームの入射角度がα-5°以上α+5°以下の範囲におけるビームスプリッターの透過率の最大値。
Tmin:透過型のビームスプリッターへのレーザビームの入射角度がα-5°以上α+5°以下の範囲におけるビームスプリッターの透過率の最小値。
Tave:透過型のビームスプリッターへのレーザビームの入射角度がα-5°以上α+5°以下の範囲におけるビームスプリッターの透過率の平均値。
Rmax:反射型のビームスプリッターへのレーザビームの入射角度がα-5°以上α+5°以下の範囲におけるビームスプリッターの反射率の最大値。
Rmin:反射型のビームスプリッターへのレーザビームの入射角度がα-5°以上α+5°以下の範囲におけるビームスプリッターの反射率の最小値。
Rave:反射型のビームスプリッターへのレーザビームの入射角度がα-5°以上α+5°以下の範囲におけるビームスプリッターの反射率の平均値。
【請求項4】
集光されたレーザビームを加工対象物にスポットを形成して照射しレーザ加工するためのレーザビーム照射用光学ユニットと、
前記レーザビームが入射する側に10層以上の光学薄膜が形成され、かつ、前記レーザビーム照射用光学ユニットの光軸に垂直な面における原点が前記光軸にある任意の直交座標軸をX軸とY軸としたとき、前記X軸を回転軸として前記光軸を基準とする角度が30°以上60°以下の角度αで傾けて配置されるビームスプリッターにより、前記レーザビーム照射用光学ユニットから照射される前記レーザビームを減光する減光装置と、
を備えていることを特徴とするレーザ加工装置。
【請求項5】
前記ビームスプリッターは、
前記ビームスプリッターへの前記レーザビームの入射角度が前記角度αにおける前記ビームスプリッターの透過率が2.0%以下であり、かつ、以下の条件式(1)を満足する透過型、または、
前記ビームスプリッターへの前記レーザビームの入射角度が前記角度αにおける前記ビームスプリッターの反射率が2.0%以下であり、かつ、以下の条件式(2)を満足する反射型である、請求項4に記載のレーザ加工装置。
0 ≦ (Tmax-Tmin)/Tave ≦ 0.05 ・・・(1)
0 ≦ (Rmax-Rmin)/Rave ≦ 0.05 ・・・(2)
但し、
Tmax:透過型のビームスプリッターへのレーザビームの入射角度がα-5°以上α+5°以下の範囲におけるビームスプリッターの透過率の最大値。
Tmin:透過型のビームスプリッターへのレーザビームの入射角度がα-5°以上α+5°以下の範囲におけるビームスプリッターの透過率の最小値。
Tave:透過型のビームスプリッターへのレーザビームの入射角度がα-5°以上α+5°以下の範囲におけるビームスプリッターの透過率の平均値。
Rmax:反射型のビームスプリッターへのレーザビームの入射角度がα-5°以上α+5°以下の範囲におけるビームスプリッターの反射率の最大値。
Rmin:反射型のビームスプリッターへのレーザビームの入射角度がα-5°以上α+5°以下の範囲におけるビームスプリッターの反射率の最小値。
Rave:反射型のビームスプリッターへのレーザビームの入射角度がα-5°以上α+5°以下の範囲におけるビームスプリッターの反射率の平均値。
【請求項6】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の減光装置と、前記減光装置で減光されたレーザビームを観測する観測装置と、を備えることを特徴とするレーザビーム計測装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本件発明は、レーザビームを加工対象物にスポットを形成して照射しレーザ加工するためのレーザビーム照射用光学ユニットから照射されるレーザビームを減光する減光装置、当該減光装置を備えたレーザ加工装置、及び当該減光装置を備えたレーザビーム計測装置に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、レーザビームが種々の製品の加工に広く用いられている。レーザビームは、1点に集光して被加工物に照射することによって被加工物の表面温度を急激に上昇させ、被加工物の被照射面を融解もしくは蒸発させる。このレーザビームを用いるレーザ加工装置は、このようにして、被加工物へ切断や穴開け、溶接といった加工を施す装置である。そして、レーザビームを1点に集光するため、ピンポイントで精密かつ微細な加工が可能である。また、より高エネルギーのレーザビームを用いることで、加工時間を短縮することができ、かつ、刃物での加工が困難な高硬度の被加工物の加工も可能である。
【0003】
ここで、レーザ加工装置はレーザビーム照射用光学ユニットを備えている。このレーザビーム照射用光学ユニットは、レーザビームをスポットの1点に集光する機能や、スポットにおけるレーザビームの像形状を円形で、エネルギー強度分布がガウシアン状やトップハット状のものとして照射する機能を有するものが従来採用されてきた。しかしながら、この従来のスポットの像形状を採用したレーザ加工においては、被加工物の切断や溶接、穴開けの際、レーザビームによって溶融した被加工物が切断面や穴部に残存してしまい、加工品質が悪化する問題があった。そこで、近年、スポットにおけるレーザビームの像形状を環状にすることによって、溶融した被加工物を適切に飛ばして切断面や穴部に残存させないレーザ加工が提案され始めている。
