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公開番号2025114925
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-06
出願番号2024009168
出願日2024-01-25
発明の名称ヒートポンプシステム
出願人株式会社豊田中央研究所
代理人個人,個人
主分類F25B 25/02 20060101AFI20250730BHJP(冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒートポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化)
要約【課題】 ヒートポンプシステムにおいて、エネルギー消費効率を向上させる技術を提供する。
【解決手段】 ヒートポンプシステムは、包接水和物が生成される生成部と、包接水和物の分解が行われ、分解物が送出される分解部と、生成部から分解部へと熱媒体が流れる第1主流路と、分解部から生成部へと熱媒体が流れる第2主流路と、第1主流路を流れる熱媒体から混合溶媒を分離する混合溶媒分離部と、混合溶媒分離部により分離された混合溶媒中の水溶性の液体の補助剤を逆浸透膜またはイオン交換膜により分離する液液分離部と、分解部から送出される分解物中のガスと混合溶媒を分離する気液分離部と、液液分離部によって分離された補助剤が添加された混合溶媒を生成部に供給する第1副流路と、を備える。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
熱媒体が包接水和物の分解過程と生成過程とを繰り返すことにより、熱を輸送するヒートポンプシステムであって、
水溶性の液体の補助剤と水との混合溶媒と、ガスの混合液が流入され、包接水和物が生成される生成部と、
包接水和物の分解が行われ、前記ガスと前記混合溶媒との混相である分解物が送出される分解部と、
前記生成部から前記分解部へと前記熱媒体が流れる第1主流路と、
前記分解部から前記生成部へと前記熱媒体が流れる第2主流路と、
前記生成部内の前記熱媒体と、前記ヒートポンプシステム外の熱源との熱交換により前記熱媒体を放熱させる放熱部と、
前記分解部内の前記熱媒体を減圧する減圧部と、
前記分解部内の前記熱媒体と、前記ヒートポンプシステム外の熱源との熱交換により前記熱媒体に吸熱させる吸熱部と、
前記生成部と前記第1主流路を介して接続され、前記生成部で生成された前記包接水和物と前記混合溶媒とを少なくとも含む混合体から前記混合溶媒を分離する混合溶媒分離部と、
前記分解部と前記第2主流路を介して接続され、前記分解部から送出される前記分解物中の前記ガスと前記混合溶媒を分離する気液分離部と、
前記気液分離部と前記第2主流路を介して接続され、前記気液分離部により分離された前記ガスを圧縮する圧縮部と、
前記圧縮部、および前記生成部と前記第2主流路を介して接続されると共に、前記気液分離部と第1副流路を介して接続され、前記気液分離部により分離された前記混合溶媒と、前記圧縮部により圧縮された前記ガスとを含む前記混合液を生成する混合部と、
前記混合溶媒分離部および前記分解部と第2副流路を介して接続され、前記混合溶媒分離部により分離された前記混合溶媒中の水と前記補助剤とを、逆浸透膜またはイオン交換膜により分離する液液分離部と、
前記液液分離部と接続され、前記液液分離部により分離された前記補助剤を前記混合部に供給するための第3副流路と、
を備える、
ヒートポンプシステム。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
請求項1に記載のヒートポンプシステムであって、
前記生成部と前記混合溶媒分離部との間に配置され、前記生成部で生成された前記包接水和物と前記ガスと前記混合溶媒とを含む気固液混合体から前記ガスを分離する気/固液分離部と、
前記気/固液分離部により分離された前記ガスを前記混合部に供給するための第4副流路と、
をさらに備える、
ヒートポンプシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のヒートポンプシステムであって、
前記第1主流路に配置され、前記熱媒体を輸送する輸送ポンプを、さらに備える、
ヒートポンプシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のヒートポンプシステムであって、
さらに、
前記第1副流路に配置され、前記第3副流路を前記第1副流路に合流させる合流部と、
前記混合部に供給される前記混合溶媒の前記補助剤の濃度を調節する濃度調節部と、
を備え、
前記濃度調節部は、
前記第1副流路に配置され、前記合流部と前記混合部との間を流れる前記混合溶媒中の前記補助剤の濃度を検出する濃度計と、
前記第1副流路に配置され、前記混合部に供給される前記混合溶媒の流量を検出するする流量計と、
前記第1副流路の前記気液分離部と前記合流部との間に配置され、前記気液分離部によって分離された前記混合溶媒の流量を制御する第1ポンプと、
前記第3副流路に配置され、前記液液分離部により分離された前記補助剤を貯留可能な貯留部と、
前記第3副流路に配置され、前記貯留部から前記第1副流路へ流れる前記補助剤の流量を制御する第2ポンプと、
を備え、
前記濃度計および前記流量計の検出結果に基づいて、前記第1ポンプおよび前記第2ポンプを制御して、前記混合部に供給される前記混合溶媒の濃度を所定の目標値に調節する、
ヒートポンプシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のヒートポンプシステムであって、
さらに、
前記第1副流路に配置され、前記第3副流路を前記第1副流路に合流させる合流部と、
前記混合部に供給される前記混合溶媒の前記補助剤の濃度を調節する濃度調節部と、
を備え、
前記濃度調節部は、
前記第1副流路の前記気液分離部と前記合流部との間に配置され、前記気液分離部によって分離された前記混合溶媒の流量を制御する第1ポンプと、
前記第1副流路の前記気液分離部と前記合流部との間に配置され、前記気液分離部によって分離された前記混合溶媒中の前記補助剤の濃度を検出する第1濃度計と、
前記第1副流路の前記気液分離部と前記合流部との間に配置され、前記気液分離部によって分離された前記混合溶媒の流量を検出するする第1流量計と、
