TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025112380
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-01
出願番号2024006568
出願日2024-01-19
発明の名称抗菌性皮膜処理液、及び、抗菌性皮膜処理方法
出願人奥野製薬工業株式会社,国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学
代理人弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類C09D 201/10 20060101AFI20250725BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】本発明は、抗菌性及び硬化性に優れ、且つ、抗菌持続性及び耐水性に優れた抗菌性皮膜を形成することができる抗菌性皮膜処理液を提供する。
【解決手段】(A)アルコキシシランを側鎖に有する単位(a)、アンモニウム塩を側鎖に有する単位(b)、及び、疎水基を側鎖に有する単位(c)を含む抗菌性ポリマー、
(B)アルコキシシリル基、アルコキシシリレン基、及びシロキサン結合からなる群より選択される少なくとも1種を有するケイ素化合物、
(C)有機金属化合物、
(D)水、及び
(E)有機溶剤
を含有する抗菌性皮膜処理液。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(A)アルコキシシランを側鎖に有する単位(a)、アンモニウム塩を側鎖に有する単位(b)、及び、疎水基を側鎖に有する単位(c)を含む抗菌性ポリマー、
(B)アルコキシシリル基、アルコキシシリレン基、及びシロキサン結合からなる群より選択される少なくとも1種を有するケイ素化合物、
(C)有機金属化合物、
(D)水、及び
(E)有機溶剤
を含有する抗菌性皮膜処理液。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記(A)抗菌性ポリマーは、下記一般式(A-1)
TIFF
2025112380000005.tif
80
169
(一般式(A-1)中、nは1以上の自然数を示す。R
A-1
及びR
A-2
は、同一又は異なって、H、ラジカル開始剤由来の官能基、又は、連鎖移動剤由来の官能基を示す。R
A-3
~R
A-5
は、同一又は異なって、炭素数1~6のアルキル基を示す。A

