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公開番号2025111035
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-30
出願番号2024005174
出願日2024-01-17
発明の名称空間多重光受信機、空間多重光伝送システム、空間多重光受信方法、及びプログラム
出願人日本電気株式会社
代理人個人
主分類H04J 14/00 20060101AFI20250723BHJP(電気通信技術)
要約【課題】空間多重光伝送システムにおいて、受信機のコストを低減させることを可能にする。
【解決手段】空間多重光受信機は、空間多重されて伝送された複数のモードの信号のそれぞれを、モードごとに独立した連続波光を局部発振器光として用いてコヒーレント受信する複数のコヒーレント受信機と、コヒーレント受信された複数のモードの信号のそれぞれに対し、モードごとに独立して、既知のトレーニング信号と各モードの信号との相関に基づく周波数オフセット補償を行う複数の周波数オフセット補償器と、周波数オフセット補償器において周波数オフセット補償が行われた複数のモードの信号に対して、MIMO信号処理を実施するMIMO信号処理部とを含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
空間多重されて伝送された複数のモードの信号のそれぞれを、モードごとに独立した連続波光を局部発振器光として用いてコヒーレント受信する複数のコヒーレント受信機と、
前記コヒーレント受信された複数のモードの信号のそれぞれに対し、モードごとに独立して、既知のトレーニング信号と各モードの信号との相関に基づく周波数オフセット補償を行う複数の周波数オフセット補償器と、
前記周波数オフセット補償器において前記周波数オフセット補償が行われた複数のモードの信号に対して、multi-input multi-output(MIMO)信号処理を実施するMIMO信号処理部とを備える空間多重光受信機。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記周波数オフセット補償器は、複数の周波数オフセット量のそれぞれについて、各周波数オフセット量に対応する位相回転を前記コヒーレント受信された信号に与え、前記位相回転が与えられた信号と前記トレーニング信号との相互相関を計算し、前記相互相関のピークの強度に基づいて、周波数オフセット補償量を決定する、請求項1に記載の空間多重光受信機。
【請求項3】
前記周波数オフセット補償器は、所定の掃引範囲において前記周波数オフセット量を変化させつつ、各周波数オフセット量に対応する位相回転を前記コヒーレント受信された信号に与える、請求項2に記載の空間多重光受信機。
【請求項4】
前記周波数オフセット補償器は、前記複数のモードのそれぞれに対応して、
前記周波数オフセット量を制御する周波数オフセット制御部と、
前記コヒーレント受信された信号に対して、前記周波数オフセット制御部から出力される前記周波数オフセット量に対応する位相回転を与える位相回転器と、
前記位相回転器が出力する信号と、前記トレーニング信号との相互相関を計算する相互相関計算部と、
前記計算された相互相関におけるピークの強度を検出するピーク強度検出部とを有する、請求項2又は3に記載の空間多重光受信機。
【請求項5】
前記周波数オフセット制御部は、複数の周波数オフセット量を前記位相回転器に出力し、
前記ピーク強度検出部は、前記複数の周波数オフセット量のそれぞれについて、前記計算された相互相関におけるピークの強度を検出し、
前記周波数オフセット制御部は、前記複数の周波数オフセット量のそれぞれについて検出された前記ピークの強度に基づいて周波数オフセット補償量を決定し、前記周波数オフセット補償量として決定した周波数オフセット量を前記位相回転器に出力する、請求項4に記載の空間多重光受信機。
【請求項6】
前記周波数オフセット補償器は、前記周波数オフセット補償量が決定された後、前記相互相関計算部で計算される前記相互相関に対してピーク位置を検出するピーク位置検出部と、
前記周波数オフセット補償器は、前記複数のモードのそれぞれにおいて計算された前記相互相関を平均化するする平均化部とを更に有し、
前記ピーク位置検出部は、前記平均化された前記相互相関におけるピークの位置を検出する、請求項5に記載の空間多重光受信機。
【請求項7】
前記モードごとに独立した連続波光は、モードごとに独立して配置されるレーザ光源から前記コヒーレント受信機に供給される、請求項1から3の何れか1項に記載の空間多重光受信機。
【請求項8】
請求項1から3の何れか1項に記載の空間多重光受信機を含む受信機と、
前記複数のモードの信号を伝送路を介して前記受信機に送信する送信機とを備える空間多重光伝送システム。
【請求項9】
空間多重されて伝送された複数のモードの信号のそれぞれを、モードごとに独立した連続波光を局部発振器光として用いてコヒーレント受信し、
前記コヒーレント受信された複数のモードの信号のそれぞれに対し、モードごとに独立して、既知のトレーニング信号と各モードの信号との相関に基づく周波数オフセット補償を行い、
前記周波数オフセット補償が行われた複数のモードの信号に対して、multi-input multi-output(MIMO)信号処理を実施することを有する空間多重光受信方法。
【請求項10】
モードごとに独立した連続波光を局部発振器光として用いてコヒーレント受信された、空間多重されて伝送された複数のモードの信号のそれぞれのそれぞれに対し、モードごとに独立して、既知のトレーニング信号と各モードの信号との相関に基づく周波数オフセット補償を行い、