【0004】
また、レーザ加工を行う前に、スポットにおけるレーザビームの像形状や、その像形状におけるエネルギー強度分布が所望の仕様になっていることを確認するために、レーザビーム計測装置が用いられる。このレーザビーム計測装置におけるレーザビームの減光手段として、フィルタでレーザビームを減光してCCDやCMOSなどのイメージセンサで観測する方法、ピンホールやスリット、ナイフエッジでレーザビームの一部を遮光しながら透過光強度を測定し、遮光位置と透過光強度の相関から計算により求める方法、先端に小さなミラーの付いた棒あるいは先端に小さな穴の開いた導光棒をレーザビーム内で二次的にスキャンして強度分布を測定する方法、レーザビームを散乱する板にレーザビームを照射し、その散乱光の像を後方からカメラで撮影する方法等が知られている。
【0005】
しかしながら、上述の方法では、フィルタがレーザビームの熱で変形したり、ピンホールやスリット、ナイフエッジではレーザボームの像形状が損なわれたり、小さなミラーでは微小な像形状の測定は困難であり、散乱光を用いる場合は像にボケが生じるなどの問題があった。そこで、ビームスプリッターを用いてレーザビームを透過光と反射光とに分別することで減光し、その透過光もしくは反射光を観測することによって、レーザビームの像形状や、その像形状におけるエネルギー強度分布を測定する方法も提案されている。
【0006】
ここで、光学素子の反射率や透過率を制御する構造として、当該光学素子の表面に高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層した光学薄膜を設ける構造が知られている。特許文献1には、基板上に第1から第8の層を含む反射低減層を備えた多層構造の反射低減膜が開示されており、例えば実施例1-1では、波長400nmから900nmの帯域において、垂直入射光に対する反射率がおよそ0.3%(すなわち透過率が99.7%)、45°入射光に対する反射率がおよそ1%(すなわち透過率が99%)である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2009-282295号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように、通常の撮像装置などにおいては、透過光を用いる光学素子には光学薄膜を用いて反射率を低減して高い透過率を実現することが目的となっている。このとき、仮に、光学素子への光線の入射角度が45°における透過率が99.0%であり、光学素子への光線の入射角度が50°における透過率が99.5%であった場合、透過率は相対的に1.005倍(もしくは0.995倍)異なる程度である。この場合、この異なる入射角度における透過率の差は非常に僅かであり、その光学素子を用いて撮像した画像の画質に大きな影響は与えない。すなわち、使用する波長帯域内において、99%以上といった高い透過率を達成できれば良く、光線の入射角度の違いによる透過率の差が例えば0.5%程度あったとしても、特に問題にはならない。このことは、反射光を用いる光学素子を採用する場合であっても同様である。
【0009】
一方、ビームスプリッターを用いてレーザビームを減光する場合、入射するレーザビームの強度は例えば数百W以上と強力であることから、観測装置を破損しないよう透過率もしくは反射率を例えば数%以下とする必要がある。ここで、加工対象物にスポットを形成して照射されるレーザビームは通常集光光である。この場合、ビームスプリッターに入射する際のレーザビームの入射角度は、ビームスプリッターへの入射位置によって異なる角度値になる。仮に、透過光を観測に用いるレーザビームの減光装置であって、ビームスプリッターへの入射角度が45°における透過率が1%であり、ビームスプリッターへの入射角度が50°における透過率が1.5%であった場合、透過率は相対的に1.5倍(もしくは0.667倍)異なることになる。この場合、この異なる入射角度における透過率の差は大きく、レーザビームの像形状や、その像形状におけるエネルギー強度分布を精度良く測定することができない。このことは、反射光を観測に用いる場合であっても同様である。
【0010】
すなわち、ビームスプリッターを用いてレーザビームを減光する場合、通常の撮像装置に採用される光学素子とは異なり、透過光を観測に用いる場合のビームスプリッターの透過率、または反射光を観測に用いる場合のビームスプリッターの反射率は、例えば1%以下といった非常に小さい値を必要とされることから、異なる入射角度における透過率または反射率の差が0.5%あっただけで、上述のように非常に大きな問題となることを本件発明に係る発明者は見出した。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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