はアンモニウムイオンを示し、X

はハロゲンイオンを示す。R
A-6
は、炭素数1~20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、シクロヘキシル基、又は、フェニル基を示す。f及びgは小数を示す。単位(a)、単位(b)、及び、単位(c)は、各単位がランダム重合していてもよい。)
で表される抗菌性ポリマーである、請求項1に記載の抗菌性皮膜処理液。
【請求項3】
前記(A)抗菌性ポリマー中の全単位数に対する各単位数の割合は、全単位数を100%として、前記(a)単位が10~30%、前記(b)単位が20~40%、前記(c)単位が40~60%である、請求項1に記載の抗菌性皮膜処理液。
【請求項4】
前記(A)抗菌性ポリマーの重量平均分子量は、20000~40000であり、前記単位(a)の側鎖がアルコキシシランであり、前記単位(c)の側鎖の疎水基は、炭素数1~20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、シクロヘキシル基、又は、フェニル基である、請求項1に記載の抗菌性皮膜処理液。
【請求項5】
前記(A)抗菌性ポリマーの含有量は、前記抗菌性皮膜処理液を100質量%として、30~90質量%以上である、請求項1に記載の抗菌性皮膜処理液。
【請求項6】
前記(C)有機金属化合物は、アルミニウムキレート化合物である、請求項1に記載の抗菌性皮膜処理液。
【請求項7】
前記(E)有機溶剤は、極性溶剤である、請求項1に記載の抗菌性皮膜処理液。
【請求項8】
抗菌性皮膜処理液を被処理面に付着させる工程1、及び、加熱処理する工程2を有する抗菌性皮膜処理方法であって、
前記抗菌性皮膜処理液は、
(A)アルコキシシランを側鎖に有する単位(a)、アンモニウム塩を側鎖に有する単位(b)、及び、疎水基を側鎖に有する単位(c)を含む抗菌性ポリマー、
(B)アルコキシシリル基、アルコキシシリレン基、及びシロキサン結合からなる群より選択される少なくとも1種を有するケイ素化合物、
(C)有機金属化合物、
(D)水、及び
(E)有機溶剤
を含有する抗菌性皮膜処理液である、抗菌性皮膜処理方法。
【請求項9】
請求項1~7のいずれかに記載の抗菌性皮膜処理液で皮膜を形成してなる物品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、抗菌性皮膜処理液、及び、抗菌性皮膜処理方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、衛生面の観点から、物品の表面に抗菌性を付与する方法が開発されている。このような方法には、抗菌性を有する材料が用いられている。抗菌性を有する材料は、金属、金属化合物等の無機系材料、及び、4級アンモニウム塩、アルコール等の有機系材料に大別される。
【0003】
例えば、特許文献1には、酸化チタン等の光触媒粒子と亜酸化銅粒子を利用したコーティング組成物が開示されている。しかしながら、無機系の抗菌成分を使用した抗菌組成物においては、金属・金属化合物粒子が凝集して沈殿しやすく、保存安定性に劣り、また塗膜の透明性が低下する等の問題がある。
【0004】
一方、有機系の抗菌成分は安定性が良く、透明な皮膜が得られるものの、抗菌成分が水浸漬、特に温水によって溶出しやすく、抗菌性が持続しないという問題がある。
【0005】
有機系の抗菌成分を用いることが提案されている。例えば、特許文献2では、洗濯機槽への塗装を目的にアミノ基含有アルコキシシランの含まれる抗菌性塗料が開示されている。また、特許文献3及び4では、4級アンモニウム塩とともに多価カルボン酸やリン酸を併用することにより皮膜からの4級アンモニウム塩の溶出を抑制しており、いずれも25℃±2℃の水浸漬での抗菌持続性を示すことが開示されている。更に、特許文献5では4級アンモニウム塩と多価カルボン酸からなる水溶液によって50±5℃の温水浸漬での抗菌持続性を示している。しかしながら、これらの有機系の抗菌材料を用いた場合、皮膜自体の耐水性に劣るという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2014/184989号
特開2017-101204号公報
特開2015-067658号公報
特開2017-014401号公報
特開2015-067657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、抗菌性及び硬化性に優れ、且つ、抗菌持続性及び耐水性に優れた抗菌性皮膜を形成することができる抗菌性皮膜処理液を提供することを目的とする。また、本発明は、抗菌性及び硬化性に優れ、且つ、抗菌持続性及び耐水性に優れた抗菌性皮膜を形成することができる抗菌性皮膜処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は上記課題に鑑みて鋭意研究を進めた結果、(A)アルコキシシランを側鎖に有する単位(a)、アンモニウム塩を側鎖に有する単位(b)、及び、疎水基を側鎖に有する単位(c)を含む特定の抗菌性ポリマー、(B)特定のケイ素化合物、(C)有機金属化合物、(D)水、及び(E)有機溶剤を含有する抗菌性皮膜処理液によれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明は、下記の抗菌性皮膜処理液、及び、抗菌性皮膜処理方法に関する。
1.(A)アルコキシシランを側鎖に有する単位(a)、アンモニウム塩を側鎖に有する単位(b)、及び、疎水基を側鎖に有する単位(c)を含む抗菌性ポリマー、
(B)アルコキシシリル基、アルコキシシリレン基、及びシロキサン結合からなる群より選択される少なくとも1種を有するケイ素化合物、
(C)有機金属化合物、
(D)水、及び
(E)有機溶剤
を含有する抗菌性皮膜処理液。
2.前記(A)抗菌性ポリマーは、下記一般式(A-1)
TIFF
2025112380000001.tif
80
169
(一般式(A-1)中、nは1以上の自然数を示す。R
A-1
及びR
A-2
は、同一又は異なって、H、ラジカル開始剤由来の官能基、又は、連鎖移動剤由来の官能基を示す。R
A-3
~R
A-5
は、同一又は異なって、炭素数1~6のアルキル基を示す。A