前記周波数オフセット補償が行われた複数のモードの信号に対して、multi-input multi-output(MIMO)信号処理を実施することを含む処理をプロセッサに実行させるためのプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、空間多重光受信機、空間多重光伝送システム、空間多重光受信方法、及びプログラムに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
シングルモードファイバ(SMF:Single-Mode Fiber)を用いた光ファイバ通信は、非線形効果やファイバヒューズ現象に起因して、信号の信号対雑音比(SNR:Signal to Noise Ratio)を無制限に上昇させることができない。このため、光ファイバ通信の大容量化に限界があることが知られている。この大容量化の限界を打破する技術の一つとして、光ファイバ中の空間の自由度を活用して信号を多重する空間多重伝送技術が、近年活発に検討されている。
【0003】
空間多重伝送技術を用いた空間多重光伝送システムは、空間チャネル間の結合の大きさに応じて、2つに大別される。1つは、空間チャネル間の結合が小さい非結合型のシステムであり、もう1つは、結合型のシステムである。非結合型のシステムでは、SMF光伝送システムに向けた既存の光送受信機がそのまま使用できる。ただし、一般的に空間チャネルの密度と、空間チャネル間の結合の大きさとはトレードオフの関係がある。このため、非結合型のシステムによって実現される空間多重数には限界がある。
【0004】
一方、結合型のシステムでは、空間チャネル間の結合が許容される。通常、空間チャネル間の結合は、受信側でのMulti-input multi-output(MIMO)信号処理により補償される。結合型のシステムでは、MIMO信号処理を用いた光受信機が必要となるものの、より大きな空間チャネルの密度、すなわち光ファイバあたりの大伝送容量化が達成される。ここでは、結合型の空間多重光伝送システムについて扱う。
【0005】
図11は、非特許文献1に記載される結合型の空間多重光伝送システムの構成を単純化した構成を示す。ここでは、一例として、2コアの結合型マルチコアファイバが用いられる空間多重光伝送システムを取り上げる。このような空間多重光伝送システムでは、2つの偏波と、2つの空間チャネル(コア)とを合計して、4つのモードで光信号が伝送される。
【0006】
符号化部211は、送信データを符号化し、送信データを所定の変調フォーマットの信号に変換する。予等化部212は、変換された送信データに対して、送信機内の歪みを補償する予等化を実施する。Digital-analog converter(DAC)213は、予等化されたデータを、デジタル信号からアナログ電気信号に変換する。一般的なコヒーレント光伝送システムでは、同相(I:in-phase)成分、及び直交位相(Q:quadrature)成分を持つ変調フォーマットが採用される。このため、DCA213は、モードごとにI成分及びQ成分の2つのアナログ電気信号を出力する。図11では、簡略化のために、各モードのI成分及びQ成分の信号を、一本の線で表している。
【0007】
レーザ光源であるLaser Diode(LD)215は、連続波(CW:continuous-wave)光を出力する。光増幅器216は、CW光を増幅する。光カプラ217は、増幅されたCW光を、光変調器214に出力する。光変調器214は、モードごとに、光カプラ217から入力されるCW光を、DAC213から出力されるアナログ電気信号で変調し、光信号を生成する。モードごとに生成された光信号は、fan-in fan-out(FIFO)デバイス218を用いて、マルチコアファイバ伝送路230に送出される。マルチコアファイバ伝送路230は、例えば、結合型2コアファイバであるマルチコア光ファイバ231と、2コア光増幅器232とを含む。
【0008】
光受信機250は、マルチコアファイバ伝送路230を介して、光送信機210から送信された光信号を受信する。光受信機250において、FIFOデバイス251は、受信された光信号を、モードごとに分離する。FIFOデバイス251は、分離したモードごとの光信号を、モードごとに配置されるコヒーレント受信機252に出力する。光信号は、一般的には、空間チャネル、すなわちコアごとに分離される。図11では、簡略化のために、コアごと、及び偏波ごとに光信号が分離されるものとしている。
【0009】
LD253は、CW光を出力する。光増幅器254は、CW光を増幅する。光カプラ255は、増幅されたCW光を、コヒーレント受信機252に出力する。コヒーレント受信機252は、モードごとに、光カプラ217から入力されるCW光を用いて、FIFOデバイス251で分離された光信号をコヒーレント受信する。ADC256は、コヒーレント受信された信号を、デジタル信号に変換する。
【0010】
光受信機250は、デジタル領域に変換された信号に対して、モードごとに、共通の静的な歪み補償を行う。ここでは、静的な歪み補償として、波長分散補償(CDC:chromatic dispersion compensation)を考える。CDCフィルタ257は、コヒーレント受信された信号に対して、波長分散補償を行う。
(【0011】以降は省略されています)

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