前記第3副流路に配置され、前記液液分離部により分離された前記補助剤を貯留可能な貯留部と、
前記第3副流路に配置され、前記貯留部から前記第1副流路へ流れる前記補助剤を含む混合溶媒の流量を制御する第2ポンプと、
前記第3副流路に配置され、前記混合溶媒中の前記補助剤の濃度を検出する第2濃度計と、
前記第3副流路に配置され、前記混合溶媒の流量を検出する第2流量計と、
を備え、
前記第1濃度計と前記第1流量計の検出結果に基づいて、前記第1ポンプを制御すると共に、前記第2濃度計と前記第2流量計の検出結果に基づいて、前記第2ポンプを制御して、前記混合部に供給される前記混合溶媒の濃度を所定の目標値に調節する、
ヒートポンプシステム。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のヒートポンプシステムであって、
前記気液分離部と前記圧縮部との間に配置され、前記気液分離部にて分離された前記ガス中の前記混合溶媒を吸着する脱水部を、さらに備える、
ヒートポンプシステム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートポンプシステムに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、気体の圧縮・膨張と熱交換を組み合わせたヒートポンプが用いられている。例えば、特許文献1には、冷媒ラインを介して相互連結され、凝縮された冷媒を膨張させる膨張バルブと、膨張した冷媒を空気との熱交換を通じて蒸発させる蒸発器と、蒸発された気体状態の冷媒を圧縮させる圧縮器とを含んで構成された車両用エアコンシステムが開示されている。
【0003】
ヒートポンプは、少ない電気エネルギーで効率的に熱エネルギーを得ることができる点が特徴であるものの、近年の環境問題に関する意識の高まりと共に、より一層のエネルギー消費効率の向上が望まれている。これに対し、包接水和物の分解/生成を利用したヒートポンプシステムが提案されている(例えば、特許文献2、3、非特許文献1参照)。包接水和物の分解/生成熱は、特許文献1に記載されたヒートポンプにおいて用いられるような、通常の冷媒の蒸発/凝縮潜熱の10倍以上であるため、エネルギー消費効率の向上が期待される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2014-076792号公報
特開2004-101140号公報
特開2022-087404号公報
【非特許文献】
【0005】
T. Ogawa et al., Applied Energy, 26, 2157 (2006).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献2、3、および非特許文献1に開示されている包接水和物の分解/生成を利用したヒートポンプシステムにおいて、さらなるエネルギー消費効率の向上が望まれている。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、ヒートポンプシステムにおいて、エネルギー消費効率を向上させる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
【0009】
(1)本発明の一形態によれば、熱媒体が包接水和物の分解過程と生成過程とを繰り返すことにより、熱を輸送するヒートポンプシステムが提供される。このヒートポンプシステムは、水溶性の液体の補助剤と水との混合溶媒と、ガスの混合液が流入され、包接水和物が生成される生成部と、包接水和物の分解が行われ、前記ガスと前記混合溶媒との混相である分解物が送出される分解部と、前記生成部から前記分解部へと前記熱媒体が流れる第1主流路と、前記分解部から前記生成部へと前記熱媒体が流れる第2主流路と、前記生成部内の前記熱媒体と、前記ヒートポンプシステム外の熱源との熱交換により前記熱媒体を放熱させる放熱部と、前記分解部内の前記熱媒体を減圧する減圧部と、前記分解部内の前記熱媒体と、前記ヒートポンプシステム外の熱源との熱交換により前記熱媒体に吸熱させる吸熱部と、前記生成部と前記第1主流路を介して接続され、前記生成部で生成された前記包接水和物と前記混合溶媒とを少なくとも含む混合体から前記混合溶媒を分離する混合溶媒分離部と、前記分解部と前記第2主流路を介して接続され、前記分解部から送出される前記分解物中の前記ガスと前記混合溶媒を分離する気液分離部と、前記気液分離部と前記第2主流路を介して接続され、前記気液分離部により分離された前記ガスを圧縮する圧縮部と、前記圧縮部、および前記生成部と前記第2主流路を介して接続されると共に、前記気液分離部と第1副流路を介して接続され、前記気液分離部により分離された前記混合溶媒と、前記圧縮部により圧縮された前記ガスとを含む前記混合液を生成する混合部と、前記混合溶媒分離部および前記分解部と第2副流路を介して接続され、前記混合溶媒分離部により分離された前記混合溶媒中の水と前記補助剤とを、逆浸透膜またはイオン交換膜により分離する液液分離部と、前記液液分離部と接続され、前記液液分離部により分離された前記補助剤を前記混合部に供給するための第3副流路と、を備える。
【0010】
この構成によれば、液液分離部が逆浸透膜またはイオン交換膜を備えるため、水溶性の液体の補助剤と水との混合溶媒から補助剤を分離することができ、液液分離部により補助剤濃度が低減された混合溶媒を分解部に供給することができる。分解部中の補助剤濃度が低減され、包接水和物の安定境界曲線が低温側に移動することにより、分解部における包接水和物の分解を促進させることができる。また、液液分離部により補助剤が濃縮された混合溶媒を生成部に供給することにより、包接水和物の生成を促進させることができる。すなわち、この構成によれば、生成部と分解部との間で補助剤濃度を制御することができ、冷凍サイクル運転における高温側と低温側の温度差を拡大することができ、エネルギー消費効率COP(成績係数:Coefficient Of Performance)を向上させることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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