はアンモニウムイオンを示し、X

はハロゲンイオンを示す。R
A-6
は、炭素数1~20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、シクロヘキシル基、又は、フェニル基を示す。f及びgは小数を示す。単位(a)、単位(b)、及び、単位(c)は、各単位がランダム重合していてもよい。)
で表される抗菌性ポリマーである、項1に記載の抗菌性皮膜処理液。
3.前記(A)抗菌性ポリマー中の全単位数に対する各単位数の割合は、全単位数を100%として、前記(a)単位が10~30%、前記(b)単位が20~40%、前記(c)単位が40~60%である、項1又は2に記載の抗菌性皮膜処理液。
4.前記(A)抗菌性ポリマーの重量平均分子量は、20000~40000であり、前記単位(a)の側鎖がアルコキシシランであり、前記単位(c)の側鎖の疎水基は、炭素数1~20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、シクロヘキシル基、又は、フェニル基である、項1~3のいずれかに記載の抗菌性皮膜処理液。
5.前記(A)抗菌性ポリマーの含有量は、前記抗菌性皮膜処理液を100質量%として、30~90質量%以上である、項1~4のいずれかに記載の抗菌性皮膜処理液。
6.前記(C)有機金属化合物は、アルミニウムキレート化合物である、項1~5のいずれかに記載の抗菌性皮膜処理液。
7.前記(E)有機溶剤は、極性溶剤である、項1~6のいずれかに記載の抗菌性皮膜処理液。
8.抗菌性皮膜処理液を被処理面に付着させる工程1、及び、加熱処理する工程2を有する抗菌性皮膜処理方法であって、
前記抗菌性皮膜処理液は、
(A)アルコキシシランを側鎖に有する単位(a)、アンモニウム塩を側鎖に有する単位(b)、及び、疎水基を側鎖に有する単位(c)をを含む抗菌性ポリマー、
(B)アルコキシシリル基、アルコキシシリレン基、及びシロキサン結合からなる群より選択される少なくとも1種を有するケイ素化合物、
(C)有機金属化合物、
(D)水、及び
(E)有機溶剤
を含有する抗菌性皮膜処理液である、抗菌性皮膜処理方法。
9.項1~7のいずれかに記載の抗菌性皮膜処理液で皮膜を形成してなる物品。
【発明の効果】
【0010】
本発明の抗菌性皮膜処理液は、抗菌性及び硬化性に優れ、且つ、抗菌持続性及び耐水性に優れた抗菌性皮膜を形成することができる。また、本発明の抗菌性皮膜処理方法は、抗菌性及び硬化性に優れ、且つ、抗菌持続性及び耐水性に優れた抗菌性皮膜を形成することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

個人
粘着テープ
4か月前
ベック株式会社
被覆材
4か月前
ベック株式会社
被覆材
1か月前
ベック株式会社
水性被覆材
2か月前
ベック株式会社
水性被覆材
2か月前
ベック株式会社
被膜形成方法
19日前
ぺんてる株式会社
固形描画材
4か月前
アイカ工業株式会社
パテ組成物
4か月前
関西ペイント株式会社
塗料組成物
18日前
株式会社リコー
インクセット
2か月前
ぺんてる株式会社
水性インキ組成物
3か月前
ぺんてる株式会社
水性インキ組成物
1か月前
株式会社エフコンサルタント
被覆材
3か月前
東ソー株式会社
ゴム用接着性改質剤
2か月前
artience株式会社
印刷インキ
2か月前
東亞合成株式会社
硬化型接着剤組成物
2か月前
シヤチハタ株式会社
油性インキ組成物
12日前
東亞合成株式会社
硬化型接着剤組成物
2か月前
アイカ工業株式会社
ホットメルト組成物
2か月前
JNC株式会社
光硬化型導電性ペースト
2か月前
アイカ工業株式会社
光硬化型圧着組成物
7日前
AGC株式会社
液状組成物
27日前
マクセル株式会社
粘着テープ
24日前
株式会社フェクト
透明防錆塗料
2か月前
花王株式会社
レオロジー改質剤
3か月前
ハニー化成株式会社
防反射処理剤
1か月前
個人
レンズ用防曇剤
3か月前
旭化成株式会社
包装材
3か月前
ダイキン工業株式会社
組成物
3日前
日東電工株式会社
粘着シート
2か月前
アイカ工業株式会社
ポリマー被覆粒子の製造方法
1か月前
ダイキン工業株式会社
組成物
3日前
ダイキン工業株式会社
耐油剤
20日前
花王株式会社
液状レオロジー改質剤
3か月前
artience株式会社
粘着剤及び粘着シート
1か月前
ダイキン工業株式会社
耐油剤
24日前
続きを見る